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6月の進捗状況 [めぎ家改装中]

今日はめぎ家のリビング床の張替えプロジェクトの進捗状況を。改装工事を始めて最初の一か月のお話はこちらをどうぞ。

リビングの約9分の1の床をやっと綺麗にして、次の部分に取り掛かったのは6月初め。
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何をしているかというと、リノリウムという床に敷かれていたマットの接着剤を剥がす作業。濡らしておくと簡単に剥がれるところと…
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熱を当てないと剥がれないところとがある。
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うちのドイツ人は暇を見つけては、というか、仕事の合間に休憩がてら作業をするという感じで地道に剥がしていっていた。
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こんな作業はさすがにプロに頼むというコメントが前回の記事に多かったが、残念ながら今のドイツではこれをもし業者に頼んだら多分いい加減にやっつけ仕事をされてしまうだろう。こういう作業をする人たちのほとんどが外国人労働者で、彼らは気のいい人たちだけど、作業の質という意味では昔のマイスター制度の面影はほとんど無いのだ。恐らくこのリノリウムを剥がさずに適当にこの上に新たにコンクリートを流し込んで見えなくして、その上に新しい板を張り付けてしまうに違いない。もちろん素晴らしいプロやマイスターは今もいて、相当なお金を払えば綺麗に剥がしてくれるかもしれないが…まあ100万円とか1000万円とかを改装につぎ込む余裕があれば、そういうプロにお願いするという手もあるだろうけどね…うちはそんな余裕はないわけで。それに、この賃貸ボロアパートにそれだけのお金をつぎ込んで改装するのは釣り合わないし(ドイツは賃貸でも部屋の改装…壁紙の張替えやペンキ塗り、新たな配線、床の張替え等…は許されている)。

先日ハンブルクの友人夫婦が娘夫婦と孫のうちに遊びに行くとかで数日留守にする間にフローリングのやすり掛けと新たなニス塗りを業者に2000ユーロ(約17万円)で頼んだそうだが、帰宅してみたらきちんとやすりがかかっていないばかりかニスもムラだらけ、壁に機械をぶつけた傷アリで、散々だったという(もちろんクレームが認められてやり直しになるそうだが、そのためにはまた留守にしてやってもらって仕上がりを見て、というのを繰り返さなければならない)。めぎ家は同じ2000ユーロで板やらの資材を買い、あとは全て自分で手作業。その方が絶対的に仕上がりが綺麗になる、というか、失敗しても自分の責任なので諦めも付くのだ。余談だが、新たに買ったZ6はレンズ込みで同じく2000ユーロなわけで、このカメラ&レンズはこの板&作業と同じぐらいか~としみじみ眺めてしまったわ…

そして6月中旬には…
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3分の1が終わった!お湯循環式の暖房はとりあえずそのままに。
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それからまた下塗り。これをしないと足が真っ赤になっちゃうからね。
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顕わになった床の歴史。その昔はここに暖房が設置されていたのではないかしらね。
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さて、うちのドイツ人は次のエリアに取り掛かった。例によってまずこのLaminat(簡単にフローリングができる薄い木材)を剥がし…
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下に敷かれた汚いカーペットとその下に敷かれたリノリウム(黒いマット)をさらに剥がすと…(左奥にあるのはテレビ。)
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その下の赤いEstrich(コンクリートの一種)に貼りついた接着剤とリノリウムがこんなに…。
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↑うちのドイツ人が履いているのは軍足。もう何年も前に友人からプレゼントされ、それが気に入ったのでそれ以来ずっとめぎが定期的に日本から買い入れているLLサイズ。

うちのドイツ人はこのリノリウムの残骸を大陸に見立てて、朝鮮半島が、海南島が、バイカル湖が消える、などと言いながら剥がしていた。
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カスピ海ぐらいまで来たかしらね…みんな紅海に吞まれていったわ…
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そして、景気づけに板を並べて遊んでいた。こうなるんだね~♪と。子どもが積み木で遊ぶみたいだわ。
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そして、6月最後の週末、下塗りを終えた。リビング全体の9分の4が終了。
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2つあるソファーのうちの1つは使っていない部屋へ避難。
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一応まだソファー1つとテレビをリビングに残し、もうしばらくは土曜日の夜にオペラかコンサートの番組を見たり、日曜日の昼にマウスの番組を見るのに使うつもり。めぎ家はそれ以外にテレビを見ないので、リビングがこの状態でも不自由がない(ニュースはラジオかネットで、ドキュメンタリーなどはネットのオンデマンドでそれぞれ自分のPCで見る)。
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そしてまた剥がして…
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始まった…
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さて、次の1か月でどこまで行くかな~うちのドイツ人はもう秋ではなくクリスマスまでを目標としているが、さてさて…
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実は… [カメラのこと]

あああやっぱりやっちまったぜ~ということが起きた。と言うか、起こしてしまった。
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また新しいカメラを買ってしまったのだ。と言っても夏休みに入ってからではなく、4週間前のことだけど。上の写真は初撮影ではないが手に入れた日(6月初旬)の8枚目の撮影で、下のは次の日の撮影で344枚目である。
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買ったカメラは2018年11月発売のニコンのフルサイズミラーレスZ6で、F4通しの24-70mm標準ズームとSONYのXQDカード64GBがついているセット。発売当初から気になっていたものだが、当時は高くて高くてとても手が出なかった。そのお金があったら旅に出てしまってもいたし。それが1年半経ってそれなりに値段が下がってきて、かつコロナで旅もできなくなって予算もできたところに、ちょうどめぎがいつもカメラを買っている店が100周年で日替わりでセールをして、ある日そのセットがいつもより200ユーロほど安くなっていて、思わずポチってしまったのだった…音楽祭に行けないんだからカメラ買ってもいいでしょ、というような感じで。
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そうは言ってもまだ使える一眼レフカメラを持ってるし、今は買うべきではないというようなことを何度も思ったりした。また、買うのならもうちょっと上乗せしてライカCLとか、もっと安くパナソニックのGX7mk3とか、超軽いフルサイズのシグマfpとか色々候補はあった。なぜ最終的にやっぱりZ6を買ったかと言えば、まず、去年の11月に買ったAPS-CミラーレスのZ50がとても気に入って、その兄貴分のZ6がぜひ欲しいなあと思ってしまったこと。そして、ミラーレスのファインダーを覗いて部分をアップしてピント合わせするというのがとても便利で、その機能のない一眼レフが使いにくく感じるようになってしまったこと。この2つが大きいかな。一眼レフでも今時は液晶でその部分を大きくしてピント合わせするというのが可能だが、それは手持ちではキツイ。老眼にもキツイ。ファインダーで覗きながらピント合わせする部分を拡大できるというのはホント感動的に便利。
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Z6本体のみを買うのとかなり迷ったけど、迷っているうちに本体のみのセールは予定台数に達して終わってしまった。本当はボディと35㎜か50㎜の単焦点が欲しかったのだけど、その組み合わせのセールはなく(あってもFマウントレンズへのアダプター付きで、アダプターは持っているので要らないし)、単体で買うとXQDカードを入れて大きく予算オーバー。で、キット標準ズーム&XQDカード付きのセットが最もお得だったのだ。でもこのF4通しの標準ズーム、ネットで評判良かったけど、確かにとてもいい。
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実は既に、Z6で撮った写真をブログに載せている。その記事はこちらで、最後の猫ちゃんたち以外は全てZ6で撮ったものである。

ミラーレスは小さいというが、フルサイズはそれでもそこそこの大きさで、テーブルで気軽に撮るには正直なところちょっと大きい。自宅でならいいけど、レストランとかにはAPS-CのZ50で行くようになるのではないかなと思う。あ、これ、ごはん茶碗に入っているけど、中身はうちのドイツ人が作ったプディングとルバーブのコンポート。
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同時にZ50と撮って比べるなんてことはしていないので実際の写りの差があるのかないのか全然わからないのだが、フルサイズで撮るのってやっぱり夢があって楽しい。これはうちのドイツ人の作ったシチメンチョウのローストとめぎの用意したほうれん草のゴマ油いため。このフライパン、そのままオーブンに入れられるのでローストに便利みたい。
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あの貴族の私有地の庭園にも持って行ったし…
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日曜日の散歩にも持ち出した。
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めぎが初めて買ったフルサイズは一眼レフのD600(2012年発売)で、それに合わせて買ったのはF2.8通しの24-70mmだったのだが、それと比べて断然軽い。そして、センサーの世代の違いをひしひしと感じる。と言っても世の中には今でもD610(めぎのより一世代後)とかAPS-CのD40(2006年発売でめぎはその一世代後のD40xを使っていた)とかで素晴らしい写真を撮っている人がいて、フルサイズである必要もなければ新しいカメラを買う必要性も全くない。結局のところめぎは新し物好きということなのだろう。写真よりカメラ好きとも言えるのかもしれない。
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でもなんと言うか、Z6が単純に気に入った。それは、D600もそうだったのだが、撮れた写真に恋をしたという感じ。
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ドイツでは手に入れてから14日間は理由を問わず返却できるので、惚れて痘痕にエクボにならず、色々と撮って本当にこれが欲しいか、必要かどうか試してきた。なにしろセールとは言え結構なお値段がするのだから、妥協はしない。撮れた写真にこれだけ満足するならいいかな、とそのまま保持決定。するとちょうど14日間が過ぎた頃、ニコンがドイツでZのみのキャッシュバックサービスを始め、本体と目当ての単焦点もその対象となっていて、なんだ~今だったらもともと欲しかった組合わせで安く買えたわね、という事態になった...あーあそういうものなのよね。例年こちらでのキャッシュバックは11月から1月までだったから、油断したわ。で、やっぱりどうしても欲しくて、50㎜単焦点も買ってしまった。
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ま、このコロナの時期に有難いことにたまたま余剰があるのだから、日本の企業に投資しましょ。ニコン、生き延びてくれるといいな…オリンパスがカメラ事業を売却するというし。そういえば日本で多くの企業がボーナスカットというようなニュースを読んだが、めぎはもともとボーナスというもののない給料形態なので、収入に何の変化もないのがありがたいこと。州の職員としては、今後税収が減るだろうから、今後数年は給料アップがないだろうけれど。
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手元に届いてから4週間ほど経ったが、これまで撮ったのは1000枚ほど。そうそう、Z6のファインダー、ほんと見やすい。一眼レフを使ってきためぎに、違和感なし。びっくり。ミラーレスの弱点と言われてきた動体撮影も、めぎの使い方のレベルでは全く問題ない。なんとまあ、世の中の技術はこんなに発展していたのね。そして、軽いって楽だなあとホント思う。2台体制でも肩や腰が全く疲れない。さらに、小さいって便利だなあとも思う。フルサイズのカメラとレンズがこんなに小さくて、鞄の中のスペースという意味で持っていきやすい。そして何よりも、広角~標準も望遠もお気に入りのカメラで揃えられたというのが精神衛生上すごくいい。趣味なのだから好きなカメラで楽しめばいいのだ…夏休みだし、どこにも行けない分カメラで遊ぼう。あとはいい写真を撮るだけなんだけど、そこのところはやっぱり難しいのよねえ。
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喪失感 [小さな出来事]

今日は、「今日から夏休み」という土曜日をうちで過ごして、静かに心と向き合って思ったことをつらつらと。タイトルが暗いがブログにはあまりネガティブなことを書く趣味は無いので、今日だけ今の記録として。写真は撮りたての土曜日の撮影。
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朝目覚めて第一に感じたのは、喪失感だった。ああ、終わっちゃったなあ…それはまず、仲の良かった同僚との時間が終わったことへの寂しさだったと思う。あの人はこの夏休みが終わってももう学校に戻ってこないんだなあと。
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その人はめぎが今の学校に勤め始めてからの13年間ずっとそこにいたので、よき先輩としていつも相談に乗ってくれたし、学校のことを色々と教えてくれたのだった。いついつまでに何の資料を出さなきゃいけない、というようなときも、ドイツ語で出すその資料はどんな内容でどんな体裁であるべきかといったようなことをいち早く他の同僚から聞いて教えてくれたりして、どれほど助けてもらったか知れない。反対に、PCで資料を作るとか新しくアプリで教材を作るとかオンラインで授業をするとか、そういう技術的なことはめぎに軍配が上がり、あれこれ教えてあげたりしてずっと助け合ってやってきた。それが無くなるというのは、めぎにとっては本当に大きな喪失なのだ。
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その日が来ることは前からわかっていたことだったから、少しずつ心の準備をしてきていたのだけど、そしてその当日は色々と仕事もあったからそのことばかり考える暇もなくてあっという間に過ぎ去っていったけど、いざその日が終わって休みに入ると、ああ本当に終わっちゃったんだ…と途方に暮れた気分になった。
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そして、まだまだだけどいつかはめぎも同じく退職の日を迎えるんだなあということも、以前よりもう少し近いこととして実感した。ドイツの定年は67歳で、それまでまだ13年以上あるのだが、ここまでの13年を思うと今ほぼ折り返し地点にいるわけで、きっとあっという間なのだろうなと実感できる。
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喪失感のもう一つの大きな理由も、少しずつ掴めてきた。なんと言うか、今回の年度末は、やり遂げた感が全くないのだ。
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いつもだったら、一年間忙しくて夏休み前はもうボロボロで、息も絶え絶えに休みを迎え、だからこそ「やった!休みだ~~!」と心躍るのだが、コロナで何やかにや新しい試みがあって忙しかったとは言え、いつもよりずっと少ない授業時間数で、家にいることも多いこの3か月で、忙殺されたという感じは全くない。
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でも楽だったわけでもなく、慣れないことをいっぱいして気が張って疲れたという感じで、でもそれがまた次の年度にも続くかもっとひどくなるかしそうな予感で、喩え一時期通常に戻ってもいつまたロックダウンになるか、それどころか自分の職場がクラスターになるかも、下手すると自分も感染するかも、というようなリスクを常に抱えるわけで、先行き不透明でさらに慣れないことが続きそうな気がする。つまり、なんだかまだまだだらだら続く感じで今全く「やり遂げた」というような気分にはなれず、したがって休みを満喫する気分にもなれず、いつものように去年の夏からアパルトメントを予約し1月からチケットを取って準備していたザルツブルク音楽祭も中止になってしまったし、今まで毎年当然のように存在したサイクルが失われてしまった、という喪失感が大きいのだ。
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現在の状況下で、そういうのはぜいたくな悩みなのだろうと思う。仕事はあるし、収入も変わらないし、有難いことに日本の親も元気でこの状況下でどうしても日本に行かなきゃいけないということもなく、うちのドイツ人も元気だし、うちのドイツ人の母親も、亡くなった父親の奥さんも元気だし、仲の良い同僚が定年退職するだけであとは何も変わらず今まで築いた土壌の上でまた一年やっていけるわけで、自分の健康にだけ留意してやっていけばいいのだから。
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とにもかくにもめぎはこれから6週間の休みである。色々来年度の準備はあるが、それはいつもと同じことで、差し当たって急ぎの仕事もなく、うちでのんびり花を見ながら写真撮ってこうしてブログ書いたりできるわけで、この幸せに感謝しないとね。
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下の家では改装がまだまだ続いていて庭は物置状態だが、そこから伸びたユリが向かいのアパートのガレージの屋根の上で綺麗に咲き出した。
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そんなのを見ながら、この夏はバルコーニエンでのんびり致しましょ。
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綺麗な鳥さんが歌いにきてくれた。ドイツ語でStieglitz(ゴシキヒワ)という。可愛い鳴き声~♪そう、めぎのいる環境は本当に恵まれているのだ。何を憂うことがあろうか…この環境を楽しまないとね。せっかく夏休みなんだしね。
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