コンセント作り [うちのドイツ人のDIY]
バルコニー生活をもっと快適にするため(例えばフライアーをバルコニーで使うため)、コンセントを設置することに。
そういうとき、自分で工事してしまうのがドイツ人。うちのドイツ人も工具は一通り持っている。
場所はここにしましょ。屋根があってちょうど雨も当たらないし。
そういうとき、自分で工事してしまうのがドイツ人。うちのドイツ人も工具は一通り持っている。
場所はここにしましょ。屋根があってちょうど雨も当たらないし。
なんでも自分で修理するドイツ人 [うちのドイツ人のDIY]
これがなんなのか、分かる方はいらっしゃいます?
こんな風に組み立てていくと・・・
こうなる。
こちら側を見たら分かる方もいらっしゃるかしら。
これは、ドイツ語でZündverteiler(ツュントゥフェアタイラー)。点火を分配するもの、という意味だ。日本語で(英語で)、ディストリビィーターというらしい。シリンダーに入ったガスと空気がKolben(コルベン=ピストン)で圧縮されたところにバッテリーからの電気で点火してピストン運動させるとエンジンが動くわけだが、この機械はバッテリーの電圧を分配して点火させる装置らしい。その様子をめぎに説明したうちのドイツ人の絵がこちら。車のエンジンの横に取り付けられ、各シリンダーへ点火プラグが延びている。
こちらが点火プラグ(Zündkerze=ツュントゥケルツェ)。
このディストリビィーターが壊れたため、うちのドイツ人の車のエンジンがかからなくなった。車の修理工場に新品が税込みで720ユーロ、付け替え工事込みで800ユーロ以上と言われ、うちのドイツ人はなんと、スクラップ寸前の車を集めている廃棄場(Schrottplatz=シュロットプラッツ=くず鉄集積場!)から60ユーロで譲ってもらってきた。これを取り付け、正しく取り付けたかどうかは一応修理工場にチェックしてもらい、車は今また無事に走っております・・・ドイツ人のケチケチぶりにはすっかり慣れためぎも、これにはさすがに恐れ入った。
上の例よりはずいぶん初心者向けのケチケチ生活がこちら。
これは、うちにホームステイ中の学生さんの友達の苦学生(確かインドネシア人)の自転車。このブレーキとライトが壊れたということで、うちのドイツ人が修理。まずはこんな線を2ユーロくらいで買ってきて、それにオイルを塗り・・・
ハンドルへ取り付ける。
それからその線を下へ延ばし・・・
ここへ。
しっかり止めましょう。
ちなみにこの線の名前はZug=ツーク。つまり、列車のツークと同じ。Zugは引っぱるという意味のziehenという動詞からできた言葉だが、たしかにこの線も引っぱるものですねえ。
それからライトの発電機の取り付けを。
発電機はドイツ語でGenerator(ゲネラートア)だが、自転車用の発電機はDynamo(デュナモ)と呼ばれている。これ、日本語では普通なんと呼ぶんでしたっけ・・・?
この自転車、ほんとにSuzukiのなのかしら・・・
うちのドイツ人にとっては朝飯前の作業だったが、学生さんたちが「ほぉ~!!」と感動してくれたので、うちのドイツ人はご満悦だった♪
♪ おまけ ♪
写真多くて申し訳ないが、上の無味乾燥な写真の口直しに。
うちのバルコニーからは、時にはこんな夕焼けを楽しむこともできる。
今晩はちょっと蒸し暑い・・・寝苦しいけれど、やっぱりもうしばらく暑い日を楽しめますように。(毎日同じこと言ってますね~)
ハーブの棚 [うちのドイツ人のDIY]
うちのドイツ人が、木を購入してきてなにやら作り始めた。
貼り付けたり穴を開けたり。
ハーブを置いている棚がいっぱいで、料理しながら必要なハーブを探し出すのが面倒なので棚を作ることにしたんですって。
棚の形になったところでヤスリがけ。
こういう道具も、日曜大工用のつなぎも、たいていのものは何でも持っている彼は、いつか日本で古い日本家屋を手に入れて自分で修理して住むのが夢だとか。
出来上がった棚には、ハーブがずらり。
もともとあった棚も風通しがよくなった。(以前 → 今)
ハーブがパッと見てすぐに取り出せて、料理しやすくなった♪ でもうちのドイツ人は、棚が若干高すぎて、右にある調理器具をかけている棒と棚とが一直線にならなかったのが気に入らないみたい。そのうちに棚を取り付けし直すんですって。
学生さんの新しい住まい [うちのドイツ人のDIY]
うちに春から夏のはじめにかけてホームステイしていた学生さんは、その後休暇で留守の学生の部屋を又借りしながら部屋探しを続け、ようやく予算と場所と間取りの気に入った物件を見つけてお引っ越し。ちょっと訪ねてみましょ♪
エレベーター無しの7階まで、えっちらおっちらのぼると・・・
朝顔がまだ咲いてました♪
あまり知られていないことだが(とは言えめぎはもう何度かブログに書いたことだが)、普通、ドイツの借家物件にはキッチンがついていない(ええっなんで!?と思った方は、記事最後の説明をどうぞ)。キッチンがついているとしたら、それは外国人が入居することを想定した物件で、数は少ないし、割高=留学生には高すぎて借りられない。机やランプ、本棚などに加え、キッチンを買い揃えなくちゃ。さて、どうするか。
この部屋の元住人は就職して外国へ行っちゃうのでお金は欲しいし家財道具はいらないしということで、学生さんはその人からキッチンや主な家具など安価で購入し、そのままの状態で譲り受けた。つまり、このシステムキッチンは今や彼女の所有物。いくらで譲り受けたのか聞かなかったけど、学生の売買だから100~200ユーロとかじゃないかしら?こんな立派なキッチンですよ~冷蔵庫も洗濯機もオーブンもついててよかったね。
お部屋も拝見・・・ベッドも棚も全部そのまま引き取ったらしい。
あ、めぎとうちのドイツ人がいましたわ♪
この日お邪魔したのは、玄関の鍵を取り替えるため。もう何人もここに住んだことがある古い住宅なのに、鍵はそのまま。うちのドイツ人が念のため鍵を替えようと言いだし、自分で取り付け。鍵ってこんな風になってるんですね~
この古い鍵はこのままとっておいて、学生さんがいつかここを出るときに元に戻す。賃貸物件は、元通りにして解約するのがドイツ。自分で開けた穴なども元通り塞ぐ。この物件の場合は、前に借りていた人から元通りに直す作業を引き継ぐ形で契約しているから、学生さんは前の住人の分まで元通りにしなきゃならない。ものすごく大変な作業だけど、その代わり敷金が全て戻ってくる。礼金のシステムはドイツにはないし、ドイツの引越ってお金はあんまりかからない。ただ、膨大な時間と労力がかかるだけ。
ドイツでは普通、引越祝いにパンと塩をプレゼントする。パンと塩は伝統的に富と繁栄の象徴だったので。最近はお花など持っていくことが多いけど、うちからは新しい鍵をお祝い代わりに。そういえばめぎが昔引っ越ししたとき、こちらで知り合った韓国人の友人が洗濯洗剤を持ってきた。韓国では「火消し」の意味で、引っ越すと洗濯洗剤を送る風習があるんですって。
屋根裏部屋ってステキ~
ドイツで部屋を借りる・・・それも、大学寮や下宿ではなくて、普通のドイツ人のように部屋を借りる・・・それは2年契約をするということ・・・それは、少なくとも2年はここに住むと決心して契約書にサインすること。途中で出ていく場合は自分の契約をそのまま引き継いでくれる人を捜さなければならない。外国人にとって、それも定収入のない私費留学生にとって、そのハードルはかなり高い。まして、システムキッチン買い取ってしまって、もし日本へ帰国するとしたらキッチンを処分しなくては。どれほどの大きな決断だったか、想像していただけます?そういう大きな決心をして大きな一歩を踏み出した学生さんに、めぎは心から拍手を送りたい。
こんな広々見渡せる景色があったら、なんとか頑張れそうね♪
彼女の人生はまだまだこれから。住まいを整えるのはその第一歩。いい部屋が見つかってよかったね。
♪ ドイツのキッチン無し賃貸事情をご説明 ♪
ドイツ人にとってシステムキッチンは、他の家具と同様、個人の持ち物。うちのドイツ人のキッチンを見て分かるように、こちらの人にとってキッチンは自分の趣味で作ったり作らせたりなどして揃えるもの。だから、普通借家を見に行くと、台所には工事中かと思うようながらんとした何もない真っ白な空間に水道管や電気コンロのための電線等がむき出しになっているだけ。ちなみに天井からも電気を取り付けるための電線がべろんとぶら下がっていたりして、予め備え付けてあるのはトイレと洗面台とバスタブまたはシャワーのみ。床も張っていないことさえある。そこに自分のキッチンを取り付け、自分の趣味で壁に色を塗り、自分で電気を取り付け、自分で床を張ったりカーペットを買って敷いたりし、自分の家具と合うような好みの空間に仕立てていく。つまり、普通の家具を据え付ける前にすることがたくさんある。それがドイツの引越。
これはめぎが以前引越したときの様子。中古で400ユーロで買い取ったシステムキッチン(大きな冷凍冷蔵庫、オーブン、食器洗浄機つき)をこのように設置していき、裸電球もその後ちゃんとした電気に付け替えた。
これはうちのドイツ人が廊下に自分で床を張っているところ。この床はIKEAで買ったもの。廊下が微妙に歪んだ四角形をしているので、パーツをただ並べるというわけにはいかず、斜めに切って組み合わせ。
借家の契約書には、借りるときの元の状態がハッキリと記されている。その通りに戻せば敷金が全額戻ってくるので、たいていのドイツ人は全部自分で元通りにする。引越は、まず新しい部屋の壁に自分好みの色を塗ったり電気を取り付けたりしたあとそこへ荷物を運び入れ、もといた部屋を綺麗に元通りに戻し、それから新しい部屋のキッチンや家具などの取り付けが始まり・・・と、マトモに住めるようになるのに何日も。ドイツの引越は本当に手間と労力がかかる。もちろん、後始末やキッチン取り付けを業者に頼むことも可能だが、たいていのドイツ人は自分で行い、または友達に頼んでいる。この作業に関してはお互い様なので、特に謝礼なども支払わないことが多い。
めぎ家も引っ越ししたいと考え始めてもう6年近く。だって、引っ越すこと考えただけで億劫になるんですもの・・・
古本の修理 [うちのドイツ人のDIY]
これは、うちのドイツ人愛用の料理書。
とうとうバラバラになっちゃった・・・
本を修理に出すと結構なお金がかかる。そこそこ満足のいくものに仕上げようと思うと100ユーロ(1万円以上)は飛ぶし、この本がそこまでの価値があるかという問題になってくる。そこで、うちのドイツ人は自分で修理する道を選んだ。図書館から製本の仕方の本を借りてきて・・・
本の仕組みをお勉強。
必要な材料のページは色とりどりでなんだか楽しくなってくる♪
実際の作業は非常にゆっくりで、非常に地味。
ゆっくりとゆっくりと、たぶん2時間くらいかけて少しずつ剥がしていった。
数日後には表紙の修理がほぼ終わっていた。
剥がれかけていた角も補強。
そのまた数日後には、こんなテープが貼られてた。
修理中の本が製本された頃にはなかったこのテープ。今はどんな本にも使われているみたいね。こうやって作ることもできるみたいだけど、うちのドイツ人は出来上がったテープを買ってきていた。
これから表紙の裏に厚紙ををくっつける作業。
入念に大きさを測って・・・
丁寧に切って・・・
糊をつけて貼り合わせる。
それからページの端っこに糊をつけ・・・
剥がれていた一枚を貼り付ける。
そして、プレス。
こんな作業を表裏繰り返し、出来上がり♪
あのテープも綺麗に張り付いてるし、紙も綺麗に。
この本、中身は亀の子文字。例えば、Suppen(ズッペン=スープの複数形)って、読めます?Bのところ。
ここがSuppenのページ。スープのページの1番はFleischsuppen(肉のスープ)。その下にはAllgemeine Regeln beim Kochen der Fleischbrühe (肉のスープを作る際の一般的規則、つまり肉の出汁の取り方の基礎)が続き、その下にはSuppentopf、つまりどういう鍋を使うべきかが書かれている。
亀の子文字は、ドイツ語を第2外国語で2年間やったことのある人なら、2時間くらい頑張って解読に取り組めば読めるようになる。これが読めるとドイツ語の古い本が読めてとっても楽しい。この料理の本は、他のどんな新しい料理本より面白い。なにしろスープ鍋はスープ専用であるべきだとか、鍋は密閉式のがいいとか、出汁にする肉は新鮮であるべきだとか、肉のどの部位を使ってどのように出汁をとるかとか、塩はどのタイミングでどのくらい入れるかとか、それはなぜかとか、野菜の出汁もとるならセロリやハーブをどう入れてどのくらい煮るかとか、出汁の取り方だけでぎっしり4ページも費やされている。まだなんでも手作りだった頃の素朴な、自然の恵みを存分に生かした料理とその作り方はとってもあたたかい。よき家庭の主婦が知っておくべき教養書の役割も果たしており、実用書でありながらもどこか学術書のような感じで、19世紀後半の古き良き時代が目の前に蘇ってくるような気がする。
試行錯誤はあったもののこうして無事完成したことで喜びを感じたのか、うちのドイツ人は次なる修理の本に取りかかる模様・・・この人、職替えした方がいいんじゃないかしら。
台を作る [うちのドイツ人のDIY]
ここは、うちのドイツ人の仕事部屋。
以前rinoさんからいただいた植物たち、元気です♪
小さなキッチンも付いているのだが、その横の窓辺の台が・・・
よく見るとすごく傾いていること、わかります?横にも縦にも斜めにも。
それで、ここの台を新しくすることにしたうちのドイツ人。まず台にする板を用意し・・・
台を剥がしちゃった。
板をさし込むところも。
数日後には板が挿入設置されていた。
下が斜めなので、橋桁みたいなのの長さ(高さ)が少しずつ違う。隙間にはスプレーすればアワアワが出てきてそれが発泡スチロールになるのを使っていた。
板をはめ込んだところはこういう風に修復。
そのまた数日後には、暖房器具を外して隙間に詰め込んだ発泡スチロールを綺麗に切り落とし・・・
壁を塗り直し・・・
完成♪
以前作った棚も、汚れたのをヤスリがけしてニスを塗り直していた。
この他、カーテンも洗い直し、スッキリした模様。気持ちよく仕事できるといいね。
本を作る [うちのドイツ人のDIY]
ここはうちのドイツ人の書斎。
印刷しているのは彼の父親の写真とそれに添えた詩など。
先日もちらっと書いたように、12月29日、うちのドイツ人の父親が傘寿の誕生日を迎えた。何を贈ろうか・・・それはうちのドイツ人にとって2010年の大きなテーマだった。何か買おうにも、父親は必要なものは何でも持ってるし、80年という節目にお金で買えるものを贈るのは味気なくつまらない気がしたのだ。
あれこれ考えていたときに、うちのドイツ人の母親の方からたまたま戦争中の写真や母方のルーツの曾祖父などの写真が送られてきて(母親についてはこちらをどうぞ)、それをスキャンするついでに昔の写真の整理をしているうちに、そうだ、父親の一生をまとめた写真集はどうか、と思いついた。波瀾万丈の青年時代を過ごした父親。ドイツの東側で生まれ、戦争の末期にまだ14歳くらいだったのに兵隊にとられ、戦後はベルリンの壁が作られる少し前に父親と二人でベルリンから西側へ逃れ、そのため家族と東西ドイツに離ればなれとなった。2度離婚し、3回目の結婚をしたのが26年前。ちなみにうちのドイツ人は最初の奥さんの子供である。職業はオペラ歌手で、ハンブルクの国立オペラ座に所属し、ヨーロッパ中はもとよりソ連、日本、アメリカ、カナダ、さらにイスラエルなどへも公演に回ったことがあるという。ドミンゴなどと一緒にステージに立っていた世代であり、現役を引退してからもう20年。華やかなステージの世界と、戦争と東西分裂の暗闇を背負った、非常に魅力ある人物だ。
写真選びをしていたらイメージがどんどん広がり、文学作品やオペラのフレーズなどを会話の中で引用したり、韻を踏むなどの言葉遊びをしたり、わざと方言を使って面白く皮肉を言ったりするのが上手で大好きな父親のいろいろな言葉か思い出され、写真と彼がよく口にした言葉をまとめることにした。
今はコンピューターで本が執筆でき、挿絵ならぬ写真もスキャンしてデータとして貼り付けることができ、それを本にできるように印刷することも可能。なんと便利な世の中になったんでしょ。
こうして折りたたんで8枚ずつ綴じたのを重ねると本になる。
写真選びからスキャン、父親の言葉を思い出して書き留めてここまでくるのに、3ヶ月くらいかかったかしら。自分自身の人生と重ね合わせたり色々思い出して感情的になったりもするから、結構精神的にしんどい作業だったようだ。
本を書く作業が終わったところで普通は製本に出すわけだが、うちのドイツ人は数ヶ月前に古い本の表紙の修理を自分で行って製本にすっかり目覚めていたので(その話はこちらをどうぞ)、それも自分でやることに。プレゼント用と自分用に2冊作り、まずは自分用で試作品を作り、それでノウハウを集めていた。プレゼント用、つまり本番用の製本に取りかかったのがたしか12月23日頃。クリスマス休みに入り、すっかり冬休みの工作気分。この辺りから仕事場はうちで一番明るい食卓テーブルへ。
こうして穴を開けて・・・
糸を通し・・・
結んだところをマニキュアで固める。
めぎが15年くらい前に買ったマニキュアがこんなところで役に立つなんて・・・何でもとっておくものだわね。糸は撚糸なんだって。
全部糸を通し終わり・・・
こうして固定して・・・
こんな風に5刷を綴じていく。
これを5刷分繰り返し・・・
またマニキュアで固定。
それを糸を通した穴の分繰り返し、綴じ終わり。
この上にガーゼを乗せて・・・
のりをつけていく。
それからこんな金色を・・・
綴じているところ以外の3面につけていく。
これで本の中身ができあがり。こうやって本を作るというのは見ているこちらもわくわくする。うちのドイツ人はこの作業を本当に丁寧に、妥協を許さず、でもとっても楽しげに創意工夫を重ねてやっていて、途中から父親のためというよりは自分のためにやっているようだった。それを見ながら、プレゼントというのは贈る相手のことを想うことに加え、なにより自分が楽しんで満足することが大事なんだな、と気づいためぎだった。義務だけじゃプレゼントしても楽しくないし、相手にも心が伝わらないだろうから。
明日は製本の様子を。
製本とできあがり [うちのドイツ人のDIY]
今日の話は昨日の続き。傘寿になる父親へのプレゼントに父親の言葉を綴って写真集を作っているところ。昨日は印刷した紙を綴じた話で、本日は製本編。
表紙の一部に使う皮をのばしているところ。
これは四隅に使う部分。
こんな風に貼り付ける。貼り付けるときもヘラみたいなので皮を丁寧にのばしていた。そういうのは動画にでもしないとなかなか伝わらないけれど、この一つ一つの作業をそこまで丁寧にするのかと思うほどで、でもそのおかげで試作品と本番とでは仕上がりにずいぶん差が出ていた。
そして、いちいちしっかりプレス。
四隅が終わったところで背表紙を貼り付け、真ん中を細い棒をつけてプレスして丸くしていた。これはできあがったところ。
裏側はこうなっている。ここに本のガーゼを貼り付けた背をくっつける仕組み。
くっつける前に、表紙を完成させる。表紙は全部が皮ではなく、布も使用。
これに本の中身を挟み・・・
ガーゼを表紙の裏にくっつけて・・・
本の中身が本に固定されたところで・・・
もう一度プレスして表紙が開いた状態なのを閉じる。
こうしてできあがった本は、作家が父親名になっている。父親の言葉を綴ったものだから。
裏表紙も綺麗に貼り付けられていて・・・
最初にショーペンハウアーの引用が。ショーペンハウアーは19世紀前半の思想家で、ニーチェやトーマス・マンやフロイトやユングなど著名な思想家や作家に多大な影響を与えた人物。うちのドイツ人はショーペンハウアーの思想はともかくその言葉の巧みさ・すばらしさに心酔している。学者でもないのにショーペンハウアーがさらっと読めちゃって、その言葉のおもしろさを話題にできちゃうところが、うちのドイツ人一家の奥深さ。ショーペンハウアーに興味のある方はこちらをどうぞ。
本の中身をちょこっとご紹介。これはうちのドイツ人の祖父母と父親兄弟。祖父に抱かれているのが父親。
父親の子供の頃。
1946年ってことは、16歳ね。
うちのドイツ人が子供の時。
うちのドイツ人がオペラ座で子役で歌っていたとき。そう、彼も子供の頃は教会の聖歌隊に属し、オペラにも出ていたのだ。カルメンや魔笛などは100回以上は舞台を踏んでいるそうで、歌詞などすっかり暗記している。これは1968年のトスカ公演の時の写真。めぎもこの頃にはもう生まれていたんだけど・・・まったくもって、育った環境の何という大きな違いかしら。「セロリ」どころじゃないわね。
そして、めぎが写した写真も使ってくれたの♪
一緒に写っているドイツ語は、ただ訳しただけでは何が何だかわからない。これを理解するにはそのお話を知っていたり、そのオペラを知っていたり、その文化的背景を知っていたり、その方言を話す地域を知っていたり・・・と様々な知識や経験が必要で、めぎが読んでも説明を受けない限り何が面白いのか何がどう皮肉なのかちんぷんかんぷんだ。
この全行程を見ているうちに、めぎが一枚添えるものを思いついた。めぎの言葉で歌を詠み、習ったこともないので自己流で思いっきりへたくそだけど筆で書き、たまたま知人にいただいた紋切り型で松ぼっくりの切り絵を作って貼り付け、めぎのはんこを押したもの。これを本に合わせてうちのドイツ人に切ってもらって、栞のように挟み込んだ。
父来ぬる 跡をたどりつ 言の葉に 想ひ重ねむ 傘寿の宴
全身全霊を込めて作り上げた本は、これを手に取る人の涙を誘わずにはいられない。試作品をあとから見せてもらった元学生さんもページをめくりながら泣いてたし、元旦にお招きしためぎの大学の後輩もじっと見入っていた。なにより、父親自身が涙を見せた瞬間を、めぎは一生忘れないだろう。
タイル貼り替え [うちのドイツ人のDIY]
しばらく前の萬中さんのリクエストにお応えし、今日は久々にうちのドイツ人のDIYのお話を。せっかくなのでカテゴリーも新しく。
ここはうちのドイツ人の仕事部屋。
その部屋には小さなキッチンとシャワーやトイレがついているのだが、洗面所の下の部分のタイルが小さな茶色い古いので(40年くらい前によくお風呂の床に使われていたような感じの丸い小さなタイル)、それが長いことうちのドイツ人の気に入らなかった。それで、今回貼り替えすることに。
もともとの茶色のタイルをはがす作業に一日費やしたそうだが、そのときはめぎは出勤中だったので残念ながら写真は無し。
真四角のタイルだけじゃなくて三角のタイルがあるが・・・
タイルを切るのはこの機械。
この人なんでこんな機械を持っているのかしら・・・地下室には魔法のように色々な機械が埋まっていて、まだまだめぎの見たことのないものがあるらしい。このタイルを切る機械はずいぶん前に買ったのだが一度も使わずにいたそうで、使い始める前に一時間くらい試行錯誤したそうだ。
こんな台の上に・・・
左の黒いのでタイルを固定して切っていく。
あの小さな隙間用にも・・・
小さな三角を切る。
素人なので多少のゆがみがあるが、まあなんとか作業を終えた。
このまま二日間くらい乾燥させる。
部屋には以前rinochiさんからいただいたお花が元気に咲いていた。
完全に乾いてから綺麗に掃除し、タイルとタイルの間の隙間を塞いで綺麗に仕上げ。
この穴はねじ釘で固定するためのもの。この穴のところを機械で穴を開けてねじ釘を差し込む。その様子は残念ながらめぎ仕事中につき写してないけど。
こんな感じでできあがり。以前の茶色のタイルの古くさくて暗い感じから一転、ずいぶん清潔そうなイメージに。
ここはうちのドイツ人の仕事部屋を訪ねてくる人がトイレに行ったりしたときに使うので、完全に乾くまで立入禁止の掲示を出していた。
窓から見えるツタの花が綺麗だった。
キッチンの小さな改築 [うちのドイツ人のDIY]
一部の方々に大人気のうちのドイツ人のDIY。今回はタリンのサウナ通りでコーカサス料理の夕食をご一緒した日本の研究者さん(女性♪)の熱烈なるリクエストにお応えして、帰国後すぐ、うちのドイツ人がかつてからの懸案事項にさくっと手を出した。一刻も早くご希望にお応えしたかったんですって♪
今日の話は彼の重要な仕事場キッチンにて。タイトルを「改築」としたけれど、そんな大袈裟な話ではないので、そんなに期待しないでね。
↑この写真を見て、あれ?あ゛~~~~と叫んでいるうちにホームステイしていた元学生さんとめぎの大学の同期さんの声が聞こえてきそう。同期さんは、わたしも自分でできるようになりたい!とさえ言い出しそう・・・彼女たちはうちで夕飯を食べたあといつも皿洗いをして帰るから、ここの異変がすぐに分かるはずだ。
しかし、ブログをご覧のみなさまには、上の写真はたぶん初めてのアングルのはず。ブログに載せる写真というのはほぼ決まったアングルで撮り続けている。キッチンは非常に良く登場する場所であるが、あまり綺麗じゃない場所は写らないように細心の注意を払ってきた。だから、ここがもともとどうだったのかをお見せしたくても、ここ数年の写真を振り返ってもなかなかいいものがない。ようやく見つけたのは5年くらい前に撮った写真の片隅に写っていたこんなの。
そう、この流しの奥のちょこっと引っ込んだ空間は、むき出しだったのだ。そこにうちのドイツ人は自分で棚を造り、一番下には洗剤などを直に置き、上の棚にはお茶の箱やハーブの瓶などを置いていた。その空間にガラスのドアを取り付けようというのが今回のDIY。
まず、棚を全部取り払って、一番下にタイルを貼り付けた。
タイルを切ったり貼り付けたりするところは残念ながら撮ることができず。うちのドイツ人は事前に声をかけてくれたのだけど、めぎは仕事に集中してて、気がついたらもうこのような状態だった。でも、上の左の壁の汚いところの修繕は写すことができましたわ♪
一番上の箱みたいなものの中は、電気のメーター。右から、照明、暖房(暖房そのものはガスで温めたお湯の循環だが、そのスイッチが電気)、その後3つは電気のコンロやオーブン用なのだが、うちはガスのレンジとオーブンを使用しているのでメーターは切ってある。
ガラスはガラス屋さんで寸法通りに切ってもらった。一枚80ユーロ。そのガラスをこんなもので壁に固定するつもりで・・・
取り付けてみたものの、壁は非常にもろく、とても一枚ガラスを持ち堪えられそうにない。
それで、彼のお宝箱の中から色々と探し出し・・・
こちら側に取り付けた。
結構しっかりした感じ。80ユーロが割れずに済みそう。
真四角じゃなかった部分を綺麗に修繕し、ほぼきっちり収まったみたいね。
中身を元通りに。ね、ドアがないと醜いでしょ。
最も醜いメーターの箱をカムフラージュしていた時計は、こちらへ移動。その下にかかっている掛け軸みたいなのは、デュッセルドルフの日本のお寺からいただいた日めくりカレンダー。この日の言葉は「縁によって咲き、縁によって散る」・・・うーむ。その通りなんだけど、散る縁はうまく選びたいわねえ・・・
そうそう、この作業に先立ち、実は奥に見えている棚の方もちょっと修理してたの。と言っても棚自体じゃなくて、壁の方だけど。なんでも屋根が雨漏りしたみたいでこの辺が腐ってきて、屋根自体は大家さんに言って直してもらったのだけど、こちら側は完全に乾いてからうちが塗り直すことになったわけ。腐ったところを取り除き・・・
綺麗に修繕。まだ黒っぽいけど、これでもずいぶん綺麗になったということなのよね。
何度か白いペンキを塗り直して終了。この配管は暖房のお湯が流れているところ。その配管を隠すように棚を作ったのはもちろんうちのドイツ人。ここに引っ越してきた頃に自分で一つずつ作ったのだそうだ。
♪ おまけ1 ♪
これもDIYと言えばそうよね。新しくお古を譲り受けた機械でバルコニーの椅子などの掃除。
ほら、ずいぶん違うでしょ。
この機械、Mopsと言って、この中に水を入れて蒸気で綺麗にするというもの。
先の部分はこんな風に使うこともできる。絨毯がとっても綺麗になってすっきり。
♪ おまけ2 ♪
うちのドイツ人は靴下の穴も自分で繕う。
中に入れているのは・・・リンゴだった・・・
ええ、もちろん、洗濯してから繕っておりますって♪
壁紙剥がし [うちのドイツ人のDIY]
猫ちゃんの話は終わってしまった・・・義妹に昨日電話で猫ちゃんの近況を聞いたら、あれからずいぶん大きくなったけど、二人ともまだ遊び盛りで、洗濯物にじゃれついたりして怒られて、でもソファーで義妹に寄り添って寝たんだって・・・いいないいな♪
昨日のmimimomoさんの「ドイツの人は家族で集まることが多いのか」というご質問だが、大きくいえば2パターンある。ドイツでは生まれた土地に一生住み続ける人が多いので、そういう人は家族で集まる機会が非常に多い。うちのように、ハンブルクとザクセンとデュッセルドルフ・・・と遠く別れて住んでいる場合は、普通はクリスマスしか集まらないのではと思う。めぎ家があの義妹の家によく行くのは、あそこが別荘のような役割を果たしていて、気軽に田舎の休暇を楽しめるから。うちのドイツ人と義妹の仲が非常に良いというのも大きい。また、父親がかなり歳取ってきたということもあって、これからの治療や介護や相続のことなど、会って話さなければならない事情もある(だから今年は会う機会が特に多かった)。若い頃はやっぱりクリスマス程度しか会わなかったようだ。
さて、話はがらりと変わり、ここはうちのドイツ人の仕事部屋。
先日ちょっと書いたように、この2年間ここを日本からの留学生が使っていたのだが、彼はヘビースモーカーだったため壁紙がすっかり汚れ、タバコの臭いが部屋に充満して換気しても全く取れなかったため、彼の帰国と同時にこの部屋の改装をすることにしたのだった。ほら、汚れてるでしょ。
家具や植物はこちらへ移動。
必要なものもスタンバイOK。
まずは台所の洗剤を入れた水をこのブラシにつけて・・・
壁紙に塗り込んで湿らせる。
本当は専用の液体が売られているけれど、うちのドイツ人の経験では台所洗剤で十分なんだって。
濡らしてしばらく置いておくと、こんな風に剥がれる。
剥がした壁紙。タバコの臭いがすごかった。
窓も全開にして換気。ちょうどこの頃妙に暖かくなって、窓全開でも寒くなく、作業がはかどったようだった。
剥がすとこの家の造りが色々見えてくる。
この機会に、中途半端な上の位置にあったコンセントを下へ移動させることにしたそうで、上から下へ線を引いて新たなコンセントを作っていた。
なんだか殺風景な写真ばかりなので、窓から見えた景色をどうぞ。これはカササギ。
壁いっぱいのツタの花。このツタの陰に鳥の巣があるようで、ぴちぴちぴーぴーにぎやかだった。
虫さんもいっぱいいる模様。
中庭の木は部分的に紅葉したというよりは枯れてきていて・・・
落ち葉が駐車場の屋根に積もっていた。
10月に入り、日が落ちるのがどんどん早くなっているドイツ。暗くなっても作業ができるように、電球を取り付けていた。
つづく。
壁紙貼りとペンキ塗り [うちのドイツ人のDIY]
現在、うちのドイツ人の仕事部屋壁紙を貼り替えを連載中。これは10月2日頃だったかな・・・めぎが朝10時頃コーヒーとクロワッサンを差し入れしたところ。
この前日に壁紙を剥がし終わり、壁にGrundierungというのを下塗りをしておいたとのこと。コーティングするイメージかしら。
壁紙は、必要な長さに切って使う。長さを測るのは「巻き」尺じゃなくて、木でできた折れ曲がるタイプの定規。これがドイツではメジャーなタイプ。なかなかまっすぐならないのに、誤差は気にしないのかしら・・・といつも不思議。でも、いつもなぜか誤差がなくぴったりに仕上がっているのが、さらに不思議。
印をつけて・・・
切る。
何枚必要だったのかしら・・・
この後1時くらいにおにぎりを2つ差し入れたのだけど、3時半くらいに行ったら1つしか食べてなかった・・・作業にすっかり夢中になっていたらしい。ずいぶん貼ったわね~
コンセントを下に移動するための線も、すっかり塞がれていた。
壁紙は、こんな糊を・・・
壁紙に擦り込んで、しばらく置いておいてから貼る。
貼り付けたのがすっかり乾かないとペンキが塗れないので、この日は暗くなっても作業を続け、ようやく切り上げて夕飯を食べたのは10時過ぎだった。
そして次の日、ドイツ統一の祝日、こんなので白いペンキを塗っていた。
塗り終わったところとまだのところがハッキリ分かるでしょ。
すっかり綺麗になったのが夕方5時くらいだったかしら。ちょっと早いけど乾杯♪
天井もすっかり綺麗だし・・・
あの下へ移動したコンセントも・・・
他のコンセントや電気のスイッチも、カバーをつけるだけになっていた。
次はキッチンの掃除だわね・・・ここも、油やヤニがこびりついて、抜本的な掃除が必要。
その後、平日になってめぎはたまに覗くことができただけだが、順調に掃除が進んでいるようだった。これは、キッチンの壁のペンキ塗りの様子。
もう一回つづく。
♪ おまけ ♪
ドイツ、ヨーロッパ選手権の予選を10戦全勝で終了!(写真はARDから)
仕上げ [うちのドイツ人のDIY]
現在、うちのドイツ人の仕事部屋のクリーニングを連載中。壁紙張り替えとペンキ塗りは終わり、あともう少し。
昨日の壁紙だが、ドイツでは白い壁紙を貼ってから自分で好きな色に塗るのが主流。予め模様のついた壁紙はドイツでは時代遅れだし、予め色がついた壁紙は全く売られていない。例えばめぎ家の居間は薄い黄色を塗ったし、うちのドイツ人は自分の部屋を薄い水色に塗っている。めぎの部屋は塗るのが面倒で白いまま。ちなみによく写しているキッチンは、壁紙を貼らずに直接赤い色を塗っている。もちろん模様を描くことも可能で、お風呂とトイレのある洗面スペースは、青色に塗った上にめぎが白色で富士山を描いてある。塗料は各種様々売られていて、色を混ぜて自分で作ることも多い。その様子の例はこちらをどうぞ(←これももう2年も前のことなのね・・・月日の経つのはなんて早いんでしょ)。
日本とドイツで大きく違うのは、賃貸を自分でクリーニングしたり壁の貼り替えをしたりできることだろう。ドイツで部屋を借りると家賃1~2か月分くらいの敷金を払うのだが(礼金はない)、壊したものを元通りにしたり、壁を綺麗に白く塗り替えて綺麗に掃除して出れば、その敷金が全額戻ってくるのである。それはすなわち、引っ越しには常に壁紙張り替えやペンキ塗り直しが伴うということでもある。これを自分でやってクリーニング代を払わずに引っ越しするのがドイツ人・・・引っ越しする時は、もといた家の壁紙を白く塗り替えてから出て(長く住んで壁紙が傷んでいる場合には貼り替えてから出て)、新たに入る家の壁紙を自分で好きな色に塗り直してから入るのだ。だから引っ越しはものすごく大変なのだが、ドイツ人ならお年寄り以外誰もが、つまり女性一人暮らしでもその女性が自分で、その作業をこなす。ベンツを乗り回しているようなお金持ちのキャリアウーマンでも、壁の貼り替えとペンキ塗りは自分で行っている。もちろん、カレシや友達に手伝ってもらうことも多々ある。業者に頼むこともできるが、めぎの見たところ、業者に頼んでいるのはお年寄りと外国人駐在員ばかり・・・ドイツ人なら、教授でも会社員でも医者でも音楽家でも自分でやっている。ドイツ人はもともと相当なケチで、壁紙張り替えを業者に頼むよりは、自分でやって浮いたお金で休暇に行く方を選ぶだろう。
さて、壁紙を貼り替えてすっかり白く綺麗になった上に、タバコの臭いも消え、カーテンも洗って、すっかりリフレッシュ。今回、色は白のままにするらしい。
ここで登場したのが、あのMopsという蒸気で汚れを落とす機械。
絨毯を抜本的にクリーニング。
ほら、こんなに汚いの。
それから、キッチンのこのマットもMopsでお掃除。これがものすごく汚かった~Mopsのおかげで綺麗さっぱりスッキリ。Mopsの効果、恐るべし。
ちなみにこの椅子も・・・
よれっとした上にシミがいくつかあったので・・・
Mopsしてみたけれど、これは残念ながら全然効果が無かった。
化繊には効果がないのか、この汚れが相当特殊なものであるのか、どうにも分からないが、クリーニングにも出してみたし、最後はめぎ家で汚れ落としの洗剤を擦り込んだ上で普通の洗濯機で洗ってもみたが、どうしても取れなかったので、最終的に買い換えることにした。
このセット、IKEAので、枠組みはそのままでクッションのみ買い換えられるのだ。ちょっとお値段は張ったけど、黒い革張りに。
ここは今後お客様をお泊めする部屋としても使うので、布団等を用意。
タンスもあるし・・・
机もある。
シャワーもトイレもキッチンもあって、ここは本当に人が住める。でも、今後ここはお客様を泊める以外はうちのドイツ人が仕事部屋としてのみ使う予定。いい仕事ができるといいね。
♪ おまけ ♪
部屋からの風景を最後に。この鳥さんが見ている向こうには・・・
猫ちゃんがいた。
猫がいたら、こんな風にネットをつけなきゃいけないのかしら・・・それは嫌だなあ。
お天気ステーション [うちのドイツ人のDIY]
しばらく前にハンブルクの友人の家で、これいいなあ、と思って眺めたもの。
うちにもこんなのがあったのだけど・・・
友人の家のようなのが欲しくなって、買っちゃった♪ (ちなみにお値段は95ユーロくらい=約一万円)
しかし、色々取り付けが難しそう。
うちのドイツ人はまずこんな長い棒を買ってきて・・・
色々と細工し始めた。
ここまではバルコニーで作業。この日は3月3日。上の写真のような2月7日のマイナス6.5℃の世界はすっかり過去のものとなり、2月18日のハンブルクのプラス6.1℃とも全く違うすっかり春の陽気で、この日の外の気温は12.8℃だった。
その後、また屋根の上で作業。
ドリルをセッティングし・・・
煙突を支えている煉瓦に穴を空けて・・・
あの長い棒を固定。
あ、そうそう、棒の先には風向き・風力測定器を取り付け・・・
方位磁針で北の方向を確認して・・・
セッティング。
あ、雁さんたちが北の方へ飛んでいくわ・・・
それから雨量測定器もその近くに水平になるように調節しながら固定。
こうして3月3日の作業を終了。
そして3月4日。
温度計などをセッティングして完了♪ 普通はグレイのパネルだけど、これはライトを付けたところ。上の段の左が時刻と曜日(あれ?日付がない・・・?)、右は次の日の日の出と日没の時間、真ん中の段の左は月齢と天気、右はヘクトパスカルとその推移、下の段の左は風向きと風力と風の温度、右は上から外の気温と湿度、うちの中の気温と湿度、降水量。
バルコニーは13.5℃もある・・・春だわね。そのあと気温は下がって今週に入ってからは最高が8℃前後になっちゃったけど・・・春はもう少し先かしらね。
バスルームの改装 [うちのドイツ人のDIY]
4月末から一ヶ月間、うちのドイツ人はまたもやDIYに勤しんでいた。まず、バスルームのシャワーなどを消毒かつカルキ除去。
カルキが分解してぶくぶく。
うちではこんな安い酢を使う。スーパーで売っていて食品としても使えるとても安い酢。化学製品を買うよりずっと安く(一瓶1ユーロちょっと=130円くらいかな)、危険もなく、確実。
一方バスルームでは、まずこんなふうにテープを貼って・・・
こんなものを使って・・・
隙間の部分の張り替えをした。
それから、もともとタイルの壁に部分的になぜか白いペンキのようなものが塗られているのを落としていった。
この液を使って分解して・・・
剥がしていく。
抜本的に剥がすためにトイレの貯水タンクなども外し、ウォシュレットも綺麗に消毒。
そこまで終えた時点で作業は一時中断。全てを元通りに設置し直し、ハンブルクからの友人夫婦とMOCOMOCOさんを迎えた。
来客が終わったあと、作業再開。まず敷かれていた床を剥がし・・・
トイレの便器も取り外し・・・
これまた酢で消毒し・・・
階段の踊り場へ。
あ、そうそう、この改装期間中、トイレとシャワーはもう一つのバスルームを使った。めぎ家にはバスルームが2つある。
さらに洗濯機も廊下に移動し・・・(従って、この改装工事前に洗濯をいっぱいした。)
トイレのあった場所のタイルを・・・
こんな風に取り払い・・・
平らになるように整えた。
続きはまた明日。
♪ おまけ ♪
うちのドイツ人が大好きなDIYのCM。
タイル貼り [うちのドイツ人のDIY]
今日の話は昨日のバスルーム改築の話の続き。
5月中旬の来客のあと、めぎ家はDIYのお店へ。
いろんなタイルがありますわねえ。
それに、いろんな大きさが。
たくさんの中から選んで決めて・・・
頼んで降ろしてもらった。
タイル3箱とセメントなどを買って・・・
タイルを切ったりして・・・
セメントを作って・・・
こんなふうにのばして・・・
貼り付けていった。
細かいところも小さなタイルを切って貼り・・・
段差のところにもタイルを貼り・・・
タイルとタイルの間には紙でできた十字をはめ込んで間隔を一定に調節。
こうして一晩乾かしたあとで・・・
こんな泥を作り・・・(これもセメント?)
こんな風に塗り込んで溝を埋め・・・
タイルの上を何度も拭き掃除して完成!
トイレなどを設置し直して(ウォシュレットはうちのドイツ人が日本で気に入って買って帰って取り付けたもの)、亡くなった義父の奥さんを迎えたのだった。
彼はここを借りてから10年以上かけて、少しずつ壁のタイルの塗装を剥がし、いつか床を張り替えようと考えてきたのだとか。床暖にしようかという案もあったけど、この部屋はそれほど寒くないので結局このように。きっと以前に借りていた人も何か考えがあってタイルの上に床を張ったり色を塗ったりしたのだろう。思えばめぎの部屋とうちのドイツ人の部屋との間にあった壁だって、元々はなかったのに誰かがドアを塞いで壁を作り、それをめぎたちがまた開けたのだ。いつかめぎたちがここを去って、次に借りる人がまたその人の良いように変えていく・・・それを100年以上も繰り返しているアパート。100年後にはどんな姿になっているのかしらね。
バスルーム改装の続き [うちのドイツ人のDIY]
5月頃タイルの貼り替えをしたバスルーム。次のターゲットは洗面台。
というのも、義妹の家のバスルームのこの洗面台、つまり木の台の上に丸い洗面台が乗っているデザインが気に入って、真似したくなったのだとか。
それで様々なDIYのお店を除いて、デザインが気に入り、かつ破格だったこちらを購入。ちなみに、ちょっとよさげなのは普通300ユーロ(約3万円)以上もした。
ポイントは、台にはめ込むことのできるこの下の部分。さらに部品なども物色。
ね、この斜めになっているデザインが素敵じゃない?さらに、台にする板も購入。ブナで、とても硬い。これが30ユーロくらい(約3千円)だったかしら。
早速古い洗面台を外し、工事開始。ドリルで新たに穴を開けて、台を支えるものを取り付ける。これまで100年以上の間にここに住んだ人の歴史が分かるタイルの穴と傷。いつの日かめぎ家が出たあとは、誰がどんな穴をここに作るのかしら。そんなことをちょっと考えてしまったわ。
重いブナと洗面台をしっかり支えるよう、色々工夫していた。
さらに、もっとしっかりした支えをと、下にこういう木も取り付けることにした。これを台に貼り付けて壁に固定すれば、両側の支えだけじゃないので安心だ。
穴を開けるときはめぎはいつもすぐ下に掃除機を当てて吸い取るという手伝いをするため、残念ながらその写真は無し。
こんな風に、隣の洗濯機と高さを同じに設定。
それから、切る!(ちなみにこの木くずの掃除があとから大変なので、その後機械と掃除機をつなげられる部品も購入した。)
こんな道具も持ち出して・・・
セッティングして・・・
穴を開ける!
それから支えにする木を貼り付ける。
しっかり貼り付いたら、こんなアイロンみたいな機械でヤスリ掛け。
さて、この作業、このバルコニーのせまい空間でやっていたのだが、実はこの頃天気が非常に不安定で、何度も雨で中断。その不安定さといったら、10分ごとに下の4枚の写真くらい天気が変わるほど。ええ、10分というのは誇張じゃなくて、本当に。
途中、作業を準備したと思ったらまた雨になったりして、作業したくてうずうずしているうちのドイツ人はすこぶる不機嫌になったりしたが、まあなんとか無事に外の作業を終え、うちでもなんとかできるニス塗りまでこぎつけた。
そうそう、こういう作業で使っている新聞は、週に一度無料で配布される地域の新聞か、旅行中に飛行機の中で無料でもらったもの。前回のDIYの記事の時にたまたま写っていた英字新聞は、たぶん冬の香港・マレーシア旅行からの帰りのものだと思う・・・めぎ家は新聞を取っていない。ニュースは全てラジオで聞いている。
塗って乾かして手でヤスリをかけて・・・を3回繰り返し、その間に電気や鏡の位置を上へ移動。
富士山と雲は7~8年前にめぎが描いたもの。この雲、ちょっとラピュタのイメージ。
その間にも外は七変化。
そしてようやく最終段階に。
あ、そうそう、この台の端っこ、洗濯機との間にコードを通すためにほんのちょっと隙間を作ったの。これじゃよく見えないけど、ちゃんと計って切ってあるのよ。うちのドイツ人こだわりの作業。
まだつないでいない時の下の部分。
それから新しく買った部品と元々持っていてまだ使える部品を消毒したのを組み合わせて・・・
ちょっと醜いけど、完成!
わ~ちょっとお洒落♪
この板の上には液体のハンドソープを置きたくないそうで、ウェッジウッドの皿に石鹸を。ちなみにめぎは断然石鹸派で、液体のは使ってない。みなさまはいかが?
ところで、ドイツのDIYのお店、ちょっと覗いてみたくない?そういうお店はドイツ語でBaumarkt(工事市場)といい、toomとかHornbachとかOBIとか色々あるのだけど、ここはBAUHAUSというお店。ものすごく広い。木材や石材などの売り場は車やトラックで乗り込めるような作りになってるし、何メートルもの長い木材を切ってもらったりするコーナーもある。そうそう、BAUHAUSと言っても、あのグロピウス創立で今はベルリンやデッサウに博物館のあるバウハウスとは関係ない。
ここはキッチンのシンクコーナー。こんなのを見ると、自分のキッチンを色々変えてみたくなる。
この広々とした感じ、お分かりいただけるかしら。
うちのドイツ人はまた次のプロジェクトを思案中。でもそれは、夏の休暇のあとで、秋になってからね。
♪ おまけ ♪
今週のマウスの番組が、オリンピックの発祥の歴史を非常にうまくまとめてあってよかった。ドイツ語の分かる方、ドイツ語を勉強中の方、ギリシャの昔の様子を映像だけでも見たい方は7月28日までにこちらをどうぞ。全部で30分弱。途中に時々入るヒツジのキャラクターの競技の様子が可愛い。ちなみに7月22日より一週間のみこの番組が見られ、来週日曜日からは次の番組に切り替わる。
休暇後の自宅 [うちのドイツ人のDIY]
休暇から戻ってきてすぐに今年度の学校が始まって、一気に現実に引き戻されためぎ。早一週間以上が過ぎて、ようやく落ち着いてきたかな・・・夏の話はまだまだあって、友人の結婚式、イタリア、義母の家、その前に寄った東ドイツの町のこと・・・と遡るといっぱい。まあ、9月になったらぼちぼちと。
今日は休暇後のめぎ家の様子をどうぞ。うちのドイツ人は夏前から色々DIY計画してて、戻ってきたら早速取りかかっていた。まずはこちらから。
天井って、ずいぶん薄いのね~
穴を空けたのはさすがにうちのドイツ人ではなく、この建物の大家の営む土建屋さん。
この穴からこんなものを通し・・・
キッチンの換気扇につないだ。
そう、実はドイツのキッチンの換気扇は一般的に煙突とつながっていないのだ。ただ空気をかき回しているだけで、その煙や匂いをどこかへ逃がしているわけではない。かき回した空気を逃がすためには、窓を開けるしかなかった。夏はいいが、冬は寒い。それで、日本のように換気扇を外とつなぐというのをうちのドイツ人はずっと夢見ていた。今回大家と話してこの工事をしてもらうことに。
でも、できるだけ工事費を節約するため、穴あけは頼んだけど、穴ふさぎは自分で。煙突自体に覆いをするか否かという話もあったが、かえって醜くなると判断し、このままに。
換気力はどの程度かしらね。このあとうちのドイツ人は壁と天井の白いペンキを塗り直していた。
それからバルコニー。色々ぶら下がっている雨樋から・・・
雨水を流す配管を一度取り外し・・・
こんな風に切って・・・
こんなのを取り付けて・・・
雨水を外に出せるようにした。
というのは、以前北ドイツの義妹の家で雨樋からの水を溜めて畑の水遣りに使っているのを見て、やってみようと思ったのだとか。でも、配管の一番下が結構床から離れて上の方にあるので、ホースを使うことに。ちなみに配管の下の部分はこちら。ずいぶん古そうねえ。それに、なにやら配線もそばにあったりして。
めぎ家の建物は築130年だそうで、あちこち古くて傷んでいるし、130年前には全く考慮されていなかったものを継ぎ足し継ぎ足し使われているので様々なものがむき出しだったりする。130年前には一般家庭に電気も電話もなく、もちろんテレビもインターネットもなく、そういうものが暮らしに導入される度に配線が継ぎ足されていったのだ。そして時代を経て今は使われていない配線もあって、でもそれがなんなのか多くはもう分からず、そのまま。
さて、工事がうまくいったかをチェックするチャンスがやってきた♪
ほんの短い時間だったがスコールのような雨が降り、ほら!
このあとうちのドイツ人はもっと雨水がホースに流れやすいように工事のやり直しをしていた。その写真はないが、それがうまくいったのか試すために、次の雨を待っているところ。
9月から10月初旬にかけてのDIY [うちのドイツ人のDIY]
久々にうちのドイツ人のDIYのお話を。
夏休みが終わって、最初に取りかかったのがキッチンのペンキ塗り直し。電気や棚やスイッチなどを全て取り外して作業開始。
この白いペンキを・・・
天井と壁に。ほら、色が変色しているでしょ。
こんな風に塗っていた。
それから、建物の入り口のドアが自動的にきちんと閉まるようにするためのこの部分が壊れてしまっていたので・・・そして、大家に言っても全然直してもらえないので(つまりめぎのアパートの大家はあまりやる気がなくて、そのおかげで家賃は10年以上据え置きのままだし、住民はずいぶん自由に改装したりできるし、色々任されたりもしてて、例えば集中暖房のスイッチの管理などはめぎ家に任されているのでいつでも暖房を入れたり消したりできるのだけど、必要なものもなかなかメンテナンスしてもらえないというデメリットがある)、うちのドイツ人が新しいのを買ってきて付け替えることに。あ、もちろん、費用は住民みんなで負担したけど。
まずは外して・・・
新しいのの取り付け方を参照しながら・・・
穴を開けるべきところにこうして印をつけて・・・
ドリルで穴を開けて・・・
取り付けた。
これで開けっ放しになっている事が無くて一安心。きちんと自分で閉めればいいのだけど、住民全員がきちんと閉めるタイプではないし、閉めるときにバーンと大きな音を立てる人もいて、それが夜中だと、玄関近くの部屋で寝ていると目が覚めるほど轟くのだ。このおかげでそういう事もなくなって、一件落着。
それから10月になってした事は・・・
こんなのを用意して・・・
バルコニーの屋根を一度取り外し、それに取り付けて・・・
一階に住むご主人と一緒にバルコニーに再度取り付け。
上と下からねじを巻くので二人必要というわけ。
しかし何のためにこんなものを取り付けたかというと・・・
一階のテラスにこの屋根からの雨水が降ってくるから。それをほんのちょこっと右に誘導すると、あの屋根の上に落ちるようになるんだって。
下を見ながら確認する二人。
そしてもう一つ。あの風見鶏をこちらへ移動。
こんな風に壁に取り付けて、万一のためにストッパーも。
久々のお天気パネル♪ これは10月9日朝8時54分の撮影。日の出は7時38分、日没は18時45分。月はだんだん翳っていっているところで、天気予報は曇りでヘクトパスカルの推移は真ん中右。風向きは南西だから大西洋の方からちょっと湿った暖かい風が吹いてきているという事。外の気温は11.1℃、湿度78%。中は朝のみ暖房を入れて20.4℃、湿度53%。雨はここ24時間降っていない。
そろそろバルコニーのベンチを片付けなくちゃいけない時期ね・・・
自転車の車輪取り替え [うちのドイツ人のDIY]
ここはめぎ家の建物の地下室へ降りる階段。なかなか急で、狭くて、古くて汚い。
薄暗く、人によってはちょっと恐ろしく感じるかも。100年以上経っているこの建物は、地下室も全く手入れされておらず、よく見ると蜘蛛の巣だらけだ。でも温度はひんやりと一定に保たれていて、ワインの保管にはちょうどいい。
ここがうちのドイツ人の地下室。右に見えているのがそのドア。
そこからいくつかのものを持ち出して・・・
外へ。
以上のように非常に古い作りの建物なので、めぎ家の建物の中には駐輪場がない。建物の裏は一階の家の庭があるだけだし、そもそも表から直接は裏に回れない。この辺りの家の多くがそうで、仕方がないから外に自転車を止めておく。吹きさらしだが、そして盗まれる可能性も常にあるが、仕方がないというのが現状。めぎも自転車は今までに2回も盗まれた。
だから、時にこういうことも起こる。
全くどういう輩がこういう風にしていくのやら。この日はこの車輪を取り替えたのだった。これは、うちのドイツ人の自転車修理用セット。
必要なものはなんでも入っているという感じ。彼は若い頃趣味でロードレースをしていたそうで、自転車修理グッツは全て揃っているし、細部に至るまで全部自分で修理できる。
今回はただ車輪を取り替えるだけだから簡単だけど。これは壊された前輪を取り外すところ。
うちのドイツ人の手のファンの皆様、ごめんあそばせ♪
これもそのうちに時間のあるときに自分でもとの形に直すつもりだとか。そうね、また車輪が壊されたり盗まれたりするかも知れないものね。
地下室から持ち出したのは修理道具だけじゃなくて取り替え用の前輪も。うちのドイツ人は昔の壊れた自転車も全てとってあって、どこかが壊れるとたいていは部品がそのストックから見つかる。タイヤはもともとのを使うことに、中の空気チューブはストックのを使うことにして、付け替え。
↑錆び錆びですわねえ。湿った地下室に置きっぱなしだったからこれもまた仕方のないこと。磨かないの?と聞いてみたけど、そのつもりはないとのこと。なにしろどうせ外へ置きっぱなしにするし、普段使いの自転車を綺麗に磨くつもりはうちのドイツ人にはないらしい。それは結構意外よね。うちも窓も車も非常にこまめに綺麗にするのにね。
然るべき場所に乗せて・・・
部品を選んで・・・
取り付ける。
ブレーキも調整し・・・
最後に空気も入れて・・・
できあがり♪
うちのドイツ人も自転車を何台盗まれたか分からない。しかし、友人からいらない中古をもらい受けたりもしてて、ほとんどお金を使っていないようだ。この自転車は、捨てられていたのを警察にとどけ、6ヶ月持ち主が現れなかったのを譲り受けたもの。いい自転車が欲しいという気持ちはあまりなく、いや、お金が湯水のようにあったら買うのかも知れないが、優先順位は低いらしい。食料品の買い物に行ったりするときに使うだけなので、走ればいいということなのだろう。それに、どうせ外に置きっぱなしにせざるを得ないしね。また、何と言っても、うちのドイツ人には見栄がないのだ。
さて、おまけだが、こんな大工道具持ちのうちのドイツ人に、先日、うちに以前ホームステイしていた元学生さんがこんなチョコレートをプレゼントしてくれた。
そして、めぎにはこちらを♪
めぎはものすごくたくさん書きまくるので、キーボードの文字が薄れてしまってよく買い換えるのだが、それが彼女の記憶に残っているのだろう。
ちゃんとドイツ語配列。ほら、ZとYが反対でしょ。写ってないけど、右の方にはウムラウトの文字もあるのよ♪
今年の誕生日のプレゼント [うちのドイツ人のDIY]
早くも11月の最終週・・・11月にはまだ他にも色々写真を撮ってあるのに、早くしないとクリスマスになっちゃうわ・・・
昨日もちらっと書いたように11月初めにめぎはまた一つ歳をとって、日本の母から服と梅干しが送られてきたり、友人たちからカードや手紙やメールをもらったりしたのだが、これはうちのドイツ人の母親から。いつもお馴染みの達筆で書かれているのは、プレゼントにお花の商品券を贈るから、「長い間」楽しめる植物を買ってくれ、と。長い間ねえ・・・何を買おうか思案中。
それから義妹とそのパートナーと姪から届いたもの。こんな小包に入ってきて・・・
箱を開けると、可愛い~い♪
ホオヅキは義妹の家でなったもの。上に載っていたベルリンが描かれている和紙のカードは、姪が今住んでいるベルリンで日本人アーチストが作って売っているものなのだとか。
中身はめぎの好きなボディーシャンプーと、義妹の好きなお茶。
さて、11月初旬の誕生日の話を今頃になって書くのは、うちのドイツ人からのプレゼントがなかなかできあがらなかったため。そう、「できあがらなかった」・・・今回めぎが所望したプレゼントは、うちのドイツ人のDIY。今回の仕事場はこちら。
ほとんど初公開に近いめぎのキッチン。このブログを始めた頃にこのキッチンについて書いたことがあったのだが、誤って写真を消してしまって、長い間記事を下書きに戻してしまっていた。今日の記事を書くにあたり多少追記もしてアップし直したので、もしよろしければ前史としてこちらをどうぞ(今とちょっと文体が違ってて自分で読んでも面白かった)。簡単に説明すると、めぎは2004年夏頃にヨーロッパ内で移転する日本人ご夫婦からシステムキッチン一式を400ユーロで譲り受けた。なぜキッチンを買ったのかと言えば、ドイツの賃貸住宅には一般にキッチンがついていないから。今までも何度かご紹介したように、ドイツではキッチンはタンスやテーブルなどの家具のように自分で所有するもので、引っ越しの際には取り外し、キッチン共々移転して新しい家に取り付ける。(日本人駐在員家族が借りる家は、その前に前任者などの日本人が住んでいた物件が多く、従ってキッチンをそのまま譲り受ける場合が多いと聞く。また、デュッセルドルフでは日本人向けに賃貸している業者も多く、彼らは日本人の需要を心得ていて、キッチンつきで割り増しで貸しているようだ。)当時めぎが譲り受けたキッチンの所有者はパリに移転したのだが、パリで借りた家にはキッチンが予め着いていたそうで、この立派なキッチンを誰かに買ってもらえなければお金を払って処分、つまり粗大ゴミにするしかないのだとか。だから、なかなか買い手の見つからなかった中で引っ越しぎりぎりになって400ユーロという破格ででも買ってくれる人が出てきてそのご夫婦はとても喜んでくれたし、めぎもまた、冷蔵庫も冷凍庫もコンロもオーブンも食洗機も収納棚もついたこのシステムキッチン一式をそんな破格で(当時のレートで約5万円くらい)譲り受けることができて非常に有り難かった。条件は、配送はしてもらえずこちらがそのキッチンを取りに行くということだったので、うちのドイツ人に頼んでその日本人ご夫婦の家に出向き、キッチンを取り外し、当時のめぎの出身大学からの交換留学生(男子学生)に手伝ってもらってめぎの家まで運んだのだった。そのとき、うちのドイツ人は例のごとく作業用のつなぎを来ていたので、その日本人ご夫婦はうちのドイツ人をめぎが手配した業者だと勘違いし、手伝ってもらった日本人男子学生をめぎのカレシだと思ったのだとか。一回り以上年下の学生さんには気の毒だったわ~
運んだキッチンはしばらく地下室に保管し、めぎの借りる部屋の改装が終わるのを待ち(2004年春に大家に頼んで、工事が始まったのは秋になってからで、引っ越ししたのは年末のことだった・・・ドイツの時間の流れは本当にゆっくり)、2005年2月になってようやく部屋に取り付けた。それをかつて記事にしたわけだが、それ以来このキッチンの全体像を載せたことはないと思う。なにしろめぎはうちのドイツ人の料理の様子を撮影することはあっても、自分で料理しながら撮影することはないからだ。それに、ここではほとんど料理らしいことをしてないし。ここで作るのはせいぜいお浸しやおでんなど煮る料理か、漬け物程度。換気扇が壊れていたし、壊れていなくてもどうせ空気をかき回すだけなので、肉や魚を焼いたことはほとんどなかった。
このキッチンを買ったときについてきた蛇口は低すぎて使いにくく、ずいぶん前にこれに付け替えていたのだが、このシンク自体あまり気に入っていなかった。というのは、左側の台のぎざぎざの部分にカルキが溜まりやすく、綺麗に掃除するのが面倒だったから。いちいちすぐに拭けばいいのだろうが、急いでいるとこのように鍋や食器の水を切ったまま出かけてしまうので、どうしてもカルキがこびりついてしまう。
それに、もともとついていた食器洗浄機は全く使わない。めぎもうちのドイツ人も食洗機が嫌いなのだ。なにしろ二人分の食器を洗うには大きすぎるし、数日ため込むのも嫌だし、ため込めるほど食器を持っていないし、グラス専用の化学薬品などを使うのも嫌だし、食洗機のカルキ除去の面倒も考えたくないし。そもそもうちのドイツ人のキッチンルームには食洗機を設置できる空間的ゆとりが全くない。だからこの食洗機はそのままめぎの部屋に置いて出汁昆布や麺類など乾燥した食材の貯蔵庫として使っていたのだが、使い勝手が悪すぎる。また、シンクの大きさと食洗機の大きさと配管とのかねあいでちょっと隙間ができてしまっていたのも気に入らなかった。それで、食洗機を取り外して棚を作り、シンクを新しく入れ替えるというDIYをプレゼントに所望したのである。
そのアイディアは、夏前にうちのドイツ人の買い物につきあってDIY専門ショップに行ってこの売り場を見たときに思いついたのだった。
↑この中のシンクの一つにめぎは一目惚れし、そのときに今年の誕生日プレゼントはこれが欲しい、と伝えたのだった。
まずは配管を取り外し・・・
コンロも取り外し・・・
台を取り外して・・・
こんな状態に。
この台とはお別れ。2005年当時、15ユーロくらいで買ったもの。譲り受けた家の配管やコンセントの位置とめぎ家とは反対だったので、設置する順番を変えざるを得ず、この化粧板のみ追加して買ったのだった。
台と壁との間を塞いでいたシリコンも綺麗に剥がし・・・
食洗機も取り外し、新しいシンクを上に置いて設置場所を調節し・・・
引き続き使用する蛇口を消毒し・・・
新しいシンクに合わせて新しい台を用意。
残念ながらめぎが出勤中に作業が進み、台を切る作業を写すことはできなかったが。
そしてめでたく新しいシンクを・・・
取り付け完了。めぎ家は床が斜めなので、足の部分の高さも微妙に調節。
それから棚や扉を作り・・・
できあがり。扉をつける位置はミリ単位で調節していた。閉じたときに左右とまっすぐきっちり合うように。
ついでに換気扇も直してもらい・・・
完成♪ 新しく作った棚の扉はこのシステムキッチンの右側面に取り付ける化粧板を利用。右側には板がいらないからね。また、取っ手はうちのドイツ人のキッチンのために購入したもののあまりを有効利用。長さが違うけど、まあまあでしょ。細かいことを言えば、上の棚の幅と下の幅が全く合っていないけど、手作りに手作りを重ねるうちにどうしてもサイズが合わなくなってしまったの。
ちなみにシンクの設置場所や棚の扉の穴を開ける場所や深さなどについて、こんなメモが残っていた。
そして、以前リビングにソファーを買ったときにいらなくなった古いソファーをもらい受けて、こんな風に設置してみた。
まだランプの場所やカーテン、さらに食卓テーブルをどうするかなど思案中。でもとりあえずこれで年を越す予定。今までこの部屋はほとんど倉庫みたいになっていたのだが、これで少し居心地よく座ったり何か飲んだり食べたりできるかな。そして、少しは料理らしきこともできるかな・・・いや、やっぱり、せいぜい煮込みと漬け物しかしないだろうけど。
ハーブの棚2 [うちのドイツ人のDIY]
これは以前うちのドイツ人が作ったハーブ用の棚。ついでに言えば、その右の包丁がくっついているのは磁石。
この棚を作ったのは2009年のことだった・・・そのお話はこちら。
使うハーブがここに収まり切らなくなったそうで、新しく作り替えることに。使う道具はこちら。
いや、もしかしたら、この機械を使ってみたくてうずうずしていただけかも知れない・・・おがくず(って言うのかな?)を掃除機で吸い取れるようになっている。
まずは練習から。こんな風に、木材に溝を作ることが出来る。
掃除機を外して撮影。
こんな風に溝が出来る。端っこがなかなかうまく綺麗にできないようだ。
それで、練習用の木材を横に置き、本番用の木材もその横に並べ、一気に溝を掘ることにしたらしい。
この溝には木材がこんなふうにはまる。
さて、この木材は予め長さを指定してホームセンターで切ってもらって買ったのだが、ミリ単位で長さが違っていた。
↑上の木材は、正確を期すため、日本の知り合いからいただいた直角定規を当てて並べていた。これ、こんな風にも使えるのね。うちのドイツ人、楽しんで自己流に使いこなしてましたわよ♪
このミリ単位の長さの違いも計算に入れて溝を掘り、接着剤でくっつける作業に。
このプレス用の道具は、かつてうちのドイツ人がハンブルクのオペラ座で働いていたときに、大道具の人から譲り受けたものなのだとか。
上と下はこんな風に穴を開けて木の丸い棒で補強。
それからヤスリをかけて、ニスを塗っていた。
できあがり♪
綺麗に出来たととっても自己満足していたうちのドイツ人。ここが自信作で、ぜひマクロで撮ってくれと言われて撮影。
こうしてまたさらに充実した彼の仕事場(=キッチン)♪
ちなみにもとのハーブ用の棚は、めぎのキッチンに。
ええ、めぎ家はキッチンが2つあって、こちらはめぎ用。めぎの使う調味料は液体ばかりなので(醤油、みりん、酒、ごま油等々、日本食用の調味料って液体ばかりね・・・それに、鰹節や昆布などを置くにはこの棚は小さすぎるしね)、のど飴&薬置き場になってしまったけど。
気に入ったのが見つからず、自分で作成したもの [うちのドイツ人のDIY]
今日は久々のうちのドイツ人のDIYのお話を。
ある日、こんな細い木を格子状に貼り付け始めた。
少しずつ少しずつ、接着剤で貼り付けていく。
そしてどんどん長くなっていく。
そしてそれに枠をつけた。
丁寧で地道な作業を毎日仕事の合間に少しずつ。
それはこんな風に重なっていて・・・
端っこはこんな風に枠に収めていた。
ちょっと一休みして・・・
それからこうして枠の上を閉じていた。
角の部分には補強もしてある。
できあがったこの格子状のものに・・・
予めドリルで穴を空けておいてから・・・
綺麗にヤスリをかけて(その作業は撮影していない)、ワニスを塗っていた。
さて、これ、何に使うものだと思います?
これはこちらに。
外側のすっかりぐるぐるこんがらがっていたクレマチスをこうしてほどいてつたわせたのはめぎ。それもかなり根気のいる仕事でしたわ・・・
でも、出来映えに大満足♪
ポプラの木がなくなってから、代わりに何かここに日陰になるようなものをつけようと話し合った。ガーデンセンターやホームセンターなどを見て回ったが、気に入ったのは見つからず、格子があってもとげとげの乱雑な仕上がりのものばかり。それなら自分で作ろう、ということになったのは当然の流れ・・・材料費で売っているのとほぼ同じ値段になったそうで、全部で60ユーロ程度だったとのこと。8千円弱くらいかな。
うまく根付いて茂ってくれるといいな。
これは、こんな風に建物とくっつけた金具に取り付けられている。裏側に金具が写っているの、見えます?
こちらの方が分かりやすいかな。
工夫したのは、雨水が流れ落ちるように、下に隙間を少し空けたことと、下は枠を閉じなかったこと。
上は閉じているのだけど。
クレマチスだけではすけすけになるかもと思って、Efeu(エーフォイ)というツタも数カ所に小分けして植えた。これはかなり成長が早いはずだし、冬も緑のままなので、うまくいけばいい目隠しになりそう。
そして、クレマチスは根元に直接日が当たるのを好まないという話だったので、気休めだけど根元に石を置いてみた。さてさて、生き延びてくれるかしら。
めぎの部屋からリビングを通り越してまっすぐ見ると、この格子が多少カーテン代わりになったような気がする。あともうちょっと長かったら目隠しとしては完璧だけど、バルコニーの植物たちに日が当たらなくなるのも嫌だったので、ここまでに。
こんな簡単な枠だけど、それでもこれがあるおかげで何かちょっと閉じられたような感じがする。実際は穴あきすけすけなのに、なんとなく守られているような気がするのがとっても不思議。ポプラの代わりにはならないけれど、向こうの殺風景な建物の照り返しをダイレクトに浴びるよりは、少し気分よく座れそう。
バルコニーライフシーズンに間に合ってよかった。
針金の使い道 [うちのドイツ人のDIY]
木曜日に発熱した風邪は、その後喉を浸食し、現在めぎは声が出ない・・・呑み込むのもかなり痛くて、食事は味がよく分からない・・・ううううう。
今日のお話は、この針金の線のこと。
これを取り付けたのは5月7日のことだった。
雛の餌やりに忙しいシジュウカラさんのためではもちろんない。
この写真は5月9日の撮影だが(針金、見えにくいわね。)、しばらくシジュウカラさんのお休み処&見張り台になったまま、放置された。なにしろ、この針金を使うチャンスが長いことなかったから。
5月11日、今度はミシンが登場。
仕舞っていた古布を切手丁寧に測ってまち針で止めて・・・
ミシンを準備し・・・
縫っていた。
しかしこれを使うチャンスもしばらくなかった。
その間、めぎは空を見上げていた・・・5月9日、針金が邪魔だなあ。
針金ができるだけ入らないように撮影しようとしているのだけど・・・5月10日。
5月11日。
5月15日。
どれも20時30分から21時の間の撮影。この頃の日没は21時15分頃だった。
5月22日。
5月23日。
5月24日。
5月27日。
5月28日。
そして6月2日。この頃には日没は21時40分を過ぎていた。
そして、とうとうあの針金と布を使う日がやってきた!6月6日のこと。
カーテンではない。
どの程度効果があるか分からないが防水スプレーをして・・・
日よけに。
↑写したのが既に18時過ぎで、日光は横からやってきていて日よけになっていないけど♪
この日、真夏のように暑くなったのだが、この布のおかげで心持ち涼しいような気がする。
ただね、この頃から発熱してあんまり感動できなかったのだけど。最初は発熱に気がつかず、なんでこんなに身体がだるいのかなあって思っていたのだが。
ポプラが切り倒されて、天然日よけがなくなって、日よけの屋根でもつけようかと考えた。でも、既製のものを使うとコストも高いし、大掛かりになるし、ビニールだったりプラスチックだったりで気に入らず、お手軽にこんなのをうちのドイツ人が考え出したという訳。使わないときにはこうしてよせておける。
ただ、やっぱり針金が醜いわよねえ。
この夏しようと思っていたこと・・・キッチン床張り替え~その1~ [うちのドイツ人のDIY]
先日さっさと片付けて、荷物置き場と化したリビング。
その荷物の元々あった場所はこちら。
キッチンもこうして中身を片付け、棚やらなにやら取り外し・・・
階段の踊り場へ移動。
その階段の踊り場にこの一か月ずっと放置してあったもの。
そう、めぎ家はこの夏、キッチンの改装をするつもりだったのだ。改装といっても床の張り替えだけなのだが、色々検討し、7月初め頃にこの御影石を購入。さあやるぞ!という矢先に予定が完全に覆ったのだった。
そのようなわけで、夏も終わり近いけど、早速作業開始。まずはどう並べるか、並べてみてあれこれ議論。縦にしてみたり、半分ずつずらしてみたりも。この3分の1ずつずらしていくのがよさそうね、と決めた。
よく見ると、この角は直角じゃない。どちらの線に合わせようか・・・
そして、元々敷いてあったものを剥がし・・・(これもうちのドイツ人がこの部屋に引っ越してきた10数年前にやはり自分で買って自分で敷いたものだったんだって。)
御影石を裁断。
これがすごい音だし、固くて時間がかかるかかる!
そしてもう一度並べてみた。
うまく斜めに切ったわね~
その後、一度入り口まで並べてみて、最後にどの程度斜めになるか確認。まあこれは許容範囲でしょ・・・しかし、最後はずいぶんたくさん切らなきゃならないわねえ。
そしてセメントで床に貼り付けた。セメントの水分が御影石に浸透し、色が黒っぽくなる。これが乾くまで2日間くらいかかる。
この辺りはテーブルの下になるので、破片を組み合わせたんだって。
ここまでが土曜日。
ここから日曜日。さらに古い床を剥がし・・・
シンクの下も取り外し・・・
ここ、元々は四角いタイルが貼ってあったんだね・・・でも、うちのドイツ人がここに入居したときは、前の居住者の貼ったビニール製の床が汚れたまま放置されてて、それを剥がして今の床を張り付けたのだとか。いつかめぎたちがここを去ったら、次に入居する人はこの床をどうするのかな。この築100年以上の建物には、そのときそのときの居住者の人生が詰まっているんだね。(ちなみにここは賃貸。ドイツの賃貸は、このように自分で手を加えることが出来る。それを出るときにどうするかは、賃貸契約による。めぎの部屋の部分は大家が綺麗に改装してから貸してくれたので、めぎが出る場合元通りの状態に戻す必要がある。戻せば敷金が丸ごと帰ってくるので、たいていの人が一生懸命ペンキ塗りをしたりギプスで穴を塞いだり大掃除したりして元通りに戻す。やむを得ず戻せなかったら、その費用を請求される。うちのドイツ人の部分は廃墟状態で借りてうちのドイツ人が壁やら床やら改装したので、全く直す必要がない。)
石を切らずに貼れる部分のみ貼り付けた。
ドイツでは日曜日は安息日なので工事の音を立ててはいけないのだ。だから石を切ることは出来ない。それにしても、たくさん切らなきゃならないわねえ・・・月曜日から仕事もあるけど、どのくらい進捗するかしら。
それにしても細かい仕事ねえ。
水分が乾くまではまだら模様に。
これから地道に測って石を切って貼りつけ、乾いてから石と石の間を埋め、コーティング。その一方で石の厚さで床が高くなった分キッチンの支え棒やら棚の戸やらを切り落とし、ヤスリをかけてニスを塗って・・・という作業の後に取り付け直す。手作りのキッチンだからこそ出来ることではあるが、手間がかかるわねえ・・・それからコンロとオーブンを取り外して同じ作業をし、次に冷蔵庫を、次に戸棚を・・・という繰り返しになる。古い建物なので壁も床も歪んでて、どこもまっすぐで平らな部分はない。ホント根気のいる作業・・・仕事もしながらだし、さて、どれくらいかかるかな。9月いっぱいで終わるかしら。どうかな。
つづきはまたそのうちに。
キッチン床張り替え~その2~ [うちのドイツ人のDIY]
めぎ家では現在キッチンの床の張り替え中。前回ご紹介したところまででは端っこの規格外の部分が残っていたのだが・・・
あれこれ測って・・・
このような機械に・・・
水を入れて・・・
きーーーーーーーーーーーーん!と切る。普通のタイルでもすごい音だが、御影石を切るとさらにすごい。
全てのパーツを切り終わったところ。端っこの部分はまだ貼り付けていない。規格のままの石の部分と端っこの切った部分の色が違うのは、セメントで貼り付けるとその水分が石に浸透するから。
前に貼り付けた石が乾いた頃、端っこを貼り付けた。
ある程度乾いたら、石と石の間を開けるために使っている小さな白い星形のものを取り外す。
そして、全て乾いた頃、石と石の間を埋める。
それらしくなってきたわねえ。
この間に埋めたものの水分が乾くのを待って・・・
汚れを除去し・・・
乾くまでに別の作業。
石は今までの敷物より厚いので、キッチンの支柱やらドアやらを少し切り落とさなければならないのだ。
その後、完全に乾いた石をコーティング。
見た目には分からないが、これでワインをこぼしても大丈夫♪
それからうちのドイツ人は窓側のこの部分にヤスリをかけて・・・
塗り直した。
そして、写してないけど壁際にシリコンを埋めて、完成。
赤い壁側の方は手を入れていない。テーブルや棚などが並ぶから。
端っこの細かい破片を組み合わせたところも・・・
なんとか見られるようになった。
これで約3分の1が完成。こういう作業の仕方をうちのドイツ人は18歳で一人暮らしを始めた頃から全て自分で作業して学んできた。ドイツで学生が安アパートに安く引っ越ししようと思ったら、壁に色を塗り、床に敷物を貼り、キッチンを自分で取り付け(だからうちのドイツ人のキッチンはその頃から集めた古い年代物である)、電気を取り付け・・・となんでも自分でやらなければならない。だから彼は電気工事から水回りからたいていのことはなんでも出来る。もちろん初めての時は友人や知り合いに聞いたりしたのだが、ほとんどはホームセンターで材料を買うときに色々聞き、試行錯誤して体得していったらしい。今回のキッチンの床の張り替え前には、既にここ数年バスルームなどのタイル張り替えをやって、御影石を使う「本番」に備えて練習していたということもある。
さて、これから最も面倒な部分に入る・・・
そう、コンロとオーブンを取り外し、また同じことの繰り返し。そしてその間はめぎのキッチンで料理することとなる。むむむむ。いや、自宅に2つもキッチンがあること自体、非常に恵まれているし、だからこそ仕事しながらのペースで時間をかけてこんな改装が出来るのだけど。
キッチン床張り替え~その3~ [うちのドイツ人のDIY]
キッチンの床張り替え作業に取りかかったのは8月23日だった。その話はこちら。そして途中経過をお伝えしたのは9月中旬だった。その話はこちら。背景を簡単にまとめると、うちは借家だがドイツでは借家でも自分で床や壁の貼り替えをすること、キッチンも備え付けではなく家具のように個人の持ち物で自分で設置すること、めぎ家は築130年であちこちぼろぼろだが大家も全くメンテナンスをせず床も壁も歪んでいること等かしら。うちのドイツ人が10年以上前に自分で張った床の敷物がだいぶ汚くなったので、今回御影石を買って天然石張りに改築中。今日はその続きのお話を。
約3分の1くらいの張り替えが終わってから、大仕事に取りかかった。それは、オーブン・コンロの取り外し。
作業台がちょっと傷んでいるわねえ。
そして冷蔵庫とともにこちらに移動。
作業台は取り替えるつもりがないので、傷んだところのみ修繕する。
そして床の敷物を剥がし・・・
石の貼り付け。
ちょっと間を空けながら。
キッチンの床の一部には以前住んでいた人の何かの名残で4つ金属が埋め込まれている。それを引き抜こうとしても不可能だし、打ち込んでもこれ以上中へ入っていかない。それで少し削ることにした。こういう道具も個人で持っているのって、すごいわよね・・・
削ったあとは錆びないように金属用のプライマーというもので塞ぐ。
それからさらに石を貼り進めたあとで・・・
戸棚のものを全て出して・・・
左奥にあった黒い戸棚をこちらへ移動。
そして残りの石を貼る。セメントをこのようにして用意し・・・
こんなふうにのばし・・・
石を載せてみて・・・
隙間があるところにセメントを足す。築130年で床は真っ平らじゃないので、こういう作業が何度も繰り返される。
そして端っこの規格外の形の部分もあのきーーーーーんとすごい音の鳴る道具(それは上にリンクを張った以前のお話をどうぞ)で切り取った石を並べ、貼り付けた。貼った部分が黒っぽいのはセメントの水を石が吸っているから。石って水を吸うのよね。そういえば、子どもの頃拾った石を洗ったりすると色が変わったよなあ・・・と当たり前だけど忘れていたことを思い出す。
細かいところまで綺麗に切ってるわねえ。
つづく。
キッチン床張り替え~その4~ [うちのドイツ人のDIY]
今日の話は昨日の続き。
御影石を張り終わり、セメントがすっかり乾いた床に、泥のようなものを敷くというかまくというか。これは、石と石の間の溝を埋めるため。
ほら、溝が埋まっているでしょ。
少し乾いてきたところを上の部分のみ拭き取る。
一夜おいて、さらに拭き取る。
綺麗になった♪
溝の部分がすっかり乾いたら、表面のコーティング。それはめぎ外出中に行われ、写真無し。
それから壁との間をシリコンで埋める。
床のできあがり!もうちょっと溝の色が濃くてもよかったねえ、と思うがもはやどうしようもない。時間が経つと黒ずんでくるかもね。
敷居もぴたり。
ぴったり合うようにうまく切ってある。
それから少し傷ついたところを含め壁の下の部分にある木の板の白い色を塗り直し・・・
こんな道具を用意して・・・
次の工程へ。
石を敷いたために床が少し高くなったので、キッチンの支柱を全て短くしなければならないのだ。
まっすぐかどうかも確かめながら・・・
水平かどうかも確かめながら。
そしてシリコンで固定。
上はこのように固定。
地震のない国ならではの固定の仕方だなあと思うが、台自体は壁とも固定されている。また、これから棚やら冷蔵庫やらガスコンロとオーブンが設置されるので、それが支えになっているとも言える。
そして、あの黒い戸棚を元の位置に戻した。
もう一回つづく。
キッチン床張り替え~その5~ [うちのドイツ人のDIY]
キッチン床改装の話は本日めでたく最終回。
例によって床が高くなった分キッチンのあらゆる部分の高さを調節しなければならない。コンロとオーブンが乗っていた台は金属の足がついていたのだが、木で作り直すことにした。
貼り付ける。
そしてオーブンを台の上に載せようという段になって、大変なことに気がついた。
一つだけ、付け根が折れてしまったのだ。
げげげげげ。まずは部品を探したが、このコンロは約15年前に中古で買ったもので、今やメーカー自体が存在しておらず(1968年に買収されたって!)、もはや部品はネットを探しても存在しなかった。新しいのを買うと考えると、安くても500ユーロ、そこそこでも1000ユーロ以上必要となる。しかし、この規格のがあるかどうか・・・規格が違うと、それに合わせてキッチンの作業台を作り直さなければならない。ひええええ。しかし、このコンロもオーブンも問題なく使えていたのに、一ヵ所だけ壊れたからと言って全て取り替えるのも悔しい。こういうのを修理してくれる業者を探そうか・・・
などと話し合って、うちのドイツ人が業者を探したのだが、そのうちにこういうのをどうやったら修理できるかを調べ上げ、彼は自分で修理した。溶接やら半田付けやら聞き慣れないドイツ語が出てきたが、アルミニウムなので出来ることは限られ、最終的には特別な接着剤を使ったらしい。貼り付けたあと高温で焼かなければならないとかで、めぎのオーブンが使われた。倒れないようにうまく固定して。
ちょうどこの部分はガスに空気を送り込むところで、もともと隙間があり、ガス漏れなどを気にする必要のない部分であったことが、功を奏した。
ついでに先端の円筒部分も作り直していた。
そして無事に設置。壊れた部分を取り付けるとき、割れた部分に重さの負担がかからないように工夫もしたらしいがそれはめぎ留守のため撮影していない。
台の上にもぴったりはまる。
そして化粧板の部分を・・・
めでたく取り付けた。これが10月2日のこと。
問題なく火がつき、ホントよかった。
しかし、ガスコンロを自分で修理するって、すごいわねえ。安全面のこともあるし、たとえある程度の知識があっても避けるところよね。もともとも、このコンロは一体型で上の作業台を挟めるような作りではなかったのをうちのドイツ人が自分で作り替えたのだとか。つまり、コンロの上の部分を切断し、作業台の厚さの分、筒を上に伸ばしたのだとか。そういうことができるのは、なんでも自分でやってみて工夫してきた経験の積み重ねでもあるし、その都度詳しい友人がいて聞いたり見てもらったりしたおかげでもあるし、今はネットのおかげでもある。ドイツ人というのはこういうことにお金をかけない主義の人が多く、ネットには様々な成功例やらヒントやらが載っているようだ。しかし、このように1968年以前の製品を使い続ける人がいるという状況下で、つまり新製品をさくっとは買わない国民性なのに、どうしてドイツの経済がこんなにうまくいっているのか、ホント不思議よね。ドイツ製品は外国で売れていると言うことなんだろうな。
こうしてコンロ危機を乗り越え、作業は最終段階へ。
こういうドアなども全て短くしなければならない。床に合わせて切り落とし、ヤスリ掛けやニス塗りを繰り返し、さらにぴったり左右が合うように設置する。調節が結構難しい。なにしろ何度も同じことを書くがこの家は床も壁も傾いているもので。それに、古いキッチンなのでドア自体も歪んでいたりして。
せっかくの機会なので、水回りも一度全部外して清掃。
使われていた道具たち。
この辺りまで作業を終えたところでテーブルをここに戻した。コンロが使えるようになったし、10月11日から来客もあったから。テーブルを戻したのは10月6日のこと。
でも、このあとも作業は続いた・・・仕事をしながらだし、もう普通に使えるので細かいところを本当に少しずつゆっくりと。これは間仕切りの板のヤスリ掛けとニス塗りの様子。
そして、ようやく全て設置完了。この最後のドアがなかなか左右まっすぐきちんと合わなくて苦労したところ。ドアがかなり歪んでて、試行錯誤を繰り返していた。
最後の横の仕切りも取り付け完了。ほとんど目につかないところだけど、綺麗にヤスリ掛けとニスの塗り直しをして。
こうしてめぎ家にようやく平常が戻った。これは10月20日の撮影。
御影石やセメントやコーティング材などの材料費と道具代(ヤスリとか欠けたドリルの刃とか)などの全工事費は300ユーロかからなかった。今の為替で4万円弱。めぎ家はいつも折半なので、めぎも半額を負担している。
本当は夏休みに集中してやるつもりだったキッチン床の改装を8月23日から2ヶ月かけて完成。秋休みまでに終わってよかったわ。なんだか古いキッチンと新しい床がミスマッチのような気もするけど、そのうちに慣れるかな。
ドイツのホームセンター [うちのドイツ人のDIY]
長い休みになるとよく遠くへ旅に出かけるが、普段の週末はほとんどうちにいるめぎ家。食料品の買い物も金曜日に済ませ、それ以外の服や靴や鞄などのショッピングに出かけることもなく、外食も滅多にせず、何か花やら展覧会やらを見に行くこともせず、最近は散歩さえほとんどせず、週末は95%の確率でうちで過ごす。そんなめぎ家が週末(と言っても日曜日は休みなので土曜日)に出かけるとしたら、ここへ。
↑これは日本風に言えばホームセンター。Bauhaus(バウハウス)という名前のチェーン店だが、他にもOBIとかHagebau、Hornbachなど有名なチェーン店がある。そういうホームセンターを総称してドイツ語でBaumarkt(バウマルクト)というのだが、直訳すると建設市場、つまり、建設用の資材マーケットである。たいていは郊外にあり、非常に広い。ここからずっと向こうまでの距離の2倍くらいがめぎの後ろ側に続き、左側にもこのくらいの距離が広がる。
下の写真はこのお店のホームページからの引用。ね、広いでしょ。ドイツではこれが普通なのだ。
広いのは、資材が大きいからでもあるけど、通路が広々としているためでもある。
この辺りは、出窓の台やキッチンの台の資材が売られている。
この辺はキッチンやバスルームの壁の資材など。
この辺はキッチンやバスルーム、さらにテラスなどの床用のタイルや大理石など。
ここはセメントだったかな・・・
さて、今回のうちのドイツ人の目的はこちら。
板の他に細いのも。
もっと細いのも。
こういう資材売り場に来るのはいい歳の男性ばかりではない。こんな若い女性も一人で買いに来る。ドイツは資材を仕入れて自分で作ることが割と普通の国なのだ。
なぜ自分で作るのか・・・簡単な大工仕事というか、工作というか、そういうのを厭わないし、ある程度のスキルはみんな持っていることがまず大きい。ちょっと話は飛ぶが、ドイツ人というのは老若男女ほとんどみんな自分で自転車の修理ができる人たちで、例えばパンクして自転車屋さんに持っていく人はいなく(日本でもパンクの修理ぐらいできるという人はたくさんいるが、誰もができるとなると話は別だと思う)、みんな自転車の修理道具を自分で所有している。それと同じく、女性でも若い人でもたいてい簡単な大工道具を持っている。簡単と言ってもドライバーやトンカチだけでなく、かなり多くの人が電動ドリルを持っているのだ。引越の度に自分で所有しているシステムキッチンを自分で取り付けるので(ここにまたさらに注が必要となるが、ドイツ人にとってキッチンは家具と同じく自分で所有するもので、引っ越し先に自分で取り付ける。キッチンが予め備わっている住居というのは割高で、好まれない)、必然的に大工道具と電動ドリルが必要となる。鍋やフライパンなどと同じレベルの家事の必需品と見なされているように見える。
それから、既製品をあまり好まず一点物や創作を好むことも大きい。家具というのは新しいのを買うのではなく中古で手に入れるケースがほとんどで、アンティークなら最もよく、それが買えなければIKEAなどに行く訳だが、そういう新しいのは間に合わせだと誰もが思っていて、間に合わせを買うなら自分で作った方がいいと考える人が少なくないのだ。また、古い建物が多いので壁や床が傾いたりしていて既製品が合わないことも多い。
そして、なんと言っても、家が広くて大工仕事をしやすいこと、仕事先がうちから近くて10~30分で通勤できるし残業もしないし休日出勤もしないので時間がたっぷりあること、自分で作った方が安く上がることなどが大きな理由ではないかと思う。
めぎ家は資材の買い物の後でよく土曜日のお昼をこの資材マーケットのパン屋さんで食べた。その食事は極めてシンプル。こんなスープに小さなパン一つ。このスープ、鉢が深くて食べ終わるとおなかいっぱい。
さて、こうやって木材を仕入れたのは実は秋のこと。それにさらに先立ち、夏の日本でも重要な部品を仕入れていた。友人に頼んで東東京近郊で一番大きいというホームセンターへ連れて行ってもらって、この写真の辺りでその重要な部品・・・ドイツでは手に入らない部品なのでホントに非常に重要・・・をじっくり時間をかけて大きさやら個数やら色やら形やら吟味して買い入れた。
ようやく選び終わって大満足だったうちのドイツ人。このとき真夏の日本で暑かったなあ・・・
何を作ったかはまた明日。
撮影: Nikon 1 V1 + 10mm(F2.8)、Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)、D600 + 24-70mm(F2.8)