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学生さんの新しい住まい [うちのドイツ人のDIY]

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うちに春から夏のはじめにかけてホームステイしていた学生さんは、その後休暇で留守の学生の部屋を又借りしながら部屋探しを続け、ようやく予算と場所と間取りの気に入った物件を見つけてお引っ越し。ちょっと訪ねてみましょ♪ 

エレベーター無しの7階まで、えっちらおっちらのぼると・・・
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朝顔がまだ咲いてました♪
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あまり知られていないことだが(とは言えめぎはもう何度かブログに書いたことだが)、普通、ドイツの借家物件にはキッチンがついていない(ええっなんで!?と思った方は、記事最後の説明をどうぞ)。キッチンがついているとしたら、それは外国人が入居することを想定した物件で、数は少ないし、割高=留学生には高すぎて借りられない。机やランプ、本棚などに加え、キッチンを買い揃えなくちゃ。さて、どうするか。

この部屋の元住人は就職して外国へ行っちゃうのでお金は欲しいし家財道具はいらないしということで、学生さんはその人からキッチンや主な家具など安価で購入し、そのままの状態で譲り受けた。つまり、このシステムキッチンは今や彼女の所有物。いくらで譲り受けたのか聞かなかったけど、学生の売買だから100~200ユーロとかじゃないかしら?こんな立派なキッチンですよ~冷蔵庫も洗濯機もオーブンもついててよかったね。
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お部屋も拝見・・・ベッドも棚も全部そのまま引き取ったらしい。
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あ、めぎとうちのドイツ人がいましたわ♪
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この日お邪魔したのは、玄関の鍵を取り替えるため。もう何人もここに住んだことがある古い住宅なのに、鍵はそのまま。うちのドイツ人が念のため鍵を替えようと言いだし、自分で取り付け。鍵ってこんな風になってるんですね~
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この古い鍵はこのままとっておいて、学生さんがいつかここを出るときに元に戻す。賃貸物件は、元通りにして解約するのがドイツ。自分で開けた穴なども元通り塞ぐ。この物件の場合は、前に借りていた人から元通りに直す作業を引き継ぐ形で契約しているから、学生さんは前の住人の分まで元通りにしなきゃならない。ものすごく大変な作業だけど、その代わり敷金が全て戻ってくる。礼金のシステムはドイツにはないし、ドイツの引越ってお金はあんまりかからない。ただ、膨大な時間と労力がかかるだけ。
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ドイツでは普通、引越祝いにパンと塩をプレゼントする。パンと塩は伝統的に富と繁栄の象徴だったので。最近はお花など持っていくことが多いけど、うちからは新しい鍵をお祝い代わりに。そういえばめぎが昔引っ越ししたとき、こちらで知り合った韓国人の友人が洗濯洗剤を持ってきた。韓国では「火消し」の意味で、引っ越すと洗濯洗剤を送る風習があるんですって。

屋根裏部屋ってステキ~
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ドイツで部屋を借りる・・・それも、大学寮や下宿ではなくて、普通のドイツ人のように部屋を借りる・・・それは2年契約をするということ・・・それは、少なくとも2年はここに住むと決心して契約書にサインすること。途中で出ていく場合は自分の契約をそのまま引き継いでくれる人を捜さなければならない。外国人にとって、それも定収入のない私費留学生にとって、そのハードルはかなり高い。まして、システムキッチン買い取ってしまって、もし日本へ帰国するとしたらキッチンを処分しなくては。どれほどの大きな決断だったか、想像していただけます?そういう大きな決心をして大きな一歩を踏み出した学生さんに、めぎは心から拍手を送りたい。

こんな広々見渡せる景色があったら、なんとか頑張れそうね♪
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彼女の人生はまだまだこれから。住まいを整えるのはその第一歩。いい部屋が見つかってよかったね。


♪ ドイツのキッチン無し賃貸事情をご説明 ♪

ドイツ人にとってシステムキッチンは、他の家具と同様、個人の持ち物。うちのドイツ人のキッチンを見て分かるように、こちらの人にとってキッチンは自分の趣味で作ったり作らせたりなどして揃えるもの。だから、普通借家を見に行くと、台所には工事中かと思うようながらんとした何もない真っ白な空間に水道管や電気コンロのための電線等がむき出しになっているだけ。ちなみに天井からも電気を取り付けるための電線がべろんとぶら下がっていたりして、予め備え付けてあるのはトイレと洗面台とバスタブまたはシャワーのみ。床も張っていないことさえある。そこに自分のキッチンを取り付け、自分の趣味で壁に色を塗り、自分で電気を取り付け、自分で床を張ったりカーペットを買って敷いたりし、自分の家具と合うような好みの空間に仕立てていく。つまり、普通の家具を据え付ける前にすることがたくさんある。それがドイツの引越。

これはめぎが以前引越したときの様子。中古で400ユーロで買い取ったシステムキッチン(大きな冷凍冷蔵庫、オーブン、食器洗浄機つき)をこのように設置していき、裸電球もその後ちゃんとした電気に付け替えた。
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これはうちのドイツ人が廊下に自分で床を張っているところ。この床はIKEAで買ったもの。廊下が微妙に歪んだ四角形をしているので、パーツをただ並べるというわけにはいかず、斜めに切って組み合わせ。
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借家の契約書には、借りるときの元の状態がハッキリと記されている。その通りに戻せば敷金が全額戻ってくるので、たいていのドイツ人は全部自分で元通りにする。引越は、まず新しい部屋の壁に自分好みの色を塗ったり電気を取り付けたりしたあとそこへ荷物を運び入れ、もといた部屋を綺麗に元通りに戻し、それから新しい部屋のキッチンや家具などの取り付けが始まり・・・と、マトモに住めるようになるのに何日も。ドイツの引越は本当に手間と労力がかかる。もちろん、後始末やキッチン取り付けを業者に頼むことも可能だが、たいていのドイツ人は自分で行い、または友達に頼んでいる。この作業に関してはお互い様なので、特に謝礼なども支払わないことが多い。

めぎ家も引っ越ししたいと考え始めてもう6年近く。だって、引っ越すこと考えただけで億劫になるんですもの・・・
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古本の修理 [うちのドイツ人のDIY]

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これは、うちのドイツ人愛用の料理書。
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とうとうバラバラになっちゃった・・・
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本を修理に出すと結構なお金がかかる。そこそこ満足のいくものに仕上げようと思うと100ユーロ(1万円以上)は飛ぶし、この本がそこまでの価値があるかという問題になってくる。そこで、うちのドイツ人は自分で修理する道を選んだ。図書館から製本の仕方の本を借りてきて・・・
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本の仕組みをお勉強。
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必要な材料のページは色とりどりでなんだか楽しくなってくる♪
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実際の作業は非常にゆっくりで、非常に地味。
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ゆっくりとゆっくりと、たぶん2時間くらいかけて少しずつ剥がしていった。
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数日後には表紙の修理がほぼ終わっていた。
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剥がれかけていた角も補強。
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そのまた数日後には、こんなテープが貼られてた。
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修理中の本が製本された頃にはなかったこのテープ。今はどんな本にも使われているみたいね。こうやって作ることもできるみたいだけど、うちのドイツ人は出来上がったテープを買ってきていた。
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これから表紙の裏に厚紙ををくっつける作業。
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入念に大きさを測って・・・
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丁寧に切って・・・
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糊をつけて貼り合わせる。
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それからページの端っこに糊をつけ・・・
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剥がれていた一枚を貼り付ける。
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そして、プレス。
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こんな作業を表裏繰り返し、出来上がり♪
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あのテープも綺麗に張り付いてるし、紙も綺麗に。
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この本、中身は亀の子文字。例えば、Suppen(ズッペン=スープの複数形)って、読めます?Bのところ。
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ここがSuppenのページ。スープのページの1番はFleischsuppen(肉のスープ)。その下にはAllgemeine Regeln beim Kochen der Fleischbrühe (肉のスープを作る際の一般的規則、つまり肉の出汁の取り方の基礎)が続き、その下にはSuppentopf、つまりどういう鍋を使うべきかが書かれている。
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亀の子文字は、ドイツ語を第2外国語で2年間やったことのある人なら、2時間くらい頑張って解読に取り組めば読めるようになる。これが読めるとドイツ語の古い本が読めてとっても楽しい。この料理の本は、他のどんな新しい料理本より面白い。なにしろスープ鍋はスープ専用であるべきだとか、鍋は密閉式のがいいとか、出汁にする肉は新鮮であるべきだとか、肉のどの部位を使ってどのように出汁をとるかとか、塩はどのタイミングでどのくらい入れるかとか、それはなぜかとか、野菜の出汁もとるならセロリやハーブをどう入れてどのくらい煮るかとか、出汁の取り方だけでぎっしり4ページも費やされている。まだなんでも手作りだった頃の素朴な、自然の恵みを存分に生かした料理とその作り方はとってもあたたかい。よき家庭の主婦が知っておくべき教養書の役割も果たしており、実用書でありながらもどこか学術書のような感じで、19世紀後半の古き良き時代が目の前に蘇ってくるような気がする。

試行錯誤はあったもののこうして無事完成したことで喜びを感じたのか、うちのドイツ人は次なる修理の本に取りかかる模様・・・この人、職替えした方がいいんじゃないかしら。
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台を作る [うちのドイツ人のDIY]

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ここは、うちのドイツ人の仕事部屋。
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以前rinoさんからいただいた植物たち、元気です♪

小さなキッチンも付いているのだが、その横の窓辺の台が・・・
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よく見るとすごく傾いていること、わかります?横にも縦にも斜めにも。
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それで、ここの台を新しくすることにしたうちのドイツ人。まず台にする板を用意し・・・
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台を剥がしちゃった。
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板をさし込むところも。
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数日後には板が挿入設置されていた。
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下が斜めなので、橋桁みたいなのの長さ(高さ)が少しずつ違う。隙間にはスプレーすればアワアワが出てきてそれが発泡スチロールになるのを使っていた。
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板をはめ込んだところはこういう風に修復。
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そのまた数日後には、暖房器具を外して隙間に詰め込んだ発泡スチロールを綺麗に切り落とし・・・
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壁を塗り直し・・・
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完成♪
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以前作った棚も、汚れたのをヤスリがけしてニスを塗り直していた。
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この他、カーテンも洗い直し、スッキリした模様。気持ちよく仕事できるといいね。
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