サン・ミッシェル大聖堂 [ベルギー]

今日からしばらく年末のブリュッセル旅行のお話を。日本から遊びに来て、ブリュッセルに是非行きたいという妹の希望で一泊二日の小旅行。めぎにとっては3回目、うちのドイツ人にとっては6~7回目(よく覚えてないらしい)のブリュッセルだが、我々はこれまでブリュッセルを「見に」行ったことはなかった。つまり、仕事だったりデートだったりで、ブリュッセルを純粋に観光に行ったことはどちらもなかったのだ・・・うちのドイツ人にとってブリュッセルという町は、古いものと新しいもの、美しいものと汚いものがごちゃごちゃに混在し、小さな通りを曲がるとまた違う世界が開ける、という印象。めぎにとっては、社会階層・階級の違いがくっきりと分かれているのがよく見える町、という印象。何と言っても食事が美味しいし、いろんな顔を持つブリュッセルが興味深くて好きだけど、覚えているのはちょっとした街角での思い出ばかり。これが見たいというものは特になく、これを見せたいというものも特になく、今回は妹たちが見たいところにお連れする、というスタンスでおつきあい。
ブリュッセルへ行ったのは12月27日。車でブリュッセル入りし、最初に目についたここでまず駐車。こういう行き当たりばったり的なことをするのがめぎ家の旅の特徴。

以下の2枚は妹の撮影。なかなか綺麗に撮れていて、めぎのお気に入り。


次以降は全てめぎの撮影。ここは、サン・ミッシェル大聖堂。

中は日曜日のミサ中。

内陣は13世紀に作られたとか。

一つ一つが精巧ですねえ。

ステンドグラスも立派。

回廊を覗くと・・・

立派なパイプオルガンが見え・・・

ちょうど弾いているのが見えた。

ここは前国王が結婚式をしたところ。日本からも現在の両陛下がご出席になった様子。


妹たちは日本から限られたお休みで来ているから、しっかりガイドブック持参で見たいもの、したいこと、行きたいところ等々満載。若いからパワフルで(義弟はうちのドイツ人より18歳若い)、疲れても貪欲に予定を制覇していった・・・人混みの多い町では疲れやすくくじけやすい老人めぎたちは、妹たちのおかげで自分たちだけだったら絶対行かない観光スポットにもたくさん足を踏み入れた。いつものめぎ家の人のいないところばかり探してまわる行き当たりばったりの旅とちょっと違った旅行記を、どうぞお楽しみに。
光と建物 [ベルギー]

現在、年末のブリュッセル一泊旅行を連載中。
まずはここにご挨拶いたしましょ・・・あらまあ、人がいっぱい!

クリスマス期間中に、日曜日の街中に、こんなに人がいるなんて。ヨーロッパといえども、隣国といえども、ドイツと全く違う・・・ブリュッセルは日曜日でもお店開いてるのね。
みんなが見ているのはもちろんこちら。

これ、ほんとにちっちゃいんですよね~小さいってことはもう分かっているのだけど、何度見ても改めてびっくりする小ささ。寒さで凍っちゃうからかしら、小便してませんでしたわ。
さて、妹たちがブリュッセルでぜひ見たいものNo.1は、王立美術館。次の一枚は妹の撮影。

入るのになんと一時間待ち。入場券を買うための行列を見た瞬間、うちのドイツ人は「僕は入らない」と断言。めぎも以前ゆっくりとここを堪能したことがあったので、3時間後に迎えに来るという約束をしてめぎたちはホテルで休息。着いた途端の人混みにもう疲れちゃったの・・・妹たちにとっても結構な人出で美術館見学を次の日に回したいところだったけど、次の日は月曜日で美術館は閉館。日程上この日取りしか旅行はできなかったので、日曜日の朝早くデュッセルを出発し、昼頃到着して午後は美術館巡り、と計画してたの。クリスマス期間中はヨーロッパの人は旅行しなくて空いていると思ってたんだけど、計算違いだったわね。
妹夫婦は駆け足でマグリットの絵など堪能し、次に駆け込みで楽器博物館へ。

アール・ヌーヴォーの素晴らしい建築。

よく見ると、いろんな楽譜が。読めないわ~


王立美術館の見学後義弟はかなり疲れていたが、楽器博物館を是非見たかった妹にしっかりおつきあい。こういうとき、めぎが頑張ってお伴しなくてもよくなって、一つ肩の荷が下りた気分。彼らが楽器を見学している1時間ちょっとの間、めぎたちはまたもや外でのんびり休憩。ちょうど夕方の光が美しかったの♪



見えます?日時計が3時と4時の間を指してるの・・・これは、3時50分頃の撮影。

ホンの一瞬ですぐに陰ってしまったのだけど、この光は本当に美しく、めぎの今回のブリュッセルの中ではハイライト♪

同じ景色を光無しの時に写すと印象が全然違うでしょ。


王立美術館や楽器博物館が建っている辺りは王宮があるところで、それはブリュッセルの高台にある。次の地図のマイナスを1~2回クリックしていただければ見えてくるのだが、その辺りから右側は道路が幾何学的にまっすぐで、王家が計画的に王宮や新しい町を建設させたことが分かる。
そして、下にはブリュッセルの街並みが。市民がそれぞれ自分の利害で家を建て、誰かのイニシアチブではなく自然に徐々に拡大して作られていった町は、道路が曲がりくねっていてぐちゃぐちゃ。普通は大きな教会を真ん中にして町が建設されるものだが、ブリュッセルは市庁舎のあるグラン・プラスを中心としており、この町が歴史上、宗教的に発展したのではなく商業都市として発展したことが伺える。そんな庶民の町を、王家はこうやって上から眺めていたのね。

みなさま、ベルギーという国にどんなイメージをお持ちかしら。小パリといわれるエレガントな街?王家や歴史的建造物のある古の街?EU本部のあるヨーロッパの中心地?フランスやイタリアほどメジャーじゃないのでちょっと穴場的な街?めぎは昔々世界史選択したんですけど、ろくに覚えてなくって。うちのドイツ人がすらすらっと説明してくれたところによれば、ベルギーは、非常に簡単に言えば、19世紀初めにこの地域をフランス領にもオランダ領にもスペイン領にもオーストリア領にもしたくないヨーロッパ列強各国の思惑で意図的に作られた国。初代国王は今のバイエルンのコーブルクという町のザクセン・コーブルク・ゴータ家という貴族の家から迎えられたとか・・・つまり、国王はもともとは全然ベルギー人じゃない。だいたい、ベルギー人って存在しない・・・公用語も3つあり、それはフランス語とオランダ語とドイツ語・・・つまり、民族がバラバラで、未だに相互仲がよくないからなかなか政治的な求心力をまとめることができない。そして、ベルギー王家はコンゴを植民地として相当残忍に搾取して儲けたらしい・・・そっかーだからダイヤモンド商がいっぱいいるんだね・・・みなさまのイメージと現実、いかがでした?
グラン・プラスのホテル [ベルギー]

現在、年末のブリュッセル一泊旅行を連載中。
限られた時間でブリュッセルを堪能するにはここに泊まるのが最も良いかしら、と選んだのがこちら。

全体像を写し忘れたのだが、これはグラン・プラスにあるブラバン侯爵の館という建物の中のホテル。ホテルの名前はサン・ミッシェル。ホテルのホームページはこちらをどうぞ。
中はとってもヨーロッパ、つまり、一見エレガントで素敵だけど、とっても古い。ロマンチックだけど、シャワーはお湯が出てくるまでに3分間。それでもある程度の湯量があったから良しとするかな・・・3分くらいしたらまた冷たくなっちゃったけど。

でも、ここからこんなのが眺められるんですから!

左側には市庁舎が。

てっぺんにあるのは、ブリュッセルの守護聖人である大天使ミッシェル(=ミヒャエル=ミカエル=マイケル=ミゲール)と竜。サン・ミッシェルはセイント・マイケルだし、ザンクト・ミヒャエルだし・・・と同じ大天使が国によって別人みたいね。

市庁舎のお隣には白鳥の館。miffyさんがお食事なさったというところですね♪

そのずっと上にはこんな金ピカがあるんですが・・・

その足元の裏にはこんな木の古い入り口。そう、これがブリュッセル。すごく綺麗なエレガントなものの裏に、あれ?と思うような古いものや汚いまま放置されているものがある。

広場の右側には王の家。

す、すごい人・・・!!!!

そして、向かいにはこのような家々が。他の大きな建物に圧倒されてなかなか目が向けられないけれど、これがかつてのブリュッセル市民の典型的な家の形。ここのは、商いを営む人たちのギルド・ハウス。

もちろん、ここのは今や歴史的建築物だけど、今も尚こういうところに多少の(否、かなりの)不自由さ・不便さを甘受しつつ住み続けている人がいる。こういう古い建物で、シャワーなどが普通に機能するはずはないのだ・・・だって、こちらはカルキが多くてお湯の配管はもう何百年ものカルキが貯まりに貯まってしまっているはずなのだから。石造りの家ではその配管を取り替える工事もままならないし。そして、こういう何百年も前に建てられた家は、電話やインターネットに対応することなど考えて作られたはずもなく、電気がきちんと配線されただけでも素晴らしいと考えなければならない。それがヨーロッパの大都市の姿。
さてさて、多少の不便さはあっても、ホテルの部屋からグラン・プラスを堪能できる気持ちよさ。ブラバン侯爵の館は正面から見ると大きな邸宅に見えるけど、内部は細長く仕切られてて、縦長の建物がくっついて立っていて正面のファサードのみつながっている感じ。このホテルも縦長で、広場側の部屋はほんの数室。上の部屋を妹たちに、めぎたちは下の部屋を。広場側の部屋を2部屋取ることができてよかった♪ 上に揚げた部屋の写真は妹たちの部屋。めぎたちの部屋は撮り忘れ、この下の写真だけ。似てるけど微妙に違う作り。シャンデリアが違うでしょ。

ところで、グラン・プラスでは1月3日までだったかクリスマスの光のイベントが。

とっても綺麗だったんですが・・・

うるさいの!この安っぽい音楽はちょっと考え直した方がいいんじゃないかしらねえ・・・
ダウンロードは🎥こちら
夜中近くまで変な電子音楽でうるさくて、そのあとも酔っぱらった人々の怒鳴り声などで夜通しうるさくて、ようやく静かになったと思ったら早朝に清掃車がやってきて大きな音を立てながら広い広場を時間かけてくまなく掃除・・・広場側はうるさいだろうとは思ってたけど、クリスマス期間だから空いててそうでもないかな、と誤算。でも、妹たちは時差の疲れもあってか爆睡して気にならなかったとか。このホテルをご検討の方はその辺もどうぞご考慮を。
ブリュッセルの食事 [ベルギー]

現在、年末のブリュッセル一泊旅行を連載中。今日はブリュッセルの食事のお話を。
まずは何と言ってもこちらでしょ♪

甘いものが苦手のめぎは、生クリーム無しの普通のワッフルを。うちのドイツ人はベルギーでベルギーワッフルを食べよう!なんて動機は微塵もなく、「そんなどこにでもあるワッフルを何でここで食べるの?」という感じの顔をしてたけど・・・いつもなら通り過ぎるだけのワッフル屋さんで買ってみることができたのは、妹たちのおかげですわ♪
それから、夕飯にはホテルの下のレストランで、やっぱりこちらを♪

ブリュッセルといえばやっぱりムール貝ですよね~鍋一杯のムール貝もあっさり平らげられる美味しさ。妹たちもその美味しさを堪能してくれてよかった!(この写真は妹撮影・・・食べ終わったあとの殻の残骸もなかなかの見物でしょ)

そして、妹は一度試してみたかったというウサギさんを。(この写真も妹撮影)

↑これ、ウサギとしてはとっても野生の味がして非常に質がよく美味しかったのだけど、妹たちにはちょっと野性的すぎたみたい。ジビエは淡泊な味が好きな人にはキツイかも知れませんね。
それから、4人で別々のデザートをとって回し食べ。(最後のシャーベットの写真は妹撮影)




白い貴婦人という名のバニラアイス+生クリームにチョコレートクリームをかけるのは、量が多いけどなかなかの味。チョコレートムースはかなり濃厚すぎてギブアップ。クリークという名のチェリー味のシャーベットも、美味しいけれどやっぱり濃厚すぎ&甘過ぎでギブアップ。一番美味しかったのは最もシンプルなプリンでした~♪
実は、夜は美味しいレストランを探そうと思っていたのだけど、妹たちは時差ボケと美術館まわりで疲れ切ってたし、冷たい雨も降っていたので、ホテルの下のレストランでまったりとしたのだった・・・妹たちは雨じゃなくて元気だったら行きたいところがあったらしく、そこへは次の日のお昼に。そのお話はたぶん2日後くらいにアップの予定。
このブリュッセル旅行中はその後の寒気を思えば意外と暖かかったのだが、一日中外を歩き続けて身体の芯まで冷え切った・・・そのときにとっても美味しいと感じたのがこちら。

ホットチョコレートって、こんなに身体を芯から温めて元気を与えてくれる有り難い飲み物だったとは、今まで知らなかったわ・・・
ブリュッセルのアーケードなど [ベルギー]

現在、年末のブリュッセル一泊旅行を連載中。今日のお話は、一夜明けて12月28日の午前中。
美味しいクロワッサンの朝食を終え、街並みを見ながらショッピング&散歩したいという妹たちの希望でまずはブリュッセルのアーケード、ガルリ・サンチュベールへ。

クリスマス明けの月曜日、そろそろお店が開くかどうかという時間帯。

そういえば昔、ブリュッセル土産でこういうレースをよくいただきましたよね・・・


ブリュッセル土産の定番といえば、やっぱりチョコレートかしら。

ここにはこういう物を売っているアンティーク屋さんも。

めぎたちは、真ん中右奥にあるデキャンタがすごく気に入ったのだけど、めぎたちにはちょっとお高めで、やめました・・・

気の向くまま歩くめぎたちと、お土産のことを気にしながら歩く妹たち。大変だなあ・・・会社にお休みをいただいてきているわけだし、日本ではお土産は必需品ですものね・・・ドイツでは職場で休暇帰りの人がお土産を配ることって、滅多にない。うーん、皆無に近い。旅先でのお土産選びが必要ない気楽さは、ドイツ暮らしのいいところの一つでもあり、味気ないことの一つでもあるかな。
歩いていると、こんなお店があったり・・・

こんなものが埋まってたり・・・

こんな建物があったり。

これ、証券取引所なんですって・・・でもね、夕方にはピンクにライトアップされてて、失礼だけどなんだかストリップ劇場かっていう雰囲気だったわ。

↑ちっちゃく写っている小屋はクリスマス・マーケットのお店たち。ブリュッセルのクリスマス・マーケットは1月3日頃までやっていたらしい。
イロ・サクレ地区のレストラン [ベルギー]

今日からまた年末のブリュッセル一泊旅行の話の続きをどうぞ。あともうちょっと。
お土産購入が一段落して、おなかが空いてきた妹。足が向いたのはイロ・サクレ地区。

11時半過ぎの撮影だが、早くも人がいっぱい。

実はこの辺り、散歩中にも一度通っていた・・・

新宿の歌舞伎町や札幌のススキノ、ハンブルクのレーパーバーンを思い出すこの雰囲気。


早朝にはいかにも貧しそうなぼろぼろの服をまとった外国人労働者がやってきて、凍える寒さの中、薄着で冷たい水を使ってゴミだらけの通りや店の掃除をしていた。そして、掃除が一通り終わるとその外国人労働者たちは影のように消え去り、別の階層の外国人労働者がやってきて、このように飾り付けを始めていた。

どこもかしこも派手ハデ。呼び込みもなかなかしつこいですよ~

素敵な日本語もありますわよ~如何にここに日本人がたくさん来るか、如何にここの仕事がやっつけ仕事か等々、この看板が全てを物語ってますわね。

妹はここの通りを行ったり来たりして色々迷った末、あるレストランに決定。

めぎとうちのドイツ人は朝ご飯をしっかり食べちゃってて、12時頃にもそれほどおなかは空いてなかった。それに、こういう観光客向けの呼び込み通りはいつもだったら見るのはともかく食べには絶対に行かないところ。だから、ここがどの程度のものなのか分からないけど、ここで食べたいという妹たちにつきあってそれじゃ軽めに何か頼みましょ、と魚スープにしたら、それがとんでもなく不味くって!どうやったらあんなに不味くできるのかどうにもこうにも不思議なほど、想像を絶する不味さというか、救いようもなく美味しくなかったんですの!それはもう、うちのドイツ人が2口くらい口をつけただけで食べるのやめちゃったくらい・・・パンもからからに乾いててひどいものでしたしねえ。朝食のクロワッサンとパリパリのフランスパンが恋しかったわ・・・
妹は白ワインに豪勢な貝盛りを。

一見豪勢に見えるけど、新鮮さについてはイマイチだったとの妹の報告。義弟はパエリアを食べていたけど、ムール貝以外は味がしない、とのこと。

あとでネットで調べたら、ここは相当悪名高い通りだったようですねえ。めぎは上記のように朝からずっとこの通りの嫌らしさを感じてたので、ここはたぶん美味しくないよ、と妹たちにハッキリ告げればよかったなあと後悔。うちのドイツ人もこのときは、自分ならこの辺りでは絶対に食べないけど妹たちが入りたいならつきあうよ、というスタンスだったそうで、入るなとは敢えて言わなかったという・・・我々二人とも特におなかがすいていたわけじゃなかったので、あんまり考えなかったんですよね~だから不味い魚スープを食べなきゃならないという天罰を被ったのかな。いい経験になったという顛末。この辺りで食べる際にはみなさまどうぞ気をつけて。
ランビック [ベルギー]

現在、年末のブリュッセル一泊旅行を連載中。いよいよ大詰め、最終回!
本日の主役はこちら。

ランビックって、なんだかご存じです?ビールの種類というか、製法なんですって・・・義弟がベルギーで是非飲んでみたいと言ったビール。ビールはあまり得意じゃないうちのドイツ人にはいったいそれがなんなのかさっぱり。入ったレストランにもランビックビールはなかったし・・・でも、義弟と妹の様子では、それを飲まなきゃブリュッセルを制覇したことにならない、といった感じの拘りよう。ブリュッセルの中心からちょっと離れたところにその博物館があるという・・・それで、日本のガイドブックの通り名が書かれていない頼りない地図を見ながらちょっとぐるぐる回りつつも何とか辿り着いたのが、このグーズ博物館というところ。

写真ではちょっと分かりにくいかしら・・・ブリュッセル南駅近くにあるこの辺り、見るからにちょっと治安の悪そうな雰囲気。道路などがたがたでぬかるんでて、壊れた、崩れた建物が多く、辺りには黒人やイスラム系の移民らしき人たちしか見当たらず、ちょっとヤバそうな取引をしている雰囲気がむんむん。上の写真の黒人、めぎが写真撮ってたら、ちょっと離れて屯していた人たちの中から突然走ってきてべろべろばーっとしてくれたの。遠くでパンパーン!という音まで聞こえたりして、銃声じゃないかな~ただの爆竹だといいけどね~とうちのドイツ人がドイツ語でめぎにコソッと言ったりして。そう、これがブリュッセルの真の姿。外国人をいっぱい受け入れているけど、棲み分けがハッキリしているのよね。

妹たちも、もっと大きな立派な博物館を想像していたので、むむ?ホントにここなの?といった表情だったが、中に入るとこれまたびっくり!観光客がいっぱい。

ふと視線を感じて見上げると、そこには猫ちゃんが♪

英語で簡単な説明を受けた後、日本語でA4で8枚にもわたって書かれた説明の紙を渡され、自分で自由に見学する仕組み。ちなみにうちのドイツ人にはもちろんドイツ語・・・でも、彼は老眼鏡を車に忘れて来ちゃってて読めなかったの。これからこういうことがどんどん増えるんですよね~めぎもなんだか老眼を感じる今日この頃。写した写真のカメラのプレビュー画面に一瞬ちょっとピントが合わせにくくなってきちゃって・・・これって、ショックですねえ。

ランビックというビールは、自然発酵ビール。酵母を入れず、空気によって運ばれてきた天然酵母が自然に発酵するのをこの樽の中で待つんですって・・・

あくまで自然に拘るので、蜘蛛の力を借りて害虫を退治し、微生物の力を借りて空気から守るとか・・・

で、少なくとも1年から3年もかけて熟成させ、ようやく出荷。


みなさまお気づきかしら・・・ええ、ここは、とってもワインのような匂いのするビール醸造所でしたわよ。栓もコルクだし、ビールじゃないみたいですねえ。ここの方々は、この自然に発酵してできた偶然のビールに心から敬意を抱いているんですって。そう言われると、古の自然発酵ビールへの期待が高まるというもの・・・
そして、試飲。

あ、また、いかにもブリュッセルですわねえ・・・こんなに錆び付いてるのに、そのまんま。

試飲はまず、この博物館の名前となっているグーズとやらを。これは、1年物と2年物と3年物のランビックをブレンドして作るんですって。ワインみたいな瓶からワイングラスみたいなのにちょこっと注いでくれる・・・

ひゃあぁぁぁぁ、酸ぅぅぅぅ~~~っっっっぱい!!!普通のビールの味を忘れて飲んでください、と言われた意味がよく分かったわ~
で、次に、果物入りのフルーツ・ランビックビールを。試したのは、最もメジャーらしいクリークというチェリーのビール。

なるほど、これはまあさっきのより飲みやすいですわ・・・だからと言って、ぜひ買って帰りたいと思うようなものじゃなかったけど。妹たちには混ぜものなしのグーズの方がよかったとか・・・でも、あくまで「比較して」ということだったけど。なにしろ、あれほどランビックに拘っていた妹たちなのに、ここではお土産ランビックビールを買わなかったの~うふふふふ♪いやあ、面白い経験でしたわねえ♪うちのドイツ人もランビックなるものを隅から隅まで理解して、大満足。この機会がなかったら一生知らず仕舞いであっただろうランビック。妹たちに感謝。
そんなわけで、この博物館に向かう前にブリュッセル証券取引所近くのスーパーで見つけてお土産用に買ってあったランビックビール4本を、「重いから」全てめぎ家に置いて日本へ帰国した妹夫婦♪♪


きっと、誰かが観光業界に売り込んで、日本のガイドブックに見所として大きく載せたんでしょうねえ・・・さてさて、残ったランビックをどうしたものか・・・1本は留学生にあげ、2本はうちに招いたお客様たちに賞味していただき(グーズの方は味見しただけで誰も欲しがらず残りは捨てたけど、クリークの方は気に入って一本飲んでくれた)、あと1本、どうしようかしら。
寄り道 [ベルギー]

今日から数日間、デキャンターを買った寄り道のお話を。
10月中旬にオランダのゼーラント州イーセケ(Yerseke、地図上で真ん中よりちょっと左上の海の中の_ _ _ _ _と書いてあるところ)で生牡蠣とムール貝とオマール海老などを堪能しためぎたちは、デュッセルドルフへの帰り道にまたアントワープ(Antwerpen)を通過。

その際に、そう言えばあの大聖堂の中はまだ見たことなかったよね~見てみたいな♪と切り出し、一年前にもう二度と行かないと話していたアントワープでちょこっと休憩することにしたの。

なかなか重厚な建物のある町、アントワープ。

目指すは・・・

あの大聖堂!

電車の通る細い通りに駐車して、2時間弱の駐車料金を払って(路駐は前払い)、いざ大聖堂へ。

そうそう、これこれ、Onze-Lieve-Vrouwekathedraalの方向へ。このVrouwekathedraalはドイツ語のFrauenkathedrale(聖母大聖堂)だが、中世のドイツ語でFrauがVrouweだったことを思うと、オランダ語とドイツ語の近さがぐぐっと感じられる。

ちなみにフランス語にしたらCathédrale Notre-Dame(ノートルダム大聖堂)だが、その昔、ノートルダムって聖母マリアのことだって知ったときのめぎのオドロキはすごかった・・・だって、ノートルダムって、てっきりパリのノートルダム大聖堂を建てた人の名前だとめぎは思い込んでたし(爆笑)、ダムというカタカナからあの大きなダムを思い起こしてすっごく大きなおなかの建築家を想像してたから。
アントワープに来るのはめぎは3回目。うちのドイツ人は5~6回目。2006年初夏に二人でゆっくり観光してまわったのだが、そのときはとってもいい季節で外をまわるのが楽しくて、大聖堂の中を見ようという気が起きなかった。こちらに住んでいると、また来られるし、という意識もあるからどうしても全部見ておかなきゃと頑張らないのだが、またの機会というのは意識して作らなければなかなか無いものである。
その大聖堂はすぐそこ。

こちらの建物にも惹かれるけど、目指すはとにかく裏に見えているあの大聖堂。

入りました~!

ここは、フランダースの犬でお馴染みの、あの涙の最終回のルーベンスの絵がある大聖堂。めぎはルーベンスはそれほど好きじゃないのだが、あの有名な最終回の絵はやっぱり一度見てみたくって。でも、日本人だったらきっと誰でも知っているこのお話、ヨーロッパでは全然知られてなくて、ずいぶんいろんな小説を読んだことのあるうちのドイツ人ももちろん知らなかった。調べてみたら、書いたのはアントワープの人じゃなくてイギリスとフランスのハーフの女性作家だとか。Wikipediaでこの大聖堂を調べても、ここにルーベンスの代表作があることはしっかり紹介されているが、ドイツ語版ではフランダースの犬への言及はないし、オランダ語版もtriviaとして(triviaを「雑学」とか「些細なこと」と翻訳するとこの取り扱いがよく分かる)日本からフランダースの犬のおかげでたくさん旅行者がやってくると紹介しているだけだ。
大聖堂に入ると、左側奥に一層明るく照らされている一画が。

カトリックですねえ。



有名なルーベンスの絵は明日。デキャンターの話は・・・明明後日くらいかしら。
ルーベンスの絵 [ベルギー]

現在、10月中旬のアントワープ2時間立ち寄りの話を連載中。
アントワープの聖母大聖堂の真ん中奥に掲げられているのは、もちろん聖母の絵。

もらったパンフレットによると、オランダ語(フラマン語)でDe hemelvaart van Maria、ドイツ語でMaria Himmelfahrt(普通ドイツ語ではMariäと2格になるけれど、パンフレットではMariaだった)、日本語で聖母被昇天。オランダ語やドイツ語だと、マリア様が天国へ行くというニュアンスだけど、日本語の方は「被」が入っているから天に召されるという受け身の感じで、こういう翻訳にも世界観が表れるのかな、などと思っためぎ。

めぎはこの金ピカ十字架に巻き付いている蛇さんに大注目。なんて美しい曲線美。

上の方は真っ白で、本当に昇天していく感じがする。

ここは入るのに大人一人5ユーロも払うだけあって、なかなかのサービス。内陣に踏み込めることって、なかなか無いこと。おかげでこの細工をじっくり拝見できた。

この内陣に向かって左側に、ネロが見たルーベンスの一枚目がある。オランダ語(フラマン語)でDe kruisoprichting、ドイツ語でDie Kreuzaufrichtung、日本語でキリストの昇架。昇架って書かれてるけど、キリストが自ら昇ったわけじゃないと思うんだけどな。この絵は、絵を見ても、オランダ語とドイツ語を訳しても、地面におかれた十字架にキリストが両手両足杭を打たれ、その十字架を人々が建てたという意味のはずだ。

ルーベンスってイタリア人?と錯覚するほどイタリアっぽい絵ですわね。ちなみにルーベンスはイタリアのマントヴァで8年も宮廷画家をしていたとか。両親がアントワープからきたからアントワープ人と言われているけれど、生まれはなんとドイツのジーゲン。ええっ!?あの坂の多い小さな町、ジーゲンで生まれたの?ちょっとびっくり。(ジーゲンはデュッセルドルフから電車で2~3時間の小さな大学町で、めぎは一度シンポジウムで訪れたことがある。)

このワンちゃん、パトラッシュと比べてずいぶん西洋的な顔立ちですわね。

この絵があるのはちょうどこの大聖堂の十字(通路)の左側。そこからまっすぐ向こうを見ると、左側に内陣が、右側に出入り口がある位置関係。

英語版で見つけたこの映像の8分30秒目くらいから見ると、この大聖堂の広さが分かるし、9分25秒くらいから見ると、内陣とルーベンスの左右2つの絵との距離感がよく分かる。ちょっと誇張されている気もするけれど、こんな感じに非常に広い教会だ。
↑この映像では教会の十字の横線に当たる通路ががらんどうだけど、実際は一つ上の写真のように、いっぱい椅子やらものやらが置かれている。
それから、右側の絵の方へ。この絵の前でネロとパトラッシュが深い眠りに入っていったのだけど、実際はそんな隙間がないほどものがびっしり。昔は何も置かれてなかったのかな。

オランダ語(フラマン語)でDe Kruisafneming、ドイツ語ではDie Kreuzabnahme、日本語ではキリストの降架。これもやっぱり、降架と言われると自ら降りたような気がしません?Abnahmeって取り外すイメージで、人々が死んだキリストを十字架から降ろすわけで、降りるって感じじゃないよな~降架という文字から降ろされることだとはめぎは想像できないんだけど。

貧しくてひもじくて冷え切って死を目の前にした少年が、この絵に救いを感じた気持ちはよく分かる。たしかに、ものすごく美しい。劇的でダイナミックでエネルギッシュで、絵の向こうには素晴らしい光が満ちあふれているような気がする。

ちなみにさっきの英語版の続きの映像は、日本のエンディングとかなり違う(と思う・・・めぎの記憶では、日本のアニメではネロたちが天使たちに連れられて天国に昇っていって終わるような気がするのだけど、みなさん、どうでしたっけ?)。
こうしてじっくり見て感じたけど、めぎはやっぱりルーベンスはあんまり好みじゃない(ネロ、ごめんね)。あまりにもドラマチック過ぎて、舞台上の演劇を見ているようで、色彩も美しすぎて、ちらっと見るのは素晴らしいのだけど、ずっと見ているとそのパワーに疲れちゃうの。この劇的な描き方は、本当にイタリア風だなあ・・・ここがアントワープだということを一瞬忘れそう。
以上がこの聖母大聖堂のルーベンスの作品。明日は大聖堂のそれ以外の様子を。

聖母大聖堂の中 [ベルギー]

現在、10月中旬のアントワープ立ち寄りのお話を連載中。お尋ねのルーベンスのもう一枚「キリストの復活」は、その辺りが工事中だった上に昨日の3枚でめぎはおなかいっぱいで、あああそこにもあるのね~でももう疲れちゃったからまたいつかね~と流してきちゃったの。
聖母大聖堂には、昨日ご紹介したルーベンス以外にも色々見所がある。例えば、内陣の裏側は広くていろんなものがあって、非常に興味深い。

これは、ルーベンスの聖母被昇天の絵の裏側にある聖母の死を描いた絵で、ルーベンスと同時代の画家によるもの。裏側なのでちょっと暗い写りだけど。

絵画ばかりに目が行くけれど、木の細工も素晴らしい。

暗くて見えにくいけど、懺悔するところ。内陣の桟敷席の裏側。

裏の一画にこの聖母大聖堂の模型があって、たくさんの観光客が入れ替わり立ち替わり撮影していた。

その近くには蝋燭も。50セントか1ユーロか2ユーロか・・・と大きさによって色々だが、蝋燭を灯すことは祈りと共にこの大聖堂への献金にもなる仕組み。

内陣の裏側はとても広くて、こんな小さめのチャペルみたいな部屋がいくつも並んでいる。

壁画を見ると、この大聖堂の古さが分かりますねえ。

こういう姿の司教って、あんまり見かけない気がするなあ・・・後ろの壁も、相当古いわね。

ちょうど光も入ってきて、とても美しかった。

この大聖堂にはルーベンス以外にも立派な絵がいっぱいあるのだけど、みなさまきっと薄々お気づきのように、めぎは絵画にはそれほど興味がないのだ・・・だから、数点見ただけでもう十分。どこへ出かけても美術館には滅多に行かないのもそのため。それよりは、光の具合などを感じるのが好きで、教会の中でも光の射し込む先に何があるかとか、どこが陰になっているかとか、そんなことに目が行くの。でもここ、宗教画を中心に絵画がいっぱいあって大聖堂美術館って感じなので、興味のある方はぜひいらっしゃることをお勧めする。
内陣の裏から出てきて、大聖堂の右側を見ながら出口の方へ。

ステンドグラスも見事な大聖堂。

右側の出口近くの壁には聖書の物語が何枚かの絵になって綴られていた。こういう絵を見ると、聖書の物語もさることながら、この絵が描かれた当時の人々の服装、社会階層、建物の造りなどが非常によく分かる。右上にちょこっと描かれた三角錐の屋根の塔なんかがとっても興味深い。

出入り口の上にそびえるオルガン。ならすと轟きのようでしょうねえ。

大聖堂を満喫しためぎたちは、この後ちょこっと休憩に喫茶店へ。その話はまた明日。
デキャンターを見つけたところ [ベルギー]

アントワープのお話も今日が最終回。
聖母大聖堂を出てきたら・・・

素晴らしい天気だった♪

夏は観光客でいっぱいのこの広場。

市庁舎前の撮影スポットは修理中。

こちらは大聖堂の反対側。日本から来た方なら、ここに泊まった方も多いのではないかしら。

めぎたちは大聖堂のすぐ近くの適当な喫茶店に入った。

適当に入った割りにはなかなか面白いところ。

地下も面白そう。

こんな軽食とブリュッセル風ワッフルというのを食べた。


ところでこの喫茶店の前はちっちゃな広場だったのだが、そこでこんな銀食器などが並んでいたの。

わ~なんか欲しいな~♪

ね、このサーモン載せる板とか、欲しくならない?

銀食器に触るにはこの手袋が必要なのね。

銀食器以外にも色々魅惑的なものが♪


ここであのデキャンターを見つけ、23ユーロだったのを20ユーロで購入。

さて、そろそろ2時間。駐車場へ急がなきゃ・・・と歩いていたら、馬車に遭遇。2006年にはめぎたちも馬車で観光したの。馬車のおじさんはお話上手で、結構お勧め。

こうして予定外のお土産付きでアントワープをあとにしためぎたち。ここから約3時間走ってデュッセルドルフへ。アントワープで最後に写したのは、この写真。この日は土曜日、ユダヤ教のミサがあったのね。

明日からはまた最近のデュッセルドルフのお話を。
ユイ [ベルギー]

北ドイツから無事に帰宅し、イースター休暇もあと数日。ハンブルクと義妹の家での話は写真の整理がついてから。これから数日は、その前に一泊二日でちらっと行ってきた全く別のところのお話を。
ここはベルギーのHuy(ユイ)という町、朝の6時6分。

なぜそんなところにそんな早朝にいるのかと言えば・・・うちのドイツ人が彼の友人をベルギーのリエージュ空港まで送っていったため。その友人はイースター休みに格安航空券でカナリア諸島へ行ったのだが、格安なので非常に不便なところから飛び立ったのだ。デュッセルにもケルンにも空港はあるのだけど、なんとベルギーのリエージュから。それなら自分で車に乗っていけばいいだろう・・・と思うのはドイツ人も同じだが、帰りは別の空港に戻るようだし、その空港に予め彼のカノジョが車で乗っていってあって(カノジョは一足先にカナリア諸島へ旅立っていた)、帰りは一緒だということで、つまり彼には行きの車がないのだった。そのような訳で友人はうちのドイツ人に頼んできたのだが、それはもしかしていい機会じゃない?快気祝いも兼ねて、旅先でのD600撮影のお試しも兼ねて、一泊してこよう!リエージュは行ったことがあるから、その近くでどこかへ・・・ということで、思わぬ小旅行となったのだった。でも、小旅行と言えども外国旅行だから、ちょっとウキウキ♪
デュッセルドルフからリエージュまで約210キロ、普通に行けば車で約1時間半。6時半の離陸ということで、朝2時に起き、3時に家を出た。雪が降ったのでゆっくり走り、無事5時頃空港に到着。友人を見送り、トイレ休憩し、朝食として持ってきたおにぎりと鶏の手羽先のオーブン焼きをつまみ、目的地へ。その途中で寄ったのが、このHuyという町なのだ。

ユイはムーズ川(オランダ語のマース川・・・マーストリヒトのマース川・・・つまりオランダのマーストリヒトもこの近く)に面していて、かなり威嚇的な城塞と、かなり立派なノートルダム寺院があるようだ。

これは全てあの24-70mmレンズの手持ち撮影。手ぶれ機能のないレンズだが、レンズ開放して(F値2.8)ISO1100でシャッタースピード1/50秒前後で撮影している。

ハッキリ言ってまだこのカメラにもレンズにも全く慣れていない上に、この日は物凄く寒かった・・・雪が降り、氷点下の早朝。とてもあれこれ試すことなどできず、適当にぱしゃぱしゃ撮っただけ。構図も何もあったものではないが、こんなに綺麗に撮れることに感動。

これはシャッタースピード1/15秒。息を潜め、手ぶれしないように頑張りながら。

うちのドイツ人はぬくぬくと車の中で待機中。(めぎ家の車は写っていない。)

白々としてきて、ノートルダム寺院がよく見えるようになった。

うっすらと雪化粧。

こんな中世の町並みの残る町だけど、すぐ裏に原発がある。3基あって、もくもく稼働しているのがよく見えた。

ベルギーという国にみなさまどんなイメージをお持ちかしら・・・チョコレート、ワッフル、ムール貝、ベルギービール・・・あとは、EUかしら。ブリュッセルになんとなく憧れなどありません?パリやロンドンやローマやバルセロナの次くらいに行ってみたいような。お洒落な国際都市なんじゃないかと思うあの憧れの気持ちはいったいどこから来るのかしら・・・めぎも含め日本人に共通するベルギーのなんとなくエレガントで素敵なイメージは、実際のベルギーを目にする度に打ち砕かれる。かつてスペイン領だったりオーストリア領だったり、ネーデルランドと称したり、フランスもイギリスも興味津々で色々介入し、独立国家として成立していた時期がほとんど無い国だ。未だに民族間の対立が激しく、一国家として全くまとまっていなくて政治がうまく軌道に乗らず、そのため色々なこと、例えば道路の補修など身近なことが放置されている。一人当たりのGDPはドイツよりも日本よりも上だが、一般庶民の家を外から見た限り、あまり裕福そうには見えない。町の建物も壊れていたり崩れていたり空き家だったりが目立つ。そして、田舎には工場がいっぱい。この町も、ここだけ見ればとっても美しく素敵だけど、そのまわりは殺伐とした工業地帯なのだ。
夜が明けて、カモメがたくさん飛んでいた。さっきまでどこにいたんだろう。

ずいぶん明るくなってきたが、この日は雪で、日の出の撮影を試みることはできなかった。

向こうの山の雪もよく見終えるようになった。

麓はちょっとお洒落だけど・・・

その上の城塞は本当に威嚇的。ここが如何に長年緊迫した地域だったかがよく分かる。

明るくなると天気が悪くてあまりおもしろみのない景色になってしまった。これ以上特にすることもないので、そろそろ目的地へ移動しましょ。

せっかくなのでムーズ川に沿って走ってみた。たまに町を通る・・・町とはこんな感じ。ね、あまり裕福そうには見えないでしょ。

ベルギーのこの地域は川沿いに渓谷が続く。

その合間に建つ工場・・・あ、鉄道も!

天気がよければもう少しイメージも明るくなるのだろうけれど。

目的地まであと1キロのところに来たのは朝7時40分頃だった。

つづく。
ナミュール [ベルギー]

現在、ベルギーの小旅行記を連載中。
今回の旅の目的地はこちら。Namur(ナミュール)という町で、ムーズ川と運河のように見えるサンブル川の合流地点。手前右側のアートに隠れているところが旧市街、奥右側が城砦、ムーズ川を挟んで左側が現在のナミュールの市街地。

このときは70-300mmズームレンズにつけかえた。手前がムーズ川とサンブル川の合流地点。オレンジ色の建物はベルギーのワロン地域の議事堂。その上に城砦、左奥上に見えるお城がめぎたちの宿泊するシャトーホテル。

ホテルは見えるものの、今はまだ朝の7時50分。こんな凍った町で、何をしようかしらねえ・・・


夏は楽しいだろうけど。

めぎたちはとりあえず旧市街へ車で入り・・・

駐車してちょっと街歩きすることにした。車を駐めたのはこの鐘楼の近く。

その下は朝のお掃除中だった。

鐘楼のまわりをぐるりと回ってみる。左側にはスレート屋根の煉瓦造りの建物が。ちょっと新しそうね。

その下は古そうね。上を建て増ししたのはいつなのかな。

鐘楼の右側の向こうに行ってみましょ。

アーチをくぐって左側を見上げると正面はこんな建物だった。

ルイ13世様式の(ということは17世紀以降に建てられた)この建物をつい最近改築し、今は会議や学会の会場として使われているらしい。

その右奥には劇場もあった。ここがかつてはとっても栄えた町だったことが伺える。

さて、この会議場となった立派な建物の左隣に、唯一開いているお店が。なにやら美味しそう・・・

めぎたちはここでちょっと一休みすることにした。なにしろ寒いし、あたたかいコーヒーと焼きたてのパンにすっごく惹かれて。

何もかも美味しそう・・・めぎたちはクロワッサンとブリオッシュを選び、コーヒーを頼んでゆっくりした。

こんな景色を眺めながら。さすがにちょっと眠くなってきたわねえ。これからどうする?

こんな天気じゃなかったら、ここから車で20分くらいのところにある古城やディナンという町に足を伸ばそうかとも思っていたのだけど、この寒さじゃねえ。古城のほとんどは3月いっぱいお休みで、(このときは3月末で)中には入れないし、今日はどこに行っても雪景色でしょ・・・まあ、また来られるし。(と言っても現実には滅多に来ないのだけど。)
などと話しながら、まったりと一時間くらいいたかしら。

ケーキも食べてみようかと思ったけど、ブリオッシュで甘いものももう要らなくなっちゃって。

こうして休んであたたまったところで、もう少しこの町を歩いてみることにした。
ほんのちょっとだけナミュール街歩き [ベルギー]

現在、ベルギーの小旅行記を連載中。
昨日御紹介したパンを食べたお店は右側にシャンデリアが写っているところ。アーチのずっと向こうに細い道が続いている。あそこへ行ってみましょ。

ほら、あそこ。向こうに、あのオレンジ色のワロン地域の議事堂が見える。

パン屋さんの中でレンズをまた24-70mmに付け替えて、いざ往かん。
議事堂へサンブル川を渡る橋は工事中だった。

ここから城砦がよく見える。

さて、その橋のたもとにこんな建物が建っている。

立派な紋章ねえ。

ここはかつての肉屋ギルド。16世紀の建物なのだとか。煉瓦もさすが年季が入っている。

今は考古学博物館として使われているそうだ。

24-70mmレンズで、ちょっと遊んでみた。

もっと色々撮影してみたいけど、重いことよりも寒くて断念。

そろそろ車に戻りましょ。

見せるためにある石畳ではなく、道路として機能するために造られた石畳。車も通ってすり減っていて、ここの日常に思いを馳せることができる。

なにやら美味しそうなお店もあった。


こんな一角には・・・

工事中の部分が・・・

むき出しで放置されていた。

ベルギーもドイツ同様自己責任の国らしいわね。
路駐の車には雪が残っている。道路にはもう無いのにな。

ここまで24-70mmと70-300mmレンズを交互に使ってみて感じたこと・・・850gのボディに900gと745gのレンズを両方持って街歩きをするのはやっぱりキツイ。このときみたいに30分程度ちょっとうろうろするだけならかまわないが、一日中歩くとなるとたぶん無理だ。それに、途中で雪の降る中付け替えることなど当然のことながら不可能で、そのときついているレンズで撮れるものを撮るしかない。片方だけなら長時間の持ち歩きも可能だと感じたが、片方だけを選ぶと、どうしても広角が必要なとき、または反対に超望遠が必要なときに、残念ながら我慢するしかない。やっぱり28-300mmの便利な旅行レンズが必要だなあと強く感じた。
しかし、いいレンズがあると、そのとき撮れる画角でそのレンズならではの面白い写真を撮ろうとしたりできる。それがとっても楽しい。旅行先であまり長時間歩かず、一つの場所に留まってゆっくり撮影できるような旅をするときは、いいレンズがあったら楽しいだろうなあ。今回の旅のように自分の車で旅をするような場合、またはレンタカーで旅をするような場合は、いいレンズを持って行くことが可能だし、付け替えて撮影を楽しむような旅の仕方をすればいい。しかし、だからといって便利レンズといいレンズの両方を買うのは、さすがに予算が・・・ううううう。こうしてレンズ沼巡りは回転数を増やしながら同じところをぐるぐるぐる。
さて、このとき朝9時半。これからどうしましょ。とりあえずホテルの場所まで行ってみることにした。城砦からは眺めも良さそうだしね。

つづく。

城砦からの眺め [ベルギー]

現在、ベルギーの小旅行記を連載中。
城砦への道をひたすら上る。


ときどきビューポイントで止まりながら。

この城砦は17世紀のものだとか。


下にはムーズ川。

上ってきた道。

写真からも分かるように、この辺りはムーズ川に沿ってずっと渓谷が続いている。この辺りはアルデンヌ地方といい、第二次世界大戦の時、ドイツ軍がフランスへ侵攻した突破口だ。フランスへ攻め込むのに、どこから行くか・・・フランスはアルザスも北側もしっかり固めていたが、まさかこの渓谷をドイツ軍が突破できるとは思っていなかった。しかし、ドイツの技術はかなり進んでいたため、戦車が渓谷を上り、突破した訳だ。戦争末期にも再びここからドイツ軍が攻め込んだ。つまりここは常に独仏間の戦争の通過点だったということだ・・・ここにこんな立派な要塞があるのも、もっともっと昔からここが何度も前線になっていたことの表れである。
ムーズ川の向こうは・・・

東側。つまり、ドイツ側の地域。城砦から見下ろすとずっと向こうまで見渡せる。

それからまたしばらく上ってこんなところへやってきた。

ここからの景色は旧市街側。手前に見える川はサンブル川。

雪景色が見られるというのもある意味ラッキーなことよね。

だって、この時期は普通まだ緑はないし、茶色く汚い季節なのだもの。

さっきまわりをぐるっと回った鐘楼は右側に見える塔。

あ、あそこにあの工事中の橋と肉屋ギルドが。さっきここを見上げて写したところ。

夏はここに憩う人たちがいるのね。

こんな天気でもジョギングしている人がいたけれど。

かなりもくもくと雪が降ってきて、相当に寒くて、撮影していると手が悴んで、車の中に戻ってもまずは指の感覚を戻すので精一杯で(撮影するときには手袋を着用することはできないものね・・・)、とてもレンズを付け替えようという気にはならなかった。望遠で撮ってみたい気持ちもあったが、70mmまでで我慢。思えばカメラの撮像範囲をDXに切り替えれば105mmにはなったのに、そんなことはこの悪条件では思いつかなかった。しかしこの暗くどんより雪煙る悪条件では、F値2.8がとっても素晴らしく役に立った。ISOも上げず、シャッタースピードも速いまま、こんなに明るい写真が撮れる。冬のヨーロッパでは明るいレンズが重宝しそうだ。
そこからまたしばらく上り・・・

野外劇場やら・・・


サーカスやらを抜けて・・・

宿泊するホテルのところまでやってきた。

つづく。
ナミュールのシャトーホテル [ベルギー]

今日からドイツもイースター休暇が明けて仕事始め。学校も大学も始まる・・・ううううう。でも、D600と欲しいレンズを買って、さらに撮影に旅行に行くためには、働かねばねぇ。
現在、ベルギーの小旅行記を連載中。
ようやく目的地に到着!

雪景色のシャトー、素敵ねえ。

でも、どうやらちょっとフェイクっぽい・・・いや、たぶん19世紀くらいの建物なのだろうけど、19世紀でこういうスタイルということは、ヨーロッパのシャトーとしてはフェイクなのだ。(つまり、中世の様式を真似てリバイバルしたネオ・なんとかという様式なので、ヨーロッパ人は揶揄してフェイクと呼ぶのである。ドイツのあの有名なノイシュヴァンシュタイン城も、ドイツ人の感覚ではフェイク。)

恐らくちょっと下にある野外劇場などと一緒にアミューズメントパークの一つとして建てられたか改築されたホテルなのだろうな。それでも、夏なら緑がいっぱいで散歩したりするのは楽しそう。

結婚式場として使われたり、研修や会議にも使われたりするところみたい。

ホテルのホームページはこちら。
ベルギーの旗・・・ドイツと似てるけど、方向と順番が違う。

さて、今、朝の10時15分くらい。

このホテル、チェックアウトは11時までだけど、この時間帯にはチェックアウトしたお客たちが次々と出てきて出発していっていた。

チェックインは15時・・・それまでどうする?ここのレストランでお昼でも食べながら時間潰す?でも、ここで夕食を食べようと思っていたので、昼食も食べるというのはちょっとねえ・・・それに、めぎたちは実はお弁当を持参していたので、レストランで食べるというのはちょっと勿体ないし・・・ということで、とりあえず11時まで車の中で待って、お客たちが去っていった頃にフロントに掛け合ってみることにした。車の雪を払って出発していくお客さんたちを眺めながら。

すると、10時半にはお客さんの出発が一段落したようだったので、中に入ってみた。フロントの辺りは結構殺風景。シャトーという感じではない。

さて、11時チェックアウト15時チェックインのホテルに10時半に到着して部屋に通してくれるか否か。以前、うちのドイツ人と一緒に富士山の麓のリゾートホテルで14時チェックインのところ11時頃に到着してしまったとき、聞いてみたけどやっぱり「チェックインは14時からとなっております」と丁寧に、しかし冷酷に言い渡され、それなら温泉だけでも、とお願いしても(なにしろ富士登山後で砂だらけだったから)、「温泉使用はチェックイン後となっております」とはねつけられ、13時半までロビーでお茶を飲みながら待つ羽目となったことを思い出す。しかしここでは、うちのドイツ人が涼しい顔で「今日予約している○○だけど、早く着き過ぎちゃってね。」すると、フロントの若い男の子が、「ぼくはトレーニーなのでなんともお返事できません。上の者に聞いてみます。」すると、上の人が出てきて「じゃ、掃除婦に聞いてみます。」そして彼は電話をかけ、「15分お待ちいただければお部屋にご案内できますよ。」すると、うちのドイツ人「それはまあ大変ご親切に。」
というわけで、10時45分にはめぎたちは部屋にいた。


ここでゆっくり持ち込んだ朝食の残り(鶏の手羽先をオーブンで焼いたのと、おにぎり、早朝のパン屋さんで仕入れたパン、魔法瓶で持ってきたコーヒーとペパーミントティー)を取り、夕方まで爆睡した。

ジュニアスイートのこの部屋、二人で一泊200ユーロ(約2万円)。安くもなく、シャトーホテルのジュニアスイートとしては高くもない。眺めはよく、水回りもよく、暖かく、ベッドとふとんも寝心地よく、Wi-Fiも無料で居心地はよかったが、家具などあちこち壊れてて、200ユーロの価値は残念ながら無い。古城ホテルオタクになりつつあるめぎ家としては、これは失敗チョイス。しかし、10時45分に部屋に入れてくれたのだからねえ。親切なホテルであることはたしか。
眺めは本当によかった。窓も多くて明るかったし。

夕方5時過ぎになってから、ようやく起きて下におりてみた。雪は少し溶けていた。

ちょっと晴れているような、薄曇りのような。

つららがまだ残っていたけれど。

夕食のレストランは19時から。それまで下のバーでアペリティフにリキュールワインを楽しんだ。


そして19時ちょっと前にレストランへ。ちょっと早く行ったから、席は選り取り見取り。ここではアペリティフにうちのドイツ人はキールを、めぎはキール・ロワイヤルをお願いした。



ちなみにこのレストランは予め予約が必要。そして、なにより重要なのは、ここで働いているのはコック以外ナミュールのホテル・スクールの学生であるという点である。つまり、いつかシェフになりたい、ホテルマンになりたいと思って修行中の若者たちがサーブしてくれるのだ。だから、色々と危なっかしかったり、スマートじゃないことも多々ある。その辺りを予め承知の上でここを予約する必要がある。めぎ家としては、明日を担う若者たちの実験台になるのを結構楽しみにしていたのだが、とっても可愛い若者たちだった。一生懸命苦手そうな英語で説明してくれたり。
そう、ここはフランス語の地域。フランス語と行ってもかなりベルギー訛りがあって、めぎには非常に聞き取りやすかった。メニューにはフランス語と並んでフラマン語も表示されている。フラマン語はオランダ語に似ていて、つまりドイツ語にも似ていて(なにしろ言語分類の一説ではオランダ語もフラマン語も低地ドイツ語の方言だから)、でも違ってて(なにしろ今の標準ドイツ語は高地ドイツ語で、低地ドイツ語じゃないから)、めぎたちはフランス語とフラマン語の言葉を比較しながらどんな料理か想像した。アラカルトもあるが、50ユーロのコースを頼み、22ユーロでその料理にあったワインを飲んだ。32ユーロのワインセレクトもあったが、チリやオーストラリアから来たワインをベルギーで飲みたくはない、とうちのドイツ人が言って、22ユーロの方に。

さて、メニューに詳細の載っていない前菜(お通し)は、トマトのゼリーとチーズのクレーム・ブリュレ。どちらもとっても斬新で美味しかった。正直なところ、ここの料理でこの二つの前菜が一番美味しかった。最初のお皿はスモークサーモンのミンチ・・・つまりスモークサーモンのカルパッチョとかたたきのようなものを想像していたのだが、切り身は意外に大きかった(写真は既に食べかけ)。これもなかなか美味だった。


レストランでの写真は慣れないレンズとカメラでホワイトバランスがイマイチだったので、小さな写真で載せている。外からの光と中の電灯とでうまくいかなかったのだ。ホワイトバランスはオートで撮影してみればよかったな。食事中に写真を撮るのはスピードが必要であって(おなかがすいているところ待たせたくないし、自分も早く食べたいから余裕がないし、温かいものが冷めちゃうから)、今回はとりあえず撮ったという感じ。次回レストランに行くまでにしっかりうちで練習しておかねば。それから、24-70mmのレンズはレストランで扱うにはちょっと大きすぎ、ちょっと重すぎた。こういうときには、マクロか単焦点の軽いレンズが必要かも。
お魚のメインは赤いスズキのようなお魚で、アーティチョークやトマトの入ったソースが美味しかった。お肉はイベリコ豚のフィレステーキ。まわりのグリーンアスパラは季節柄輸入物だろうが、久々の味で美味しかった。お肉もしっかり味があって柔らかくて美味しかったけど、肉料理に関しては、どこででも食べられるものだったと言わざるを得ないかな。


デザートの前に、うちのドイツ人が一度煙草休憩へ。いつの間にかすっかり日が暮れて、ガラスにこのレストランの様子が綺麗に映っていた。結構いっぱい人が入っているでしょ・・・めぎも映ってるわね♪

めぎ家の近くにはイギリス人老夫婦が座っていたのだが、筋金入りのケチで、アペリティフには何を?と聞かれて「何もいりません」、ワインは?と聞かれて「いりません」、お水は?「水道水をお願いします」と。おお、レストランで水道水を頼むイギリス人って、話には聞いていたけど、本当にいるんだわ・・・いや、きっとイギリスではそれもありなのね。ウィーンみたいにカフェでコーヒーを頼むと水も付いてくる国もあるけど、基本的に大陸側ではお水はミネラルウォーターを頼む。少なくとも、こういうきちんとしたレストランでは。
そしてデザートとエスプレッソ。デザートはラム酒でフランベしたパイナップルのクランブルにアイスとチョコがトッピング。エスプレッソには小さなエクレアと何かのケーキ(もう覚えてない)が付いてきた。


ベルギー旅行記はあともう一回つづく。
夜景と朝食と帰路とお土産 [ベルギー]

ベルギー旅行記は今日でお仕舞い。
夕食後、うちのドイツ人の喫煙につきあって外に出てみた。

F2.8のレンズとD600のフルサイズセンサーと高感度のおかげで、手ぶれ対応機能なし手持ち撮影でもこんなに綺麗な夜景が撮れた。やっぱりいいカメラといいレンズはそれだけの価値があるのね。
部屋から見えた夜景もくっきりと。ブログに載せるのにサイズと画質を落としているけれど、オリジナルを拡大して見てびっくり。向こうの建物やアウトバーンがハッキリ解像されていた。

きっと、三脚使ったら、もっと良い写真が撮れるのだろうな。めぎはこのように手持ち撮影なので、この24-70mmレンズは宝の持ち腐れというか、本来の使い方がめぎにはできず、レンズ本来の力も引き出せないのかも知れないな。しかし、こんな素人にもすっごくいい写真が撮れたような気持ちにさせてくれる、夢のレンズであることは確かだわね。
次の日の朝は光が射していた。

この日から少し晴れ出したみたい・・・うーん、一日違っていたら青空を写せたかも知れないな。

ゆっくり起きて気持ちよくシャワーを浴びて、朝食へ。この生ハムが美味しかった♡

うちのドイツ人がとってきたスクランブルエッグはイマイチだった模様。フレッシュオレンジジュースはとても美味しかった。

夕食と同じ場所で朝食。部屋を写したのだが、写真としては手前のバイキングテーブルにピントを合わせた方がよかったわね。

さて、生ハムの写真から既に気がついていた方もいらっしゃるかしら・・・このレンズ、まわりが黒く映るでしょ。これ、実はDX用の40mmマクロレンズ。これをD600につけてフルサイズで撮ると、足りない分がこうして黒っぽく丸く写るのだが、マクロレンズの場合その黒い部分が少ないので、写し方によってはトイカメラみたいで面白い写真ができるかも。

ほら、こうするとあんまり黒い部分が目立たない。

こちらはちょっと目立つわね。

あそこが夕食の時にめぎたちが座った席。朝食の時には使われていたので、窓際に座れなかった。

235gのレンズをつけての撮影は、レストランではずいぶん楽。もうちょっと重くてもいいくらい。このDXレンズはF2.8なので、暗い室内でも十分明るく写り、室内で食事を写すことの多いめぎとしては明るく軽い単焦点を買う価値はかなりあると感じた。
チェックアウトして、ちょっと外を。こういう写し方をするのはダメね。

でも、これは意外といけそうね。

これらはギリギリかな、やっぱりダメかな。


さて、ホテルをあとにしためぎたちは、それ以上どこも観光せずまっすぐうちに帰ることにした。帰りのガソリンを入れているときに、見えた鉄道を慌てて撮影。ここからは70-300mmレンズ。

それからスーパーでお土産ショッピング。

大きなスーパーなので、色々と楽しめる。

あ、あの笑っている牛さんが♪

ベルギー人はバターを1キロ単位で買うのね。

ここで買ったものについては後ほど。
帰りのアウトバーンでは、ベルギーの移動中の軍隊様にお目にかかったり。

タリスにはお目にかかれなかった。それにしても、ベルギーのアウトバーンって、すごい電灯の量ねえ。

ここが国境。

ドイツに入ると、電灯が全く無い。そして、道路が格段によくなる。ああ、ドイツに帰ってきたなあと感じる瞬間。

さて、スーパーで買ってきたもの。まず、エクレア。ドイツではエクレアを売っているところが滅多にないので、嬉しくなって購入。ここからは24-70mmレンズで撮影。


それからフロマージュ・ブラン。とってもクリーミーなフレッシュチーズ。似たようなクヴァルクというのがドイツにもあるのだが、フランスやベルギーで手に入るフロマージュ・フレは全く別の美味しさがある。ルバーブのジャムも購入し、簡単デザートに。



それからハムのパテという名前で売られていたレバーのパイの切り身。


これはパンに塗って食べる。美味しい♪

それからCoppa Entiereという生ハムと、意外と柔らかかったサラミソーセージ。量り売りで購入。



量り売りの時に感じたが、ここのベルギーの売り子さんはドイツの売り子さんより無愛想。やる気もなくて、お客さんがいてもそっちのけでおしゃべりに夢中だったりするところもドイツと同じ。
そして、ワインを何本か。これは6本入りの箱を約28ユーロで。普段飲みに。うちのドイツ人のグラスが白ワイン用なのは、この前にプロセコのカシスリキュール割りを飲んでいて、そのグラスをそのまま使ったから。

以上でベルギーのお話はお仕舞い。日帰りもできる近さの外国、ベルギー。すぐに行けるけど、そうなかなか行くことはない国。近いけど、ドイツに売っていないものもいっぱいある国。すぐ隣だけど、フランス語圏。ヨーロッパに住んでいると、国境がどんどんなくなっていくけど、異文化を感じる機会がいっぱい。こういう機会がある度に、遠い祖国の現状を思う。
そして、様々な場面で色々とレンズを試してみて、少しずつ欲しいレンズが絞れてきたような、いやいや、まだまだ悩みは果てしないような・・・レンズ選択の悩みはハンブルクへと続く。
どんより曇りのアントワープ [ベルギー]

本日、カーニバル休暇中のオランダ・ベルギー旅行記の最終回。
一泊したYersekeはオランダの南西部に位置する。そこから30分も走ればベルギーに入る。向こうに見えている発電所やら工場やらがベルギー。

そこからさらに15分も走ればアントワープに到着。以前も来たことのあるここに車を駐めた。

そこから15分くらい歩いたかな・・・


こんな像が!

上の像、どう思います?ルーベンスさん!

あ、ルーベンスさんはやっぱり太った女性にしか興味ないですよねえ・・・♪
アントワープは新旧入り乱れた町。古いものはとことん古く、新しいものは容赦なく無骨で無機質。



だんだん中心部に入ってきた・・・卒業旅行っぽい若者たちとすれ違った。

中心部はなかなかの趣。

市庁舎。

前回来たときはこの銅像が修理中だったのよね(その話はこちら)・・・その前は綺麗に出ていたけどね(それはこちら)・・・アントワープ、何回目かしら。もう3~4回来たような。

この広場の向こうに聖母大聖堂がある。あのフランダースの犬のネロが最期に見たルーベンスの絵があるところ。その話はこちら。ちなみに今回は中に入る6ユーロをケチって入らなかったが、以前無料のような気がしていたけど、リンク先を読むと以前も5ユーロ払って入場していた・・・うちのドイツ人もカトリックに5ユーロ払って入っている・・・珍しいなあ。どうして入ったのかなあ・・・もう思い出せないわ。

そこから川の方へ。

振り返ると聖母大聖堂が見える。

シュヘルド川。

どんより曇ったアントワープを歩くことになってしまった元学生さんとカレシさん。もっといい天気だったら色々見る元気も湧いたと思うのだけど、この日は結構寒かった・・・暖冬だったのに、この日に限って風も強く、寒かった。

場所はこちら。左上へスクロールするとYersekeがある。
その後大聖堂横のレストランへ。

本当は以前食べて雰囲気も味もよかった喫茶店へお連れしたかったのだけど、なぜか閉まってて。
そのすぐ近くのレストランに入ったのだが、中はこんな感じで・・・

ベルギーならワッフルでしょ、と頼んでみたけど、残念ながら全然美味しくなかった。グルメの旅のはずだったのに、間食はどれも当てが外れちゃったわ・・・

そうそう、カレシさんがこの旅行に中古で手に入れたというD40を持ってきてて、デジイチ入門入り。ホワイトバランスとかISOとかF値とかからの入門で、自分がデジイチを初めて持った頃のことを思い出した・・・D40はめぎが前に使っていたD40xに当然のことながらそっくりで、手にも馴染んで、懐かしかったなあ。

食べている間に晴れ間が覗き始めていた・・・

でも、そろそろ帰るお時間。

そして車まで戻って、デュッセルドルフへ出発。車の中から見えたのは、ユダヤ人たち。みんなこういう恰好をしているのですぐに分かる。

この子どもたちもユダヤ人たち。横断歩道を渡りながら車を通せんぼするのが可愛かった。

どうしてユダヤ人だと分かるのかというと・・・

男の子たちがみんなこの帽子を被っているから。

そしてアウトバーンへ。

ベルギーから・・・

オランダへ・・・

そしてドイツへ。

デュッセルドルフに到着。

この日はバラの月曜日。デュッセルドルフではカーニバルのパレードが行われた日で、それを見に行った帰りがけの人たちもみんな仮装していた。


そしてパレードの警備を終えたらしいこの方々がみんなで巻きたばこを巻いている様子だった・・・お疲れ様♪

以上、駆け足でカーニバル休暇中のオランダ・ベルギー旅行記を終了。これから4月中旬のイースターまで休みがない。(ドイツはイースターの時に春休みになるので、3月も4月上旬も普通に授業。)次の休みまであと5週間・・・でもあと4週間で大学も始まっちゃう・・・ううう。
撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
久々のアントワープ [ベルギー]

今日から数日は、2月にオランダのYersekeへ牡蠣とムール貝とオマール海老を食べに行ったときにちらりと寄ったベルギーのアントワープの話をご紹介。
アントワープに来るのはめぎ家はもう5回目くらい。なぜそこに再び行くことにしたかと言えば、ハンブルクの友人夫婦が行ったことがなかったから。

旅行好きでヨーロッパ中&世界中あちこち旅している友人たちだが、オランダとベルギーにはほとんど行ったことがないというのだ。まずオランダは、奥さんの方はアムステルダムにも行ったことがなくて、ご主人の方も若い頃にアムスに行ったことがあるだけで、それ以来ご無沙汰。まあハンブルクに住んでいると、ハッキリ言って似たような地理のオランダには特に行きたいと思わないのだろう・・・どちらも知るめぎにとっては全く別の町だが、ハンブルク人にとっては同じく北海に面した運河の町と言うことで、休暇に訪ねようという程の魅力は感じないらしい。
また彼らは、フランスには何度か行ったものの、ベルギーはいつも素通り。立ち寄ろうとも思わなかったそうだ。ドイツ人というのは(というかその他のヨーロッパ人も多かれ少なかれそうだが)ベルギーという国に対し、日本人のもつような優雅で歴史あるところというようなイメージは全く持ち合わせていない。ベルギーは内紛とまでは行かないものの内部の民族間で仲が悪い国で、雰囲気はすさんでいるし、建物や道路も傷んだままだし、歴史上もベルギーなどという国は長いこと無かったので政治的に作られた国というイメージ。で、わざわざ足を伸ばすならフランスまで行きましょう、そっちの方が歴史も深いし見るべきものも多いし、なんと言ってもドイツにとって最も大事な隣国だし、となる訳だ。
それはさておき、ドイツ人がせっかく休暇に行くのなら南欧へ、という気持ちはめぎにもよく分かる。だって、こんな空の町を見たって、リフレッシュにはならないわよね・・・これじゃうちにいるのと同じなんだもの。

そんなわけで、このときのめぎたちの旅の目的はあくまでオランダのYersekeという港町の水揚げされた場所で牡蠣とムール貝とオマール海老を食べることで、アントワープはただのストップオーバーというか休憩という位置づけ、滞在した時間は2時間に過ぎない。
アントワープの市庁舎。

寒いし小雨も降るしということで、ドイツ人たちは町を見ることもなくさっさとカフェへ。

適当に入ったカフェ。

ベルギーに来たのだからやっぱりベルギーワッフルでしょ、と頼んだが、まあまあ。外はカリカリで焼きたてでよかったが、もうちょっと中がふわっとしていたらよかったのだけど。

ここのお手洗いに行く階段が年季入ってて面白かった。

狭い上にこんな状況で滑りそう。

近くには観光地ならではのお店も。

おお~これがボビンレースね~

つづく
撮影: D600 + 58mm(F1.4)
アントワープの聖母大聖堂 [ベルギー]

昨日から2月のアントワープの話を連載中。
ここはアントワープのシンボル、聖母大聖堂。

アントワープで一ヵ所だけ見学しましょ、とここへ。

ここに入るときにちょっとした事件が起こった。入場料のところに、大人6ユーロ、60才以上4ユーロ、と表示されていたのだ。おお~我々、割引じゃん!とちょっと複雑な友人のご主人の方とうちのドイツ人。友人の奥さんの方は今年還暦になるということで、まだ。でも、身分証明書を車において来ちゃったよ・・・と友人のご主人。で、窓口でうちのドイツ人がダメ元で「60才以上2枚と大人2枚」と言うと、窓口のおばさんは「はい、20ユーロです」と言って、特に身分証明書を見せろと言うこともなくチケットを売ってくれたのだ!
これは、還暦を迎えたばかりのうちのドイツ人と友人にはとてもとてもとてもショックなことだった・・・我々、チェックするまでもなく60才以上に見えるってことなんだな・・・と。若く見られたい女心も大変だけど、男心も引けをとらず大変だわね。
さてさて・・・入るとまずは絵画の展示空間。


なんと言ってもここはルーベンスの絵で有名なところ。これは祭壇の左側にある絵で・・・

これは右側にある絵。

↑日本人にはこの絵があの「フランダースの犬」のネロが息絶えた場所ということで有名だが、ベルギーはもとよりドイツでもこの話は全く知られていない。ハイジなどかつてのあの日曜日のアニメはドイツでも吹き替えで放送されて結構有名だけど、フランダースの犬は人気は出なかったらしい。友人夫婦もこの話を知らなかった。
ルーベンスって、ちょっと調べてみたら、なんとドイツ生まれだったのね・・・それも、ジーゲンという小さな大学町の生まれ。ジーゲンに行ったことのあるめぎとしては、派手な絵の印象のルーベンスがあの地味な町で生まれたの?とちょっと意外。父親はプロテスタントで、迫害されてアントワープからドイツへ逃れたのだとか。その父親の死後ルーベンスはアントワープへ戻り、カトリック教徒として育てられる。なるほど・・・凄いドラマチックな生まれ育ち。亡くなった父との関係に宗教抗争も絡み、それでこういう絵を描くようになる訳ね。
ルーベンスの絵の前では団体さんが熱心な説明を受けていた。

じっくり2枚の絵を見たあとで、北ドイツ人たちは口々に言った。ルーベンスが凄いことは分かるけど、やっぱり好きになれない・・・うん、そうなんでしょうね~やっぱりカトリックとプロテスタントって根本的に相容れないのよね。ヨーロッパの歴史の一つとしてなんでもオープンに興味を持ってフーンと見学するめぎと違って、彼らには彼らの立ち位置がある。どんなに歴史的な場所でも、どんなに有名な作品でも、その価値は大いに認めるけど、相容れないものをかぎ分ける嗅覚は鋭い。ルーベンスの方もこれほどドラマチックに反プロテスタントの絵を描いている訳で、その屈折した父親への思いが北ドイツ人には臭いまくるのだろうな。思えば彼らは生まれたときから欧州内で価値観の異なる相容れない(しかも多くはドイツ嫌いの)隣人たちとどう共存発展していくかというテーマをずっしり背負って生きてきた訳で、めぎのようにドイツ以外に関してはせいぜい日本の高校の世界史レベルの知識だけで大人になってからヨーロッパへやってきて、カトリックとプロテスタントの違いもたいして分からず、歴史に興味があっても所詮外国人として眺めているようなんじゃなくて、彼らはもう骨の髄まで染みつくほど知っている、というか、ベルギーの歴史もオランダの歴史も等しくヨーロッパ人の彼らの歴史な訳で、まあ部外者のめぎがああだこうだ考えてもとても追いつかないほどいろんな深い思いがあるのだろう。ベルギーはドイツ人にとってもちろん外国だけど、彼らはベルギーの問題の当事者なのだ。そんな彼らが、休暇に出かけるなら現実問題を忘れてリラックス出来る楽しいところへ、または全く異文化の珍しいところへ、と思うのは当然のことかも知れない。
フランダースの犬のアニメではたしかここから天使が降りてきたわよね・・・

この大聖堂は写真もビデオもOK。フラッシュは禁止である。

明るいレンズであれこれ試したが、光と影を上手く撮るのってホント難しい。でも、ただ光が綺麗だな~とか、この像綺麗だな~などと撮影出来る部外者めぎって、ある意味幸せ。撮っているものの一つ一つから宗教的意味を感じ取っていたら、身が持たないわ・・・だからうちのドイツ人などはさっさと出て行っちゃうのよね。

もう一回だけつづく
撮影: D600 + 58mm(F1.4)
大聖堂であれこれと [ベルギー]

アントワープの話は本日最終回。
ここはアントワープの聖母大聖堂。

教会の中の微妙な光を撮るのってホント難しい。

これは玉ボケが綺麗に撮れたけど、内容がイマイチ。

今回使ったレンズはF1.4の58mm単焦点。明るいレンズなので暗い教会でもフラッシュ無しでかなり写せるのだが、近寄れないのが時々きつかった。
ここが割合綺麗に撮れたのが嬉しかったな・・・ライトアップ、外からのステンドグラスの光、手前の蝋燭・・・ホワイトバランスや露出がものすごく難しい。

次の2枚は1インチセンサーのV3と望遠ズームレンズで。


その他、十字架と蛇さんとか・・・

地下のお墓とか・・・

蝋燭を整理しているお姉さんとか・・・

見学している人たちの動きとか。

美しく荘厳な教会をどうしたら上手く写せるか、どうしたらあの光と影の微妙な色彩と聖なる雰囲気を表現出来るのか、まだまだよく分からない。この4か月受けてみたニッコールクラブの通信添削講座では、教会を写した写真家の作品をもっともっとたくさん見て、真似をして研究すべき、とのアドバイス。そうかぁ・・・
こうして今回の教会撮影修行はお仕舞い。

アントワープの話もこれでお仕舞い。
撮影: D600 + 58mm(F1.4)、Nikon 1 V3 + 30-110mm(F3.8-5.6)