シュトラールズントというハンザ都市の煉瓦建築 [リューゲン島]

今日から5月末のリューゲン島の旅行記を始めようと思う・・・ドイツの話だからお蔵入りするには勿体ないし、夏の休暇に出かける前に終わらせておきたくて。
リューゲン島とはドイツの北東、ポーランド国境に近いところにある島で、バルト海に位置する。バルト海と聞くとバルト三国が浮かぶ方が多いかも知れないけど、バルト三国よりはずっと南の方(ずっとマイナスを押していくと、右上にバルコ三国が表示される)。そういえば数年前にエストニアへ行った話もまだ全部は終わってないわね・・・勿体ないなあ。いつか書こうかしら。
リューゲン島に行くのはめぎの長年の夢だった。めぎはC.D.フリードリヒというドイツロマン派の画家の絵が大好きで、ドイツ中の彼の絵がある美術館をめぐったが、彼がよく題材にしたリューゲン島にはまだ行ったことがなかった。冬にハンブルクに遊びに行ったとき、友人夫婦と今年はどこに一緒に行こうかという話になり(昨年はライン河畔の古城ホテルに泊まってローレライを見に行ったし、数年前には一緒に日本へ旅をした)、2年ほど前に友人夫婦は結婚25周年を迎えてそのお祝いにリューゲン島に行って休暇を過ごしたそうで、そこにぜひ案内したいと言われてウキウキと承諾したのだった。
デュッセルドルフからリューゲン島までは遠い・・・まずハンブルクまで車で約5時間。友人宅に一泊し、そこからまた車で約3時間。しかし祝日の4連休を利用しての旅だったので、ひどい渋滞に見舞われ、実際はハンブルクまで12時間、リューゲン島の手前のシュトラールズントというハンザ都市まで5時間くらいかかった。へろへろ~~となったところで、そのシュトラールズントという町で一休み。

これはAlter Markt(古いマーケット広場)から見た市庁舎とニコライ教会。シュトラールズントは世界遺産だが、ここはその中心部。

市庁舎は13世紀に建てられ、この飾りファサードは14世紀に由来し、18世紀に改装されたらしい。

教会が煉瓦造りなのは、バルト海沿岸にほとんど石がなく、石の代わりに煉瓦造りが発達したから。この辺りの特徴として、こういう風に黒い色で飾りをつける。

その後ろにはニコライ教会。こちらも13世紀に由来し、1944年にアメリカの空襲にあったが1947年に修復されたとか。

ファサードの裏側に入ってみる・・・

裏側っていつも面白い。

こんな小道が外へつながっている。

これはたしか教会の入り口の一つだったと思う。

ずいぶん険しい顔をしてるわねえ。

リューゲン島へ向かう一休みで立ち寄っただけなので、教会の中には入っていない。ドイツ人たちと旅をすると、ドイツでわざわざ教会に寄ろうなどという話にはあまりならない・・・彼らにとっては教会はいつもそこにあるもので、中に入って見学するものではないのだろう。イタリアやスペインなどに行けば見学もするのだが、ドイツのには興味も湧かないらしい。それに、めぎもリューゲン島に遅くならずに到着することの方に賛成であったので。
教会の土台はFindlingという石。日本語で迷子石と言うらしい。氷河期に氷河で運ばれてきた石で、北ドイツでよく見かける。貴重な石なので、教会の土台に使われている訳である。

その上には黒い色で模様を描いた煉瓦。

市庁舎の通路は真新しくてちょっとお洒落な雰囲気。80年代に改装したとか。



道路側の外壁の煉瓦の積み方はこんな風。

こういう煉瓦の積み方に、日本のように何々積みという名前があるのか、めぎにはさっぱり分からない。13~16世紀頃にかけて発展したハンザ都市にはどこでも煉瓦造りの家が並び、それがフランドル風なのか、ハンブルク風なのか、イングランド風なのか、どれも互いに影響し合ったのか、年代によっても違うのか、ちょっと調べようとしてみたけど結局めぎには全く分からない。そのときどきのその建物を建てた職人がどこの出身だったかにもよるんじゃないかな。分かっているのは、そのときにはドイツという国もオランダという国もイギリスという国もまだなかったということだけ。支配する王朝などはあったけど、ハンザ都市はハンザ都市独自の交流があり、職人もあちこちで活躍したはずだ。
反対側から見た教会と市庁舎。ずいぶんどっしりとして重々しいわねえ。

つづく。
撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
シュトラールズントの短い街歩き [リューゲン島]

現在、5月末のリューゲン島旅行記を連載中。今日の話は昨日ご紹介したシュトラールズントというハンザ都市のその他の風景。昨日の市庁舎とニコライ教会がある古いマルクト広場という名前の広場(中央ちょっと左)から右側の方へ歩き、そこから奥の方へ。

こんな建物のある道を歩いていくと・・・

海洋博物館がある。

外に船が置かれていた。

そこから修道僧の通りという道に出て・・・(面白い煉瓦ねえ)

ちょっとその辺をうろうろ。バルト海や北海沿岸はSanddornという実で作ったジャムやリキュールなどが有名。

それから琥珀も有名。

若者たちは楽しそうね。

それからNeuer Markt(新しいマルクト広場)へ。向こうに見えるのはマリーエン教会。

この広場に面したこの店で、ブランチをした。

めぎが食べたのは、スモークサーモンののったオープンサンドと・・・

イチゴのパンケーキ。

うちのドイツ人のはStrammer Maxというもの。黒パンに細かく切ったハムかベーコンをのせ、フライパンで焼いて目玉焼きをのせたもの。たまごが

ここシュトラールズントからリューゲン島の宿をとったSellinという町までは車で1時間近くかかる。3時に着くと宿に連絡していたので、そろそろ行かないとね~

マリーエン教会も土台はあの迷子石。

この教会は13~15世紀に建てられ、151メートルの尖塔で1549年から1647年まで世界一高い建物だったのだとか。落雷で尖塔が壊れたらしい。1708年に修復されたが例によって1944年に連合国軍の空襲で破壊され、1947年に修復されたのだとか。

近くには迷子石が無造作に置かれていた。

それから車で橋を渡り、リューゲン島へ。こんな景色を見ながら目的地へ向かった。

撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
リューゲン島の町ゼリンの海岸 [リューゲン島]

今日からまたリューゲン島のお話を。
今回の旅の宿泊地はリューゲン島のゼリンという町。バルト海に面した保養地で、ドイツやオランダの海岸のお決まりの風景がここにも広がる。

桟橋の一部にはカフェが。

海岸にはビーチの籠が。

夏には避暑客で埋まるビーチ。

この日は5月末のキリスト昇天の祝日。それは同時にドイツでは「男の日」。日本の父の日に似ているが、父に感謝することを求められる日ではなく、男たちが男同士でどんちゃか騒いで友好を深める日。

だから、父じゃなくても男なら誰でも楽しめる日。こんな若者たちも昼から飲んで酔っぱらって大きなCDプレイヤーを抱えて大音響で音楽を掛けながらパレード中。ちなみに年取った男たちも昼から居酒屋に集まってわいわい大騒ぎ。

まあ、それに参加せず彼女と、または家族とゆっくり過ごす人たちもいるけど。

よく晴れて、海が美しかった。


遠浅の海。北海やバルト海は遠浅で、あまり波の音がしない。

こんな鳥がたくさんいた。

上の方にゼリンの町。

ちょっと海岸を散歩したあとで・・・

また町へ戻った。階段のダメな方には、こんな箱形のエスカレーターもある。

上へのぼると、ゼリンの目抜き通り。

そこにはこんなホテルが軒を連ねている。19世紀後半から20世紀初め頃の別荘を綺麗に改装した素敵なホテル。

いくつかは売りに出されていたが、きっとメンテナンスにお金がかかるんだろうな・・・いつもお客でいっぱいという訳でもないだろうしねえ。でも、こういう素敵な建物がいつまでも保存・使用され続ければいいな。

せっかくこんな車の似合う石畳の道に面した素敵な建物なんだから。

そのうちの一つの素敵なホテルのカフェで・・・

夕食前のアペリティフを楽しんだ。

そのホテルは友人夫婦が数年前に結婚25周年を記念して休暇を過ごした宿。とっても素敵でお勧めだとのことだけど、ちょっとお高いので今回は別のところに。
つづく。
撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)、 Nikon 1 V1 + FT1 + 40mm(F2.8)
ゼリンの桟橋の場所はこちら。