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4月1日に思いを馳せたこと [小さな出来事]

今日は、めぎ家の室内の植物の写真とともにつらつらと。
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4月を迎え、日本は新年度の始まりなんだな~とちょっと遠い日本を思い出している。ドイツの学校の新年度は8月なので、4月に年が改まる感じは全くない。大学の新年度は10月だし、企業に至っては年と年度が同じだし、ポストの空きがあったら募集するというシステムなので、ある時期に一斉に新入社員が入るということもないので、あの桜とともに迎える4月の新年度の独特な雰囲気は、日本ならではという気がする。
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とは言え、この4月からドイツで変わることがいくつかある。4月からというのはたまたまで、それも1日からのこともあれば4月後半からというのもあるのだが、こちらにまとめてあったのを読んだ。

まず、4月1日からガスの値段が上がる。と言っても値段が上がるのではなく元の値段に戻るということなのだが、2022年10月以来ガスの消費税が本来の19%から7%に引き下げられていたのが、その期限が切れて、また19%となるということ。戦争でエネルギー代が高騰した時に消費税が一時的に引き下げられて家計を助けてくれたのが終わるのだが、戦争は未だ終わっていないわね。そう言えば、ロシアから来なくなったガスの代わりがどうなっているのか、よく分からないな。ただ、ガスの供給が途切れることは全くなかったし、足りないという話もないので、どこからか運ばれてきているか、備蓄で間に合ったのだろう。
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4月1日から大きく変わるのはもう一つ、ドイツでは大麻が合法化。それについてはめぎには全然関係ないが、オランダまで行かなくても大麻はその辺で買えるし吸えるようになるということだ。もう一つめぎにはさらに関係ないけど、学生のドイツ・チケット(ドイツ中そのカードで普通・快速電車ならどこにでも行けるチケット)が29.4ユーロになった。これまでは大学生も含め49ユーロだったのだが、学生は割安になる。ちなみにめぎもこの49ユーロのドイツ・チケットを持っていて、定期券代わりに使っている。普通に定期券を買うと1か月80ユーロぐらいするので、ずっと割安だ。
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これもめぎには関係ないが、今まではどの家庭にも支給されていた保護者手当て(子ども手当て)に収入の制限がつくことになったそうだ。年収が20万ユーロ以上の親にはもう支給されない。でもそれって、今日の為替レート1ユーロ=163円で計算すると3260万円で、年収3千万クラスの親には支払われないってこと。300万とか1千万とかじゃなくて、3千万。
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ちょっと話は逸れるが、年収というキーワードで思い出したある事実。めぎはかつて日本で大学教授になるのが夢だったので、今でも日本でドイツ語やドイツ文学系の講師や助教授の公募を見ると(学会に属しているのでその案内が来る)条件などつい見てしまうのだが、名のある大学の公募を先日見たところ、助教授でも今のめぎの収入の半分になってしまうのだ。もちろん、助教授の公募は若い新任を想定した年収で、きっとめぎの歳になったら普通はもう教授でもっと上がるし、さらに諸手当があったりするのだろうし、科研費やら研究費やらもあるはずなのだが、いくら「助教授」職に憧れがあっても、今の半分の収入の職に就くために応募しようとはさすがに思えない。外国からこの条件を見ると、日本で働きたいと思う人ってあまりいないだろうな…日本にブレインが来てくれなくなる一因になるのではと思う。
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さて、話は元に戻り、この4月にドイツで変わること。めぎにとって最も関係があるのは、アマゾンの返品期限が今までの30日から14日に短くなること。ドイツではもともと、どこで何を買っても14日以内なら理由を問わず返品・キャンセルできるのだが、アマゾンは特別で30日までOKだった。でも、これは4月1日ではなく25日から変わるとのことなのだが、他の店と同様に14日になってしまう。とても残念。
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これはまためぎに関係ないな…What's upというメッセージアプリが、13歳から使えるようになるとのこと。今まではEU内は16才からだったのが、世界と共通になるらしい。ふーん…ドイツでは日本のLineのようによく使われているこのメッセージアプリ、めぎは敢えて使っていない。すぐに返事を期待されるのが嫌だから。めぎにはメールで十分。でも今時の若者って、メールを全然使わないのよね。だから、日本で作られた日本語の教科書でよく出てくる「メールを書く」というのは、もう古い。「メッセージ」とか「チャット」とかであるべきなのだ。メールは、仕事をするようになるまでほぼ使われていない。まあ日本で日本語を勉強する人は学生から社会人で、だからメールが必要なんだろうけど。
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2024年の4月1日、イースターということもあって祝日で特にすることもなく行くところもなく時間があって、ドイツにいるめぎがちょっとぼんやりと思いを馳せたこと…30年以上前のある年の4月1日、めぎもある企業への入社式を迎えた。まだ雪の残る北海道を出て、桜の咲く東京へ。桜=新年度という典型的な風景は、実は日本全体には当てはまらない。それまでのめぎにとって4月初旬は、ようやく雪が融けてきて、道路が乾いているところもあればじゃぶじゃぶと汚いところもある、という風景だったのだ。だから、30数年前のその日の桜の美しさは眩いほどで、ああ本当に東京にはもう桜が咲いているんだ!と感動し、瞼に焼き付いている。それ以来、4月1日と言えば、配属先はどこになるのかなぁ、会社の寮はどこになるのかなぁ(最初は太っ腹にも会社持ちのホテル住まいで、配属先が決まってから荷物を家族に送ってもらうという手はずになっていた…バブルの時期ならではのことだわね)、これからは一人で頑張っていかなくちゃ、とちょっと緊張して迎えたその日の高揚感と桜を思い出す。めぎにもそんな初々しい頃があったのだ。それから30年以上が過ぎ、あっという間におばあさんに差し掛かる歳になった。まだあと30年生きる可能性もめぎにはあるが、あの時の桜のような感動はいつかあるだろうか。人生って残酷ね。
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