上から見たパリ(パリ序章) [パリ]
パリに行こう。
これはパリのポンピドゥー芸術文化センター。
もうずいぶん前からそんなことを毎年口にはしていたのだけど、なかなか機会がなかった。
中に入るとこんな空間。
いざ旅行の計画を立てるとなると、街を見る気がしなくって、海へ向かうことが多かった。そして、人のできるだけ少なそうな、できればあまり観光客のいなそうな、マイナーなところや僻地を探してた。ルーマニアの黒海沿岸やら、北ドイツのフリース諸島やら、スペインのバスクやら、ポーランドやチェコの田舎やら。
外の見えるエレベーターで上っていくと・・・
時間がいっぱいあったらもっともっと東欧を探索してみたいというのがうちのドイツ人の希望なのだけど、今回は日数があまりなく、限られた時間でぱーっと発散したい気分。
上からはパリが一望。
それじゃ、パリに美味しいものを食べに行こうか。
右側の小高いところがモンマルトル。サクレ・クール聖堂の前の階段、人がいっぱいね~!
生牡蠣が食べたいね、フランスの美味しいクロワッサンの朝食を食べたいね、あ、それじゃ絶対にあそこで朝食食べなきゃ、あ、そういえば若い頃いつもあのホテルの前を通ってここにいつか泊まってみたいなあと思ってたな、せっかくだから着飾ってバレエかオペラでも見に行こうか・・・
真ん中よりちょっと左にオペラ座(ガルニエ)。
話は盛り上がり、今回の旅のテーマは「優雅な休日」。
左端に見えたのは、パレ・デ・コングレの高層ビルを背景にしたサントゥスタッシュ教会。
めぎは8年くらい前の冬にパリを訪れ、ルーヴル、オルセー、オランジュリーを始め主な見所をまわり、興味のあったマイナーな美術館やギャラリーなども既に見てあって、パリで特に見たいものはもう無い。
次にもうちょっと左の方へ目を向けると・・・
ただ、真冬でとっても寒くて天気もイマイチだったから、花の都パリという印象は全く無く、美しい季節を見てみたい、そういえばシャンゼリゼはあまりにも寒くて歩くのを断念したから、春のシャンゼリゼを歩いてみたい、そういえば以前はガルニエの方でバレエを見たから、今回はバスティーユの方に行ってみたい、という希望。
あ、エッフェル塔♪ ドイツ語だとアイフェル塔っていうの。
うちのドイツ人の方はパリには若い頃からもう何度訪れたか分からないほどで、パリ郊外に住んでいた友人の家に2~3ヶ月泊まって語学学校に通ったこともあって、やっぱり特にパリで見たいものは無いらしい。もう飽きちゃって足が向かなくなって、今回12年ぶりだとか。
向こうに凱旋門が見える。手前の大きなドームは何だっけ・・・?
ただ、うちのドイツ人も若い頃はいつも友人の家か安宿住まいだったから、50代半ばの今、高級な雰囲気を楽しむのも悪くないかな、という希望。
パリの屋根って独特ね。
そんなめぎ家なので、美術館巡りや名所見学をする予定は全く無く、綺麗なホテルに泊まってゆったり朝食を食べてのんびり散歩して着飾ってオペラかバレエを見に行って生牡蠣を食べに行く、というパリの休日プランを立てたのだった。
昔は煙突と並んでたくさんたくさんアンテナがあったそうなのだけど、すっかりケーブル化したようね。
行ける期間は限られていたので、うちのドイツ人が泊まってみたいというホテルを早割で予約した。めぎ家的には非常に高額なホテルなので、早割は有り難かった。
突き当たりはちょっとだけガラスのない空間が。上の写真はずっとガラス越しの撮影。いい景色だからこそ、ガラス無しで写したいわよねえ。
オペラとバレエの予定もすぐに調べたが、ちょうどその期間のバスティーユの演目は数ヶ月前から売り切れだった。予約したホテルのコンシェルジュにメールを書いても梨の礫。ま、現地に行ってから直接聞いてみましょ。ダメだったら当日券求めて並んでみてもいいし、散歩に切り替えてもいいし。
下の池にはポップなアートが。
そんなアバウトなプラン。パリへ何もしない休日を送りに行く。なんて贅沢なことだろう。
右にはモンパルナス・タワーを背景にしたサン・ジャック塔。
幸運なことに天候に恵まれ、まるで初夏のような暖かさ。暑すぎず、寒くなく、散歩には完璧。お天気が悪かったら香水博物館に行こうという案もあったのだけど、青空と光に誘われて建物に入る気が起きなかった。
真ん中左寄りにはノートルダム。その後ろはパンテオンかな。
さて、ドイツにとってフランスは、長年の宿敵。「犬猿の仲」と言ったら、うちのドイツ人がそうそうその通り、とにっこり頷いたほど。彼に依れば、忠実だけど鈍臭い犬がドイツ、器用で賢いけどうわべだけな猿がフランス。どちらも一長一短あって、優越つけがたい。
そして、左にパリ市庁舎。
文化的なことだけ考えても、どちらも世界の文化をリードし担ってきたという自負を持っている。でも、その文化の趣が全く異なる。語弊を承知で簡単に言うと、ドイツの深く重く慎重で重厚で確かな技術と思慮に思慮を重ねたような文化に対し、フランスのは美しく華やかでふんわり軽くこまっしゃくれて気分屋で刹那的で即興的。
展望台と並んで屋上にカフェがある。赤いバラが一輪ずつ飾ってあるのが素敵。
うちのドイツ人は、生粋のドイツ貴族の末裔だけど申年生まれ。パリ的な華やかさとドイツ的な内省を併せ持つ、軽くて重い人。自分こそ文化人だと思っていて、絵になるほどパリの文化を上手に楽しみつつ非常に辛辣に批判的。
帰りはこんなエスカレーターで降りた。ちょっと宇宙的な、パリと似合わないような、でもとってもパリらしくも感じる建物。
そんな彼の視点をご紹介しながら、3泊4日のパリの思い出を書き留めていきたい。
パリをこんな低い建物から一望できるってことに、気がつきました?パリの建物はせいぜい4~5階建て。高層ビルは中心部からずっとずっと遠くにちょこっとだけ。こういう街作り、素敵だなあ。
散歩の前に [パリ]
4月16日、デュッセルドルフを出発したのが朝8時頃。アウトバーン530キロを途中で2回ほど休憩しながら駆け抜けて、パリのホテルに着いたのが午後2時ちょっと前。チェックインして、さあ、どうする?ちょっと休む?いや、この素晴らしい天気だからやっぱりすぐに散歩に行こうよ、と外へ。この日の散歩の起点はこちら。
ザ・ゴ~~~ジャス♪
足下の方々はかなり苦しそうだけど。
パリにいらしたことのある方や音楽ファンならすぐ分かるここは、パリ・オペラ座・ガルニエ宮。この中は下手したらヴェルサイユよりゴージャスなのだけど、今回はこの建物の中には入る機会が無く。でも、外側だけでもかなりゴージャスでしょ。
子供天使さんには重すぎるわよね~
オペラ座の前には人だかり。うちのドイツ人は「外国人ばっかり」と。ええ、あなたもわたしもここでは外国人♪
オペラ座が見えるカフェは人・人・人で落ち着けそうになく、ちょっと裏手のカフェで一休み。
このケーキ、一個6ユーロ。コーヒーも一杯5~6ユーロだった記憶。ひょ~~銀座みたい。パリは物価高いわ~@@
でもまあ、そりゃそうよね。ここ、ラファイエットのすぐ近くなんだもの。
ちょっとラファイエットにも寄ってみましょ。中はとってもゴージャス。
ザ・ゴ~~ジャス!
売られているものもゴージャス♪
ここはアジア人がいっぱいで、みなさん有名ブランド店の前に列を作っていた。入場制限なんて、ヨーロッパに来て初めて見たわ~~
めぎはここで買い物をしても免税の恩恵がないのでスルー。あのう、食料品売り場は・・・え、建屋が違うの・・・とやってきたのが別館。
↑ここ、ちょっと惹かれたけど、立ち食いにしてはすっごく高くてスルー。
奥の方には鮮魚コーナーもあり、ここでもちょこっとつまめるようなコーナーがあった。でもね、牡蠣はうちのドイツ人が是非行きたいところがあるっていうから、ここでは我慢我慢。
美味しそうなチーズたち♡ ここで堅いのを1センチくらい切ってもらって購入。
美味しそうな肉の加工品たち。(ぽりぽりさん、ここでリエット買えますよ~リエットの綴りはRillettesで、豚やガチョウや鴨のなど色々あります。白い陶器の大きな鉢に入ってて、そこから切り売りしてくれます。1センチくらいを指で示してシルヴプレと言えばきっと買えるはず。)めぎたちはこのコーナーをぐるっと回りながら色々ちょっとずつ衝動買いし、早くもピクニック気分。
この後ワインコーナーを物色したら、安くても30~50ユーロのワインばかり。それはなんだか見てもパッとしないし、主流は150ユーロ程度。ワインにラファイエット・ネーム料を払いたくもないしねえ・・・でもここ、素晴らしいワイン博物館って感じの雰囲気。写真撮らなかったことが悔やまれるほど。奥の方で450ユーロとかの素晴らしいワイン様方を拝み、どうする?と言いながら行ったり来たり。そこで目にとまったのが、なんと4.5ユーロの大安売りワイン。ええ?どうして?それは相当な訳ありワインなんでしょうねえ・・・ちょっと試してみる?
と買ってきたのがこちら。
うん、たしかに、ちょうどあちらの世界へ行く境界線上って感じ。でも、なかなかのお味だったわ~♪
買い物はこの後も続き、大きなスモークサーモンの塊から一枚切ってもらったり。鮭から大きくすーっと横へ切る技術は素晴らしく、写真撮らなかったことを悔やむほど。でも、目の玉飛び出るお値段で、一枚(85グラム)10ユーロ。めぎの前にパリの奥様が同じのを10枚くらい買っていったんだけど・・・いやあ、すごいわね。
全部で40ユーロくらい買い込んで(めぎたちったら、着いて早々デパートの食料品売り場で何をやっているんでしょう・・・でも楽しかった♪)、大荷物になって一度ホテルへ戻り、食料品を冷蔵庫へ。この日の晩餐は、ホテルの部屋でラファイエットの衝動買い戦利品を楽しんだめぎ家だった。あ、ホテルのお話はまた後日、ゆっくりと。
せっかくの散歩日和。めぎたちはホテルに食料品を置いた後また外へ。あ、ここにはもう寄らなかったけど、綺麗だからパチリ。
つづく(これからかなり永遠に)。
♪ おまけ ♪
ラファイエットの中で見かけた「笑っている牛」さん♪
これはフランスの普通のスーパーでも売っている乳製品メーカー。フランス語って、「笑っている牛」がこんなに素敵に響いちゃうんだから、いやあねえ。
パリにこんにちは [パリ]
現在、先週末の3泊4日間のパリ小旅行の話を連載中。今日の話は旅の始まりの4月16日夕方、パリど真ん中を散歩しているところ。
昨日のデブデブさんのご質問、リエットは8年前シャルトルの朝市マルシェにもあったし、6年前のブルターニュの肉屋にもあったし、今回ベルギーとの国境の辺りの小さな町の肉屋にもあったので、もうずいぶん前から全国に広がったのかも。詳細はフランスにお詳しい方にお尋ねを。そういえば、パリのホテルの朝食ビュッフェには並んでいなかった。
それからテリーさんのコメント、ごもっとも♪ めぎたちは、今回の旅のテーマ「優雅な休日」のイベントの一つとして、きゃ~高いね~と言いながら久々のデパ地下ショッピングを心から楽しんだの。イメージは、いつも地元の西友やヨーカドーで食料品買ってるけどたまに銀座や新宿のデパ地下でちょっとお高めのお総菜を買って帰る楽しみと同じかしら。
二人で40ユーロの晩餐は、ナツパパさんのおっしゃるように下手なレストランよりずっと美味しい。めぎ家はパリに限らずどこへ行ってもよく町でお総菜買ってホテルの部屋でピクニックするの。旅って一日歩いたりたくさん運転したりして疲れるから、パジャマで晩餐できると楽だし♪ (パジャマで晩餐って、究極の優雅な休日・・・もちろん、着飾って美味しいレストランにも行ってきたけどね。)
ドイツへ帰る前には、本当はマルシェで買い物したかったのだけどイマイチ都合とあわずに断念し、代わりにスーパーに寄って安いけど美味しそうなフランスワインを買い込み、街角の肉屋さんでリエットやらパテやらテリーヌやらをもっとお安く大量に購入。でも、そんな日常に戻る旅の終わりはまだまだ。みなさま、しばらくめぎたちのおのぼりさん休日におつきあいしてね。(ホント、ドイツの田舎から花の都パリへおのぼりさんしたって感じのおバカな旅なのよ~♪)
さて、ようやく本当に散歩の開始。時刻は早くも午後6時半。ヨーロッパはすっかり日が長くなって、この時間からでもまだお昼みたいな散歩が楽しめる。
オペラ座を背にして右を見るとヴァンドーム広場。あのあたりにあのホテル・リッツがあるのよね。めぎたちが泊まったのはリッツではない。うちのドイツ人は故ダイアナ妃に興味がないし。
オペラ座を背にしてまっすぐ行くと突き当たりにはホテル・ルーヴル。泊まったのはルーヴルでもない。
パリに到着した今日の散歩の目的は、パリにご挨拶すること。だから、こんな王道の通りを歩き始めたんだけど、車いっぱいで面白くないのでちょっと横道に。そしたらこんな教会の横に出た。
このあたりの建物とちょっと趣の異なる雰囲気。St. Roch教会というそうだが、ちょっと中を見てみたいな。そう言ったら、うちのドイツ人はどうぞどうぞごゆっくり、でも自分は外で待っている、と言う。カトリックの教会には入りたくないんですって。
それじゃちょこっと、と一人で中に入っためぎ。
うんうん、とってもカトリックというか、ちょっとセクトっぽいかも。
そう思いながら歩いてたら、突然オルガンの音が響き始め、ずっと奥の小さな空間でミサが始まった。カトリックのミサは服装がゴージャスで、うちのドイツ人はコスプレなどと呼んで揶揄している(カトリックとプロテスタントとの断絶は深い)。土曜日の夕方にミサに出席するということは相当に敬虔な信者なのだろう、出席している人たちの格好も小綺麗だ。見るのは非常に興味深いが、ちょっとその儀式の様子を遠くから眺め、邪魔しないように出口へ向かった。
こういう大理石を使って重厚な感じに仕立てているのも、うちのドイツ人は好きじゃないのよね~
あ、ヨハネ・パウロII世の蝋燭がある。フランスではJean Paul(ジャン・パウル?フランス語の発音はめぎはからっきしダメで、うちのドイツ人にからかわれまくり)っていうみたいね。ドイツではJohannes Paul(ヨハネス・パウル)。ここはやっぱりカトリックなんだわ。
とゆっくり見て、外へ。あ、娑婆へ戻ってきた感じ。中はとっても敬虔な厳かな感じだったのに。うちのドイツ人は一服を満喫中。あ、もう終わったの?それじゃ行こうか。
そしてやってきたチュイルリー公園。
エッフェル塔さん、こんにちは♪
カメラの中にゴミが入っているようね。これを次の日の朝掃除するのが大変だった・・・カメラのお手入れキットは旅行には必需品。
金ぴかのはアンヴァリッドかな。二本の尖塔はよく分からない。
この公園も広いんだよね~こちらにはカルーゼル凱旋門。その向こうには皆様お馴染みルーヴル美術館のピラミッド。
反対側には・・・
コンコルド広場。そのさらに向こうにシャンゼリゼ。その果てにあの凱旋門。さらにその果てにパレ・デ・コングレに立つ、凱旋門のように上がつながった形をしたツインタワー。
土曜日の夕方だからか、人がいっぱい!
そうそう、ヨーロッパにいると欧米人の見分け方がだんだん分かってくる。態度とか、髪や肌の色とか、歩き方とかで。でも、昨日のオペラ座前で「外国人ばかり」だと分かったのは、聞こえてくるのがアメリカ語と英語と(敢えてこれは分けて書かせていただく・・・発音と態度があまりにも違うから)スペイン語と中国語だったから。時々、アメリカ語の人がレストランなどでフランス語を話すとすごく発音が綺麗なことがあって、もしかしたらアメリカ人じゃなくてカナダ人なのかもねってうちのドイツ人が言っていた。
チュイルリー公園を歩くと、なんだか埃まみれになった。デュッセルドルフと比べると、海に近い所為かちょっと湿っぽさを感じるが、長いこと雨が降らなかったようでとっても乾燥していてとっても埃っぽい。
ルーヴルを後にすると・・・
そこはセーヌ。ちょうどマロニエが満開。
セーヌって、響きも、景色も、ラインと違って優雅ねえ。(カタカナで書くとその違いがよく分からないが、セーヌをフランス語らしく、ラインをドイツ語らしく発音するとその差は歴然。)
夕日を浴びたセーヌ、綺麗ねえ♡
こんな風にパリの主だったところをぶらぶら歩いてパリにご挨拶。この時点で午後7時を過ぎたところ。散歩はまだ半分くらい。あ、帰りの分も考えると、4分の1かな。明日へ続く。