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セーヌ [パリ]

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現在4月16日~19日のパリ小旅行記を連載中。今日は初日16日夕方の散歩の後半編。

セーヌまでたどり着いたのが午後7時過ぎ。
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向こうに見えているゴージャスな建物はフランス学士院。憧れるわあ♡
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そこへ向かって架かる橋、ポンデザール。これ、Pont des Artsという字面からはとても想像がつかないカタカナですわよね。これをうちのドイツ人が発音するとこれまたあまりにも発音がよすぎて何のことやら分からなかっためぎ。あーあ。
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なんか光ってるわねえ・・・と行ってみたら、南京錠だったのね。
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あとから調べてみたら、これ、一年前に記事にもなってたのね。そう言えばケルンのラインに架かる橋にもこういうのがあったなあ。こんな風に愛を誓うのが流行っているのかしら。めぎは愛を鍵で雁字搦めにしたくないわ。愛は心から湧き出て流れ去るもののはず。閉じこめちゃ、渦巻いて逆巻いて行き場が無くて危ないわ。



ここは本当に外国人だらけ。警察までいるってことは、パトロールが必要な区域ってことなのね。南京錠取り締まりとかかしら。
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座り込んでいる人やら、何かを売っている人やら、色々と。
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橋からの眺めも素敵♪ 向こうに見えるポンヌフっていう橋は新しい橋っていう意味だけど、400年も前に造られたんですってね。当時はとっても新しい最先端の橋だったんでしょうねえ。
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日が当たるところはまだ暖かく、下に座っている人たちも気持ちよさそう。
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若いっていいわね~~
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明るく見えるけど、だんだん日没が迫ってきていた。
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右の黒い点は鳥。カラスかしら。そう言えばパリではほとんど鳥の声を聞かなかったな。街のど真ん中にしかいなかったからかな。
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めぎたちはセーヌを渡って向こう側のもうちょっと奥へ。
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ポンヌフ橋近くのRue de Nesleという小さな通りのここに、うちのドイツ人は若い頃泊まったんだって。
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その頃の面影がないほど小綺麗になっててびっくりしてたけど。
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めぎたちはこの辺りで次の日の夜のレストランの下見をし、適当などうってことのないカフェに座ってちょっと一杯飲んで一休み。
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しかしねえ、こんなワイン一杯が5ユーロもするとはね・・・この地域が見直され、観光地化され、さらにお値段もどーんと上がったってことなのね。古き良き時代は終わってしまった・・・とまた失望したうちのドイツ人。歳をとるっていうのはそういう失望を繰り返すことでもあるのよね~それでもヨーロッパは彼の若い頃とそんなに町並みが変わってないから、昔を懐かしめる部分が残っていると思うんだけど。日本だったら跡形もなく再開発されちゃってたりするわよね。

そろそろホテルに戻って晩餐にいたしましょ。この写真を撮ったのが午後8時ちょっと前。めぎたちはここからまた30分ほどかけてホテルまでぶらぶら歩いたのだった。薄暗くなってきたから写真は無し。
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明日はホテルのお話を。
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ル・グラン [パリ]

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現在4月16~19日のパリ小旅行記を連載中。

昨日のナツパパさんのアンポンタン・ピエールの意味は、第1に石橋、第2に不能なあそこ、ですね~~うふふ♪
このカタカナをまさにカタカナ読みしてうちのドイツ人にクイズとして聞いてみたら、第2の意味の方を即答。めぎ家のレベルってそんなもの♪

それからBonheurさんのご質問だが、総じてパリはドイツの都市に比べて物価が高いという印象。あくまでもフランスじゃなくてパリが。デュッセルドルフはドイツのなかでは物価の高い方だが、市内のImbissレベルのカフェ(座るところもちょっとある立ち食いソーセージ屋さんみたいな感じ・・・昨日の写真のテーブルとポテトチップスの感じからその安っぽい雰囲気がお分かりいただけるかしら・・・)に座ってただのグラスワインに一杯5ユーロは考えられない。めぎたちの感覚ではこのどうってことない、雰囲気もイマイチだし景色も悪いところでは、一杯2.5ユーロくらい。場所がカルチェ・ラタンの辺りだということを差し引いても3ユーロ程度。ちなみにドイツでも田舎へ行くと、小さな町のカフェでは2ユーロ程度でグラスワインが0.2リットルなみなみとつがれることもある。ただ、ここ最近また物価が上がったからこれも2ユーロ以上になってきたかも。
デュッセルドルフでも高級なカフェとかライン河畔やケーニクスアレーという一等地の辺りの素敵なカフェならグラスワイン一杯4~5ユーロするだろう。ベルリンにはもう9年くらい行ってないし、ミュンヘンは私も90年代のマルク時代にしか行ったことがないので詳細は分からないが、ハンブルクはデュッセルドルフと同じ感覚だ。アルスター湖畔の有名なホテルの素敵なカフェなら4~5ユーロ、街中のクナイペ(居酒屋)で3~3.5ユーロくらい。あ、もちろん、ワインの銘柄にこだわると、もっともっとお値段は上がる。これはあくまでハウスワインレベルのお話。


さて、今日からしばらく泊まったホテルのお話を。

泊まったのはmiffyさんも何度かお泊まりになったというこちら。
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あら、ル・グランなの~私もツアーで泊まったわ・・・と仰る方もきっといらっしゃると思う。滞在中、朝のロビーで日本人ツアー客の出発場面に遭遇したり、コンシェルジュに「この近くで美味しい日本食レストランはどこにあります?」と日本なまりの英語で訪ねている紳士を見かけたり、日本人にはメジャーなホテル。オペラ座の隣だし、ラファイエットの近くだし、シャンゼリゼやルーヴルなどにも徒歩圏で、ここを利用するツアーは多いらしいわね。個人でも、空港から直通バスがあることやメトロの駅が目の前にあることなどの利便性からお泊まりになる方は多いはず。
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ヨーロッパ在住でここに泊まる、しかも車で向かった場合、最も楽しいのはここに自家用車で乗り付けること。
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↑のような立派な車がごろごろやってくるここに、うちの可愛いチープな車ちゃんが乗り付ける楽しさ!ええ、一応敬意を表して綺麗に洗車していきましたのよ。そして、ベルボーイさんたちがドアを開けてくれ、荷物を全て下ろして運んでくれ、車も駐車場へ連れて行ってくれ・・・駐車場代が1泊40ユーロ、3泊で120ユーロも払ったけど・・・それって、めぎ家の普段の旅ならめぎとうちのドイツ人二人分の3泊のお値段と同じだけど・・・この優雅さと言ったら!

おバカなめぎたちでしょ♪

中もとっても豪華。こちらはチェックインカウンター。失敗写真だけど雰囲気だけでも。
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この奥にゴージャスな空間が。
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光が入るととても綺麗。
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そして、こんなエレベーターホールから部屋へ。
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予約したのはクラブ・インターコンチネンタル・ルーム。
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アンバサダーとかいうカード会員になるとアップグレードしてくれるとか、週末一泊無料になるとか、ポイントためられるとか色々ネットで紹介されているけれど、めぎ家はたぶん今後インターコンチネンタル系のホテルに泊まることはないと思われるので、そういうものを全く使わずに、また他のホテル予約サイトも使わずに、ル・グランのネットページから直接予約。レセプションで見たところ一泊780ユーロもする部屋だそうだが、もちろんそんな値段は払っていない。その半額くらいかな。(ちなみにこれをアップグレードしてもらうとスイート!ちょっと興味あったけど、この上アンバサダー会員料200ドルはね・・・)

なんとなく、シングルルームにダブル使いとして二人押し込まれたような気がするけれど・・・(やっぱりアンバサダー会員になるべきだったかしらね)でもまあ、居心地はよかったですわ♪
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バスルームはこんな感じ。
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いつもはトイレ・バス共同、部屋の中に洗面台があったりするチープな部屋に泊まってるので(二人で1泊40ユーロだとそんなもの・・・でも、そんな値段のはパリにはないかも)、ロクシタンのアメニティが揃っていることとか、スリッパがあることとか、タオルがたくさんいろんな大きさのがあっていくらでも使えることとか、バスローブがちょっとお洒落にかけてあることとか、いちいち物珍しい。いや、そもそもこんな広々としたバスルームがあるだけで別世界。ここにまでこんな絵が飾ってあるしね。
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しかしねえ、このホテル、見かけの豪華さと細かい不備のアンバランスがすごく可笑しいのよね。例えば・・・まず、シャワーは上から降ってくるタイプ。これはこれですごく気持ちいいのだけど、背の低い日本人ならあまりにも上過ぎるし、下半身を洗いたいときに不便。2枚上の写真に写っているように手に持つタイプのシャワーもついているが、それを固定する場所はない。しかもその手に持つタイプの方は温度調節が非常に難しく、冷たいか熱いか極端(上から降ってくるシャワーは温度調節完璧)。

そして、シャワーと外とはこのガラスで遮られているのだが、ガラスと湯船の縁との間に5ミリ程度の隙間がある。そこからどうしても水が漏れる。床が水浸しになるので、タオルを一つ雑巾にすることに。
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それからこのトイレ。ふたを開けるとぎりぎり立つが、この金属のホースに当たるのだ。このホースはビデで、ウォシュレットのように用足し後に洗うことができるのだけど、こんな風に後ろにあるから取るのも洗うのも使用後元の位置にかけるのも難しいし、とにかく便器のふたを開け閉めするときに当たるのが煩わしい。
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他にも、冷蔵庫と食器棚の扉がイマイチきちんと閉まらない仕組みだったり、ベランダに出るドアの鍵がちょっと壊れてたり、すっごく素敵に作っているのにちょっと間が抜けているというか、うわべばかり美しくてちょっと不備が多いところがいかにも(19世紀の)パリらしくて、うちのドイツ人が大喜び。直したいところ、いっぱいあったみたい。ル・グランさん、うちのドイツ人をメンテナンスに雇ってくれないかしら?
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ベランダに出ると、向かいはホテル・スクリーブ。
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オペラ座が見える部屋もあるが、オペラ座側はにぎやかでうるさいかな、と避けた。うちのドイツ人は空気のよどみに敏感で、いつも窓を開けて寝るから、外の喧噪は結構重要なのだ・・・ちなみにここは、スイートだとエッフェル塔が見える部屋もあるらしい。窓の景色が中庭側じゃなくて外側で気持ちよかった。
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スクリーブの上にも煙突が。一番上の部屋にも人が泊まれるのかなあ。
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向こうへ行くとラファイエット。
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香水博物館もあそこに見える。
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ここに3泊。ちょっと狭いけど、先日ご紹介したようにここでピクニック晩餐をしたり、ちょっと一休みしたり。フルーツ(2種類のプラムとバナナ)やお水(エヴィアン)もあったし、グラスも数種類完備されてて(シャンパングラス、ワイングラス、水用のグラスなど)こんな風に買ってきたワインをちょこっと楽しむこともできる。
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これはウエルカムの小さなマドレーヌ。食べずに持ち帰ってきてある。そのうちつまんでみることにしよう。
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こんな調子だとホテルだけで一週間記事を書き続けることになりそう。明日は部屋の絵について。
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部屋の絵とバレエ [パリ]

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現在、4月16~19日のパリ小旅行記を連載中。

昨日のご質問だが、めぎ家の旅行滞在先は、どちらの希望というわけでもなくいつも自動的に決まる。行きたいところは色々あるが、たいていそこへ行く機会が降ってくるのだ。例えばルーマニアやハワイやアルザスはめぎの仕事がきっかけで旅をそれにくっつけた形、チェコとポーランドはザクセンの母親を訪ねたあとに旅をくっつけた形。北ドイツはうちのドイツ人の故郷だし海だからめぎは喜んでついていく。今回のパリのような純粋な旅のみのパターンはめぎ家の旅の4分の1くらいかも。
めぎ家は基本的に旅に機能性を求めていない。居心地がいいのは自宅であって、旅に出ると不具合だらけ、居心地悪いことこの上ない。でも、この居心地の悪さ、不具合こそが旅の良さ。古くてあちこちまともに機能しない方が非常に面白く、その土地らしさが感じられ、味わい深い。だから、新しいアメリカンタイプの均一的水準の機能的ホテルを一番最初に避ける(これはめぎ家双方の一致した趣味)。旅に求めるもの、人それぞれですわね♪


ここはル・グランのめぎ家が泊まった部屋。
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ベッドに置かれた黄色と水色のはめぎたちのパジャマ。パジャマが起きっぱなしでも綺麗にたたんでくれてて(写真はもううちのドイツ人が壊してしまったあとなのだが)、ベッドメイキングも過不足無く丁寧で気持ちがよかった。向こうに見えているスリッパは、ベランダに出て一服するためにうちのドイツ人が置いたもの。

今日は部屋に掛かっていた絵をご紹介。ドゥガの絵は後回しにして、まずは右側のから。
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この絵は、夜に電気を消すと月明かりですーっと浮かび上がる不思議な絵。あら、こんなところで密会?とのぞき見している気分。うちのドイツ人は、たぶんオペラや演劇の舞台上を描いたものじゃないか、と言う。
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その昔、ミシンがなかった頃の縫い方がそのまま描かれている。
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今でいえば仮縫いのような、仮止めのような。
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この絵は油絵の絵の具が触ると感じられ、オリジナルと思われる。
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とっても残念なのは、そのオリジナルの絵の具が、誰かがひっかいて破がされていたこと。ほら、女の人の目の部分。
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ベッドの向かいにはミューズの絵。
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なかなか力強そうなミューズ。
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サンダル履きの足も力強そう。
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ドアの近く、タンスやセイフティボックスがあってスーツケースを置く台がある空間には、蝶々夫人のオペラのポスターが。オペラ座隣のホテルっていう感じがしますねえ。
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さて、いよいよメインのドゥガ。
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未来のプリマたち、顔はずいぶんいい加減に描かれているのだけど・・・
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脚は非常にリアル。
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脚・脚・脚♪
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トゥシューズも非常に詳細。
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ドゥガは脚が大好きだったのね。そういえば、下の方の席からオーケストラ団員を描いた絵もあるけれど、それにも舞台の脚がちゃんと描かれているものね。

子供の頃から40歳くらいまでオペラ座のバレエやオペラ公演の舞台に関わった、つまりこういう稽古場に居合わせたうちのドイツ人には、この絵を見ただけで独特のにおいまで思い出されるとか。
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もちろんこの絵ははコピー。オリジナルは、あとから調べてみたらワシントンのCorcoran Gallery of Artにあるみたい。ル・グランの所有かと思ったけど、違ったのね。
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話は逸れるが、めぎたちは今回のメインイベントとして、パリでバレエを見に行った。それは、先日ご紹介したこちらのガルニエ宮の方ではなくて・・・
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バスティーユの方。
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なかはガラスで開放的。
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外の建物のガラスに、七月革命記念柱が映っていた。
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先日もちらっと書いたように、この日の演目は数ヶ月前から売り切れ状態。ル・グランのコンシェルジュに聞いても、ものすごいウェイティングリストがあるとかで、全く無理と首を振られてしまった。で、当日券求めて並んでみたら、なんと30分くらいで順番が!手に入ったのは、10ユーロの桟敷席。つまり、横の天井近くのとってもお安い席。
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もともと上の方の席を希望だったうちのドイツ人は大喜び。彼は、バレエでもオペラでも決していい席を取らない。理由は、1.自分が何百回と舞台に出て、オペラもバレエも内側からよく知っていて、いい席で見たいと思わないから(この日の演目にも花売りの役で何度も舞台に立ったらしい。振付によっては踊らない花売りもあるってことね)。2.上からの方が舞台全体がよく見えるから。3.音響が上の方がいいから。4.オーケストラを眺めたいから。

オーケストラを真上から楽しめる席。
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あ、そうそう、うちのドイツ人によると、下の前の方の席の唯一の、でもとても大きなメリットは、バレリーナの脚をチュチュのしたから堪能できること、ですって。でもその場合は舞台や音楽などどうでもよくなって、脚ばっかりに心を奪われてしまう危険があるとか♪

演目はヌレエフ版のロミオとジュリエット。この日は初日と同じキャスト。ジュリエットはめぎ的にもうちのドイツ人的にもイマイチで、申し訳ないがコマネズミさんみたいね~って感じだったが、このロミオがあまりにも素晴らしくて感激。Mathieu Ganioというエトワール。
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出てきた瞬間から、その手の美しくエレガントな動きに魅了され、あまりにも美しくて3回も泣いてしまっためぎ。美しさに感動して泣く・・・なんと久しぶりの感覚だろう。芸術の美しさに泣ける自分がいる。ああ、私は生きているんだな。ああ、この世は美しいな。

胸とか脚とかは力強いのに、腕から手先まではプリマより美しい。別の演目の写真だけど、雰囲気をこちらの引用でどうぞ。
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ロミオじゃないけど、踊っている様子に興味がある方はこちらこちらの映像をどうぞ。

オーケストラの演奏も、多少のミスがあったとはいえ情感あふれて素晴らしく、プロコフィエフの音楽(めぎはクラシックではプロコフィエフが一番好きな作曲家)とバレエを心ゆくまで味わった。ああ、この音楽を生で聴いただけでも、このバレエを見ただけでも、このダンサーに巡り会っただけでも、パリに行ってよかったわ♡
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明日もホテルのお話を。
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