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2023年7月27日と28日のザルツブルク音楽祭 [2023年夏 ザルツブルク]

今日も数日遅れでザルツブルク音楽祭でのお話を。

ザルツブルクでのオフ会のお相手はおとさん。ピアノをお弾きになる話をブログで紹介していらっしゃるので、ザルツブルク音楽祭に来ませんか、とお誘いしたのが今年の初めだったか去年の暮れだったか。うまく都合があってチケットを申し込み&無事に取れ、ロンドンから来てくださってザルツブルク音楽祭でお会いすることが叶った。
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27日はご一緒に祝祭劇場のピアノのコンサートへ。
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この日から、これまでのOuverture spirituelleのテーマとは全く別の、オペラやリサイタルなどの様々なプログラムがスタート。その一つがDaniil Trifonovという2011年ショパンコンクール3位、チャイコフスキーコンクール優勝のロシア人ピアニストのソロコンサート。曲目など内容についてはこちら(ドイツ語)。一曲目はチャイコフスキーの「子供のアルバム」。彼の演奏はこちらの演奏よりずっと早く、めぎ的にはこれがこの日の彼の演奏の中で最も素晴らしく、印象に残った。ロシア人によるロシアの曲の演奏、という感じがしっくりとしたからだ。彼の演奏、彼の解釈、というのがよくわかるプログラムだった。

彼に関しては今回何を弾いたかよりも彼の演奏そのものについての方が興味深いかなと思うので、この中に今回弾いたものは一つもないけど、2019年のリサイタルの映像を張り付けておく。



↑上の映像の最後の方を聞いていただければわかるように、超絶技法の演奏はものすごく素晴らしい。ありえない名人芸を見る、という感じ。それを楽しみに見に来た人たちが、演奏が終わるのを待ちかねるように飛び上がってスタンディングオベーションをするというコンサートだった。こんな大きなホールが満席で、みんながウォーと唸り声をあげて総立ちで拍手。凄いね。
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しかしめぎはなんと言うか、あまり好きになれなかった。今回彼が弾いた曲の中のモーツァルトの演奏があまり好みじゃなかったし、超絶技巧はハイ素晴らしいですだけでそれ以外に感じるものがなかったし、上着なしでの演奏もただだらしなく見えるだけだったし、出たり入ったりお辞儀したりする雰囲気もあまり…ファンの方、ごめんなさい。
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おとさんの感想は、このピアノにこのホールは大きすぎてもったいない、もっと近くで聞きたい、とのこと。うん、たしかに、良しあしを決めるには遠すぎたかな。まあ20ユーロの安い席で大きなホールの一番後ろだったから仕方がないけど。なんと言うか、ロックフェスでも見に行ったような感じで、でもスクリーンはないしスピーカーもないから豆粒でよく見えないしよく聞こえない、でもファンみんなで一体感を感じるには最高、ファンじゃない人間にとっては違和感、という感じかな…

次に、7月28日。この日の音楽祭は夜遅く、22時からのコンサート。しかも川の反対側のホールにて。これは行く時に写した夜のザルツブルク。
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古い床にスタンウェイ。
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場所はモーツァルテウム。
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演目はベートーベンのバガテル3曲。詳しくはこちら(ドイツ語)。Pierre-Laurent Aimardというフランス人のピアニスト。これも、この日に演奏した曲ではなく、この人がベートーベンをどう弾くかを聞いてほしいので、別の演目を張り付ける。非常に個性的で、重く弾くタイプ。おとさんの言葉を借りると、「引っ張る」弾き方。



めぎ的にはベートーベンってこういう弾き方もあるんだ!とびっくりで、結構重すぎたのだけど、これまた熱狂的ファンがいて、凄いブラボー連発だった。
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弾き方は我が道を行く感じだったが、とても控えめに拍手を受ける人だった。
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ピアノのコンサートって、めぎはどうも鬼門なんだよなぁ…手放しで感動したことが未だ無い。いつもザルツブルク音楽祭でこうやってチャレンジするのだが、今年もやっぱり駄目だった。誰の何を聞けば感動できるのか、全然見当がつかない…

とにもかくにも、うちのドイツ人が来ていない今回、おとさんが来てくれてやっと音楽祭の公演の後にどうだったどう思ったと話せる相手ができて、めぎはとても楽しかった。

29日の話はまた明日。
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2023年7月27~29日ザルツブルクにて [2023年夏 ザルツブルク]

今日は一気に3日分のことを短くちょっとだけ。

というのは、この3日間、めぎのブログを見てくださっている方とザルツブルクでオフ会をしたので。どなたとでしょうか?うふふ♪
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オフ会の目的は音楽祭に一緒に行くことなのだけど、もちろんめぎ的見どころにご案内もしたし、美味しいものも♪ これはこれだけで幸せになった絶品のフォアグラの前菜で…
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これは一品目よりは驚きにかけるけどとっても美味しかったジロールタケ入りのイワナ料理で…
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デザートはオーストリアならではのアプリコットのバリエーション。
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ビールと白ワインとコーヒーの飲み物も入れてお一人様100ユーロ♪ 3時間かけてゆっくりおしゃべりしながら完食。

有難いことに27日から気温が上がって28日のこの日は26℃ぐらいになった。そんな訳でまた一気に軽装、周りにはこんな皆様が。
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詳しくは後日、帰宅してから。
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2023年7月26日ザルツブルクにて [2023年夏 ザルツブルク]

今日は7月26日のお話を。

この日、雨がちの一日でググっと冷えた。最高気温が17℃とのこと。こんな格好で歩いてる。このコート、なんと綿入り。
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雨が上がっているうちにちょこっと行ってみようと、いつもの墓地へやってきた。サウンドオブミュージックのあの緊迫した墓地に隠れるシーンのインスピレーションの元となった墓地である。(実際はセットを作って撮影したとのこと。)
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雨の所為か観光客も全然いなくて、しっとりとした静かな墓地を見ることができた。
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紫陽花が綺麗に咲いていた。つまり、北海道より気温が低いということね。今年は南欧の方はすごい暑さだし、ここはこんな状況で、過ごしやすくて有り難いけど、ちょっと寒すぎかな…
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ここで、いつもお参りしているお墓を確認。あの女性、まだご存命のようだ。よかった。ちゃんと蠟燭が灯っている。きっとお近くにお住まいでよく来ているということね。
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それからそのすぐ近くの聖ペーター教会へ。
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宿に帰りついたら土砂降りとなり、その後も雨と曇りとわずかな日差しを目まぐるしく繰り返す一日だった。
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この日の夜はOuverture spirituelleの枠内のコンサートだが、教会ではなくフェルゼンライトシューレで。ざっと見渡してもアジア人の全く見当たらない会場。ここまで教会コンサートを含め、アジア人の観客はめぎ一人だったかもしれない。やっぱり宗教音楽にはなじみが薄いということかしらね。
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内容や出演者についてはこちら(ドイツ語)。演目はハイドンの「天地創造」。曲についてはこちら。どんな曲か興味のある方は下の映像をどうぞ。



実際にめぎが見たのはJordi Savall指揮のLe Concert des Nationsという古楽器のオーケストラの演奏で、響きは上の一般的な大編成の現在の楽器のオーケストラと全く異なる。めぎは作曲家の時代の楽器で演奏する試みが好きで、往年の名指揮者の演奏でもちょっと残念に感じてしまう。今回聞いた響きはこれに近い。



幕間の休憩中。
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ホント、アジアの人をここまで見かけないのは初めてかも。
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終わった後は、先日のモーツァルトのレクイエムのような総立ちではなかったが、お客さんたちは喝采を惜しまず、長い間温かい拍手を送り続けていた。
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↑上のトリミング。今回会場にはCoopix Aを持ち込んでいるのだが、APS-Cのセンサーなので写りも結構いいし、35㎜換算で28㎜の単焦点なのだけどトリミング耐性もそこそこよく、かなり満足。
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ところで、この日のテノールのソロとして出ていた歌手が中国人のMingjie Leiという人なのだが、この人、数年前にこの映像を見つけてから名前と顔を覚えていた。なんとザルツブルク音楽祭に出るまでになったのね。今年はもう一つ、聖ペーター教会でのモーツァルトのハ短調ミサ曲(ザルツブルク音楽祭でかなり重要な位置を占めているコンサート)にも出ることになっている。すっかり世界に認められたということだわね。このまま常連に定着するかな。どうかな。



日本からもこんな風に誰か出てこないかなあ…世界で活躍したという触れ込みで日本で有名でも、なかなかこちらのオペラに定着して出続ける人っていなくてねぇ…いつかザルツブルク音楽祭レベルでピアノの内田光子さんみたいに常連になって出演するような人が出てきてくれたらいいな。
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