解体工事を見下ろしながら [2023年夏 日本]
今日も2023年夏の日本の旅のお話を。
先日来書いているめぎが東京で泊まったホテルの部屋からは、ビルの解体工事が見えた。
最初はせっかくの東京の景観がこれで台無し、なんて思ったのだが、この日、約束の時間までまだ一時間以上あるし、とちょっと眺めていたら、こんな風に瓦礫の入った大きな箱がクレーンで持ち上げられてどこかへ消えて行って…
空になって戻ってくるのに気がついてから、じ~っと見入って夢中でたくさん撮影してしまい、気がついたら一時間過ぎていた。
ここから4枚ずつのパラパラで。
重機で壊した瓦礫が箱の中に溜まるとこうして持ち上げられていき…
宙をぐるっと回って遥か下のここへ下ろされ、…
鎖のロープがつけ返され、中身を下ろし…
こうして空にされてからまたロープを付け替えて持ち上げられ…
こうしてぐるっと宙を回ってこの高みへ戻っていくのである。
これを何度も何度も見た。そして何枚も何枚も撮った。ビデオを撮るべきだったのかもしれないが、ただただこの瞬間を撮りたくて撮っていた。かつて誰かが汗水たらして建てたこのビルを、今この人たちが汗水たらして解体していっている。そしてまた誰かがここに別のビルを建てるのだろう。そんなことをこの国はここで数十年おきに繰り返しているのだ。ひょっとするとほんの20年とか30年おきに。ひょっとしなくても50年ぐらいも経てば。今めぎがいるこのホテルだって、30年後にはどうなっていることやら。
しかしまた、そのおかげで生計を立てている人たちがいるわけだ。だから、この歩みを止めるわけにはいかない。この気の遠くなるような、しかし日々確実に進んでいく作業。一瞬一瞬壊すというのを仕事として、日々の糧を得ている人たち。そのおかげでどこかが潤い、誰かが巨額に儲けているという実態。
ここからまた一枚の写真で。
ゆっくりと確実に壊されていくビル。一枚目と次の写真との時間の差は18分。空になった別の箱が戻ってきた。
中に入ってクレーンの鎖を取り外した人たち。この人たちはこれを一日に何回繰り返すのだろう。
また瓦礫でいっぱいになった箱が吊るされ、下ろされていった。
この次の日のチェックアウト時にはここまで作業が進んでいた。
もう一度、別の写真で比べてみる。6月28日の15時頃チェックインして写したもの。
7月7日14時近くに写したもの。その間に数階分作業が進んだようだった。
これを見てめぎが感じたことを書き表すのは難しい。いや、めぎはまだ、何をどう言いたいのか、自分の心の中のざわめきが何なのか、つかみ切れていない。ゆっくりと、しかし一瞬一瞬確実に壊されていく作業。その横をひっきりなしに通る15両などの長い編成で恐らく人でいっぱいのたくさんの電車。みんなめぎと同じ一つの命。ただただ儚さを感じ、とてつもなく苦しかった。
先日来書いているめぎが東京で泊まったホテルの部屋からは、ビルの解体工事が見えた。
最初はせっかくの東京の景観がこれで台無し、なんて思ったのだが、この日、約束の時間までまだ一時間以上あるし、とちょっと眺めていたら、こんな風に瓦礫の入った大きな箱がクレーンで持ち上げられてどこかへ消えて行って…
空になって戻ってくるのに気がついてから、じ~っと見入って夢中でたくさん撮影してしまい、気がついたら一時間過ぎていた。
ここから4枚ずつのパラパラで。
重機で壊した瓦礫が箱の中に溜まるとこうして持ち上げられていき…
宙をぐるっと回って遥か下のここへ下ろされ、…
鎖のロープがつけ返され、中身を下ろし…
こうして空にされてからまたロープを付け替えて持ち上げられ…
こうしてぐるっと宙を回ってこの高みへ戻っていくのである。
これを何度も何度も見た。そして何枚も何枚も撮った。ビデオを撮るべきだったのかもしれないが、ただただこの瞬間を撮りたくて撮っていた。かつて誰かが汗水たらして建てたこのビルを、今この人たちが汗水たらして解体していっている。そしてまた誰かがここに別のビルを建てるのだろう。そんなことをこの国はここで数十年おきに繰り返しているのだ。ひょっとするとほんの20年とか30年おきに。ひょっとしなくても50年ぐらいも経てば。今めぎがいるこのホテルだって、30年後にはどうなっていることやら。
しかしまた、そのおかげで生計を立てている人たちがいるわけだ。だから、この歩みを止めるわけにはいかない。この気の遠くなるような、しかし日々確実に進んでいく作業。一瞬一瞬壊すというのを仕事として、日々の糧を得ている人たち。そのおかげでどこかが潤い、誰かが巨額に儲けているという実態。
ここからまた一枚の写真で。
ゆっくりと確実に壊されていくビル。一枚目と次の写真との時間の差は18分。空になった別の箱が戻ってきた。
中に入ってクレーンの鎖を取り外した人たち。この人たちはこれを一日に何回繰り返すのだろう。
また瓦礫でいっぱいになった箱が吊るされ、下ろされていった。
この次の日のチェックアウト時にはここまで作業が進んでいた。
もう一度、別の写真で比べてみる。6月28日の15時頃チェックインして写したもの。
7月7日14時近くに写したもの。その間に数階分作業が進んだようだった。
これを見てめぎが感じたことを書き表すのは難しい。いや、めぎはまだ、何をどう言いたいのか、自分の心の中のざわめきが何なのか、つかみ切れていない。ゆっくりと、しかし一瞬一瞬確実に壊されていく作業。その横をひっきりなしに通る15両などの長い編成で恐らく人でいっぱいのたくさんの電車。みんなめぎと同じ一つの命。ただただ儚さを感じ、とてつもなく苦しかった。