モーゼルワイン [食べ物・飲み物]
昨日、トリアーというドイツのルクセンブルクとの国境の町に留学中の友人が、モーゼルワインをお土産に遊びに来た。
Elbling(エルプリング)という白ワインである。
このElblingというぶどうは、なんとローマ時代からワインに使われていたものだとか。
トリアーといえば、2000年の歴史を持つドイツ最古の町で、ローマ時代の遺跡で有名だから、由緒あるぶどう酒のお土産はなかなかに粋だ。
飲んでみると、わあ!鉱物!!
ミネラル、なんていう外来語では済まされない、鉱物の味。
やみつきになりそうだ。
色もしっかりしている。黄色ではなく、薄緑色だ。
この写真はもう飲んでしまったあとで撮影したものだが、このように、瓶も薄緑色に染まっている。これも、モーゼルワインの瓶の特徴らしい。ワインの色から発想されてこういう色の瓶が作られたのだろうか。
ココナッツの飲み方・食べ方 [食べ物・飲み物]
デュッセルドルフでは、よく食料品の買い物をする場所として普通のスーパーの他に八百屋、肉屋、魚屋、パン屋・・・など専門店も幅を利かせてるし、広場に週に一回くらいの割合で開かれる市場(マルクト)も新鮮で旬のものを買えるいい機会なのだけど、それらと並んでもう一つ、トルコ系の生鮮食料品店が非常に目に付くところである。
トルコ系だから当然豚肉が売られてなくてラム肉がたくさん並んでいたり、美味しいトルコ・パンやギリシャの飲むヨーグルトに似た変わった飲み物があったりするのだが、なんと言っても野菜と果物の品揃えが素晴らしい。生姜や白菜、大根、みず菜などが手に入るし、富士リンゴが売られていることもある。果物はありとあらゆる種類があるという感じで、日本では見たことのなかったものも多く、なかなか楽しい。
そんな中、ココナッツがよく売られている。ドイツ語ではKokosnuß(コーコスヌースと聞こえる)という。南の島にも行ったことのない私としては、ココナッツってどうやって食べるものなのか、よく分からなかったので、ここでご紹介。
まずトンカチとノミを用意。それでココナッツに二つ穴を開ける。子供でもできるくらい意外と簡単だ。
穴が二つ開けば片方にストローをさして中のジュースを飲むことができる。
また、ストローをコップの中に入れ、もう片方の穴から息を吹き込めば、自動的にジュースが出てくる。
ジュースが出切ったら、トンカチでどんどん叩いて割れ目を作り、そこからノミで穴を広げて蓋のように割ってしまう。すると中にはいっぱいジュースが!
中はこんな感じ。
これをナイフで切り出すと一応食べられる。
私にはイマイチ物足りない味だったけど、好きな人にとってはすごーく美味しいものだったらしい。
南の島ではどうやって食べてるのだろう?
牛タンの煮込み その1 [食べ物・飲み物]
今日は牛タン料理をご紹介。
牛タンと言えば焼肉のタン塩や仙台名物などが浮かぶけれど、ドイツのは煮込みが主流のようだ。スーパーでは牛タンはあまり手に入らず、必要なときは肉屋で注文して買う。スライスされて売られることは全く無く、塊で売られる。
残念ながら生のうちに写真を撮ることが出来なかったので、茹で上がったところから。それでもその大きさが分かるだろう。
皮を剥く。
スーッと剥けると、いいタンなのだとか。
剥き上がった裸のタン。
これをスライスするとこんな風になる。
今日はとりあえずここまで。次はソース作り。乞うご期待。
ドイツの秋といえば・・・フェーダーヴァイサー [食べ物・飲み物]
突然ですが、スイス旅行の話を中断してお酒の話。
ドイツの楽しみな秋がやってきた。
それは、これ。
Federweißer(フェーダーヴァイサー)という。これはまだワインになる前の発行中の若いぶどう酒で、写真のように白く濁っている。熟しすぎたぶどうを食べると、ただこってり甘いだけじゃなくてワインのような発酵した独特の刺激があるが、それを濃縮して飲み物にしたような感じだ。
ちなみに名だたる大きな日本の独和辞典にはFederweißeと書かれているのだけど、下の写真のように、最後に「r」がついている。語尾は形容詞変化するので、定冠詞無しだとrがつくのだろう。まったく一筋縄ではいかない形容詞変化だ。
これはとにかく美味しい。この飲み物を毎年秋に楽しむために一生ドイツにいてもいいかな、と思ってしまうくらいの媚薬だ。
毎年、ドイツの場合は9月上旬から一ヶ月間だけ出回る。居酒屋で飲める他、ワイン屋で樽からその場でビンに入れて簡単な蓋をするだけで売っている。コルクなどでしっかり栓をして売られるものじゃないので、持ち帰るときに横にすることすら許されない。だから、どんなに美味しくても日本へ送ったり、お土産にしたりすることが出来ず、この時期にぜひ来てください、と言うしかない。
季節感が日本と比べて劣っているように見えるドイツだけど、この発酵途中ワインや晩秋のガチョウやクリスマス時期のグリューワインや春のアスパラなど、意外にも季節の食べ物は多い。
オーストリアでは、同じ飲み物がStrum(シュトゥルム)という。嵐、という意味だ。まさしく液体がワインになろうとして中で嵐を起こしているという感じがする。ちなみにウィーンには赤のもあった。白とはちょっと違った味で、どちらも甲乙つけがたく美味しい。
飲みやすくて、しかもワインになる前だからぶどうジュースみたいなノリで飲めちゃうが、アルコール度は10%もある。一気飲みするのではなく、ほろ酔い程度で楽しむのがドイツ風である。
ドイツ風・カリフラワーの食べ方 [食べ物・飲み物]
カリフラワーって、普通ご家庭ではどんな風に調理するのだろう。
ゆでてサラダに入れるのか?クリームシチューの具の一つになるのか?
なんだかあまり覚えがないのだが、いずれにしてもブロッコリーと同じで、火を通す以前に食べやすい大きさに切っておくのではないかと思う。
しかし、私がドイツで出会った人たちはみんな、そんな七面倒臭いことはしない。
豪快に、丸ごと茹でるのだ。
それをドカーンと大皿に盛り、取り分ける。
食べ方はまちまちだ。塩胡椒であっさり食べることもあれば、マヨネーズににんにくの摩り下ろしなどを混ぜたソースをつけることもあるし、メインの肉のソースに絡めて食べたりもする。
しかしたまに驚くのは、これがメインディッシュになることさえあることだ。
まあもちろん、お客さんへのもてなしの際にはこれをメインにすることはないが、普段の食生活の中ではあり得るのだ。
その場合、主食はジャガイモ。白と白で彩りが悪いが、身体にはいいようである。
タルタルステーキ [食べ物・飲み物]
ドイツ暮らしは非常に快適で静かで心地よく、私は刺激いっぱいの東京生活と同じくらい満足しているのだが、辛いことを強いてあげると、新鮮な美味しいお刺身が食べられないことである。
北海道生まれ・育ちの私にとっては、既に東京に出た時点で一般のスーパーのイカや海老、ホタテの鮮度に幻滅し、我慢して生きていなかければならないという洗礼を受けているのだが、ドイツでは本当に限られた種類のお刺身しか手に入らず、辛いところだ。
それで、代わりにスモークサーモンや生ハム、ローストビーフなどを楽しむわけだが、そのなかでも私が大好きなのはタルタルステーキ。
タルタルという名前は、タタール人に由来しているそうだ。彼らは、硬い馬肉を細かく気って食べていたらしい。
生の牛肉にサルモネラ菌がついているかもしれない生卵、ということで、日本人の駐在員の方々は敬遠しているようだ。日本食レストランではすき焼きに生卵を出していないし、朝ごはんなどでも生卵は控えているという話をよく聞く。
もちろんリスクはある。だから、タルタル用の牛肉と生卵は、出所の分かる馴染みのところでしか買わないことにしている。スーパーのものは使わない。きちんとした肉屋やマルクトの新鮮な卵を買う。
タルタルステーキは美味しい。見栄えがする上、簡単だ。タルタル用の牛肉は日本の相場を考えると激安である(300グラムで約7ユーロ、1000円もしない)。リスクを負う覚悟のあるドイツ在住の方はぜひお試しを。
ドイツ風きのこ料理 [食べ物・飲み物]
ヴェスターヴァルトから採ってきたきのこたち・・・
(ヴェスターヴァルトは西の森という意味であるが、この場合は地名。ちなみに「シュヴァルツヴァルト=黒い森」も訳せばそうだけど、これも地名である。)
きのこの形って面白い。
これらのかさの裏のスポンジを取らねばならない。(そうなの?)
スポンジは確かにあまり美味しそうじゃない。
他のちょっと育ちすぎの例を見ると、虫食いでスポンジ部分がよく分かる。ちなみにこれを食べる虫は、ナメクジである。ドイツのナメクジはものすごく大きい。巨大だ。これもそのうちに写真を撮って載せなければ。
スポンジ除去作業は、ハッキリ言って楽しくない。かさの表側のねばねばが不快だし、慣れないうちはスポンジと一緒に実もはがれてしまうので、イライラしてしまうのだ。
スポンジ除去後のきのこたち。こんなに小さくしてしまうの?と思うが、ドイツ人の料理に口を挟むのはやめておく。
ベーコンと玉葱を炒め、それにきのこを入れ、塩・胡椒して炒める。
だんだん嵩が少なくなっていき、納豆みたいな糸を引くようになった。
そして、生クリームとパセリを入れて煮る。
出来上がったのがこれ。ハンバーグとジャガイモのソテーと一緒に。
味はとても美味しかったけれど、私のきのこのイメージとはあまりにもかけ離れていて、秋の味覚をいただいたという感じがしなかった。なにしろベーコンとクリームの主張が強すぎるし、きのこの歯ごたえもあまり無かったのだ。
私のきのこのイメージは、北海道のぼりぼり。ナラタケ、というらしい。歯ごたえのあるぼりぼりが大好きで、秋のきのこ狩りといえばそれを思い出す。もう何年も食べていない。
付け合せのジャガイモは、前日に茹でて皮を剥いて他の料理の付け合せにしたものの残りで、うすくスライスして塩・胡椒で炒めたもの。じゃがいもをスライスして玉葱とベーコンと炒めると、有名なBratkartoffeln(ブラートゥカルトッフェルン)になる。
ハンバーグはFrikadelle(フリカデレ)といい、ソース無しで食べることが多い。これにもよくベーコンが入っている。ベーコンは味付けの要なのだ。
残ったきのこは私が頂き、お味噌汁に入れてみようと思っている。
牛タンの煮込み(その2) [食べ物・飲み物]
久々にドイツ風牛タン料理の続き。今回はソース作りである。
ちなみにこの前段階(牛タンを煮込んで皮を剥くところ)はこちらをどうぞ↓
http://blog.so-net.ne.jp/megimigi/2006-08-28
さて、ソースはまず、バターを溶かし、そこへ小麦粉を少しずつ入れながら炒める。こういうのは、ルゥというんでしたっけ?
そこへ、牛タンを煮た後の煮汁を入れ、ルゥをのばす。
煮汁はこれ。
そこへマデーラというポートワインを入れる。
さらに、ナツメグを摩り下ろして入れる。
それから、クリームチーズを入れてのばす。
塩・胡椒で味を調え、出来上がったソースをスライスした牛タンの盛り付けにかける。
パセリを振って出来上がり。
ちなみに、この料理をしている人は男性である。
ドイツ人男性はよく料理をする。自分の背丈に合わせて背の高い台所を設置しているほどだ。
台所の設置に関してはこちら↓
http://blog.so-net.ne.jp/megimigi/2006-08-03-1
そのうちに付け合せのジャガイモについて書く予定である。
牛タンの付け合せ [食べ物・飲み物]
牛タンの煮込みのレシピに続き、付け合せのマッシュポテト。
(マッシュポテトは恐らく日本でもよく作られているのだろうけれど。)
ジャガイモを皮むきして茹でたものを、バターを溶かしクリームと混ぜたものの中に入れる。
それを潰す。正式には裏ごしするのだろうけど、家庭では省略。多少ジャガイモのごろごろがあった方が美味しいという意見も。
だんだん潰れてきた。
出来上がったものを丸く盛り付け・・・
出来上がり。
マッシュポテトはKartoffelpüree(カルトッフェルピュレー)といい、これに牛乳を入れてもう少しのばすとKartoffelbrei(カルトッフェルブライ)になる。余ったカルトッフェルブライは次の日のお昼にフライパンでお好み焼きみたいに焼いて食べたりする。
ドイツ人はビールばかり飲むかと思うと間違いで、ワインの消費が非常に多い。それも、ドイツワインではなく、ヨーロッパの様々なワインを楽しんでいる。この日はボルドーのワイン。スーパーで5ユーロくらい(700円弱)だった。いつもはもっと安い、2~3ユーロのを飲むのだが、この日は手間をかけて料理をしたので少しリッチに。
神々の食物 [食べ物・飲み物]
ある日私が仕事から帰ったら、相方とコドモが私にお供え物を作っていてくれて、食事が終わったあとでデザートとして捧げられた。
それはこれ。
Götterspeise(ゲッターシュパイゼ=神様の食べ物)という。別名はAmbrosia(アンブローシア)。ギリシャ神話に出てくる神々の食物のことだ。食べると不死になるという。
このもとはこれ。
ここに出ているDr. Oetkerというのはドクター・エトカーと読み、ドイツの有名な加工食品会社。日本でのハウスとかSBみたいなもの。
後ろの作り方もどうぞご覧あれ。
この「神々の食物」は、甘い!!!
パンチが効いていて、どうしてもとちゅうでやめられない強烈な魅力があって、私は3日間かけて食べきった。
ギリシア神話よりも、マンガのアレクサンドライトのアンブローシアが理解できた気分。
そばのパンケーキ [食べ物・飲み物]
ドイツでメジャーな、そば粉で作るパンケーキをどうぞ。
まず、普通の小麦粉、Weizen(ヴァイツェン)。
これがそば粉、Buchweizen(ブーフヴァイツェン)。見た目、少し黒っぽいかな、という程度で白に近い。
そこへ卵を入れ、
牛乳や生クリームなどを入れ、よくまぜる。
それをフライパンで焼く。
食事として食べる場合、ベーコンやチーズをのせて焼く。
これがドイツのベーコン。2センチくらいの厚さがある塊だ。豚の皮もついたままで、軟骨も入っている。
それを、皮と肉の部分に分け、細かく切る。皮の部分も硬いけれど食べられる。たいていのドイツ人は皮の部分は味付けに使う程度で捨てるらしいけれど、うちでは食べている。
チーズは、普通は別の溶けるチーズなどを使うんだけど、この日はたまたまカマンベールが少し古くなりかけていたので焼いてしまうことに。
塩が効いていて美味しかった。この生地をそのまま焼いて、蜂蜜やジャムを上にのせて巻いて食べるとクレープみたいになる。
そば [食べ物・飲み物]
デュッセルドルフでは日本食材店で蕎麦とめんつゆ、のりやわさびが売られていて、年越しパーティで蕎麦を毎年披露しているのだけど、やる気があれば自分で蕎麦を打つこともできるのかもしれない。というのは、ソバ粉が普通に売られているのだ。
ソバはBuchweizen(ブーフヴァイツェン)という。ヴァイツェンと言えば小麦のことだが、もちろんソバは小麦の属するGetreide(ゲトライデ=穀物)ではない。ソバの花の写真は、ごんごろ村のみほ様のブログで紹介されている蕎麦畑をご覧あれ。
http://blog.so-net.ne.jp/ryokusuishi/2006-10-15-5
ブーフ(Buch)はBuche(ブーヘ=ブナの木)の実、Buchecker(ブーフエッカー)からきている。ブナの木の実とソバの実の形状が非常に似ているのである。
ソバ
ブナの実
ブナの実のような小麦のようなもの、ということで、ソバはBuchweizenというのである。
このソバ粉、牛乳で煮てお粥状にして食べることもあるそうだが、普通はパンに入れる程度である。
パンにする場合、製粉されたものを使うか、実そのものを使うか、小麦粉との割合をどうするかで色合いがこんなに異なる。
上の二つのパンは、どちらもDinkel-Buchweizen Brot(ディンケル・ブーフヴァイツェン・ブロート)という。ディンケルはスペルト小麦といって、昔よく使われていた古い種類の小麦。見かけはこんな感じである。
ドイツではこのディンケルが今でもよく使われている。ディンケルがまだ若いうちに採ったものはGrünkern(グリューンケルン=緑の種)といい、スープに入れられたり、ハンバーグに混ぜられたりする。
このディンケル(スペルト)小麦とソバ粉を混ぜて作るパンはあっても、そば粉だけで作るパンは無いそうだ。
花梨 [食べ物・飲み物]
カリンの季節である。
カリンはスーパーでは売られていないが、マルクト(広場の市場)ではリンゴなどと並んでいる。リンゴやプラムなどはケーキを焼くために大量購入され、カリンはそれと比べると買う人は少なめだけど、ドイツ人にも少しずつ認知されていっているようである。
ドイツ語でQuitte(クヴィッテ)というカリンは、洋ナシみたいな形だが、非常に硬く、そのままでは普通食べない。
皮を剥いて小さく切って、ごく少量の水と砂糖と一緒に煮て、出来上がったものをバターと黒砂糖でさっと炒めてアイスクリームに載せると非常に美味しい。
どうぞお試しあれ。
ドイツの魚料理 [食べ物・飲み物]
魚好き、それも刺身好きの私は、ドイツ暮らしで魚に関して不満たらたらである。
でも、刺身で食べようと思わなければ、まあまあ楽しめる。先日うちの近くのドイツ料理レストランで食べた料理をご紹介。
本来なら今はムール貝の季節である。一人分大鍋一杯のムール貝の酒蒸しが、ドイツ流の食べ方である。その豪快さをぜひここで取り上げたいのだが、なんでも今年はムール貝に毒が含まれている可能性が高いそうで、レストランでは見合わせているそうだった。
仕方がないので、その他の魚料理で我慢。
これが前菜。帆立貝のベーコン巻き、香草野菜炒めのせ。帆立貝はJakobsmuschel(ヤコプスムッシェル)という。
小さな帆立貝が薄いベーコンに巻かれてオリーブオイルで焼かれ、セロリの根や人参、にんにくなどを炒めたものがその上にのっていた。ちょっとお醤油が欲しくなるが、さっぱりしていて美味しい。
メインディッシュはスズキのバター焼きにきのこのクリームソース、ハンバーグ、温野菜、ジャガイモの串焼き。スズキはZander(ツァンダー)という。昔はクリームソースに相当抵抗があった私だが、今はすっかり慣れた。それでも、塩味のスズキにレモンを絞るだけだったらもっと美味しいのになあ、などと思うことがある。ハンバーグはかなりゆるく作ってあって、全部食べてもそんなに重くない。ジャガイモの串焼きは、この場合主食である。
お酒は、最初の一杯はアルトビール、食事と一緒に私はシャブリを飲んだ(写真に写っている赤ワインは相方のもの)。おなかが一杯で幸せな気分。たまに食べに行くのは悪くない。
ドイツのレストランは、暗い。照明を極力抑え、蝋燭の火を使う。照明を落とすのは一般の家でもそうで、ドイツ人は雰囲気を楽しんでいるのか、省エネが徹底しているのか、あまり明かりを灯さない。このレストランは旧市街から離れており、観光客は来ない。落ち着いた雰囲気で、近所の人がちょっとお洒落して来るところである。
グーラッシュ [食べ物・飲み物]
本日の夕食はグーラッシュ。出来上がりの湯気つき。
グーラッシュは、もともとはハンガリーの食べ物である。ハンガリーを支配していたハプスブルク帝国のおかげで、オーストリアはもとよりドイツでもよく作られている。
作り方は簡単だ。牛肉か豚肉の細切れを炒め、ここに出ているくらい大量の玉葱を炒め、にんにくを入れ、トマトやパプリカを入れ、じっくりと煮る。
グーラッシュは、ハンガリーではGoulasと書くらしいが、ドイツ語ではGulasch、グーラシュと聞こえる。ここからもじって、Gularsch→Gul Arsch→Gul Popoと、ドイツ人は品のないことを言って楽しんでいるようだ。その場合、今日のご飯はGul Popoだよ、と、Gul Popoの部分をフランス風に気取って発音することが大切であるとか。
七面鳥 [食べ物・飲み物]
そろそろ野鳥の季節である。
金曜日のマルクト(広場の市場)にて。
ガチョウさんも売られていたが、伝統としては11月11日以降に食べるものなのでぐぐっと我慢し、これを買うことにする。
これはPute(プーテ)。七面鳥さんである。買ったのは膝からお尻にかけての部分。そこはなんていうんだっけ?
塩・胡椒・ローズマリーをふり、オーブンへ。
途中経過。白いのは塩。皮側に塩をふるのを忘れたそうで、途中でふることに。
網の下に入っているものは小さく切ったベーコン。ここへ落ちた七面鳥の脂がソースになるのだ。
付け合せは、同じくマルクトの野菜コーナーで買ったMangold(マンゴルト)。日本語では辞書ではトウヂシャと訳されている。トウヂシャって?みほさまによるとシャクシナというそうだ。シャクシナって?あとでGoogleで見てみようっと。
洗って切られたマンゴルト。
そして、やっぱりドイツ人はこの大きさのまま炒めていた。胡麻油炒めである。
ところで、この七面鳥さんが焼きあがるのに想像以上に時間がかかり(約2時間)、すっかりおなかの空きすぎた私は盛り付けた写真を撮るのを忘れた。味は絶品。時間がかかるけれど作るのは簡単。どうぞお試しを。
ライ麦パン [食べ物・飲み物]
本日のお昼はライ麦パン。
これはPumpernickel(プンパーニッケル)という。ライ麦の黒パンのことである。次のようなお菓子みたいな体裁で売られている。
ちなみに普通のライ麦パン(ライ麦と小麦粉をあわせて焼いたパン)はこんな感じ。
一番上の写真のライ麦黒パンは、しっとりしているが非常にぼろぼろしやすく、甘くて香ばしい。うすい黒パンの上にクリームチーズをのせて食べる。
今日は、クリームチーズではなくて普通のチーズと共に食べた。普通といっても以下のようなチーズ。
まず、赤カビチーズ。
これは思ったより癖が少なく、かなりフレッシュで、ちょっと退屈だった。
それから、燻製チーズ。
香りは非常によかったのだけど、二口目以上になるとやっぱり退屈だった。美味しいチーズを買うのは結構難しい。
買ったのはいつものマルクト。いつも繁盛している。
ラム酒 [食べ物・飲み物]
冬時間になったとたん、一気に寒くなってきた。
今日は中綿のコートを着て仕事へ。首にもストールをぐるぐる。
そんな寒い時期に私が好んで飲んでいるお酒をご紹介。
それは、Grogという。
Grogの発音はちょっと難しい。
rの発音は、ドイツ語の場合、喉を震わす。ちょうどうがいをしてゴロゴロってやっているみたいな感じ。
その音をgの発音に続けて出すのが。
グゴック。
と書くのが一番近いだろうか。グロックではなかなか通じない。
ちょっと気の利いたバーやレストランなら、Grogを出してくれる。
でも、簡単なので、うちでも気軽にできる。
作り方:
1.お湯を沸かす。
2.お湯を入れても良いグラスに黒い氷砂糖をお好みでいくつか入れる。
これがその黒い氷砂糖。
3.グラスにお湯を注ぐ。
4.ほんのちょこっとラム酒を入れる。
これが私がいつも飲んでいるラム酒。54%だ。
できあがったGrogはこんな感じ。
あたたまりますよ~
アイスバイン(豚足) [食べ物・飲み物]
本日の夕飯はアイスバイン。
アイスバインとは、豚の足の膝から足首までのことである。部位の名前がそのまま料理の名前になっている。
作り方
1.まず豚の足を用意。皮付きでそのまま使う。別に洗ったりもしない。
2.味付けとお肉の足しを兼ね、豚の尻尾も用意。
3.玉葱とにんにくを大きめに切り、ベーコンも皮と肉の部分を別々にして切る。
これがベーコンの皮の部分。
4.Nelke(ネルケ=チョウジ)も用意。
5.1~5を一緒に大鍋に入れ、塩・胡椒して煮る。ロリエも入れる。ぐらぐら20分くらい煮立たせ、その後弱火にし、ザウアークラウトを入れてことこと2~3時間煮込む。私はザウアークラウトを写真に撮るのを忘れたのだが、これは、千切りのキャベツに塩・胡椒して(たぶん他の香辛料も入っている)発酵させたものである。昔は家庭で作っていたようだが、今はスーパーや肉屋で手軽に買える。
6.できあがり♪
もっとよく見ますか?
アイスバインは、かなりグロテスクな代物である。ドイツ人女性でも、きゃあこわーい、きもちわるーい、と嫌がる人がいるそうだ。コラーゲンたっぷりの豚の皮は、確かに気持ち悪いが、美味しい。肉の部分も、筋肉がしまっている感じで美味しい。
豚の足の同じ部位をグリルすると、ハクセという料理になる。これは「めちゃうま」である。皮の部分は特別なナイフかはさみを使ってじゃないと切れないくらいにこんがりと焼け、珍味である。
ケルンの地ビール(ケルシュ) [食べ物・飲み物]
ケルンに行った第二の目的は、ケルシュを飲むこと。
ケルシュは、日本人には飲みやすいビールだ。日本のビールよりずっと苦味や味が強いが、喉越しが良い。デュッセルドルフのアルトビールとは違って、色合いも日本のビールのようだ。
今回行ったのは、有名なケルシュの店、フリュー。大聖堂のすぐそばである。
中に入ると食事もできる広いビアホールになっているが、私たちはほんの1~2杯ケルシュを飲んで帰るつもりだったから、入り口近くで樽出しの様子を観察しながら立ち飲み。
これが入り口入ってすぐのところにあるビールを樽から出しているところ。
真ん中の男性が、次から次へと休む間も無くビールをグラスに注いでいる。その右隣の黒人の男性が、次から次へとひっきりなしに下げられてくるグラスをひたすら洗っている。洗い方については後程。
左の背を向けている男性は、ビール専門のウエイター。彼らビールのウエイターは、まずこの樽出しビールのところで彼ら自身がビールを買い、それをビアホールの客人たちに売り歩いている。デュッセルドルフのビアガーデンも同じ仕組みで売られている。彼らはウエイターというより、ビールの売り子なのだ。
ビールの売り子さんたちはこのような専用のビール運び道具を手にしている。
これにビールの入ったグラスを入れていく。
混んでくると、樽出しの前に売り子さんたちの行列ができる。
樽にビールがなくなってくると、樽を斜めにしてビールを出し切る。
空になった樽を向こうへ追いやると、新しいビールの樽が下から出てくる。
そして、空になった樽が下へ降りていく。
ケルシュは、こんな細長いグラスに入って売られている。200ccのところにメモリがついている。細長いグラスで売るのは、きりっと冷えているうちが美味しいからである。
私たちにケルシュを売ってくれたのはこのおじさん。撮影させてくれてありがとう。
さて、グラスの洗い方をご紹介。
下の写真のオレンジ色の容器の中に、洗剤入りの水が入っている。グラスを逆さにつかんで、そのオレンジ色の容器の中に突っ込み、3~4回上下に振る。
グラスを逆さにしたまま置く。台には穴が開いていて、水気が下に落ちるようになっている。すすぐわけでも、ふき取るわけでもない。これが極めて一般的なドイツの洗い方である。
あまり衛生的なことを考えないで酔っ払ってしまうのがいいようである。
牛肉のロール巻き煮込み [食べ物・飲み物]
久々に料理のご紹介。
ドイツではお肉が日本と比べるとずいぶん割安で手に入る。
豚肉などはこれほど美味しくてこんなに安いの?と思うことがしばしば。
牛肉もたしかに安いけれど、日本の脂肪たっぷり霜降り牛肉に慣れていると、赤みが多くてパサパサしているように感じる。
そんな牛肉を美味しく食べる料理をご紹介。
Rindsroulade(リンズルーラーデ)またはRinderroulade(リンダールーラーデ)という。Rinderというのは牛肉、Rouladeというのがロール巻きのこと。すなわち、牛肉のロール巻きである。
作り方
1.まず、ピクルスを細かく切る。(一本丸ごとでもいいような気がする。)
2.牛肉の薄切りにからしを塗る。このからしはデュッセルドルフのではなくて、ザクセンの知り合いから頂いたもの。アイヌ葱風味のよう。
3.それから塩コショウ、パプリカなど。
これらが使った香辛料。
4.次がこの料理のミソ。これは豚の脂肪の燻製である。ベーコンの脂身の部分の大きいもの、とイメージしていただきたい。これを、牛肉の赤みの上にのせる。それによって、パサパサしないですむし、味もぐぐっとよくなる。
このようにのせて・・・
5.上にピクルスをのせる。
6.巻いて、爪楊枝でとめる。
7.全部巻き終わったら、根野菜と一緒に煮る。セロリの根や、にんじん、にんにくなど。
8.できあがり♪
付け合せはカリフラワーだった。丸ごと茹でたのを切り分け、牛肉の煮込みのスープに絡めて食べる。上に削りふりかけているのはナツメグ。ナツメグはドイツ語でMuskatnuß(ムスカートヌース)という。マスカットのナッツという意味で、ナツメグとはマスカットの仲間だそうだ。
ヴェックマン [食べ物・飲み物]
聖マルティンの日を過ぎると、パン屋さんに次のようなパンが並ぶ。
これはWeckmann(ヴェックマン)という。WeckはWecken、すなわち甘い味付けで柔らかめに焼いた小麦粉の白パンのことである。Mannは男性のことである。では、ヴェックマンは、なぜ男なのだろう?そして、どうしてパイプを持っているのだろう??どうしてこの時期に食べるのだろう???
ヴェックマンは、もともとは日曜日や祭日の礼拝の後、聖体拝領の儀式として聖なるパンが配られたところに由来する。配るのは司教、すなわち男性だから、ヴェックマンは当然男性である。時が経つにつれ、お祭りのときにそのお祭りに関連した聖人や動物を模ったパンが焼かれるようになり、どうやらもともとのヴェックマンはただの司教ではなく聖ニコラウス、または聖マルティンだったようである。だから、もともとはヴェックマンは聖ニコラウスの日(12月6日)かまたは聖マルティンの日(11月11日)に食べたようだ。
さらに時が経つにつれ、もともとは司教の象徴として長い杖を持っていたヴェックマンは、ただの男性になり、男性の象徴としてパイプを持つようになったらしい。これは男性がタバコを吸うか否かとは関係ない。パイプとは男性のシンボルの一つなのである。
そうこうして、このヴェックマンは、聖マルティンの日から聖ニコラウスの日まで、またはクリスマスまで売られるようになった。今は、相当インテリで博学なドイツ人でも、ヴェックマンの由来はなかなか知らないようである。
現在のヴェックマンの生地は、白パンまたはぶどうパンである。日本のアンパンの生地に似ている。食べるときは、たいていココアと一緒に食べる。寒くなってきたときの風物詩のようだ。
今日、ヴェックマンを買いに行ってきた。これはショーウィンドウの中のヴェックマン。隣に、もっと主張が激しいWichtelmann(ヴィヒテルマン)というパンも並んでいる。ヴィヒテルマンというのは小人の意味で、つい最近ヴェックマンの弟分として新しく登場したようだ。
それでヴェックマンとヴィヒテルマンの二つを買ってきた。袋に入っているうちにヴィヒテルマンの顔が・・・!
生地はちょっと違った。ヴィヒテルマンの方がしっとりしている。
パイプは、昔は陶器製だったらしいが、今はギプスでできているそうだ。
今回買ったお店はここ。なんてことのない、チェーン店である。パン屋さんにはたいてい、立ち食いそば屋みたいな背の高いテーブルがあり、コーヒーやココアなども飲める。
Kさんからのお尋ねおよびご提案により、このテーマで記事を書くことになった。アイディアに感謝。
ボジョレ・ヌーヴォー [食べ物・飲み物]
本日のテーマは、これである。
これは、あの有名なボジョレ・ヌーヴォーのコーナー。Beaujolais Villages Primeur、すなわちボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーのことである。Quinsonというのは、ワイン仲買業者の名前。日本ではボジョレ・ヌーヴォーではデュブッフという仲買業者が有名らしいが、その業者は主に日本とアメリカに輸出している大手である。
ボジョレ・ヌーヴォーには、より限定された地域からの新酒があり、それがボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーである。つなり、その地域からのボジョレ・ヌーヴォーじゃないと、ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーというラヴェルを貼り付けることはできないのである。
そこで売られていたのは、これである。
もう少し近づいてみよう。
Appellation Beaujolais Villages Controleeというのは、本当にボジョレ・ヴィラージュのもので、決められたブドウを使って決められた製法で作ったものであることを証明するという意味である。
したがって、これは、正真正銘のボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーなのである。日本だったら、一本三千円くらいだろうか。でも、最初の写真には、2.49という数字が出ている。これは一本2ユーロ49セント、すなわち336円くらい。
売られているところをもう少し遠めに見てみよう。
スーパーであることがお分かりいただけるだろうか。
ドイツ人は、一般にボジョレ・ヌーヴォーなるものを知らない。ボジョレ・プリメアという名前で売られてはいるが、それを待ち構えて買っている人は非常に少数である。なんといっても、ワインになる直前のフェーダーヴァイサーという飲み物が大人気の国だから、それの一歩進んだ新しいワインへの関心はあまり無いのかもしれない。フェーダーヴァイサーについてはこちらをどうぞ↓
http://blog.so-net.ne.jp/megimigi/2006-09-10
ドイツ人は、フランスのワインはよく飲むけれど、ワインとは古ければ古いほど味わいが深くなっていいものだと思っているので、できたばかりの新しいワインを味わおうなんて発想がないようだ。そういう若いワインを楽しむ人も、そんなにお金を出す必要性を感じていない。なにしろこれは、ぶどうジュースみたいなフェーダーヴァイサーに毛の生えた程度のワインの赤ちゃんなのであって、楽しみはするけれど、味わって飲むものではないのである。
そんなわけで、なんてことないスーパーで山積みになって、300円かそこらで売られているのがドイツのボジョレ・ヌーヴォーの実情である。ラベルの絵が、男二人であることも興味深い。ワインとは、またはボジョレ・ヌーヴォーとは、特に気取って彼女とデートするときに飲むものではなく、普段着でちょっと引っ掛ける程度に楽しむものなのだろう。
エスプレッソ・メーカー [食べ物・飲み物]
うちのエスプレッソ・メーカー。
これは直火式のエスプレッソ・メーカーである。日本でエスプレッソというと大きな機械を買う人が多いようだが、それは狭い台所で場所を取る上になんと言っても熱源が電気であって、エネルギー効率が悪い(すなわち、同じ熱量を出すのにずっと多くのエネルギーを消費している=環境に悪い)。環境保護に熱心なドイツ人はしたがって、この直火式を愛用している人が非常に多い。また、エスプレッソ大国であるイタリアでも、家庭ではこのタイプのを使っているそうだ。
このタイプのは日本でも小さいのなら楽天で1500円くらいで買えるようだが、私のうちのは大きいタイプで、4年前高島屋で3500円で売られているのを見たことがある。この大きいタイプは、ドイツで買うと7ユーロ程度、千円弱である。機械のお値段を考えると、3500円払ってもこちらの直火式をお勧めする。毎日エスプレッソを飲もうという気になれる手軽さがある。
これをばらすとこんな感じ。もう何年も使い込んでいるので、ちょっと汚く見えることをご勘弁を。
入れ方は次のよう。
1.下の部分に水を8分くらい入れる。
2.中蓋をする。
3.そこへエスプレッソの粉を入れる。うちの場合は小さじ4杯くらい。うちで飲んでいるのはスーパーで売られている安いもので、一缶300gで4ユーロくらい(540円前後)である。
4.上の部分と下の部分をつなぐ。
5.火にかけ3分程度でゴボゴボっといいはじめる。火を止め、音がやむのを待つ。できあがり♪
このままエスプレッソとして楽しめることはもちろん、うちでは毎朝、これを温めた牛乳で半々に割って飲んでいる。とても美味しい。洗うのも簡単、もしこれからエスプレッソ・マシーンを購入することを検討している方がいたら、ぜひこのエスプレッソ・メーカーをどうぞ。
チーズ [食べ物・飲み物]
毎週買いに行くマルクトのチーズ屋さん。マルクトとは、広場にたつ市場のことである。
この写真は1ヶ月くらい前に写したのだが、今見ると、ずいぶん暖かかったんだなあ、と服装から感じる。今はダウンジャケットを羽織って外に出かけている。
ここではいろんな種類のチーズが買える。例えばヤギのチーズ。それも、普通のチーズだけじゃなくてスモークしたのも。
それからカビ系。
それからフレッシュチーズやコッテージチーズ。
そして大きな普通のチーズとスモークチーズ。ねずみさんがかじったような穴あきのも。
チーズは毎日の食事やお弁当に欠かせない。スーパーでもたくさんの種類のチーズが手に入るが、マルクトで馴染みのチーズ屋さんとおしゃべりしながら買うのはとても楽しい。ここのチーズ売りのお姉さんの一人は、大学で、日本のお寺の写真アートについて卒論を書いているところだという。ドイツでは卒論は2年間くらいかけて書くのが普通なのだが、毎週「卒論はどうですか?」「ぼちぼちです」という会話を交わしてもうかなり経っているが・・・
ガチョウの卵 [食べ物・飲み物]
昨日の記事でガチョウの卵を買った話を載せたところ、その味について質問が多かったので、早速賞味&ご報告。
まず、これが市場で売られていたガチョウの卵。
ばら売りしていたので一つだけ購入。新聞紙にこのように包んでくれた。
普通の卵と大きさ比べ。
味を確認するのに、簡単に目玉焼きにしてみることにした。大きなフライパンの半分が埋まる大きさである。なんと言っても黄身が大きい。ぼよよーんと殻から出てきた。
割った後の卵の殻。かなりしっかりしている。割るのに3回くらいフライパンにぶつけたが、中の薄皮がしっかり中身をガードしていた。
目玉焼きの出来上がり。大き目のお皿にどどーん!
さて、お味の方は・・・
1.濃厚だが普通の卵と同じような味
2.量が多いので一つでおなかいっぱい、しばらく卵は食べたくない気分になる
ゆで卵にして、スライスしたり飾りをつけたりすると可愛いかもしれない。
りんご [食べ物・飲み物]
私がいつも買いものをするマルクト市場の果物屋さん。
果物屋といっても、ここのメインはリンゴ。一年中種類の違うリンゴを売っている。季節によってはプラムや木苺、花梨、その他の果物も売られるが、あくまで自家栽培の果物なので、ドイツで取れない輸入品、例えばバナナやパイナップル、オレンジなどはここにはない。
ここはもちろん量り売り。自分で袋に必要な分だけ取っていく。
洋ナシも売られていた。
味見できるようになっている。自分で切って食べるように、それぞれにナイフが添えられている。お皿の横にはリンゴの名前もチョークで記入されている。
私も味見して、洋ナシと、Fuji(ふじリンゴ)とBelidaというのを買うことにした。Belidaは今週が最終だと書かれている。
買ってきたもの。これで1.46ユーロ、226円だった。
グリューワイン [食べ物・飲み物]
クリスマス市が始まったこの季節ならではの飲み物をご紹介。
それはグリューワインという。グリューは灼熱することをさすから、直訳すると熱いワインとなろうか。お燗ワインとか、ホットワインとか、日本では様々に呼ばれているようだ。
その名の通り、ワインを熱くして飲む。しかし、ただ熱するのではなく、甘く味付けする。クリスマス市を回って冷え切ったからだを温めるには、このグリューワインが一番いい。日本の甘酒をイメージするとその雰囲気がわかるかもしれない。
そのグリューワイン、家庭でも簡単に楽しめる。スーパーには出来合いのグリューワインがパックやビンで売られているが、それは日本人には甘すぎるし、ハッキリ言って美味しくない。それよりは、簡単なのでぜひご自分で作っていただきたい。うちでは冬になると毎日のように作っている。
まず、1リットルの安いワインとお好みでラム酒を用意。このワインは1.5ユーロ(230円くらい)、ラム酒は安いスーパーで10ユーロくらい。もちろんラム酒はほんのちょこっと香り付けに入れるだけ。
それから、茶色い砂糖とオレンジ。オレンジは1~2個分の絞り汁を使う。また、オレンジかレモンの皮を少々切り落とす。
さらに、チョウジ。ドイツ語でNelke(ネルケ)という。スーパーの胡椒などの調味料売り場で簡単に買える。1リットルのワインに対し3粒程度。
最後にシナモンを少々。ドイツ語でZimt(ツィムト)という。粉になっているもので十分。これもスーパーの調味料売り場に並んでいる。ちなみに調味料はたいていアルファベット順に並んでいる。
これらを鍋にかけ、沸騰させないように弱火で煮る。オレンジの絞り汁だけは熱くなってから入れた方がいい。うちでは私が日本から持参した菜箸と、ドイツでよく売られているお茶を入れるための網を利用してこんなふうにしている。
熱くなったら出来上がり。
甘くていっぱい飲んでしまうが、身体が本当に温まる。
面倒な人はワインに下のようなTバッグを入れて温めても簡単にできる。でも、裏の内容物を見ると、私が書いたものそのままである。お好みでチョウジの量やオレンジの絞り汁を加減した方が美味しくできる。
ぜひお試しを。
クリスマス市(飲食編) [食べ物・飲み物]
今日はクリスマス市のもう一つの楽しみ、飲食をご紹介。
まず食べ物。
ドイツだから当然ソーセージがある。また、ジャガイモ料理もよく見かける。その他、ワッフルやクレープなどの甘いものを売る店もある。
先日私の目に入ったのは、まず焼き栗。冬になると、クリスマス市に限らず、焼き栗屋さんをあちこちで見かける。
調理用ではなくこのまま食べられるソーセージやハム、ベーコンなどを売っているお店も。下のお店はオーストリアから出張してきたようだ。
これはReibekuchen(ライベクーヘン)。ジャガイモを摩り下ろして揚げたもの。レストランでは前菜としてスモークサーモンと一緒に出されることもあるが、ここでの定番はアップルムースと一緒に食べる。揚げ物とリンゴ味、最初は不思議な気がするが、慣れると妙にやみつきになる。紙のお皿に入れて渡され、手で食べる。
見て回っているうちにだんだん暗くなってきた。クリスマス市はやっぱり暗い方が断然雰囲気がいい。
上の方に小さく光っているのは月。この日は三日月よりもうちょっと大きいくらいの感じだった。
さて、夕飯代わりに食べたのがこれ。
これはSpiesbraten(シュピースブラーテン)。串焼きのお肉を焼いたもの、という意味。つまり、串焼きにした肉の塊をスライスし、両面を軽く焼いて、玉葱を焼いたものと一緒にパンにはさんで食べる。変なこってりしたソースもないし、日本人の口にあうと思う。このおじさんはとっても気さくで親切だった。
さて、長くなるが引き続き飲み物編。
クリスマス市は寒いので、ビールを飲む風景は見られない。以前ご紹介したグロッグ(ラム酒のお湯割り)や、グリューワイン、ココアなどが主流である。
グリューワインもこのような樽に入れられて売っている(どのお店もそうとは限らない)。雰囲気があっていいなあと思う。
使われているカップ。どこの町でもカップはたいてい陶器である。紙コップやプラスチックのコップはまだ見たことが無い。
このコップは飲み終わった後返却する仕組み。お返しするとお金が戻ってくる。このカップの代金は1.5ユーロ。飲み物を買ったときには1.5ユーロ余計に払い、飲み終わったらお返しして取り戻す。もちろん、そのままカップを持ち帰ってもよい。その場合には1.5ユーロでカップを買ったということになる。(カップは売られてもいる。マイカップを持っていって入れてもらっている人は見たことが無いが・・・)環境大国ならではの仕組みだが、グリューワインを紙コップで飲むことの味気なさを思えば、陶器で飲めるのはいいシステムだと思う。残念ながらデュッセルドルフのカップはあまりカッコよくないが、町によっては素敵な絵柄で、日本へのお土産にも良さそうだ。
ガチョウ料理 [食べ物・飲み物]
聖マルティンの日を過ぎることほぼ一ヶ月にしてようやくガチョウを食べに行く時間を持つことができた。
ガチョウはGans(ガンス)。ガチョウの足はGänsekeule(ゲンゼコイレ)。足にしろ胸肉にしろ、ガチョウの肉はネギ(Lauch)やセロリー(Sellerie)やにんじん(Möhre)、ロリエ(Lorbeerblatt)やマヨラナ(Majoran)やタイム(Thymian)などと一緒に赤ワインに浸し、オーブンで蒸し焼きにする。脂肪分を補うためにガチョウの脂肪やバターを使ったりもするらしい。
ソースはLebkuchen(レープクーヘン)という蜂蜜と香料入りのケーキを細かくし、蒸し焼きで出た煮汁でのばし、ちょっとポートワイン(ポルトガル産の甘いワイン)を入れて作るらしい。
付けあわせでオーソドックスなのは紫キャベツ(Rotkohl=ロートコール)を甘く煮たものと、ジャガイモの団子を茹で上げたものである。このレストランでは、紫キャベツはチェリーと煮てあった。
ジャガイモの団子は、ぼそぼそしてイマイチだったけれど、お肉は非常に美味しかった。ガチョウは脂肪分が少なくてパサパサすることも多く、レストランで美味しいのに出会うと幸せである。ガチョウと紫キャベツとジャガイモ団子の3つとも美味しいレストランに出会ったことはまだ無い。
サイドオーダーで、栗の甘露煮のようなものも。
食べに行ったのが聖ニコラウスの日だった所為か非常に混んでいて、みんな盛り上がっていて話すのに大声を出さねばならず、ちょっと疲れた。ドイツ人もクリスマスに向け、気持ちが高揚してきているようだ。