その日がやってきた [ポプラの伐採]
うちのドイツ人のインフルエンザはようやく回復し、おかげさまで熱が下がった。昨夜はめぎもどうも嫌な予感がしたので全てをなげうって午後8時に就寝し、13時間睡眠。おかげで難を逃れた模様。
さてさて、今日のお話に。こちらはキッチンの食卓テーブルのめぎの位置からよく見えたハトさんたち。
あの衝撃のタカかハヤブサかの襲撃でパートナーを亡くしたハトさんが、次のパートナーを見つけたのか、別のカップルが時々ここにやってきたのかは知る由もない。最近はカップルとは思えないハトさん2羽が微妙な距離でここに止まっていた。片方はこちらに。
もう片方はこちらに。
そして、2月23日、積もるほどじゃないけど雪がちらつく土曜日に・・・
とうとうその日がやってきた。
既に8時頃から仕事を始めていた模様。9時20分時点で外の気温は氷点下0度1分。風の気温はマイナス4度。北東の、つまりシベリアからの冷たい風が吹き込む冷え込んだこの日。
仕事のメインはこの手前のお方。
たくさんぶら下げてますねえ。
彼らはいつの間にか木の上の方からロープをいくつか吊り下げていた。下の方の細い枝も既に切り落としていた。
そして、登り始めた!
あっという間にめぎと同じくらいの高さまでやってきて・・・
こんな風にいくつかの枝にロープを固定し・・・
あとから鋸を下からロープで受け取って・・・
下の方でも枝とつながっているロープを固定して・・・
切り始めた!
あああああ!
下の方にはさらに鋸で小さく切り取る人と・・・
それを枝と幹に分けて積む人とが流れ作業のように働いていた。
めぎたちは23日土曜日、一日中窓からこの作業を見て過ごした。つまり、二人とも起きて作業を見ていられるほど元気だと言うこと。皆様のお見舞いに心から感謝。
つづく。
ポプラの伐採 [ポプラの伐採]
今日の話は昨日の続き。この土曜日に一階の家に生えているポプラの老木を伐採した様子を連載中。
いつもハトさんが止まっていた枝・・・これも実は、昔は上へ向かって伸びていた枝が2年くらい前の嵐でこんな風に曲がってしまったもの。数年前にも大きな枝が突然下に落ち、それから嵐の度に枝振りが怪しくなってきたので、このポプラがそろそろ危ないんじゃないかという話になったのだった。一階の人はもう前々から秋の落ち葉の掃除に悲鳴を上げていたが、伐採する決定が下された一番のきっかけは、隣の建物の一階の人が危険を訴えて裁判に持ち込んだことらしい。裁判とあっては大家も放ってはおけなくなったということだ。(一階のうちに招かれてその話を聞いたときのことはこちら。)
このハトさんの枝が終わる瞬間。
こんな風に固定されていて・・・
下でもどすんと落ちないようにロープを引いていて・・・
ゆっくり下ろしていく。
下ろす先は向かいのアパートの駐車場の屋根の上。防護のマットや板が敷かれていた。
それから下の作業員たちはてきぱきと仕事に取りかかる。
木を枝と幹に分けて適当な大きさに切る人、枝を下に投げ、薪になった幹を別の荷台に投げ込む人、細かい枝を掃除する人・・・
枝の方はその場でチップに。
時々均して踏み固めたり。
次から次へと太い枝が切り落とされ、それをあっという間に片付けていく作業員たち。協力体制がしっかりしていて、作業員同士のコミュニケーションも良いようだった。
そしてまた。ハトさんの上の枝も・・・
こんな風に切られ・・・
さようなら・・・
反対側の枝も。
切り落とす瞬間に身の安全を図る様子が非常に興味深かった。思い枝はかなりの勢いでバウンドし、幹にぶつかってくる。作業員に当たらずとも、太い幹が揺れるほどの勢いだ。見ていると結構怖かった。
このような作業の繰り返し。下の枝から順番に上へ上へと切り落としていくのが面白い。たしかに、切った枝を下ろすときにその下に枝があると邪魔になる。全体の3分の1くらい切り落とした11時頃、薪がいっぱいになって一度どこかへ運ばれていった。
さて、この当たりで突然めぎのD40xが故障。中のミラーが上がらなくなったのだ。シャッターを押しても元に戻らず、仕方がないのでうちのドイツ人のD50で続きの撮影。そうこうしているうちに11時半頃となり、お昼休憩に入った模様。
↑ね、色合いがちょっと違うでしょ。同じニコンのカメラでも、同じ設定にしても、ずいぶん違うものよねえ。
下の部分が切り落とされてスマートになったポプラがなんだか痛々しい。このまま残しておいても、もうそんなに危なくもないんじゃないの?などと思ってしまう。
親方たち(だと思う)がお昼休憩に入ってからも、弟子たち(それともアルバイトかな)は作業の残りをやっていた。
つづく。
梢の伐採 [ポプラの伐採]
2013年2月25日、めぎのブログはアクセス数500万を突破。これは日本時間の午後6時頃の撮影。ご覧になってくださる皆様、コメントをくださる皆様に心から感謝。
うちのドイツ人曰く「1クリック100円徴収すれば億万長者になれるよ」。そうねえ、1クリック10円でも1円でもいいわね。思えば一銭にもならないことにずいぶん一生懸命作業しているよなあ。この労力を別のことに向ければ、金銭的に生活がもっと楽になるかもね。
現在この土曜日のポプラ伐採の話を連載中。同じような話が続くが、書かずにはいられない・・・なにしろ、めぎにとってこのポプラの伐採は愛する人のお葬式のようなものだから。約10年前、このポプラの木をこのバルコニーから眺めながら、こうしてさわさわざわざわ葉っぱが揺れる音を聞いて小鳥たちを眺めて暮らすのって素敵だなあ・・・と思ったのが、ドイツに残ることを決心する上でかなり大きなウエイトを占めていたのだから。一部始終を見ることで、そしてそれをこうして整理し書き留めることで、めぎは心の整理をつけているのだと思う。
めぎにとってブログは、自分がドイツ人との生活で日々体験している興味深いことを日本の方にご紹介するつもりで始めたのだが、当然のことながら自分自身の生活と旅の記録をする意味も持つようになったし、ドイツ生活への慣れによって忘れてきた日本人的感覚を常に呼び戻す意味も持ったし、仕事でも日常生活でも使わない日本語を忘れないようにする意味も持った。それが、楽しいことにしろ辛いことにしろ、こうして写真を整理し構成を考え書き留めることで心の整理をしていっているという大きな意味があることに、いつの頃からか気がついた。義父の死やその後の遺された奥さんとの話など、書くことでその喪失感や腹立たしさなどを乗り越えていった感がある。あたかも消化し、昇華するような感じだ。書かずにいるテーマは、時間的に季節的に機を逃したということもあるが、自分の中で煮え切らない部分があるからということでもある。ブログって、なかなかに面白い。そりゃそうよね、自分の目で見て切り取った写真を、自分の頭で構成を組み立てて、自分の言葉で語るのだから。
さて、昼休みを経て作業が再開されたポプラ伐採。これは作業開始後30分くらい経ってから撮影したもの。既に昨日の最後の写真より枝が少ない。
彼はめぎの目の高さの枝は切り終わり、もっと高いところに移動中。このピンクの紐で身体を固定しているようだ。凍える雪の中での作業、手が悴んで手元が狂ったりしないのかな。すごいな。
こんな高いところで・・・
これとあれを結び、それとあれも結びして・・・
まず細い方を切り・・・
それからまたなにやら結び直して・・・
切り・・・
落とした・・・
そして下でも次々と作業。
これを繰り返してあっという間に木はこんな姿となり・・・
あとは梢を少々残すばかりに。あそこにカササギの巣があるのだなあ。
彼はこれも手際よく順番に切り落とし、とうとう最後のを・・・
伐採。
こうして切り落とされた梢のなんと小さいこと。なんと虚しいこと。
こうしてチップになっていった。
ここからは上から順番に少しずつ切っていく。
右や手前や左と手際よく順番に少しずつ。
彼は昼休み後一度も休憩を取らず、雪の舞う中こんな高いところで宙づりのまま作業し続けて、タフだなあ・・・ずっと見続け、ずっと写真をとり続けためぎに時々手を振ってくれた。この作業員の方々の仕事ぶりが素晴らしく、また気持ちのいい共感できる方々だったことが、この木を切られる悲しみからめぎを大いに救ってくれた。
幹が太くなってきて、鋸を大きいのに替えて作業。
チップになる部分が無くなったので、こちらは片付けられていった。髪のないおじさんは、あとから現れたこの作業の依頼人。めぎ家の大家である。
もう一日続く。