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月曜日の朝 [新型コロナウィルスのこと 2020年]

めぎの住むノルトライン・ヴェストファーレン州の休校が始まる朝、日の出はめぎが家を出る時間よりも早くなっていた。3月16日の日の出は6時43分。いつの間に6時台になっていたとは…これは7時19分の撮影。
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7時20分にうちを出て、うちのドイツ人に車で学校まで送ってもらう。光が美しかった。
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世の中がコロナウィルスの猛嵐だなんて、想像もつかない明るさ。
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途中で見えた綺麗な桜。
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学校には高校3年生以外に誰も来ていない。高3は本来ならば4月第一週までで全ての授業を終え、2週間のイースター休暇後からの卒業試験を待つのみになるはずだった。しかし最後の3週間の授業が休校で無くなったので、その間にするはずだったプリントなどを生徒に渡す機会を作り、質問等にも答える場を、ということで、月曜と火曜は臨時のブロックコースをすることになったのだ。入試のないドイツでは高校の卒業試験は大学入学資格試験でもあって、その試験は一生に2回までしか受けられないという制約もあり、卒業試験で取った成績で行ける大学がほぼ決まるということもあり、生徒の人生がかかっている。だから、この週末はハッキリ言えばその他の学年のことはとりあえず横に置いて高3生のための様々な準備に追われていた。

60歳以上の同僚は来ないようにというお達しで、残りの人員であれこれと休校に入る準備。多人数が集まると感染の恐れが高まるということで、職員会議も大きな講堂に間隔を置いて一人ずつ座る。生徒とのブロックコースも、教科ごとの打ち合わせも、できるだけ5人以下で行い、こまめに換気することという指示。終わった人はしゃべってないでさっさと帰れ、ということで、めぎは会議と打ち合わせを終えて10時には学校を後にした。めぎの担当のブロックコースは火曜日なので、月曜は授業がなかったのだ。だからあとは自宅で火曜日の準備。水曜日以降は自宅でその他の学年への休み中の課題を順次準備してメールで送ったりe-Learningオンラインに載せたりすることとなっている。いやはや。

で、帰りはバスで。バスの運転手さんはいつもの前方の乗り口は開けず、後ろの降り口から乗るようにと手振りで指示。公共交通機関も人との接触をできるだけ避ける工夫をしているようだ。凄いなあこの徹底ぶり。これはバス停から降りてきたところ。
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あの桜はさらに開花していた。
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この桜がなんという桜なのかは全く分からないが、早咲きで、慎ましい感じ。
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数年前の嵐で枝が折れ、その後ずっと放置されていたのでさらに傷みが激しくなり、あまり元気でなさそうだったのだが、今年は去年よりも多く花をつけている。
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どこにも載せられないけどこんな状況の学校を自分の気持ちの整理のためにも撮っておこうと、Z50にキットレンズという軽いセットを持ち出していたのだが、綺麗な光の下で桜が撮れて楽しいひととき。
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まあこんな風に光が当たって花びらにしべの影ができているのが写真としていいかどうかは何とも言えないが。
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今年の卒業生たちは、自分たちはコロナの年の卒業なんだ、と一生口にすることになるのだろうな。この状況の下、嵐に翻弄されずしぶとく冷静にすべきことを成し遂げ、美しく花を咲かせられますように。
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