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2020年10月中旬のドイツのコロナ状況 [新型コロナウィルスのこと 2020年]

今日は貴族の庭園の話をお休みし、10月16日の金曜日のマルクト市場の風景とともに、現在のドイツのコロナのお話を。
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ヨーロッパの中では比較的踏ん張っていたドイツだが、とうとうドイツもこの春の第1波のときの新規感染者数の最多(6千人台)を超えてしまった。超えたのは15日のことだが、17日朝も7830人で最多更新。夏中ずっと1300~1800人ぐらいで推移してきて、それが10月に入ってからは週末を除いてずっと2千人台となり、10月7日の水曜日には約2800人だったのだが、その次の日から4千人台となり、10月14日には5千人台となり(つまり一週間で倍増)、15日は6千人台、16日以降は7千人台、というわけだ。今後どんな風に推移していくのだろう。
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9月の段階では死者数に大きな変化はなく、例年の数と比べても特に差はないようだったが、10月がどうなるかはなんとも言えない。以前にもリンクを張ったこちらによると、10月16日段階ではドイツはスウェーデンと同じオレンジ色で、ぎりぎり赤色の危険地域になっていないのだが、それも時間の問題だろうな。皆さまがご覧になるときにはもう赤くなっているかも…(各国の上にマウスを動かすと、人口10万人当たりの7日間指数(7-Tage-Inzidenz)つまり人口10万人当たりのこの7日間の新規感染者数が出てきて、ドイツは10月16日現在44.6人。ちなみにスウェーデンは37人。隣国を見ると100とか200とかを超えてて、例えば左隣オランダは289.9人、右隣チェコは476.4人である。)
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1日の新規感染者数が7千人以上だなんて、日本から見るととんでもない数だが、フランスは1日3万人を超えているので、それと比べたらね…それに、検査数も半端じゃないので(ドイツでは例えば10月5~11日の週の場合116.7万件の検査が行われていて、陽性率は2.48%とのこと)、これだけ感染が見つかるのも当然と言えば当然なのだ。ちなみに10月15日の時点での7日間平均の東京都のテスト数は約4160人で陽性率は3.8%とのことなので(こちらを参照、今は日付が変わって検査数が減り、陽性率が上がっている)、もし検査数がドイツ並みだったら、今の東京には単純計算で(116.7万件×0.038÷7)1日に6335人の新規陽性者がいるかもってことよね。そう考えると、ドイツと日本、実は大差ないかも…??というか、どの程度流行っているのかを判断する上で、新規感染者数をどう見るかは、やっぱりその国の検査数やらなにやらまで確認しないと何とも言えないわね。
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ドイツの場合、人口10万人当たりの7日間の新規感染者数が50以上だと危険地域となるのだが、その地域は増える一方。デュッセルドルフは10月17日現在63.8である。もはやマスク着用義務の場所は増える一方で、商店や公共交通機関や学校や役所などのほか、とうとう一部の外の広場や通りも、つまり人が多い外の場所も着用義務となった。レストランやカフェやバーは23時から6時まで営業禁止となったし、その時間帯はアルコールの販売も禁止となった。イベントは100人まで、結婚式や誕生会などの家族のイベントは10人まで、2世帯以上の普通の集まり(つまり友人や親戚と会うなど)は5人までとなった。これはお願いでも自粛でもなくそういう決まりになったので、違反すると警察につかまったり罰金を支払わなければならなかったりする。
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さらに、危険地域からの旅行者や出張者のホテルなどへの宿泊を禁止するという決まりもいくつかの州で作られたのだが、バイエルン州ではその決まりができるや否やホテル側が裁判所に訴えて、ものすごくスピーディーに判決が下され、なんとその決まりが覆された。それで、結構あちこちの州がその禁止条項を今は緩和している。と言ってもドイツの全州ではなく、いくつかの州にはその決まりが有効で、つまりこの時期旅行する者は行先の決まりを自分でキッチリ確認しなければならない。それも、危険地域は毎日増えるので、旅行の途中で別の地域へ行ったら前の日に泊まった街が危険地域になったからホテルに泊まれないとか14日間隔離とかになる可能性があるということ。
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というか、この期に及んでそんなにどうしてもどこかに旅行に行かなきゃいけないの?という気もする。秋休みにどこか行きたいなという気持ちは分かるけど、めぎだってどこか行ってリフレッシュしたいけど、でも事態は夏休みに入った頃とまるで違うのだ。メルケルさんが17日に「どうか不要不急の外出を避けて自宅に留まってください。今の状況ではクリスマスがどうなるかもわからないんですから。」と呼びかけたけど、さて、みんなどうするかしら。ハンブルクの友人夫婦が来週フライブルクの息子のところへ国内旅行し、帰りにうちに寄りたいと言っているけど、この土壇場でどうするかしら。2世帯5人まで会ってもOKだから、息子のうちに行くのもうちに寄るのも違反じゃないけど、でもねえ。
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めぎのいるノルトライン・ヴェストファーレン州の州知事によれば、今回導入した厳しい規則はひとえに、学校や保育園を休校にしないで済むようにするための措置、と言い切っていて、つまり学校が休校になるのは最後の手段らしい。それはすなわち、どんなに新規感染者数が増えても、めぎの仕事は最後の最後まであるということだわね。まあ休みになってもオンライン授業で忙しいのは変わりないけど、窓開けっぱなしで寒風吹き込む中で授業するのは辛いなあ。マスクをして話しててそうでなくても聞こえにくいのに、外の音が聞こえる中での授業って、寒くなくても辛いし。なんでもクリスマス休暇を2週間増やし、その分来年の夏休みを削る、という案もまだ政治家のコメント程度のレベルだが、出ている。むむむむ…ノルトライン・ヴェストファーレン州の再生産数は現在0.92~1.52で、集中治療室のキャパは25%と、まだあまり大差ない。秋休みはあと1週間。1週間後、いったいどうなっているかなぁ。
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今やドイツもマスク着用は普通になり、1.5メートルとか2メートルのディスタンスもすっかり定着し、人の動きを緩和させてからもう4か月ほど経つわけで、どうして今急にまた流行り出したのか、いったい夏と今とでは何が違うのかと言えば、夏は暑いし天気もよくて庭やバルコニーや公園やテラス席でみんな集っていたのが、今は雨も多く寒くなったのでたぶん屋内で集まる人が増え、換気も不十分だということなのではないかと思う。コロナって、感染すると、喩え軽症で回復しても、ひょっとすると何か月も頭痛がしたり体がだるいままになったりする可能性もあるということで、そしてそれを回避する有効な術はまだ完全には見つかっていないようで、どこかの大統領のように最先端の治療を受けてあっという間に治ってもあとでどういう副作用が出るかも未知数で、そこがなんともやっぱりどうにもこうにもね…
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