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夏休み半分が過ぎる [新型コロナウィルスのこと 2020年]

今日は旅行記を中断して、めぎの近況を。

今年調子が悪くて5月中旬に根元から切って新しく芽を出させたクレマチスが、7月12日にとうとう咲いた。
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めぎ家の元祖クレマチス。やっと綺麗な花が見られてよかった~蕾もまだまだいっぱい。
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次の日、初々しい蕊を。
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その他、こんなのが花を咲かせた。
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これ、どこからかもらった種を植えたところから生えてきたのだが、それが何の種かは謎だったし、これ一つしか育たなかったのだが、さて、なんという花なのだろう。
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それから、ブラックベリーが実をつけた。酸っぱいけど味が凝縮しててワイルドで美味しい。
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夏休みに入って3週間が過ぎた。前回10日が過ぎた話を書いてから、もう10日以上が経ったのだ。最初の10日より雨は減ったがやっぱり天気が悪く、しかも気温が下がってフリース着るような日が続き、ここ10日間には金曜日のマルクト市場などの買い物以外は…
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毎週楽しみにしているあの貴族の庭園にも悪天候で行けず、日曜日の1時間の散歩にしか出かけなかった。
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日曜日に行った公園ではもう秋の花かと思うようなのが咲いてたし、今年は夏がないまま秋になるのかと鬱々とした。
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カナダガンのヒナたちはもうすっかり大きくなった。旅立ちももうすぐだろうな。季節はどんどん過ぎていく。
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なによりめぎの心を鬱々とさせたのは、この3週間、夏休みに楽しみにしていたバルコニーライフが全くできなかったこと。天気が悪いのも然ることながら、喩えこんな風に青空でも寒すぎて、バルコニーに座ることすらできなかったのだ。
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この夏休み、どこにも行けないし、それどころかバルコーニエンにも行けないし、ホント、なんなの。

下の家の人はスロベニアへ休暇に出かけた。車で出かけたので、移動中に感染する危険がない。行った先には親戚のセカンドハウス。つまり、ホテルやレストランで感染する可能性もない。いいなあ。雨が多かったので、ほったらかしの庭は綺麗に花が咲いている。見てもらえなくて勿体ないわねえ。
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もともと今年は休暇に出かけるつもりでなかったうちのドイツ人は、予定通り仕事の傍ら地道にこの作業を進めてて、ザルツブルクに行けなくなっためぎも手伝ってみたり。これ、どれほど大変で、どれほど手や腕や肩や背中が痛くなるかなど、よくわかったわ。
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さて、ここからちょっと文章だけになるが、色々と思うこと知ったことなどを記録のために。

ザルツブルク音楽祭のもともとのプログラムは来年に延期となり、今年は縮小した別プランで開催する運びとなったのだが、それでも2つもオペラをやって片方はめぎの好きなメゾのマリアンヌ・クレバッサが出るし、もう1つにはめぎの好きなソプラノのアスミク・クリゴリアンが出るし、見たくて聞きたくて行くか否かめちゃくちゃに迷ったけれど、断腸の思いで諦めた(その代わり行ったつもりでそのチケット代に当たる金額の寄付をした)。やっぱり飛行機か電車で移動するというのがね…日本の知り合い(60代の人)から、神奈川から90歳ぐらいの親の住む実家まで感染を避けるために夜行の個室で帰る(個室だと車掌に10秒ぐらい会うだけであとは誰にも会わないから)という話を聞いたので、なるほどその手があったかと思って調べてみたけど、ザルツブルクまでの夜行個室は片道250ユーロぐらいして、うーん、そこまでして行くか?という気がしてやっぱり諦めた(日本で夏の帰省はそのぐらいの値段がするのは普通かもしれないが、めぎはいつもザルツブルクまでは片道100ユーロもしないチケットで行っていたのだ)。音楽祭そのものも、いくらディスタンスを取った配席だということでも、閉ざされた空間だしねえ…予約していたアパルトメントのご主人が、違約金など全く取らずに(こちらが申し出たのにもかかわらずそれは必要ないと言ってくれて)来年の予約を受け付けてくれたのがとても有難かったし、同時に、たぶんそこはこの危機を持ち堪えられそうってことね、とちょっと安堵した。

現在のドイツの状況としては、新規感染者数はずっと横ばいで、日々200~600人(日本から見ると200と600って大きな差のようだが、そのぐらいの振れは5月中旬から今まで2か月ずっと続いている)、再生産数は夏休みに入ってから今までの3週間0.63~1.34ぐらいを推移(ここ10日間は上昇中)。マヨルカ島に休暇に行った人たちが密密密でマスクももちろん無しでパーティをしているらしく大問題になり、たぶん夏休みが終わったら休暇中に感染した人が戻ってきて増えるのだろう。休暇に出かけてなくても、ドイツの各都市で居酒屋の前など外とは言え夜に人がたくさん集まってて、この緩みが2週間後にどうなって返ってくるのかなと思う。と言っても多くは元通りの客入りではなく、打撃を受けた居酒屋やレストランなどを救うことはできないようで、コロナ休業で倒産する飲食店も出始め、その中にはデュッセルドルフの有名な老舗日本食レストランも。そのニュースにはちょっとしみじみとしちゃったな…もう長いこと食べに行ってなかったけど、外国で本物の日本食というかちゃんとした和食を提供していた長い歴史のあるその店が無くなっちゃうなんて。一時代終わった、いや、時代が変わる、という感じ。

そんな中、ドイツが景気を刺激するためにやっていることと言えば、色々あるが例えば付加価値税(日本の消費税)の年末までの引き下げ(19%から16%に、食料品など一部は7%から5%に)と、できるだけたくさん国境を開けることなど。感染者数が600人出ようと、クラスターの場所だけ局地的にロックダウンするだけであとは緩和を続けるどころかさらなる緩和もし、休暇に行ける人には行っていただいて観光業界を助け(それも国内を推奨しつつもオーストリアやオランダはもちろんあんなに感染者数の多かったイタリアやスペインにまでドイツ人を自由に移動させ、そこの経済をも救い)、レストランに行きたい人には名前等を登録させるがどんどん行っていただいて飲食店を救う。150人規模の結婚式もOKとなった。それとともに、そんな旅やら外食やらの余裕のない人にもスーパーでの買い物を少しでも楽にし、かつこの機会にお金のある人は高いカメラや車もぜひ購入を、というわけである。賢いなあと思う。無観客でもサッカーを復活させたのは、試合があればPay TVが生きながらえるからであるし、人々の鬱憤をそれで晴らすこともできる。これに加えてオペラなども復活してほしいところだが、秋からはマスク着用とディスタンスを取った配席で開始の予定のようだ。まあなんにせよ、どこの国も、どんな政治家も、政策というのは選挙で勝てるようにということを第一目標に掲げてするものであり、かつパイプのある産業を助けようとすることも第一だろうから、こちらはその辺を差し引いて評価すべきだけど、以前も書いたようにメルケルさんは自分自身がもう引退することが決まっているので、本当に信条として良かれと思うことを推し進めようとしている部分が大きいように感じる。

仕事の方は、先週めぎの住む州の教育相が記者会見し、新年度からのもしやのオンライン授業に備えた大規模な予算を発表し、タブレットやPCを持たない生徒と、私物をオンライン授業に使いたくない教師にタブレットを配布するとか。日本も公立学校のオンライン授業のために似たような予算を立てているらしいが、2023年までに実現とかって悠長なことを言っているけど(いくらなんでもそれまでにはコロナ終わっててほしいわよね)、こちらは来月の新年度に間に合わせるらしい。なんという速さ。そう言えば3月から夏までに、いかにドイツがオンライン授業で他のEU諸国どころかアジアにまで後れをとっていたかが明るみになって教育関係はみんなで憤慨していたのだが(オンラインで授業しようにもメールを送ろうにもホストダウンが相次いで)、それを本気で取り戻そうとしているのかもしれない。ちなみにめぎの学校は、夏休み前に教師全員に市から支給されたという新品iPadを貸与し(もともと自分で持っていて既に授業に使っている人は借りなくてもいいということだったが)、休み中大いにそれで「遊んで」慣れ親しんでおくようにという宿題が課せられた。そんなわけでアンチアップルだっためぎもとうとうiPadを使わざるを得なくなったのだが、貸与されるなら何でも構わないし、自分でセキュリティ云々気をつけつつ私物を使う必要もないし、何より自分で買わなくて済んでホントなにより(学校教育のオンライン化がiPadに向かっていることは既に知っていたので、そろそろ買わなきゃいけないかなあと考えていたところだったのだ)。さて、ここで本題に戻るが、そんなiPad云々はともかく、それってつまり、誰も新年度に通常授業ができるとは思っていないってことよね。必ず第2波が来る、という前提ってことよね。さっきの話に戻るけど、夏に感染者が増えようと緩和を進めて街へ繰り出させ、国境を開けてせっせと旅行させたのも、自由を奪われた気分だった人々には気候のいいうちにガス抜きさせ、倒産ギリギリのところには取り急ぎ稼げる時期に稼がせておき、みんなで来たるべきロックダウンに備えておこうってことかも。だから学校も第2波ありきで準備中、最初は通常に始まっても、秋か冬か、そのうちには分散授業とオンライン授業の組み合わせになる時期がほぼ確実にやってくるという予想、ということなのだろう。

…というのがここ10日間のあれこれなのだけど、あらら、ずいぶん長くなっちゃった。何もしてないけど、考えていることは山ほどに。ホント、肩がこるはずだ…

そんな中、気分転換はなんとかして自分でオーガナイズしなければならないわけだが、先日も書いたように、めぎはうちのドイツ人と毎晩二人だけの「音楽祭」を楽しんでいる。まずは夕食後、フルーツてんこ盛りプレートを用意し(まず右のサクランボは日本で言えばアメリカンチェリーみたいな色だがドイツ生粋のサクランボでアメリカンではない、手前の2つに割ってあるのはドイツのプラムで、西洋スモモとかプルーンとでも訳すのがいいのかもしれない、左のはグズベリー(西洋スグリ)。日によってこれにイチゴが入ったり、平たいタイプの桃が入ったり、ネクタリンが入ったりする)…
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1~2時間前後、YouTubeでレコードやCDやDVDを見聞きする。便利な世の中になったわよねえ、昔の様々なコンサートや音楽祭やレコーディングやなにやらが検索すればすぐに出てきて、こうしてうちで見聞きできるのだもの。リビングは改装中でこんな状況だが、それでもソファに座ってリキュールとかブランデーとかを一杯(毎晩だから一杯とか半分とかだけ)楽しみつつ、日々テーマを決めて聞いている。テーマはオペラだったり作曲家だったり指揮者だったり。ここのところカルロス・クライバーに嵌ってて、彼の指揮したオペラや彼についてのドキュメンタリーをはじめ、彼のリハーサル風景を録画した映像やオペラを指揮している本番の楽屋用の映像の録画を見たり、ベートーベンやブラームスやモーツァルトの交響曲の指揮をカラヤンやフルトヴェングラーやベームやバーンスタインやショルティやアーノンクールなどと比較してみたりなど。年代も、古くは60年代の演奏やら40年代のやら。クラシックの演奏に関しては新しければいいというものでもなく、名前が有名だからいいというものでもなく、様々で面白くて、うちのドイツ人とあれやこれや議論し、満ち足りた時間。
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こうして日々は暮れていく。今の日没は21時40分頃。22時頃でも薄明るい。
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そして、7月18日、ようやくまた夏らしい暑さが戻ってくる気配が。暑いと言っても去年や一昨年みたいに暑すぎるわけでもなく、最高27℃ぐらい。25℃ぐらいあればバルコーニエンが楽しめる。今週はしかし、21~23℃ぐらいのよう。夏休み後半の3週間、もうちょっと夏らしさを楽しめるといいな。
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