最近のこと [小さな出来事]
今日はめぎの最近のお話を。写真は9月下旬のある朝のめぎ家近くでの撮影で、話の内容と全く関係ない。週末に皆様のコメントを読んで、そうだそのことを書かなきゃな…と。
まず、ここ最近のコロナの状況のこと。コロナは未だ大いに流行っていて、同僚の中でコロナにかかっていないのはめぎぐらいじゃないかと思うほどみんな次々とかかっている。2回かかった人もいる。検査でコロナ陽性になった場合、復帰には2通りあって、①10日経って症状がなければ検査せずとも復帰していい、または、②陽性になって5日目以降に再検査でき、陰性だったら復帰していいことになっている。よほどのことがない限り自宅療養で、同僚たちもその家族も皆自宅療養で、特に処方されている薬は無いようだ。現在のデュッセルドルフの七日間指数は199.2とのこと。4回目のワクチン接種は現在60歳以上の人と基礎疾患のある人、職業上必要な人などのみに行われている。
マスク着用についてはEUでも各国それぞれ違うのだが、ドイツの場合、公共交通機関の中はまだマスク着用義務なのでみんなしてるけど(法律なので、マスクしてないと乗せてもらえない)、病院も義務なのでみんなしてるけど、あとは学校もスーパーも役所もどこもかしこも義務が解かれてほとんど誰もマスクはしていない。でも、昔と違うのは、少数とは言えしている人がいることだ。学校の場合、年配の教師や理系の教師がよくしている。でも、生徒でもしている人が意外といる。一クラスに数人だけど、いるのだ。スーパーは、やはりお年寄りが多いかな。でも、若い人だってしている人がいるし、マスクなんて考えられなかったドイツでし続けている人(アジア系ではなくドイツ人!)がいるわけで、コロナって世界を変えたよなぁと思う。これから寒くなって換気がしにくくなると、マスクをする人はもっと増えるかもしれない。ちなみにマスクというのはこちらでは不織布マスクかFFP2マスクのことで、布マスクは認められていない。ウレタンマスクは見かけたこともない。
次に物価について。
物の値段が上がっていっているのは確かで、それは戦争前からそうだったのだけど、物によっては戦争後さらに上がっている。めぎは料理を担当していないので食料品の値段のことはあまり分からないのだが、めぎが値段を把握しているものとしては、よく買うバゲットが3年ほど前は1.05ユーロだったのが、今年の初め頃には1.10ユーロだったし、夏前は1.25ユーロで、今は1.35ユーロになっている。
しかし、いつも買うマルクト市場の肉や野菜の値段は特に大きく変わった気がしない。10年前は金曜日にマルクトで30~50ユーロ買い物していたのが、今は50~80ユーロぐらい買っているのだが、それは物価が上がったからというよりは、収入が増えて躊躇なく食べたいものを買うようになったからである。例えば、昔はよく豚肉を食べていたのが今は減り、牛肉を買う場合には今やほぼ仔牛しか買ってないし、その仔牛でもフィレ肉ステーキやレバー等を買う頻度が昔よりずっと多い。
もともとめぎ家はマルクト市場で買い物をしているという時点で、高い買い物をしている。肉も野菜も市場の方がスーパーより品物がよく、その分高い。スーパーは大量生産品なので(肉などイメージとしては工場生産に近い)安いのだ。でも、スーパーに牛乳やバターや塩などめぎ家がマルクトで買っていない食品や調味料を定期的に買いに行っているうちのドイツ人によると、全体的に高くなったとのこと。
ただ、めぎ家にとってエンゲル係数は現在10%ほどで、どんなに高い食材を買っても食べる量が減っているのでたかが知れているし、何かが数十セント高くなったところで特に影響はないのである。本当にありがたいことだ。
それに対し、上がったなあと実感しているのは、ガソリン代・ガス代・電気代である。
ガソリン代の場合、戦争前は1リットル当たり1.3ユーロ程度だったと思う。為替もどんどん変わるので日本円でいくらと言いにくいが、1ユーロ139円で換算すると、2022年のはじめは180円ぐらいだった。それが今は1.9ユーロ前後、約264円である。ドイツ政府がガソリンの値段を抑えるために補助金を出したとかで夏の間1.7ユーロぐらいだったが、その期間が終了したので今は1.9ユーロ前後に戻っている。
ドイツでは車で通勤する人が多いので、この値上げはかなり痛手の人が多いのではと思う。しかし、車の通行量は全く減らないので、ガソリンが高くても車を持っている人(持てる人)はみんな今まで通り使っているということである。だから、ガソリン代への補助金って、本当に必要な人にお金が回っている仕組みなのかな…とちょっと疑問に思う。結局は、夏に自家用車で休暇に出かけられるようなレベルの人たちがちょっと助かり、ガソリンを売る会社がお金もらってうれしかっただけではないのかという気がかなりする。
とは言えドイツ政府はエネルギー価格高騰への対策を結構頑張ってて、この夏には6~8月の3か月間、1か月9ユーロの電車チケットを発売し、それでドイツ国内の在来線及び市バス市電など全てに乗れるようにした。ICEなどの長距離列車(日本で言えば新幹線や特急電車)には適用しないのだが、めぎも6月と8月は通常の一か月60ユーロぐらいの定期券の代わりにこの9ユーロチケットを購入し、随分恩恵にあずかった気がした。この9ユーロチケットで車からバスや電車に乗り換えた人はやっぱり少ないと思うが、車を持たず、また外国へ休暇に行かない&行けない家庭には最高で、夏休み中の国内の電車は非常に混雑したと聞いている。
また、この9月にはドイツ在住の人に(ドイツ国民だけではなく外国人にも)一律に300ユーロがガス・電気代の高騰に対する補助金として支払われた。これは会社員とか公務員とかどこかに勤めてて給料をもらっている人には全員に(世帯ではなく個人に)給料に上乗せして自動的に支払われ、自営業の人たちには確定申告で換算されるということになっている。この300ユーロには所得税がかかり、ドイツでは収入の額によって14~45%。300ユーロ(約4万1700円)と聞くと結構嬉しくなるが、届いた給与明細によるとめぎは125ユーロ引かれてて、正直なんだかたいしてもらった気がしないなあと思う。でも、収入が少なくて本当に困っている人もいるのだから、払えるめぎが文句を言うべきではないだろう。めぎにもくれてありがとう、と感謝するべきなんだろうな。
で、実際どのぐらいエネルギー代が上がっているのかというと、不足するのではという懸念のガス代の場合、つい最近今年3回目の値上げのお知らせが届いたのだが、2022年1月と比べて11月からの値段は約1.6倍である。2020年1月と比べたら、約1.85倍である。新規契約の1kWh当たりのお値段は35.2ユーロ(+基本料金)だそうで、長年契約しているめぎの倍以上である。このように契約形態によってガス代にはかなりの差があるのだが、高騰率が高く、家計を圧迫しているわけではないにせよ高くなったなあという感がありありだ。
その他、めぎにとって高くなったな~と感じるのは、カメラやレンズのお値段。めぎが買おう・買いたいと考える価格帯(1000ユーロ前後)のレンズは軒並み100~150ユーロほど高くなった。だから買える頻度が下がるわけだが、無理して安売りされるより、作った人たちや運んだ人たちに十分給料が支払われるようになってくれた方がいい。
秋休みやクリスマス休みにどこか行きたいなと思って検索してみたホテル代や交通費も、以前より高くなったのを感じる。でも、これらは本来あるべき値段になってきているような気がしなくもない。電車も飛行機も、今までが安すぎたのだ。一時期24ユーロとかで飛行機に乗れていたのは、誰かがその値段実現のためにしわ寄せを被っているような、何かが間違っていたような気がしてならない。限られた資源を大量に使って整備に人件費も使ってあんな大きな機体を飛ばしているのだから、ちゃんとそれなりの値段がするべきなのだ。
必要に応じ日本から直接取り寄せている物(本や靴など)は、値段は特に変わっていないが、円安のおかげでめぎ的には安くなった。戦争のため届くのに時間がかかるようになったが、送料は特に変わっていない。こちらで買う本や文房具類、最近買ったプリンターも今のところ高騰していない。それに対し、数年前にリビング用の床の張替えに使った板を今年さらに廊下やうちのドイツ人の部屋用に買い足したところ、値段は1.7倍になっていた。建築資材はコロナの頃からググっと上がったのだ。でも、木材などの本物資材とは違って、めぎが自分の部屋用に買ったフローリング資材は10年前とそんなに大きく変わっていない。
さて、そんな現状に対し給料がどのぐらい上がるのかと言えば、めぎたち教師の場合、この12月から2.8%上がることとなっている。それが決まったのは2021年10月のことなので、現在のここまでの物価高騰は考慮されていないのだが、まあ上がることには上がる。今の学校に勤め始めてから15年、今年度で16年目に入ったが、ずっと数%ずつ上がり続けている。めぎの場合は数年前から昇進してググッとアップしたのだが、そうでなくても上がり続けているということである。そう言えば、小学校の教師の給料が中高と比べて低い格差を埋めるため、この11月から115ユーロが上乗せされることになるらしいが、めぎは中高一貫校の教師なので関係ないようだ。教師にはボーナスは無くクリスマス手当があるだけで、それも給料一か月分の約46%しか支給されないが、今年の春にはコロナ手当なるものが教師には一律1300ユーロ支払われ、それは所得税もかからなかった。総じて、ストライキも辞さない組合がかなり頑張ってくれているという印象。
以上、物価高にまつわるめぎ家の現状を思いつくまま書いた。要約すると、たしかにいろいろ値段が上がっているが、めぎ家的に現在その影響を受けて困っていることはない。湯水のようにお金がある生活は今も将来もできないが、食べたいものを食べ、家の改装もできて、加えて旅もできて、かつ老後のための備えも毎月地道にできていることは確かである。有難く感謝しつつ、与えられた仕事をしっかり全うしようと思う。
ちなみにうちのドイツ人はあと3か月で66歳になるところだが、オフィシャルにはあと1か月で年金がもらえることになる。現在ドイツは年金受給開始の年齢が65歳から67歳に移る過渡期で、その期間に65歳になる人は数か月ずつ遅れて受給資格を得るシステムなので、中途半端な65歳11か月とやらで年金になるのだ。自営業の彼はまだ仕事の依頼がたくさんあるしめぎもどうせ働いているので毎日が日曜日になってもどこに行けるわけでもないしということで受給繰り下げする予定だが、我々もそんな年代になってきたということである。
めぎは67歳の年金開始までまだあと13年2か月ある。ドイツの素晴らしいところは、会社員や公務員の場合、年金開始の年齢までずっとそれまでと同様の仕事と収入があることだ。定年と年金開始の間の収入の空白期間ないし契約が変わったことによる減収期間が無いというのは、安心感が全く違うと思う。教師の場合、67歳まで働かず年金を数年繰り上げする人も多く、または自ら働く時間数を減らす人も多く、めぎはどうするか、うちのドイツ人と自分自身の健康状況を見つついつか臨機応変に決めるつもり。なにはともあれ、足腰丈夫で元気に動き回れるうちに、できる範囲で二人一緒の人生を目一杯楽しんでおこうと思っている。
まず、ここ最近のコロナの状況のこと。コロナは未だ大いに流行っていて、同僚の中でコロナにかかっていないのはめぎぐらいじゃないかと思うほどみんな次々とかかっている。2回かかった人もいる。検査でコロナ陽性になった場合、復帰には2通りあって、①10日経って症状がなければ検査せずとも復帰していい、または、②陽性になって5日目以降に再検査でき、陰性だったら復帰していいことになっている。よほどのことがない限り自宅療養で、同僚たちもその家族も皆自宅療養で、特に処方されている薬は無いようだ。現在のデュッセルドルフの七日間指数は199.2とのこと。4回目のワクチン接種は現在60歳以上の人と基礎疾患のある人、職業上必要な人などのみに行われている。
マスク着用についてはEUでも各国それぞれ違うのだが、ドイツの場合、公共交通機関の中はまだマスク着用義務なのでみんなしてるけど(法律なので、マスクしてないと乗せてもらえない)、病院も義務なのでみんなしてるけど、あとは学校もスーパーも役所もどこもかしこも義務が解かれてほとんど誰もマスクはしていない。でも、昔と違うのは、少数とは言えしている人がいることだ。学校の場合、年配の教師や理系の教師がよくしている。でも、生徒でもしている人が意外といる。一クラスに数人だけど、いるのだ。スーパーは、やはりお年寄りが多いかな。でも、若い人だってしている人がいるし、マスクなんて考えられなかったドイツでし続けている人(アジア系ではなくドイツ人!)がいるわけで、コロナって世界を変えたよなぁと思う。これから寒くなって換気がしにくくなると、マスクをする人はもっと増えるかもしれない。ちなみにマスクというのはこちらでは不織布マスクかFFP2マスクのことで、布マスクは認められていない。ウレタンマスクは見かけたこともない。
次に物価について。
物の値段が上がっていっているのは確かで、それは戦争前からそうだったのだけど、物によっては戦争後さらに上がっている。めぎは料理を担当していないので食料品の値段のことはあまり分からないのだが、めぎが値段を把握しているものとしては、よく買うバゲットが3年ほど前は1.05ユーロだったのが、今年の初め頃には1.10ユーロだったし、夏前は1.25ユーロで、今は1.35ユーロになっている。
しかし、いつも買うマルクト市場の肉や野菜の値段は特に大きく変わった気がしない。10年前は金曜日にマルクトで30~50ユーロ買い物していたのが、今は50~80ユーロぐらい買っているのだが、それは物価が上がったからというよりは、収入が増えて躊躇なく食べたいものを買うようになったからである。例えば、昔はよく豚肉を食べていたのが今は減り、牛肉を買う場合には今やほぼ仔牛しか買ってないし、その仔牛でもフィレ肉ステーキやレバー等を買う頻度が昔よりずっと多い。
もともとめぎ家はマルクト市場で買い物をしているという時点で、高い買い物をしている。肉も野菜も市場の方がスーパーより品物がよく、その分高い。スーパーは大量生産品なので(肉などイメージとしては工場生産に近い)安いのだ。でも、スーパーに牛乳やバターや塩などめぎ家がマルクトで買っていない食品や調味料を定期的に買いに行っているうちのドイツ人によると、全体的に高くなったとのこと。
ただ、めぎ家にとってエンゲル係数は現在10%ほどで、どんなに高い食材を買っても食べる量が減っているのでたかが知れているし、何かが数十セント高くなったところで特に影響はないのである。本当にありがたいことだ。
それに対し、上がったなあと実感しているのは、ガソリン代・ガス代・電気代である。
ガソリン代の場合、戦争前は1リットル当たり1.3ユーロ程度だったと思う。為替もどんどん変わるので日本円でいくらと言いにくいが、1ユーロ139円で換算すると、2022年のはじめは180円ぐらいだった。それが今は1.9ユーロ前後、約264円である。ドイツ政府がガソリンの値段を抑えるために補助金を出したとかで夏の間1.7ユーロぐらいだったが、その期間が終了したので今は1.9ユーロ前後に戻っている。
ドイツでは車で通勤する人が多いので、この値上げはかなり痛手の人が多いのではと思う。しかし、車の通行量は全く減らないので、ガソリンが高くても車を持っている人(持てる人)はみんな今まで通り使っているということである。だから、ガソリン代への補助金って、本当に必要な人にお金が回っている仕組みなのかな…とちょっと疑問に思う。結局は、夏に自家用車で休暇に出かけられるようなレベルの人たちがちょっと助かり、ガソリンを売る会社がお金もらってうれしかっただけではないのかという気がかなりする。
とは言えドイツ政府はエネルギー価格高騰への対策を結構頑張ってて、この夏には6~8月の3か月間、1か月9ユーロの電車チケットを発売し、それでドイツ国内の在来線及び市バス市電など全てに乗れるようにした。ICEなどの長距離列車(日本で言えば新幹線や特急電車)には適用しないのだが、めぎも6月と8月は通常の一か月60ユーロぐらいの定期券の代わりにこの9ユーロチケットを購入し、随分恩恵にあずかった気がした。この9ユーロチケットで車からバスや電車に乗り換えた人はやっぱり少ないと思うが、車を持たず、また外国へ休暇に行かない&行けない家庭には最高で、夏休み中の国内の電車は非常に混雑したと聞いている。
また、この9月にはドイツ在住の人に(ドイツ国民だけではなく外国人にも)一律に300ユーロがガス・電気代の高騰に対する補助金として支払われた。これは会社員とか公務員とかどこかに勤めてて給料をもらっている人には全員に(世帯ではなく個人に)給料に上乗せして自動的に支払われ、自営業の人たちには確定申告で換算されるということになっている。この300ユーロには所得税がかかり、ドイツでは収入の額によって14~45%。300ユーロ(約4万1700円)と聞くと結構嬉しくなるが、届いた給与明細によるとめぎは125ユーロ引かれてて、正直なんだかたいしてもらった気がしないなあと思う。でも、収入が少なくて本当に困っている人もいるのだから、払えるめぎが文句を言うべきではないだろう。めぎにもくれてありがとう、と感謝するべきなんだろうな。
で、実際どのぐらいエネルギー代が上がっているのかというと、不足するのではという懸念のガス代の場合、つい最近今年3回目の値上げのお知らせが届いたのだが、2022年1月と比べて11月からの値段は約1.6倍である。2020年1月と比べたら、約1.85倍である。新規契約の1kWh当たりのお値段は35.2ユーロ(+基本料金)だそうで、長年契約しているめぎの倍以上である。このように契約形態によってガス代にはかなりの差があるのだが、高騰率が高く、家計を圧迫しているわけではないにせよ高くなったなあという感がありありだ。
その他、めぎにとって高くなったな~と感じるのは、カメラやレンズのお値段。めぎが買おう・買いたいと考える価格帯(1000ユーロ前後)のレンズは軒並み100~150ユーロほど高くなった。だから買える頻度が下がるわけだが、無理して安売りされるより、作った人たちや運んだ人たちに十分給料が支払われるようになってくれた方がいい。
秋休みやクリスマス休みにどこか行きたいなと思って検索してみたホテル代や交通費も、以前より高くなったのを感じる。でも、これらは本来あるべき値段になってきているような気がしなくもない。電車も飛行機も、今までが安すぎたのだ。一時期24ユーロとかで飛行機に乗れていたのは、誰かがその値段実現のためにしわ寄せを被っているような、何かが間違っていたような気がしてならない。限られた資源を大量に使って整備に人件費も使ってあんな大きな機体を飛ばしているのだから、ちゃんとそれなりの値段がするべきなのだ。
必要に応じ日本から直接取り寄せている物(本や靴など)は、値段は特に変わっていないが、円安のおかげでめぎ的には安くなった。戦争のため届くのに時間がかかるようになったが、送料は特に変わっていない。こちらで買う本や文房具類、最近買ったプリンターも今のところ高騰していない。それに対し、数年前にリビング用の床の張替えに使った板を今年さらに廊下やうちのドイツ人の部屋用に買い足したところ、値段は1.7倍になっていた。建築資材はコロナの頃からググっと上がったのだ。でも、木材などの本物資材とは違って、めぎが自分の部屋用に買ったフローリング資材は10年前とそんなに大きく変わっていない。
さて、そんな現状に対し給料がどのぐらい上がるのかと言えば、めぎたち教師の場合、この12月から2.8%上がることとなっている。それが決まったのは2021年10月のことなので、現在のここまでの物価高騰は考慮されていないのだが、まあ上がることには上がる。今の学校に勤め始めてから15年、今年度で16年目に入ったが、ずっと数%ずつ上がり続けている。めぎの場合は数年前から昇進してググッとアップしたのだが、そうでなくても上がり続けているということである。そう言えば、小学校の教師の給料が中高と比べて低い格差を埋めるため、この11月から115ユーロが上乗せされることになるらしいが、めぎは中高一貫校の教師なので関係ないようだ。教師にはボーナスは無くクリスマス手当があるだけで、それも給料一か月分の約46%しか支給されないが、今年の春にはコロナ手当なるものが教師には一律1300ユーロ支払われ、それは所得税もかからなかった。総じて、ストライキも辞さない組合がかなり頑張ってくれているという印象。
以上、物価高にまつわるめぎ家の現状を思いつくまま書いた。要約すると、たしかにいろいろ値段が上がっているが、めぎ家的に現在その影響を受けて困っていることはない。湯水のようにお金がある生活は今も将来もできないが、食べたいものを食べ、家の改装もできて、加えて旅もできて、かつ老後のための備えも毎月地道にできていることは確かである。有難く感謝しつつ、与えられた仕事をしっかり全うしようと思う。
ちなみにうちのドイツ人はあと3か月で66歳になるところだが、オフィシャルにはあと1か月で年金がもらえることになる。現在ドイツは年金受給開始の年齢が65歳から67歳に移る過渡期で、その期間に65歳になる人は数か月ずつ遅れて受給資格を得るシステムなので、中途半端な65歳11か月とやらで年金になるのだ。自営業の彼はまだ仕事の依頼がたくさんあるしめぎもどうせ働いているので毎日が日曜日になってもどこに行けるわけでもないしということで受給繰り下げする予定だが、我々もそんな年代になってきたということである。
めぎは67歳の年金開始までまだあと13年2か月ある。ドイツの素晴らしいところは、会社員や公務員の場合、年金開始の年齢までずっとそれまでと同様の仕事と収入があることだ。定年と年金開始の間の収入の空白期間ないし契約が変わったことによる減収期間が無いというのは、安心感が全く違うと思う。教師の場合、67歳まで働かず年金を数年繰り上げする人も多く、または自ら働く時間数を減らす人も多く、めぎはどうするか、うちのドイツ人と自分自身の健康状況を見つついつか臨機応変に決めるつもり。なにはともあれ、足腰丈夫で元気に動き回れるうちに、できる範囲で二人一緒の人生を目一杯楽しんでおこうと思っている。