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5月末ザルツブルク2日目の朝食など [2023年初夏 ザルツブルク]

今日は今年(2023年)5月末のザルツブルクのお話を。今年は2回ザルツブルクに行っているので、どっちの話?という感じだが、これは夏休み前、5月末の聖霊降臨祭の時。

朝9時にエレベーターを使ってメンヒスベルクに上り、上をちょっと散歩して音楽祭会場の近くで下に降りてきて、大聖堂前に行って、ここにやってきた。
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で、こんなところに座って朝食をとることにした。
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ここ、お昼には人でいっぱいになるのだが、まだガラ空き。
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場所はこちら。



これ、日本でいうウィンナーコーヒーと同じ感じね。
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めぎはオムレツに惹かれず、茹で卵とジャムとクロワッサンとパン。野菜はオムレツセットを頼んだうちのドイツ人に分けてもらった。
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それから宿までちょっとブラブラ。
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ここでこの看板を見てうちのドイツ人が話し出した…もう何度も聞いているけど、ここに来るとすぐにその話になる。
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Zum Mohrenと書かれているのだが、Mohrenというのは「クロンボ」と言う意味。今は「ジプシー」という言葉と並ぶ差別用語だ。日本語の辞書にはムーア人(北アフリカに住むイスラム教徒でアラビア語を話す人たち)という意味も出ているが、その意味では普通Maurenを使う。とにかく黒人への差別的な呼び名としてMohrenがあるのだが、このZum Mohrenというのはレストランの名前で、16世紀からここにあるそうで、その昔モーツァルトもシューベルトもここで食べたことがあるらしい。ホームページはこちらで、今は経営者がインド系のようで、料理はインド料理やオーストリア料理やイタリアンを出すなんでもレストランになっている。まだ中に入ったことはない。
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で、いつもさらに話が続くのだが(つまりずばり年寄りさながら毎回ここの前で同じ話を繰り返しているのだが)、その昔はMohren人の方がヨーロッパ人より医学などでずっと進歩してて、Mohren人のもたらす薬がよく効くということで、Mohrenapotheke(ムーア人の薬屋)という名称は最高級品の薬を扱う薬屋のイメージがあったのだとか。差別用語の「クロンボ」とは真逆の賞賛的イメージがあったらしい。だから、レストランが今もこの名称のままにしているのは、料理が凄くおいしいイメージが湧くのかもね、または、異国風で興味深く感じるのかもね、などと話は続く。今回記事を書くにあたりホームページを読んで見たら、16世紀にヴェネツィア商人がここにムーア人をコックとして連れてきたのだとか。その昔からインターナショナルだなぁ。当時その料理を食べたのはユダヤ人。そもそもこのレストランがある場所はJudengasseと言い、訳すとユダヤ人通り。その昔この辺りがユダヤ人のゲットーだったということだ。インターナショナルでありつつ非常に保守的で差別的だったヨーロッパ。その歴史が分かる名称そのままにしているのは、先日記事にしたヴィッテンベルクの教会のユダヤの雌豚のレリーフをそのままにしているのと同じような感じかな。とにかくこの辺は独特な場所で、小路に小さな素敵なお店が並んでて魅力的、という今のイメージとは全く異なる地域だったはずである。

そして話はさらに続く。オペラやバレエには、ムーア人が時折出てくる。モーツァルトのオペラにもMohrenland(ムーア人の国)に囚われた話があるし、ヴェルディのオテロはムーア人だし、胡桃割り人形にもムーア人の踊りがある。中には本当に東洋人や黒人を差別的に言うセリフもあったりするし、そのうちには人権を訴える人が出てきて、上演禁止になったりそのセリフを差し替えたりするのかも知れないわね…今のうちにいっぱい見ておこう…

それからめぎたちは宿に向かう。
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目に留まったものを写しながら。これは家具屋かつ服屋かつカフェ。
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向こうにカフェ・トマセッリがある。今年はこの5月末も夏も行かなかったなぁ。
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町のあちこちに聖霊降臨祭の音楽祭の横断幕がある。この日に見に行くオペラのが出ていた。
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それから宿に戻り、しばらくゆっくりして、13時頃ちょっと昼ビールだけ頂きに外へ。
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夜は音楽祭で飲めないから、昼のうちにね♪
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