遅い春 [カメラのこと]
現在、お借りしたD600と蜜月中。
レンズをどうするか以前にボディをフルサイズにするか否かだが・・・D600を触ってみて、大きさや重さ的には特に問題を感じなかった。D7100を触った頃がないので最新のDXハイエンド機と比べることはできないが、エントリー機でもフルサイズ機を扱うというのは非常に楽しい。光学ファインダーを覗く度にワクワクする。機能的にも知らないことがいっぱいあって、あのレンズとはどうか、この設定ならどうか等々、少しずつ探求していける喜びがあるのだ。そんなフルサイズをこの大きさとこの軽さで楽しめるのなら、是非買いたいと感じた。800~900gのレンズを2本も3本も持って旅行先で散歩することはさすがにできないが、数年かけて少しずつ欲しいレンズを買って色々じっくり撮影する練習をしていきたいなあと感じたし、普段800gの便利レンズ1本をつけて計1.65キロを持ち歩く価値も十分にあると感じた・・・これまでより0.5キロくらい重くなるのだけど、それよりワクワク感が優るのだ。なんというか、あの小さな窓から向こうを覗くと、世界が広がる感じがしたのだった。それは、あの魅惑のF2.8の24-70mmレンズの罠にはまったとも言えなくもないが・・・あのレンズの素晴らしさを垣間見られたのは、やはりフルサイズ機なればこそだと思う。
さて、今日も昨日のD50とD600の話のつづき。まず、3月18日の撮影。D50と18-200mmのズームレンズで。画角は26mm(35mm換算で39mm)。
モクレンのつぼみはまだ堅いまま。200mmズームで(35mm換算で300mm)。
ここは毎年一番早く水仙が咲くスポット。
おお!咲き出してる!
春だ春だ、と思ったけど、このあと一週間雪が降ったりしたのは既に何度も書いた通り・・・そしてここからは3月26日の撮影。D600と70-300mmズームレンズで。
ここは70mmで撮影。こういうとき、もう少し広い画角が欲しいと思う。
これは300mmで。ほんの少しつぼみが膨らんだかな。調べてみたら、去年は3月26日に満開だったのだけど、今年はもうしばらく先のようね。
この日はデュッセル川も撮影。ほとんどの植物はまだ枯れ木っぽい中、あのアヤメ?ショウブ?の黄緑色が眩しかった。
あ、エジプト雁カップルが。
この日は手の悴む寒さ・・・きっと水、冷たいだろうな。
水仙スポットは花壇に新たに植えられて賑やかになっていた。
イースターの鐘、という名の水仙。今年は名前通りちょうどイースターに満開になった。こんなに水仙が長持ちするほど寒かったということね。
花壇の花は色とりどり。
この日はここからちょっと歩いて、早咲きの桜のスポットにも行ってみた。2月に咲いた年もあったし、去年は3月24日はもう満開だったのだが・・・
今年はようやく咲き始めたところ。
可愛いな♪
やっぱり桜を見ると心が躍る・・・ここで、めぎは日本人なんだなあと毎年感じる。
蕾さん、頑張って綺麗な花を咲かせてね。
さてさて・・・桜を見ていよいよ春かと思ったのだが・・・!!!!(ここからはD600とあの魅惑の24-70mmレンズで撮影。)
今年はいったいいつまで雪が降るんでしょ。3月末になってもこの調子。せっかくの紫陽花のつぼみも寒さにやられてしまったみたい。
さて、今日はイースター。キリストさんが復活したお祝いの日。遡ること先日の金曜日は磔になった日でお休みで、月曜日はイースターの祝日でお休みで、ドイツ現在4連休中。めぎ家も実は現在お出かけ中。もちろん、D600と24-70mmレンズと70-300mmレンズを持って。でも、アップできるのは帰宅してから。明日からは数日は窓七電話からの「めぎはいまここ」をどうぞ。
レンズ沼巡りの果てに帰着したところ [カメラのこと]
ここまで約4週間D600と24-70mmレンズとの蜜月を過ごしてきたのだが、その両方ともお借りしたものであったことをみなさま覚えていらっしゃるかしら・・・そう、お返しする日がやってきたのである。今日はその日に至るまでのことなどを。
義妹の家から戻ってきたのは4月2日。それから写真の整理をしながら、レンズについてああでもないこうでもないと考えた。もともとお借りしたのはD600の大きさと重さがめぎに扱えるレベルのものか否かを確かめるためだったのだが、ファインダーを覗いた先に広がる世界に魅せられて、D600を買うことは早々に決心が付いた。が、レンズについてはほとほと困り果ててしまった。
漠然とFXカメラを買おうかなと思っていた頃は、フルサイズだと重いからレンズは軽い小さな単焦点で、と考えていた。もともと持っていた70-300mmズームレンズと併用できる広角の中古のを買うか、とっても軽い新しい50mmを買うか、それともちょっと奮発して60mmのマクロレンズ(ニコン用語ではマイクロレンズだが、めぎは以下マクロと書くことにする)を買うか、といった選択肢だった。
ところが、思いがけず24-70mmF2.8のナノクリレンズ(とっても明るいレンズ)をつけて貸してくださったため、めぎは一気にレンズ沼に引きずり込まれてしまった。
こうして使ってみるまで、めぎはレンズの違いを本当にはちゃんと分かってはいなかった。写真というのはセンサーの大きいカメラにできるだけ大きなレンズをつけるほど明るく綺麗な写真が撮れる、というような認識はあったのだが、これほどボケに違いが出ることや、これほどF2.8という数値が明るいことは、使ってみるまで全く分かっていなかったのだ。
初めてカメラとレンズを持ったときは、わ~!重いなあ・・・と思った。しかし、写真を撮り始めると、その写りのあまりの美しさに重さを忘れた。めぎはすっかりこの24-70mmレンズに恋をしてしまった。寝ても覚めてもそのレンズのことを考えていた。
しかし、このレンズは高額だ(実売約1500ユーロ)。何かもう少し安いレンズでなんとかこのレベルの写真が撮れる手段はないかしら・・・ネットで様々なレビューを読み、現在のドイツでの値段と日本での値段を一つ一つ調べた。ちょっとしたレンズオタクになったような感じだ。ニコンのFX用の広角と標準画角の新しいレンズなら、ほとんど空で全てのレンズの画角とF値と重さと値段とレビューに載っていた話が言えるのではないかと思う。
とにかくF値2.8の素晴らしさに惚れたため、同じ画角のズームレンズで同じF2.8で手ぶれ防止機能付きで約半額で売られているタムロンの24-70mmズームレンズをずいぶん検討した。ドイツのカメラ屋さんでは、D600とそのタムロンがキットになって売られている。でも、この純正を4週間も経験したあとでは、もしどこか写りにちょっとでも違いがあればやりきれないだろうなあ・・・と思い、踏みとどまった。約半額といえども、そのレンズだって888ユーロもするのだ。それでがっかりしたくはない。
お借りしたレンズがナノクリレンズという特別なレンズだったことから、ナノクリレンズのもう少し安いのも検討した。F4固定の24-120mmだったら、ちょっと暗いけどズームはもう少し望遠だし、ナノクリだし、手ぶれ防止機能付きだし、それに710gと約200gも24-70mmレンズより軽い。値段もちょっと安めで1000ユーロ弱。しかし、レビューの意見がどうもイマイチで、踏み切れなかった。
28-300mmの便利高倍率レンズもずいぶん考えた。もともと持っている70-300mmと被るけど、出かけるときに一本で済む。お値段も789ユーロとちょっとお安めだし、レビューも悪くなかった。お手軽な便利レンズにしては写りが悪くない、というのだ。しかしそれはあくまでも「便利レンズにしては」という但し書き付き。24-70mmを体験しためぎは、その便利レンズの写りに満足できるのだろうか。今のところ旅行の予定もないし、どうしてもレンズを一本化しなければならない理由は今のところ無い。やっぱり最初の1本はもともと持っている70-300mmのレンズと併用するレンズを考えよう。
上の写真はDX用の40mmマクロレンズをD600につけてFXの撮像範囲に手動で設定して撮影したもの。ニコンのFXカメラはDX用のレンズを取り付けられるし、すると自動的にDXの撮像範囲で撮影できるし、手動でFX撮像範囲にもできる。それは非常に便利だし、面白い。そんな事情はともかく、上の写真をその上の写真と比べて、どうしても端っこが黒っぽくはなるけど、写りは遜色ないと思いません?DX用のお安いレンズがFX用の最高級品レンズに匹敵するなんて、やっぱり単焦点って質が一段上なのね。そう思い、今度は当初の単焦点購入計画に戻って検討し始めた。70mmからは持ってるし、めぎは35mmや50mmなどで撮影することはほとんど無く、常に広角か70mmで撮影してたので、ということは、24mmがあればいいってことかしら。
しかし、24mm単焦点ナノクリレンズは1800ユーロと、24-70mmレンズより高かった。それに、620gと結構重い。うーん、それはちょっと、なあ・・・28mm単焦点ならナノクリレンズが549ユーロで、330gだという。レビューも悪くないし、それがいいかな。
しかし、24mmって、すっごく広々として気持ちがいいのよねえ・・・
そこで、画角の違いを比べてみた。こちらはD40xと18-200mmズームレンズで広角で、つまり換算27mmで撮影。
こちらはD600と24-70mmズームレンズで広角で、つまり24mmで。
ね、この微妙な違い。まあ、なきゃ無くてもなんとかなるというか、今までこれ以上の広角が欲しいと思ったこともなく過ごしてきたのだけど。人間、新しく知るというのは、知らない過去にはもどれなくなる、ということでもあるのね・・・
そういう意味では、このD40xに18-200mm便利レンズで撮影したこの写真も、鮮やかで綺麗な写りだけど、でもなんてのっぺりごってりしているのかしら・・・これも、他の写りを知らない間は十分満足していたのだけどねえ。
ああ、24mm単焦点に1800ユーロは出せないし、28mmは画角が狭くて残念だし、いったいどうしましょ。決められないから、どうせいつか欲しいと思っているマクロレンズがいいかしら・・・これは24-70mmレンズで70mmで撮ったもの。結構寄れるし、マクロ顔負けのボケ。
上と比較するために、D40xにDX用マクロレンズ40mmをつけて撮影してみた。換算60mmだから、マクロを買うとこういう風に写るということかしら。それとも、フルサイズだと全然違うのかしら。60mmマクロレンズのレビューはほとんど絶賛で、かなり気持ちが傾いた。値段も479ユーロだし、ナノクリレンズとしては破格のお安さ。425gと単焦点許容範囲の重さ。しかし、DX用でちょっと黒い影が入るとはいえ、なんとかしばらくはマクロの代わりに使えるレンズがうちにはあるのよねえ・・・
こんな風に実はどれも決定打がなかった。最後にはツァイスのマニュアルフォーカス単焦点も検討し、いいなあと思ったレンズもあったけど、やっぱりマニュアルフォーカスのみというのはめぎには早すぎると踏みとどまった。それに、とってもとってもお高くて。
そして、とうとうカメラとレンズをお返しする4月12日を迎えた。涙涙のお別れ・・・
貸してくださったうちのドイツ人の知り合いには大感謝。その方のおかげで、このイースター休暇がどれほど充実し、めぎはどれほどたくさんカメラとレンズについて実習することができたことだろう。
そしてめぎは決心したのだった。12日、仕事が終わったらD600を買いに行こうと。フルサイズを知ってしまった今、もうD40xとD50だけで撮影する生活にはもどれない。レンズに関しては、単焦点28mmを試してみてから考えよう、どうしても決められなかったら、ボディだけ買ってきてもともと持っている70-300mmレンズをつけて使い始め、もうしばらく考えればいいじゃない?と。
で、12日夕方6時頃、購入してきたのだった。ちなみに購入にはうちのドイツ人もつきあって、つまりめぎの仕事が終わるところに迎えに来てもらい、車で買いにいった。
そして・・・
そう、めぎは、愛しの24-70mmF2.8を購入したのだ!
28mmは悪くはなかった。F1.8だし、軽いし、その場で試してみて本当に悪くはなかった。でも、そこでうちのドイツ人が言ったのだ。重さが耐えられないの?どうしてあんなに恋した24-70mmを買わないの?めぎなら絶対に持ち歩けるでしょう。望遠レンズをもう一本持つのはぼくがやってあげるよ、と。すると、お店の担当者も言ったのだ。まあ軽さを求めるならお安いし28mmがいいですが、24-70mmがあれば単焦点はきっといりませんよ、と。
いや、なんといってもめぎは、とにかく24-70mmF2.8ナノクリレンズに恋してしまってて、その代わりを一生懸命探していたのだが、思えば恋人に代わりがいるはずはないのだ。その恋人を手に入れるためになら、代償を呑むしかないのだろう。かつてめぎが日本ではなくドイツで生きていくことを決めたのと同じことだ。手に入れたものは大きかったけど、その代償もどれほど大きかったことか。でも、やっぱり、一番愛するものを優先したから、後悔はなく、今どれほど幸せであることか。カメラとレンズもきっとそれと同じことよね。
全部で3100ユーロもの買い物・・・こんな高額な買い物をして、車を買ったときみたいにドキドキしちゃった・・・まさに、恋は盲目。週に4コマ8時間の非常勤の授業を3ヶ月やると、だいたいそれが稼げる。本当はそのくらいの値段で通勤用の高級コンデジかミラーレスかを同時購入したいというのが夢だったのだけど・・・その計画は一気に消え失せた。クリスマスもカーニバルもイースターもフルサイズカメラ購入に向け貯金に努めて大きな旅はしなかったけど、さらに今度の夏も我慢かな。
しかし、めぎは本当に使うからね。
お借りしていた約4週間に、計3200枚撮影した。買ってからの土日2日間は、どこにも出かけずうちにいたのに、バルコニーなどで379枚撮影した。
D40xも2度の修理を経て6年間使い倒した。D600もきっと5年以上フル活用することだろう。
使えば使うほど、その良さも分かると同時に物足りなさも出てくるのだろうけど(その辺りも恋人と同じ)、その味を本当に理解してより深く愛するようにもなるだろう。ええ、めぎは今もD40xを愛している。そして、かつて日本で愛した恋人たちも。そして、日本も。でも、それと同じく、うちのドイツ人も、ドイツも。そして、きっと、D600も、24-70mmレンズも。
広々とした空の下で [カメラのこと]
これは、4月12日、D600を買ってきた日にD40xと18-200mmのズームレンズで広角18mm(換算27mm)で写した空。20時半過ぎの撮影。ホワイトバランスは晴天。
こちらは同じ時間に自分のD600と24-70mmズームレンズで初めて写した空。ホワイトバランスはオート。
同じく、ホワイトバランスを晴天に変えて。
画角もホンの4mmの差だけど24mmは広々感が違うし、ずいぶん色合いが違うわねえ。
これは70mmで。
これは14日の撮影。同じく70mmで。
その後空がこんな風に変化した。
D600の方が色合いがナチュラルな気がする。
夜のお月様にもチャレンジ。
手ぶれ機能無しで手持ち撮影でここまで写ればめぎ的には大満足。
16日には空がこんな色になった。ちょっと不気味。
17日は薄曇り。
↑これを↓のD40xと18-200mmの写真と比べてみる・・・12日19時半頃の撮影で、撮った日が違うのだけど、雲の色合いとか、光の入り具合とか、全然違うなあ。
17日はその後こんな色合いに変化した。もっと焼けを期待したけどそうでもなかったな。
18日も焼けを期待したけど・・・
この日もそうでもなかった。
ところで、18日の2枚の写真を見て、あれ?と思った方、いらっしゃったかしら?その前と、どこか違いません?
そう・・・・
向こうの木が一本無くなったのだ!これは19日朝の8時頃の撮影。
18日にはめぎは朝からずっと一日中仕事で留守だったので(この日に限ってお昼に帰宅することもできなかった)、向こうのポプラが切り倒されたのを見ることができなかった。うちのドイツ人は途中経過を目撃したらしい。
19日の朝には切り倒し作業が続行されていた。
遠くてよく分からないけど、同じ人たちかしら。それとも別の会社かな。
こうしてまた一本木が減ってしまった。これは19日夕刻の撮影。
空が広々と見えることを楽しみつつあるめぎ。でも、2月2日のD40xと18-200mmでのこの写真を見つけて、心が痛かった。ああ、見える空は狭かったけど、ここに鳥さんたちがいっぱい住んでいたのよね。