祭りの終わり [南西ドイツ 2017年6月]

現在、6月中旬の旅の話を連載中。
南西ドイツのヒュフィンゲンの聖体のお祭りを見学し、その後一日近郊を観光してまたヒュフィンゲンに戻ってきたのは夕方6時近く。お祭りは終了し、片付けに入っていた。

この通りの通行止めは7時まで。あと1時間くらいで片付けられてしまう花の絨毯だが・・・

お花はこの炎天下の一日ですっかり変わり果てた姿になっていた。

全く同じ場所やアングルではないが、似たようなところを比較してみる。
朝6時頃 → 夕方6時頃


こうしてブログにまとめる段になってから、同じところで定点撮影すればよかったなと気づく。写真一枚でこの祭りを語れるような作品はもちろん撮れず、ブログにまとめるにも必要な撮影はしてなくて、なんだか私の写真っていったい・・・などとちょっと自己嫌悪してしまう。
朝6時頃

夕方6時頃

朝6時頃

夕方6時頃

炎天下で干からびた花がなんとも可哀想・・・雨や風でもせっかくの準備があっという間に水の泡になるのだろうし、この花の絨毯を美しい状態で見ることが出来ためぎは運がよかったといえるんだろうな。たぶんこの後この絨毯を片付けたのだろうが、めぎたちはこの後この通りの裏側へ散歩に出かけ、そのままホテルに戻って夕食の時間となったので、片付けそのものの写真もなし。もしいつかまたここへ来る機会を作るなら、そのときは聖体の日は一日ずっとここにいることにしようと思う。しかし、本当にまた行くかどうか、なんとも言えない・・・この行事は見世物というよりは非常に粛々とした儀式で、ハッキリ言えば観光客を歓迎するムードはなく部外者を寄せ付けない雰囲気があった。この信仰に賛同できなければ、見ても表面的な綺麗さや面白さだけで彼らの意図するところは何も感じ得ない。それに、めぎのように完璧にこの信仰と隔てがあって興味だけで見ていられるようでなければ、友人の言葉を借りれば「吐きそうになるほど偽善が臭う」のである。めぎだって、この美しい花の絨毯をキリストの代わりに司教が踏みつけていくのを見るのはどうも納得がいかなかったのだ・・・
ヒュフィンゲンは食事や散歩の話などまだ残っているが、聖体の祭りの話はこれでお仕舞い。

撮影: D600 + 35mm(F1.8)/ 70-300mm(F4.5-5.6)
ヒュフィンゲンの街歩き [南西ドイツ 2017年6月]

ここは先日聖体の祭りの花の絨毯をご紹介したヒュフィンゲン。

人口7500人ほどの小さな村である。めぎの印象では2千人くらいかな、なんて思っていたが、7500人もいるのね。

ヒュフィンゲンはHüfingenと書く。実は日本人には発音がとても難しい。カタカナを読むのだって下を噛みそうだが、「ヒュ」は口笛を吹く感じで口を尖らせずに発音するという感じかな。「フィ」は上の歯でした唇に触れて発音する。それを続けてやるのって結構難しい。

南西ドイツのフライブルクに近い辺りにあるのだが、観光地ではないし、ガイドブックにも載ってないし、ドイツ人にも全く知られていない。よほどのカトリック信者でない限り、この街の聖体のお祭りの花の絨毯のことも知られていないだろう。いや、カトリック圏では聖体の日に花を撒きながら行列行進する儀式があって、ヒュフィンゲンほどの規模ではないが小さな花の絨毯を作る習慣もあちこちにある。もともとはイタリアから伝わった儀礼だし、ドイツの聖体の日の儀式をわざわざ見物に来る人などいないのだろう。先日も書いたが、これは見世物ではなく儀式なのだし。
それはともかく、この町の人にとってはこの日は非常に大事な宗教行事の日で、一つのハレの日であることは確か。街を上げてきれいに飾り、キリストの聖体を拝んでいるようだった。

ここは18世紀からある宿。めぎたちが泊まったのはここではないけど。

街は古いがとても綺麗。絵に描いたような昔の街並みの中に現代アートがあったりも。

家々の庭には綺麗な花が咲いていた。


運河に水車があったり。

観光地のような飾り立てた雰囲気はなく、ここに生活があるのだ。

駅もあって、単線だが電車が一時間に数本やってくる。これは夜10時過ぎの撮影で・・・

これは朝7時前の撮影。

そして教会。

小さな町の小さな教会だが、その教えは人の心の奥深くまで滲み込み、しきたりも習慣も人々の行動や考え方の隅々にまで根付いているように感じた。

これがドイツなんだなあ・・・東京や京都を見ただけで日本を語れないのと同じく、ドイツもデュッセルドルフやハンブルクやベルリンやミュンヘンを知っているだけでは決して語れないわね。
撮影: D600 + 70-300mm(F4.5-5.6)/ 35mm(F1.8)/ 58mm(F1.4)
一日目の食事 [南西ドイツ 2017年6月]

今日も6月半ばの旅のお話を。
ヒュフィンゲンで泊まったのは街の中心部から歩いて2分位のところで、ビアガーデンも併設。

仕事を終えてから移動しためぎたちは、夜7時頃到着。それでもまだこんなに明るいのだが、ビアガーデンは既に人でいっぱい。でも、先にお昼過ぎにハンブルクから到着していた友人夫婦が席を取っていてくれた。

もうここまで飲んでから写したのだけど、まずはビールで乾杯し・・・

その後この辺り(バーデン地方)のロゼワインを。

ここに向かってくるときにはアウトバーンからワイン畑をたくさん見かけたが、このすぐ近くでは見当たらず、どちらかと言うと牛や羊を多く見かけた。牧場や畑が広がる景色の中に小さな村が点在していて、たぶん多くの人は農業をしているのではないかと思う。ドイツにはあまり過疎化の問題はなく、どの町もまあまあ現状維持しているみたい。街より郊外の田舎に住みたがるドイツ人も多く、郊外に住んで車通勤も多く、若い人でも田舎に住んでいたりする。
このとき、白アスパラがあと一週間くらいでシーズン終わりという頃だったので、めぎは白アスパラ料理にした。シュヴァルツヴァルト風などと書かれていて、どんなのか興味あったし。こうやってパン粉をつけて焼いた(揚げたというよりは焼いた感じ)のがシュヴァルツヴァルト風なのか、シュヴァルツヴァルト産の生ハムが添えられているからそう名付けられたのかは不明。

メニューには季節の白アスパラ料理が並んでいたのだけど、ハンブルクの友人夫婦は白アスパラには全く興味を示さなかった。うちで食べているものだから・・・とのこと。それに、自分たちの食べ方があって、それが一番美味しくて、外で食べてみようとは思わないものなのだとか。ドイツ人たちの白アスパラへの拘りが伺えて面白い・・・まあこうしてレストランのメニューにもあるのだから、外で食べる人もいるのだろうけど。もしや、料理しない人のためだったりして。
うちのドイツ人が頼んだのは、シニア向けのコース。シニア向けって何歳から?と聞いたら、何歳からでも頼んで良くて、単純に量が少なめという意味だったみたいだけど。そのコースのメインは野獣肉のラグー。なんの獣なのかは謎。なかなかハードなメインだし、量もたっぷり。

お腹いっぱいだけどデザートを(うちのドイツ人と二人で一つだけどね)。これは友人夫婦の頼んだ三色シャーベット。めぎは本当はグリーンアスパラのシャーベットというのが食べてみたかったのだけど、それは残念ながら売り切れで、イチゴのにしたのだった。

そして最後に枇杷の蒸留酒。

食べ終わってからも、特に何を頼むわけでもなくそのままずっとおしゃべり。ドイツのいいところは、居酒屋やレストランに2時間までとか3時間までといった時間制限がないことと、食べ終わってからそのまま何時間座っていても文句言われず、特に誰も気にしない事かな。はっきり言えばビール一杯だけで何時間座っていても問題ないのだ。
移動で疲れてるし次の日も早いしということで解散したのは夜11時過ぎ。9時半頃に日が沈み、すっかり日が暮れるまでそのままビアガーデンに座っておしゃべりしていたということだ。これはフロントの飾り。

次の日の朝、ビアガーデンをよく見たらきれいなバラが咲いていた。

ホテルの食事の話はもう一回続く。
撮影: D600 + 58mm(F1.4)/ 70-300mm(F4.5-5.6), Xperia Z1