ウズンギョル [トルコ北東部]

現在、イースター休暇のトルコ北東部旅行記を連載中。

トラブゾンから黒海沿岸を東へ1時間くらい走ると、Ofという町があり、その辺りで右折、南の山の方へ。

だんだんと渓谷に。

こんな斜面であんな道具で作業する女性たち。

なかなかの渓谷だが道路も綺麗に整備されている。そうだなあ、箱根ターンパイクみたいな感じかな。

黒海から右折してから1時間ちょっと走って、目的地のウズンギョルに到着。

そこに開けた畑には・・・

やはりこんな道具で耕す女性。(これはトリミング)

広大な畑で働くのは女性ばかり。

そこには綺麗な湖がある。

適当に車を駐めて(こんな風にかなり適当だ)、ちょっと散策。

立派なモスクがあり・・・

湖畔にお土産屋さんが並んでて・・・

ホテルになるのかなと思われる建物もいっぱい建設中だった。

これらは毎年新しく建てるのか。それとも現在急ピッチで観光地化を進めているところなのか。

古い橋が印象的。

ちょっと座って眺めていたら、自転車の女性が通り過ぎた・・・トルコはこのように髪を出していることも可能である。こんなに長い髪でこんな恰好でサイクリングをするこの女性は、拡大して見たところトルコ人かアラブ人かのような顔立ちだが、たぶんここの人ではなく観光客なのだろうと思う。このウズンギョルという町は既に観光地としてこの辺りでは有名なのだろう。地球の歩き方に載っているところは、どんな地方の小さな村でも、トルコに限らずどこの国のでも、やっぱり観光地よね。見所があるからガイドブックに載るんだものねえ。まあめぎたちも観光客なのだが、秘境(=イメージは「地元の人以外誰もいないところ」)に行きたくてここまでやってきたのにこんな観光地を見たってねえ・・・とちょっとがっかりしたのも事実。

載っていない田舎の村がどんなところかはあとでこっぴどく思い知ることになるのだが。
遠くに見える白い雪の山が魅力的。まあここはたしかに景勝地ではあるわねえ。

めぎたちはここでチャイで一服し・・・

お昼も過ぎたしちょっとおなかも空いたので食事もしてみた。これはあのめぎの気に入った美味しいパンにチーズとあの鶏肉のソーセージのようなのを挟み、潰して焼いたようなもの。香ばしくて美味しかったが、途中でおなかいっぱいに。二人で一つでもよかったわねえ。

食べたお店の中には綺麗なスカーフで頭を覆ったおばあさんたちがいて、その険しい表情をぜひ写したいと思うほどだったが、さすがにそれは躊躇われた。別のテーブルには3人の男たちが座ってて、これまた人生の全てを刻んだ様な顔の皺が印象的だった。テレビが映ってて、イスタンブールでのデモが放送されていた。その様子を見ながら男たちがなにやら議論しているようだったが、さすがにそのトルコ語は何も分からなかった。
つづく。
撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
ウズンギョルの暮らし [トルコ北東部]

現在、イースター休暇のトルコ北東部旅行記を連載中。
ウズンギョルという村でチャイを飲んでいたとき、制服を着たような少年たちを見かけた。

休み時間のようで、連れだって村の方に歩いていく子どもたちも。ずいぶん身なりのいい子どもたちだなあ。
そこからちょっと離れたところに小学校があった。校庭で遊ぶ子どもたちの表情はどこの国も変わらない。

あ、女の子もいるのね。制服を着るか着ないかは自由でもあるのかな。

この女の子たちはここを卒業後何をするのかしら。男の子たちも何をするのかしら。この小学校の制服はずいぶん綺麗で、ずいぶん西洋風で、ここで見かけた大人たちの雰囲気とどうしても結びつかない。
小学校の近くには、こういう服装をした女性たちが小さな子どもを連れて歩いていた。これが一般的な服装である。スカーフがかなりお洒落であるのがこの辺りの特徴だ。どんなに年をとっても綺麗な色の大胆な模様のスカーフを身につけている。

ちょっと村の方へ上ってみることにした。村の入り口付近には小さな軍隊のエリアがあって、機関銃を持った若い兵士がこちらをじっと睨んでいた。そこを通り過ぎると、こんな建設中のアパートなのかホテルなのかがあった。

その上には普通の家が。これが、この辺りの普通の家である。薪小屋がいっぱいある・・・たぶん冬は雪で閉ざされるのだろう。

モスクの塔はいつも立派だ。ドイツの教会もそうだしそういえば日本の神社仏閣もそうだが、ここでも宗教の場所への投資はすごい。他の貧しそうな家との差が激しすぎる。一方で、どんなボロ屋でも衛星アンテナがついているというのも印象に残った。

畦道というか、なんとなく懐かしい感じ。モスクさえなければ日本にもありそうな風景だ。

あの小学校の生徒たちはこういう景色を見下ろしながら日々を過ごしているのね。

このウズンギョルから次の目的地の温泉までは、地図上ではすぐ近くなのだが、まっすぐつながる道がない。残念ながらまた1時間かけて黒海沿岸まで戻り、少し東へ移動し、また山へ南下するしかない。たぶん3時間くらいかかるだろう(まあまっすぐ道がつながっていたとしても、山道だからもっとかかっただろうと思うが)。早めに着いて温泉を堪能したかったので、そろそろ引き上げる。
また車の窓から目についたものを撮影。この辺りの一般的な家屋。こんな木造であちこち隙間だらけで冬は大丈夫なのかしら。

こんなところも開墾しなければならないほど暮らしが大変って事なのかしら。


どうして女性しか畑で仕事してないのかしら。

写さなかったのが悔やまれるが(写せなかったのは誰もがめぎをじーっと見ていたからなのだが・・・写してもいいかと尋ねれば写せたのかも知れないが、それではみんな身構えてしまってその独特の雰囲気が失われて意味がない)、ウズンギョルで見かけた男たちは、お店で働く人や建設中の工事現場にいる人以外はみなチャイを飲んでいた。数人で座ってチャイを飲んでいるだけだった。うちのドイツ人によれば、トルコ人男性というのは、如何に自分が何もせずにチャイを飲んでゆっくりしていられるかを最も誇示しているのだとか。如何に暇で何もすることが無くゆっくりしていられるかが男らしさの勲章なのだとか・・・ええ~そうなの~?それって、ドイツ人の見た穿ったトルコ観じゃないの?しかし思えばこのあとどこに行っても、そう言えば既にトラブゾンでも、男たちはたいていどこかに座ってチャイを飲んでいたのだった。みんなこんな真っ昼間から座ってていったいどうやって生活が成り立つの?と思うほどだった。生活習慣や時間の流れが全く違うんだろうな・・・ここでは女性たちを畑で働かせて(もしくはうちで機織りさせて)優雅に座っているのが男らしさなのかも知れない。世界にはまだまだたくさん日本やドイツの物差しでは測れない価値観があるのだろうな。日本の物差しでドイツが測れない以上に、ドイツの物差しで日本が測れない以上に、真逆の価値観さえあるのかも知れない。
そこで思い出すのがめぎの生徒たちだ・・・トルコ系やその周辺の国の移民である一部の生徒たち。彼らの家族観はドイツや日本とは全く異なるのかも知れないな。ドイツに育ち、日本語の授業まで受けて、学校で教師や友達から様々な価値観を学びつつ、うちではどんな価値観で育てられているのかしら。彼らを理解しようと思ったら、それぞれに合った指導をしようと思ったら、一筋縄ではいかないな。
この家の中にはどんな暮らしがあるのかしらね。

そんなことを思いながら、箱根ターンパイクみたいな道路を駆け下りた。エンジンブレーキという言葉を思い出しながら。

ここからトラブゾンまで、ドイツなら1時間もかからないのね・・・ここでは寄り道したとは言え2時間半ぐらいかかったわねえ。

黒海近くには、バーベキューパークみたいなのが並んでいて、家族連れがピクニックをしているようだった。ここは出来上がっているが、建設中のも数多く見かけた。この辺りは今相当な力を入れて観光地化しているのかも知れない。

つづく。
撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
黒海沿岸からアイデルへ [トルコ北東部]

今日からまた4月中旬のイースター休暇中のトルコ東北部旅行記をどうぞ。
先日ご紹介したウズンギョルという湖から1時間かけて黒海沿岸へ戻る。すると、道沿いにはこんな紫の花が。これ、桐だったっけ??それとも似た別の花だったっけ?

海沿いでまた一休み。

ちょうど家を建てている?直している?ところだった。この壁塗り、この人一人で全部やるのかな・・・

↑これも海の家というか休暇用ハウスって感じの造りだったのだけど、この辺りは夏に向けて本当にどこもかしこも急ピッチで観光客向けの施設を作っているという印象。
ちなみに車を駐めていたのはこんなところ。アウトバーンみたいな海沿いの道路の所々がロータリーになっていて、道の横にある駐車スペースに入れるようになっている。ベンチはあるが、お手洗いやお店などはない。レンタカーはルノーの車。安いレンタカーなのでナビなど特別なものはついていない。まあ、あってもめぎ家は使わないのだけど。

めぎ家は今回、以前もお見せした地球の歩き方に乗っていたこの地図だけで旅をした。これだけでも十分旅ができるし、非常に助かった。

さて、黒海沿岸のOfという町に出てから1時間くらい東へ走り、ようやくまた南へ曲がるポイント近くのPazarという町の近くまでやってきた。この海沿いの道路にはトンネルがたくさん。崖のすぐしたが海、という地形なのだ。

トンネルを抜けると、向こうに雪山が見えた。

アイデルへの分岐が見えてきた。まっすぐ行くとBatumというところへ・・・それはグルジアの町。行ってみたいなあ。

しかし、予定通り右へ曲がってアイデルへ。曲がったところの川沿いでまた一休み。上に一本線が入っているのは電線。

なにしろ向こうの山々が美しく見えたから。

その手前にはなにやら箱が並んでいる・・・

これ、ミツバチの巣箱。こうやって蜂蜜を集め、また蜂の巣も売りやすく四角く作っているのね。

この川沿いには地元の人たちが一休みしていた。

ここはどうやら休憩ポイントで、ダンプやトラックが駐車してちょっとチャイで一服したりするようだった。その一人が、うちのドイツ人に近づいてきて、自分を指さしながら「テュルキェ~」と自分はトルコ人だよと伝え、あなたは?という感じのジェスチャーをした。それで、うちのドイツ人がアルマーニャ・・・トルコ語でドイツのこと・・・と答えると、その男性は非常に誇らしげに胸をたたき、まるで敬礼でもするかのように「アルマーニャ!」と言い、嬉しそうに握手を求めた。砂を運ぶダンプカーの運転手で、ごつごつとした労働者の手が印象的だった。握手をすると、それじゃ!という感じでさくっと去っていった。
その男性がドイツに行ったことがあるのか否かは全く分からないが、トルコではドイツの評判がすこぶる良い。どこに行ってもドイツから来たことが分かるととても歓迎された。トルコは世界でも数少ない親独国なのだ。それはやっぱりドイツがヨーロッパのどの国よりも積極的にトルコからの移民を受け入れてきたからなのだろうと思う・・・仕事のない多くのトルコ人がドイツに移り住み、ドイツで成功し、ドイツ国民となり、今やサッカードイツ代表の多くがトルコ系になるほどすっかり市民権を得、めぎの教えるドイツの高校の生徒の中にもトルコ系がかなり多くなり、さらに大学に進学するトルコ系ドイツ人も全くもって普通になっている。しかし一方で、ドイツで生まれ育ってもトルコ国籍のままの若者も少なくない。そんなトルコ人でもドイツ人と全く分け隔て無く教育を受けられる国なのだ(もちろんドイツ語ができることが前提で、多くが小学校の時に非常に苦労してドイツ語を習得しなければならないのだが)。そして、いずれにしても多くが未だトルコに親戚縁者を持ち、ドイツで稼いでトルコに仕送りしている場合も多い。つまり、トルコの経済はドイツが支えているのであって、それでトルコ人は非常に親独なのだ。それは逆にまた、ドイツの必要とする労働力・・・それはさらに回り回って税収や年金や健康保険などまでをトルコが支えている、ということになるのだが。
さて、この川沿いには公衆トイレがあって、めぎは行きも帰りもそこにお世話になった。建物の上はたぶん喫茶店かお土産屋さんで(入ってないので定かではない)、この階段を下りていくとトイレで・・・

お手洗いはこんな形。これがトルコの伝統的なトイレ。トイレットペーパーはなく、左手前に写っている水で洗うイスラム式。ここは水洗トイレで、中央上の青いレバーを引くと水が流れる。

そして、なんのための建物なのかは分からないが、こんな高床式倉庫みたいなのがあった。

倉庫なのかなあ・・・

時間は飛んで帰りに写したものだが、アイデルまでに道沿いにこの建物を何度か目にした。


作っている(組み立てている?)ところも。

そして、どうやら観光客向けのヒュッテ風の宿になるらしいところも。

やっぱりこの辺りはすごい勢いで観光地化を進めているのかも。まさか毎年作り直しているとは思えないしね・・・それとも、雪に埋もれて朽ちてしまい、毎年新しく作り直すのかしら?
さて、時間をまた戻し、アイデルへ向かいましょ。山道を登っていくと、こんな風に羊を一頭つないで歩いているおばあさんや・・・

古い橋が見え・・・

1時間ほど走って白い雪山が近くなってきた頃・・・

アイデルに到着した。

つづく。
撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)