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ウズンギョルの暮らし [トルコ北東部]

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現在、イースター休暇のトルコ北東部旅行記を連載中。

ウズンギョルという村でチャイを飲んでいたとき、制服を着たような少年たちを見かけた。
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休み時間のようで、連れだって村の方に歩いていく子どもたちも。ずいぶん身なりのいい子どもたちだなあ。

そこからちょっと離れたところに小学校があった。校庭で遊ぶ子どもたちの表情はどこの国も変わらない。
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あ、女の子もいるのね。制服を着るか着ないかは自由でもあるのかな。
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この女の子たちはここを卒業後何をするのかしら。男の子たちも何をするのかしら。この小学校の制服はずいぶん綺麗で、ずいぶん西洋風で、ここで見かけた大人たちの雰囲気とどうしても結びつかない。

小学校の近くには、こういう服装をした女性たちが小さな子どもを連れて歩いていた。これが一般的な服装である。スカーフがかなりお洒落であるのがこの辺りの特徴だ。どんなに年をとっても綺麗な色の大胆な模様のスカーフを身につけている。
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ちょっと村の方へ上ってみることにした。村の入り口付近には小さな軍隊のエリアがあって、機関銃を持った若い兵士がこちらをじっと睨んでいた。そこを通り過ぎると、こんな建設中のアパートなのかホテルなのかがあった。
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その上には普通の家が。これが、この辺りの普通の家である。薪小屋がいっぱいある・・・たぶん冬は雪で閉ざされるのだろう。
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モスクの塔はいつも立派だ。ドイツの教会もそうだしそういえば日本の神社仏閣もそうだが、ここでも宗教の場所への投資はすごい。他の貧しそうな家との差が激しすぎる。一方で、どんなボロ屋でも衛星アンテナがついているというのも印象に残った。
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畦道というか、なんとなく懐かしい感じ。モスクさえなければ日本にもありそうな風景だ。
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あの小学校の生徒たちはこういう景色を見下ろしながら日々を過ごしているのね。
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このウズンギョルから次の目的地の温泉までは、地図上ではすぐ近くなのだが、まっすぐつながる道がない。残念ながらまた1時間かけて黒海沿岸まで戻り、少し東へ移動し、また山へ南下するしかない。たぶん3時間くらいかかるだろう(まあまっすぐ道がつながっていたとしても、山道だからもっとかかっただろうと思うが)。早めに着いて温泉を堪能したかったので、そろそろ引き上げる。

また車の窓から目についたものを撮影。この辺りの一般的な家屋。こんな木造であちこち隙間だらけで冬は大丈夫なのかしら。
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こんなところも開墾しなければならないほど暮らしが大変って事なのかしら。
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どうして女性しか畑で仕事してないのかしら。
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写さなかったのが悔やまれるが(写せなかったのは誰もがめぎをじーっと見ていたからなのだが・・・写してもいいかと尋ねれば写せたのかも知れないが、それではみんな身構えてしまってその独特の雰囲気が失われて意味がない)、ウズンギョルで見かけた男たちは、お店で働く人や建設中の工事現場にいる人以外はみなチャイを飲んでいた。数人で座ってチャイを飲んでいるだけだった。うちのドイツ人によれば、トルコ人男性というのは、如何に自分が何もせずにチャイを飲んでゆっくりしていられるかを最も誇示しているのだとか。如何に暇で何もすることが無くゆっくりしていられるかが男らしさの勲章なのだとか・・・ええ~そうなの~?それって、ドイツ人の見た穿ったトルコ観じゃないの?しかし思えばこのあとどこに行っても、そう言えば既にトラブゾンでも、男たちはたいていどこかに座ってチャイを飲んでいたのだった。みんなこんな真っ昼間から座ってていったいどうやって生活が成り立つの?と思うほどだった。生活習慣や時間の流れが全く違うんだろうな・・・ここでは女性たちを畑で働かせて(もしくはうちで機織りさせて)優雅に座っているのが男らしさなのかも知れない。世界にはまだまだたくさん日本やドイツの物差しでは測れない価値観があるのだろうな。日本の物差しでドイツが測れない以上に、ドイツの物差しで日本が測れない以上に、真逆の価値観さえあるのかも知れない。

そこで思い出すのがめぎの生徒たちだ・・・トルコ系やその周辺の国の移民である一部の生徒たち。彼らの家族観はドイツや日本とは全く異なるのかも知れないな。ドイツに育ち、日本語の授業まで受けて、学校で教師や友達から様々な価値観を学びつつ、うちではどんな価値観で育てられているのかしら。彼らを理解しようと思ったら、それぞれに合った指導をしようと思ったら、一筋縄ではいかないな。

この家の中にはどんな暮らしがあるのかしらね。
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そんなことを思いながら、箱根ターンパイクみたいな道路を駆け下りた。エンジンブレーキという言葉を思い出しながら。
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ここからトラブゾンまで、ドイツなら1時間もかからないのね・・・ここでは寄り道したとは言え2時間半ぐらいかかったわねえ。
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黒海近くには、バーベキューパークみたいなのが並んでいて、家族連れがピクニックをしているようだった。ここは出来上がっているが、建設中のも数多く見かけた。この辺りは今相当な力を入れて観光地化しているのかも知れない。
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つづく。

撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
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Baldhead1010

なにごとも自分の常識で判断してはいけませんね。

次はトルコに生まれようか^^
その時は男女の立場が反対になってたりして。
by Baldhead1010 (2014-05-11 05:23) 

ちばおハム

色々な国の様々な常識かあ。
他の国の人が日本を見たときにも感じるんでしょうね。
by ちばおハム (2014-05-11 06:04) 

もんとれ

制服がある学校のある山間部光景はかなり意外です。実際は観光保養地、産業として潤っているのか、この自治体や集落の共同体が教育を施す体制を整えたのかしら。ここは大きなチャイ工場もあるのよね。
春、トルコはツイッターやYoutubeを遮断、反政府の動きを察知するために個人の閲覧情報収集や監視にスパイを置く法律に変えたりで、エルドアンは強烈にネット検閲を進めていますが、自然、旅行者を装った海外記者や情報提供者の出入りにも警戒してゆくようになるのかなぁ…。
by もんとれ (2014-05-11 07:23) 

stellaria

トルコでの「男らしさ」について興味深く拝読しました。そうなると、女性はせっせと休みなく働いて家族を養うことが立派な「女らしさ」ということになるのでしょうか。女性たちはどう感じているのでしょうね。
写真に写っている家が、地震が来たらすぐに崩れそうに見えるものが多くて、ちょっと怖いです。
by stellaria (2014-05-11 08:08) 

engrid

価値観の違い、人生観の違いなのか
此方の物差しでは、測れないし、
良し悪しを押し付けることもできないですね、、
めぎさんの生徒さん、どんな心の葛藤があるのかな
鮮やかな色使いのスカーフでおしゃれを、女性はどんな暮らしでも
美しくありたいと思うものね、微笑ましくほっとします

by engrid (2014-05-11 09:04) 

ナツパパ

トルコというと地震国のように思っていましたが、
建物があんまり簡単な作り(...雑?)なのにビックリましました。
大丈夫なのかなあ。
by ナツパパ (2014-05-11 11:48) 

sheri

国ごとの価値観の違いってありますよね?
時間を守るか守らないかでも国によって違うから、面白いですよね?

でもそうやってトルコ人の生徒さんの気持ちを理解しようとしているめぎさんってステキな先生なんだなぁと思いました。
by sheri (2014-05-11 16:05) 

miffy

トルコだけでなくチュニジアやモロッコ、レバノン、シリアでもチャイを飲みながらのんびりしている男の人を見かけました。
イスラムの世界では当たり前のような気がしました。
by miffy (2014-05-11 22:54) 

ふーみん

何処の国も横道はいったら信じられないお家がありますね。
by ふーみん (2014-05-11 22:59) 

Inatimy

雨が降って外で農作業が出来ない日でもここに暮らす女性には
機織りや手仕事があって、休みがないのかもしれませんねぇ。
衛星アンテナはあるけれど、洗濯などは手洗いなんだろうなぁ。
by Inatimy (2014-05-11 23:51) 

YAP

ドイツ人の働き方でさえ日本人は衝撃を受けるのに、トルコの人たちを実際に見たらどんな風に映るのかなと思いました。
価値観という言葉さえどこかへ行ってしまいそうな差がありそうですね。
by YAP (2014-05-12 18:16) 

mimimomo

価値観ってまさにそれぞれですね。
日本国内でも時々ついて行けない(__;
by mimimomo (2014-05-13 09:46)