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ここはオーストリア、ドイツは… [2021年夏 バイロイト・ザルツブルク音楽祭]

現在、2021年夏のザルツブルクの話を連載中。

ここはザルツブルクから車で20分ほどのウンタースベルクと言う山の上。
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足元には可愛い植物。
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ここに、K.K.Ö. G. と書かれた石があった。調べてみたところ、kaiserlich königlich österreichisches Gebietという意味らしい。そのまま訳すと帝政王政オーストリア領という意味だが、1867年に誕生したオーストリア=ハンガリー帝国(オーストリア帝国とハンガリー王国が一緒になった国)のことらしい。しかし、この石によると、ここは1857年からその帝国領だとのことで、この10年はいったい…?まあ、オーストリア帝国はその前の1804年からあるので、その時代にここがオーストリア領になったということなのだろう。LXVIIIはローマ数字で68のことで、たぶん国境石68番という意味なのではないかと思う。
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可愛い花を見ながらちょっとハイキング。
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そしてこんなところに立ち寄った。山岳兵の記念碑と書かれてあったので、恐らく戦没者への慰霊の塔なのだろう。
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ずっと向こうにもう少し高いところが見える。たぶんあそこがウンタースベルクのオーストリア側の頂上で、1853m地点。
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行ってみたいなとも思ったけど、道が結構石いっぱいでごつごつしてたり、細かい石でもその下が硬くてズズッと滑りやすかったりして、我々の街歩きシューズがそれに対応できる装備ではなかったので、ハイキングはここまでとした。何しろ一部はこんな道だし。
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望遠で見ると、結構近そう…ロープウェイ駅から徒歩15分という表示もあったが、今いるところまでも15分かかったので、めぎたちには3倍ぐらいかかりそうだし、諦めましょ。やめて正解だった…ズズッと滑る道を踏みしめて歩いたせいか、ほんの少ししか歩かなかったのにめぎは次の日筋肉痛になった…
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「オーストリア側の頂上」と変な言い方をしたが、ちなみに本当の頂上は1972mでドイツ領。そこまでは3時間かかるという表示。地図で見ると、めぎの今いるところから直線距離でも3~4㎞ある。めぎの今いるところは地図では見えてなくて、右上の方へスクロールしてSchellenberger Eishöhleが出てきたらそれを真ん中下へ置いて+を1回クリックするとBergstation Seilbahn Untersbergが出てくる。そこがロープウェイ駅で、めぎが今いるのはそこからほんの少しS字型の道を下へ行って、地図の+をもう1回押すと出てくるHochalmという建物を横切ってもうちょっと下へ行って大きくカーブしている辺り。


↑ここ、オーストリアとドイツの国境際だったのね。断崖絶壁の下はドイツ領、上がオーストリア領、という感じ(地図では右側がドイツだが、めぎが撮った写真では左側がドイツ)。このまま歩いて行ったら、ドイツに入ったりまたオーストリアに戻ったりするみたいで面白い。人間の引いた線の虚しさをちょっと感じる…ついでに言うと、この山を越えれば自由があるというようにサウンドオブミュージックでこのウンタースベルクが描かれているのだけど、越えたらドイツなのよね…ハリウッド映画の安っぽさが分かる場所でもある。知らないでいる方がロマンチックでいいこともある、と言った方がいいかな。

実はこの山の上、めぎは一人で来たことがある(その話はこちら)。その時はものすごく暑い夏で、炎天下とてもあそこまで歩けないと早々に断念した。今回は結構涼しくてハイキング日和だったのだけど、山と言っても2017年のダッハシュタインがあっけないほどの綺麗なほぼ舗装のような道で登山靴でなくても大丈夫だったものだから、ついそのつもりで…まあ、また来られるところだから、いつかまた来ようね、ということで。

で、またロープウェイ駅の方へ。
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こんな花を写しながら。
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歩いていたら、突然小さな男の子がめぎに拾った小石をくれた。Danke!と受け取ったら嬉しそうに家族と去っていった。あの小さな男の子。こうして見てみると、お兄ちゃんがもっと自分にもかまってほしいっていう感じのオーラ。子育てって難しいわね。
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遠くの山々が印象的だった。
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