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過ぎ行く時間とこれからの時間 [小さな出来事]

今日からしばらくは現在のデュッセルドルフのお話を。

早くも10月末。10月は12日から2週間学校の秋休みだっためぎ。その間も授業準備したり仕事のメールのやり取りがあったりしたが、基本的に2週間まるまるお休み。その長い休みの間、最初の4日間出かけただけであとはずっとうちにいた。
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うちで何をしていたかというと、健康診断とか歯の定期健診とかいつもルーティンで秋にやっているものに行ったり、ここ3か月ほどはじめは酷暑で、次に休暇に出かけ、そのあと激務で中断していたジョギングを再開したり、たまにバルコニーで写真撮ったりしつつ…
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新しくPCを買ったのを機に外付けHHDを整理したり、めぎはメールにアウトルックを使っているのだがその中身の整理をしたり、本やらプリントやらの整理をしたり…という整理整頓に加え、ちょっとというかかなり大きな重い問題に取り組んだ。それは定年までの、かつ定年からの生活における金銭的なやりくりの目途をつけるということ。
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めぎも50台に入って早一年経つし、うちのドイツ人はもうすぐ63歳で年金生活目の前に迫って来たし、めぎの周りは仲の良い同僚や友人たちのほとんどが60台で引退間近となり、その影響で将来どう人生を全うするかということを少しずつ考えて行かなきゃな、と思っていた。最近日本では老後に備えて自分で2000万円用意すべしなんていう話が出ていたが、めぎも国は違えど将来ちゃんと暮らしていけるのか、おそらくは最後はめぎ一人になって、最後の最後までどうやって?とぼんやり、ちょっと恐ろしく感じていた。その矢先ありがたいことに勤務先で昇格して給料もちょこっと上がり、希望の光が見えてこの秋はじっくりこの問題に取り組むことにしたのだった。
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で、うちのドイツ人にもついてきてもらって銀行に相談に行ったり年金や預貯金や保険を見直したりあれやこれややって、これまでも多少は考えてやってきていたおかげもあって無事全ての金銭的目途が付き、めぎは心の底からすっきりした。このまま最後まで勤め上げればたいして余裕はないものの誰に迷惑をかけることもなくドイツでなら死ぬまで普通になんとか生きていくことはできるだろうし、もし不運にも途中で力尽きても誰にも迷惑をかけずに済む。この「誰にも迷惑をかけずに」という部分が非常に重要なキーワードであって、めぎの生き方の集大成として、自分の選んだ道の最後までを全うする目途をつけたのはとても大きな成果だった。
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めぎは結婚しているものの生活は自立していて、すべて半々に折半。自分で働いて自分で衣食住の全てを賄い、その上で旅行代とかカメラ代とかも当然自腹で出している。つまり独身の人と全く同じで、金銭的にうちのドイツ人に養ってもらっている部分は一銭もない。だから、仮に明日から一人になっても、精神的なダメージはともかく金銭的にはほぼ今と全く同じように生活していける。住の部分だけ倍になるが、その際には旅行かカメラ・レンズ購入を減らせば済むことで、そう大きな問題ではない。そこが大きな強みであろうと思う。
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とにかく将来どうなるかな、やっていけるのか、というのがめぎの心にいつも引っかかっていた、そして多分日本にいる親や妹の心にもかなり引っかかっているらしい最大の問題であったので、自分の力ですべて差し引き0に全うできるというのが分かって本当に気持ちが軽くなった。ああよかった。
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と言っても老後は慎ましい生活が待っているだけで余裕はないのだが、ここまで好きな道を好きなように生きてきてやり残したこともなく、好きな道を生きたおかげで大いなるマイナスも背負ったのだがそれを差し引き0にできるだけの成果も得たということで、年金生活に入るまでに本当に差し引き0にすることだけが今の目標で、それが達成できれば大満足。しかも好きな道を進んで自分のためになっただけでなく世の中の役にも立てるようになったということで、生き切った達成感もある。だから、老後は特にしたいことも行きたいところももうなく、時々撮影に散歩に出かけ、うちで本を読んだりインターネットしたりその頃ブログという媒体がまだあればこうして書き続けながら好きなパンと麺を食べ、たまにご飯を炊いて暮らしていければそれでいい。もしちょっと余裕があって身の丈に合った楽しみとしてたまにウィーンかザルツブルクに行ければ、万々歳。最後にもう一度だけ日本の地を、または南の島へ、などと思う日も来るのかもしれないが、金銭的にできなければそれはそれで仕方がない。
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なんと言っても、ドイツにいる限りは病気になった場合の治療代が日本と段違いに負担が少ないというのが大きなメリット。この秋、実はうちのドイツ人の母親が足を骨折し、まず最初の1週間は手術と入院、その次の1週間は次の2週間のリハビリセンターの空きができるまでの中間施設としてのホームに入所、そして2週間リハビリセンターにいて、1か月後ようやく自宅に戻ったのだが、その費用たるやほとんど健康保険で賄われ、自腹を切ったのは食費程度。食費なら自宅にいてもかかるわけで、負担がなかったのも同然なのだ。しかも、そんな事態に息子のうちのドイツ人も娘の義妹も見舞いにも手伝いにも全く行かなかったのだが、義母はすべて一人でできたのである。子供のいないめぎもそうなるだろうし、彼女の件は大いにめぎの参考になったのだが、ドイツの制度ならなんとかできるということが分かってよかった。
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こういう風に金銭的に将来を見据えてきっちりしておく部分は、父から譲り受けた性質だろうと思う。女でも自立して生きていこうという姿勢は、母の教育の賜物だ。まあ将来何が起こるかわからないので本当にその通りに行くとは言えないが(年金だって運用しているところや国の経済が破綻したらどうしようもないものね)、銀行の担当者曰く、戦争でも起こらない限りリスク管理はできたと思うし、戦争が起きたら全てが狂うので一個人ではどうしようもない。とにかく50台という人生の秋本番に入ったところで今すっきり目途がついて思うのは、うちのドイツ人が元気なうちに(そして自分も元気なうちに)いっぱい一緒に楽しんでおこうということ。できる範囲で、でも行きたいところへ今のうちに。いずれは運転できなくなったり歩けなくなったり旅もできなくなったりついには食べられなくなったりする日が来るのだから。
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そして、若い人たちに伝えたい。もし今の生活と違う生き方をしたいと思うことがあれば、30歳になる前にそれに向かって舵を切るべき。そうすれば、人生半ばで差し引き0にできるチャンスがある。まだ人生やり直しがきくのだ。その代わり、20歳になる前から始めた人の30倍は苦労するけど、ちゃんと向き不向きを見極める冷静さとその上で全てを投げ打って始める勇気のある人ならば、きっとやり遂げられるはず。しかしそれは、自分探しなんて言うレベルではなく、目標を定めて人生一からやり直しをするレベルの話(めぎは総合職で就職していた一部上場企業の会社を辞めて大学を学部から入り直し、博士課程まで終えたのだ)。本当に全財産投げ打って下手すると借金もして家族を嘆かせて心配させてというレベル。まあそういう若い人がめぎのブログを読んでいる可能性は少ないけれど、もし読んだら、30になる前から50を超えるまでの長い道程、希望を捨てずに頑張ってね。
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ブルーアワーをちょっと楽しむ [2019年夏 ハルシュタット]

現在、2019年夏のハルシュタット一人旅の話を連載中。3日目の夜の話。

すっかり晴れた3日目の夕方。宿の窓から見える景色も昼までとは別の場所のよう。これは18時半ごろの撮影。
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あ、パラグライダー!晴れているとこういう光景も見られるのね~気持ちいいだろうな。
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さて、食事も終えてゆっくりしていたところ、20時ごろにこんなにきれいになったので…
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撮影スポットに再び行ってみた。うーん、下はただ暗いだけね。
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で、広角でいろいろと。
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夕焼けを期待したけどダメだった。
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撮影スポットではこの女性が(多分韓国の方)三脚を据えて何度も何度も撮影を試みていた。
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ホント、めぎも三脚を持ってくるんだったわねえ…一人旅で車じゃないからあっさり諦めたのだけど、レンズを1つ2つやめても三脚の方を持ってくるべきだったな。
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手振れしないようにしながらできるだけシャッター速度を落としてみたりしたけど、所詮限界が。
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でも、楽しかった。
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めぎのライフスタイルでは夜景を写しに行くことってまるで無いのだ。まあ秋から冬にかけては暗い時間が多いわけだから、仕事の行き帰りに写せばいいはずなのだが、仕事のある時期ってここ1~2年もう仕事のことでいっぱいいっぱいで、ほとんど何も目に入らないほど。以前のようにカメラを持ち歩こうという気すら萎えてしまった。

だから夏休み中のこの時、生徒たちのことも忘れ、うちのドイツ人のことも忘れ、音楽祭のことも忘れ、すべてを忘れてただ撮影だけができて、その写真の出来がどうこうではなく単純に撮影の行為そのものが楽しかった。
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素敵な時間をありがとう。
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さて、ここまででハルシュタット滞在4泊5日のうち3日分のブログが終わり。あとは4日目の丸一日と5日目のザルツブルクに戻るまでの時間のお話が残っているのだが、それはまたいずれということにしたい。その話も思い出深いので必ず書くつもりだが、いったん打ち切って明日からは秋のお話などをどうぞ。
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青空とともに撮るハルシュタット [2019年夏 ハルシュタット]

現在、2019年夏のハルシュタット一人旅の話を連載中。3日目夕方の湖遊覧を終えたところ。

ああ、空が青空なのって、なんて気分が明るくなるのかしら。
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明るいって心のために重要なことだわね。
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めぎの乗っていた船は最終目的地のハルシュタット南の船着き場へと出発していった。
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そうそう、雛を連れた白鳥さんたちがいて、それを撮ろうと構えている人もいたが、そんな怖そうなワンちゃんを連れていたら上がってこないわよね…
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ハルシュタットの街は残念ながら日陰だけど、青空のおかげで3日目にして初めて見る色合い。
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いつもの場所の景色も新鮮。
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こう撮ったり…
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ああ撮ったり…
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こうしてみたり…
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スマホでも。
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秋も綺麗だろうし冬の雪景色も素敵だろうな。
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みんな、いいの撮れたかな♪
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この時点で17時半過ぎ。この日、13時過ぎから散歩に出かけて納骨堂に行き教会を見て高台の住宅街の合間の小路をうねうねと探索して山道を登って登山道にまで出て湖畔まで降りてきて遊覧船に乗って4時間以上の一人散歩。楽しかったな~めぎは心地よい疲れで気分良く、湖畔の屋台のケバブをテイクアウトで買って簡単に夕食にすることにして宿に戻った。
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