金鹿ホテル [2012年バイロイト音楽祭]
現在バイロイト音楽祭の体験談を連載中。と言っても音楽祭そのものについては昨日までで話は終わり、今日はそれ以外のお話を。
バイロイトのチケットが取れてから真っ先に取りかからなければならないこと・・・それは、ホテルの予約。当然のことながらこの時期はホテルの値段がとんでもなく跳ね上がる。音楽祭事務局が予算を聞いた上でホテルの斡旋もしてくれるが、めぎは自分でいくつかのホテルに問い合わせて直接予約した。ラッキーにも予約できたのが、劇場に歩いていけるこのホテル。
Hirschmann(鹿男)という名前の人がオーナーで、金鹿がシンボル。
ホテルのあちこちに金の鹿のモチーフがあった。
このホテルは駐車場付き。横のスロープをあがると・・・
そこが駐車場。あら、イタリアから来た車が駐まってるわ(ナンバーの一番左にIと書かれているので分かる)。
モナコから来た車も。音楽祭には世界中から来ているのね。ちなみにこのホテルは英語とフランス語とイタリア語も通じる。
そうそう、めぎ家も車でバイロイトへ行ったので、荷物はいくらでも持って行けた。だから着物2枚帯3本草履2足長襦袢3着+普段着も楽々。
携帯で撮ったので写りが悪いけど、これにはスイスのナンバーが写っている。向こうでトランクに荷物を積んでいる人は、やはり音楽祭滞在が終わった人で、衣装らしきものをたくさん積んでいた。でも、普段はこんな短パンなのね。
それから印象に残ったのがこの女性の滞在。この人はドイツの現職の連邦司法大臣、つまり日本でいえば法務大臣なのだが、彼女もこのホテルに泊まっていたのだ。朝食を食べに行ったらテーブルの一つに彼女が普通に一人で座ってて、そのあと自分でチェックアウトして出て行った。外には運転手つきの車が待っていて、その運転手から渡されたドイツの大衆紙ビルトを広げる彼女。自分で荷物の積み込みをしなくてもいい辺りは要人という感じだけど、大臣という政府の要人がこんな普通のホテルにプライベートで泊まるところ、そして誰も記者が外で待っていないところが、ドイツって自由でいいなあという気がした。
さて、めぎ家が泊まったのは緑色のホテル本館ではなく、別棟のこちらの2階。
オーバーブッキングになったのか、4泊もするからか、要人が泊まるから外国人のめぎを遠ざけたのか(=これはうちのドイツ人の意見!)、理由は全く定かじゃないが、通されたのはめぎが予約した普通のダブルルームではなく、アパルトメントだった。綺麗なお花やグラスも用意されている・・・と言っても別にウエルカムドリンクがあるわけじゃないのだが。
こんな広いリビングには窓が3つもあってとても明るい。ただ、暑い時期だったので日差しが入る時間はカーテンをしていたけれど。
ベッドルームには何十着も衣装を掛けられる壁一面のクローゼット。
バスルームとお手洗いも別で、バスルームにはシャワーブースもあり、さらに洗面台が2つあった。なんだかスイートルームって感じだけど、ここはホテルのサービスの無料のWi-Fiが遠すぎてつながらない。めぎはドイツ在住で国内フラットレート契約を自分で持っているからいいけど、外国からの宿泊客には不便かも。
でも、サービスは行き届いていて、買ってきた葡萄を洗って置いておいたらいつの間にかお皿に載ってたし、ワインを買って冷やしておいたらグラスがワイン用のに置き換えられていた。
バイロイトに関する資料も色々置かれていた。例えばこの本・・・
中には興味深い古い写真がいくつか。祝祭劇場の裏は昔は穀物畑だったのね。
↑ここ、今はあの人々がピクニックをしていた綺麗な芝生の散歩道。(写真は既にお見せしたもの)
建物自体は、昔は今のバルコニー部分がなかったのね。
↑ほら、丸い建物の前にバルコニー部分が継ぎ足されているのが分かるでしょ。
話はホテルに戻るが、劇場には歩いて15分くらいだし、朝食も美味しくて(オレンジジュースは生だし、ドイツのパンは美味しいし、茹で卵も熱々のが出て、フルーツも充実してて、ホームメイドのジャムも美味しくて、そして何と言っても(写ってないけど)ちゃんと脂肪分抜きでない本物のヨーグルトとフレッシュチーズがある・・・カロリーは高いが、美味しさは抜群)、非常に快適な滞在だった。
気になるお値段は一泊二人で185ユーロ(朝食・駐車場代込み)。一人あたり90ユーロちょっと(約9千円)。めぎ家にしてみたら一泊あたりのいつもの予算と比べて高めのお値段だが、そして通常時には一泊二人で110ユーロのはずだが、東京でちょっとしたビジネスホテルに泊まることを考えると破格のお値段でしょ。ちなみに日本からバイロイト音楽祭の200~250ユーロ相当の席のチケット一枚込みで宿泊・飛行機や送迎つきの8日間のツアーに参加すると、一人78万円ですって・・・追加で他の公演のチケットを頼むと、手配してくれるけど、さらに追加でチケット代の他に手数料等もかかるとか。すごいなあ、あそこで見かけた日本の方々はそんなにお金持ちなのね。
可愛いワンちゃんたちがいた・・・このホテル、ペット連れOKで、ペットは無料ですって。泊まってみたい方はこちらから。普通のダブル・ツイン・シングルルームなら、極めて普通のドイツのホテルが体験できるはずだ。
バイロイトの話はまだまだ続く。
2012-08-25 02:00
nice!(36)
コメント(12)
すてきですね。ため息が出てしまいます。
ここに集まってきた皆さんが音楽祭を楽しみにしていた様子がホテルライフからもわかっちゃいますね。
前日までのドレス&スーツ姿とはちがってなんとなく親しみが…
by ちばおハム (2012-08-25 04:29)
現職の大臣がセキュリティもなしにこんなに自由に過ごしているというのが驚きました。
めぎさんを別棟に遠ざけられたのは、ドイツ人さんの説ではテロリストかもって疑われたということですか?
オリンピック柔道で金メダルを取った松本選手が、「アサシン」というあだ名を外国人選手からつけられたという話を思い出しました。
by YAP (2012-08-25 07:16)
バイロイトのお話たっぷり読ませてもらってます。わくわくしますね。こういう経験が絶対にできないのでとても勉強になりなおかつただの旅行でないのでちょっと緊張、今までの記事をよんでもバイロイトがいかに凄いか伝わってきます。いろんな国から民族の移動のようですものね。78万ですか~日本から行くとなるとそうなっちゃうのね。ペットも一緒に泊まれるのは飼い主さんも嬉しい安心して楽しめますね。
by マリエ (2012-08-25 07:28)
ホテルのお安さに吃驚~!
日本でビジネスホテルで5~6千円と聞くと安いな~って思います。
by mimimomo (2012-08-25 09:34)
>サービスは行き届いていて
すばらしいですね。
by Baldhead1010 (2012-08-25 09:42)
リビングが広くて快適そうですね。めぎさんのホテル選択も随分グレードがあがってないですか?
by ぽりぽり (2012-08-25 10:18)
鹿男(shikao?)まあ、なんてインパクトのあるお名前。
駐車場の車いすマークは、万国共通なんだなあとプチ感動。
朝食のメニューは、何もかもがホンモノなんですね。美味しそう。
最後の2匹のワンちゃんは、なんだか人間ぽい顔つきをしていません?
by HIROMI (2012-08-25 11:02)
朝食の美味しいホテルは良いですね。
太陽が書いてあるナプキンが可愛い♪
お部屋に飾ってある向日葵もステキだな~
by miffy (2012-08-25 20:47)
ホテルを含めて町ぐるみ、バイロイト一色という感じですね。
by たいちさん (2012-08-25 23:18)
快適で広そうなお部屋~。 サービスが行き届いてるから、
要人が安心して泊まれるというのもあるのかな。
継ぎ足された建物がなかった当時は、ブラス演奏は、どこでしてたんでしょうねぇ。
by Inatimy (2012-08-26 05:18)
現職の司法大臣なら、誰かに、ねらわれることも、ありそうなので、警護なしにいるとは、びっくりですね。
ホテル全体、あるいは、町全体ののセキュリティーがしっかりしているのかな。
by テリー (2012-08-27 06:59)
鹿の看板が素敵ですね。日本では、犬連れで宿泊できるホテルは、まだまだ少ないです。
by krause (2012-08-27 09:51)