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音楽祭のスナップ [2012年バイロイト音楽祭]

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現在バイロイト音楽祭の体験談を連載中。
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「めぎはいまここ」でも書いたが、休憩時間の終わりを告げるブラスの演奏があるこのバルコニーに、それ以外の時間には観客も上ることができる。
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めぎたちももちろん上ってみた。
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バイロイトの町自体はちょっと離れている。歩くと20分くらいだろうか。
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プログラム売り場と観客たち。
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ワインなど飲みながら開演を待つ人たち・・・そうそう、「めぎはいまここ」でも書いたように、木製のベンチに長時間座るのに備えてクッションというか座布団を持って行く人が多い。ほら、そこにもピンクのを持っている紳士が。
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以前のコメントで質問などがあったこのクッションについて。まず、クッションはもちろん何かに入れて持ってきたのだろうが、その袋や鞄をみなさんクロークに預けているので、開演直前や休憩中のここではクッションをむき出しにして持っている。それから、キャンプ用などの空気で膨らますタイプや折りたためるクッションを持ってきていた人もいると思うが、それは折りたたんでいるからめぎたちの目に止まらなかったということだろう。クロークではクッションの貸し出しもしているようで、借りたり返したりしている人も見かけた。でも、その数は多くないようだったし、もしかしたら、このクッションを持ち込むということ自体もバイロイト音楽祭の習慣で、誰もがそれを楽しんでいるのかも知れない。それぞれが自分のお気に入りか快適に感じる厚さのクッションを持ち込んでいるということでもある。

この女性たちも自分で持ってきている。
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めぎたちももちろん自分で持ち込んだ。クッションはうちにある小さめのものを持って行った。うちのドイツ人は、めぎの着物を着るときに使う腰紐で結んで持ち歩いていた。ここはあの2階のバルコニーの手前の部屋。向かって右にクッションと共に手にしている白いのはプログラム、左に持っているのは日本の扇子。
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開演を知らせるブラスの演奏を聞いて、ゆったりとホールへ向かう人々。
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民族衣装の形もちらほら。見えにくいけど、この男性は皮の短パン姿。スコットランドの衣装のスカートの男性もいた。
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めぎ家の服装は、一日目はこんな感じ。暑いという噂だし、でも着物を着たいし、どうしようかと何人か人に相談して、浴衣を着物風に着てはどうかというアドヴァイスを受け、嘘つき長襦袢を着て、ちょっと小紋風の絞りの浴衣を組み合わせた。帯も半幅で。なにしろ桟敷席だし、そんなに正装である必要も無かろう、と。うちのドイツ人もこの日は普通のスーツ。
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二日目はこんな感じ。この日はレストランで食事したので正装に近くと考え、うちのドイツ人は黒のスーツに蝶ネクタイ、めぎは夏の絽の着物を着た。めぎは絽の着物を持ってなかったので、インターネットで日本の古着の着物屋さんから取り寄せた。帯はいいのが見つからなかったので持っている半幅を組み合わせた。中は夏用の長襦袢。持っているのは風呂敷。オペラグラスとカメラを入れるには小さな着物用のバッグでは足りなかったため、風呂敷を使用。
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三日目は写真を撮っていないが、絽の着物に別の半幅帯を組み合わせた。うちのドイツ人はまた普通のスーツに別のネクタイを。

着物を三日連続で一日あたり8~9時間(劇場での約6時間+行き帰りと公演後の夜の食事)着続けるというのはめぎも人生初の経験で、正直とても疲れた。ホテルも劇場もレストランもどこにもクーラーがないわけで、とにかく暑い。着付けをしているときから汗びっしょりだ。だから、下着を着ずに済むような二部式で袖と裾以外は木綿でできた長襦袢を使い、帯もささっと結べる半幅に。帯の部分はどうしても暑苦しかったが、お太鼓結びより半幅の方が少し涼しいのではないかと思う。着物に詳しい方ならきっと眉をしかめる行為だろうけれど、めぎは自分のできる範囲で着物(風)の格好で行くことを最優先にした。着物姿で最もよかったのは、足が痛くならないこと。足袋に草履はものすごく楽で(これは毎日夏は下駄で、それ以外は地下足袋で過ごしているから慣れもあるのだろう)、足だけは全く痛くならずに済んだ。ドレスを着てヒールの靴を履いたら、ほんの1時間で足が痛くなっていたことだろう。そして、歩き方がイマイチになって、格好悪いことこの上ない。そう考えると、何を着ても大変であることは変わらないわね。


こうしてめぎの音楽祭体験は終わっていった。
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こんな風に、死後約130年経っても世界中から集客することに成功したワーグナー。運や権力やなにやらいっぱい絡んでのことだけど、そもそも作品がなければそれは成立しない。それだけの作品を遺したということよね。そういう人生もあるのだなあ。うーん、ほんと、我々は凡人だわ。
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明日からはバイロイトの町の風景やホテルや音楽祭以外の食事のことなどを。
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コメント 12

Baldhead1010

日常生活にこんなゆったりした時間が欲しいですね。
by Baldhead1010 (2012-08-24 04:22) 

ちばおハム

着物をご自分なりにアレンジされているめぎさん。
素敵でした。

by ちばおハム (2012-08-24 05:11) 

Inatimy

こんなに眺めがいいバルコニーでブラスの演奏があったんですね~。
皆さん、いろんな服装の人がいて。 
皮でも短パンや、スコットランドの衣装のスカートは涼しくていいかも。
暑くても、着るのが大変そうでも、やっぱり着物のある暮らしは憧れます♪
by Inatimy (2012-08-24 05:35) 

YAP

これだけの服(着物)を持っての旅は大変だったでしょう。
日ごとに着替えるのも、このイベントの楽しみ方のひとつなのでしょうが。
by YAP (2012-08-24 08:06) 

夢空

お着物姿~ありがとう~~(^_^)
確かに、大変ですよね、、着付け時から汗だくになりますよね。
日本でも何かのイベント時、着物なら流行り廃りがないので重宝はします。
by 夢空 (2012-08-24 10:20) 

たいちさん

一流の音楽祭となると、服装にうるさいのですね。
by たいちさん (2012-08-24 13:06) 

テリー

3日間、音楽祭に通うということ自体、なかなか、日本の生活では、ありえないことです。自分では、経験できない生活を、ブログの中で、知ることは、興味深いことですね。
3日間、着物を工夫されて、着こなされて、素晴らしいですね。
by テリー (2012-08-24 17:56) 

HIROMI

正装にクッション。(っていうか、お座布団?)このミスマッチさに、ズキュンです。
男性陣は、この暑いのに上着を脱がない人もけっこういるんですね。正装のクールビズって、ないのかしら。上着なしのネクタイ無し…でもそれって、正装じゃなくなりますよね。
by HIROMI (2012-08-25 00:41) 

stellaria

クッションの件、お答えくださってありがとうございました。そうか、袋や鞄類はクロークに預けてしまって、「幕間にクッションを持ち歩くためだけの」薄手の布袋を持ってきたりはしないのですね(正装にも合わないでしょうね)。クッションを持ち込むこと自体が音楽祭の習慣で、それを皆が楽しんでいるのかもしれないというご指摘が面白かったです。チケットが取れたら、当日に向けて、着る服を選んで、持ち込むクッションを選んで、食事をどうするか決めて…それら一つ一つが、この音楽祭に参加する楽しみなのでしょうね。
めぎさんのお着物、夏らしい色合いで素敵ですね。黒いスーツ姿のドイツ人さん、足がスラーッと長くてかっこいい!さすが、めぎさんの王子様ですね。お二人の2ショットから、仲の良さが伝わってきます。
by stellaria (2012-08-25 00:50) 

マリエ

メギ酸お着物姿が見れたd(^0^)b グッ!ドイツ人さんもかっこいいですよ\(^▽^)/みなさんのドレスや黒のスーツも、これだけの正装の人たち見たことないです。外国の方の正装それだけでも楽しくなっちゃいますね♪
by マリエ (2012-08-25 07:39) 

mimimomo

皆様のお洋服を見て、暑いのでは?と思いましたがやはりね~
普通の和服ではちょっと厳しいですものね^^
by mimimomo (2012-08-25 09:37) 

Bonheur

めぎさんのお着物姿、とっても素敵~。ドイツ人さん、いつも手のアップを拝見していたせいか、もっともっと大柄なイメージがありました。
お二人の”自分撮り”、ほのぼのしてていいですね!
by Bonheur (2012-08-25 12:03)