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奥さんのその後 [文化の違い]

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ここは義父の奥さんの家。
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義父が入院中もそうだったが、亡くなった後もきれいに花が飾られていた。
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花の世話をするのが好きな奥さん。きれいに咲かせているわね。
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テーブルの上のこちらは、お悔やみに訪れた友人にもらったんですって。
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先日も書いたが、ドイツには喪中だからクリスマスを祝わないというような習慣は無く、この家も赤い蝋燭があちこちにあって、それがすでに使われていた。喪中の時に白黒一色になる日本の家の中とずいぶん雰囲気が違う。
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昔は、いや今もカトリックの厳格な家だったら、喪中には6週間黒い服を着て過ごしていた(いる)らしい。その場合でもクリスマスを祝うのかと問えば、今まで何人かのドイツ人(結構厳格なカトリックからプロテスタント、無宗教にいたる複数のドイツ人)に尋ねてみたところでは、もちろん祝うとの答えだった。

そうそう、昨日の付け足しだけど、ドイツには大人になってから主に教会税を払いたくないという理由でキリスト教を脱会する人は結構多い。少数ながら無宗教になった人や仏教などを信仰するようになった人もいるが、信仰心はあるが天引きで税金は払いたくないという人がかなり多いようだ。でも、そういう人でもクリスマスはたいてい祝う。キリストの誕生を祝うというよりは、家族の団欒の機会を大切にして。

奥さんも、このときまだ葬儀も終わっていなかったけど、クリスマス色のアマリリスをたくさん生けていた。彼女は義妹の家でクリスマスを過ごす予定。この家に義妹の家族が集まってクリスマスを祝うという案もあったが、奥さんはまだもてなしの料理をするほど元気じゃないし、猫や孫娘に囲まれてちょっと違う空気を吸うのもいいだろうとのことで。
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この家は借家で、借主は義父と奥さんの共同名義だった。義父の死後、大家さんに連絡して借主を奥さん一人に書き換えた。今まで二人で借りていた家を一人で借りるのだから金銭的に負担が増えるのだが、奥さんも定年までオペラ座で働き続けた人だから年金なども自分でもらってるし、それに遺族年金が加わり、老後のための蓄えも十分にあり、金銭的には全く困ることが無いのは本当にありがたいこと。奥さんは、もう少し心が落ち着いたら義父の部屋をダイニングに改装し、今食卓テーブルを窓際に置いているリビングを広々と使いたいそうだ。そのときには義父の本を持って行ってね、とのこと。前向きなプランがあるというのはよいことね。
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でも今は、まだまだそんな気分にはなれないとのこと。一人になった奥さんの心を慰めるのは、半野生のリスさんや・・・
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いろいろな鳥たち。クロウタちゃんはレーズンが大好きなんですって。
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かなり写り悪いけど、クロウタちゃんがレーズンを食べているところ。
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こちらはクロウタちゃんの奥さん。
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この他、小さなすずめやらインコやら。暗い上に鳥たちの動きが早くていい写真がなかなか撮れなかったけど、この鳥さんはちょっと珍しいからぶれぶれだけど載せちゃおう。ドイツ語でHäher(ヘーアー)、日本語ではカケスかな。
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奥さんは、リスや鳥たちに餌をやって、窓越しにそーっと眺めて過ごしているのだとか。餌やりは義父が生きていた頃から毎冬していたことだけど、今年は特に欠かせないんですって。
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そうね、めぎも一人になったらしばらくはずっとずっとバルコニーにやってくる鳥を眺めているんじゃないかな。


♪ 12月13日のアドヴェントカレンダー ♪

13日目は塗り絵になっているツリーの飾りだった。
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もとこさん。

めぎさん、「お疲れ様でした」なんて変な申し上げ方だけど、色々な意味でそう言って差し上げたい。この数か月、様々に心の動く日々を過ごされたのではないかしら。
寒々とした写真の日もありましたが、今日のブログは華やかな色彩と愛らし生き物がいっぱいですね。
窓辺の人物はお義父様の奥様かしら。ご本人も、記述するめぎさんも、読む私も、みんなそれぞれの人生をこうやって生きて行くんですね。与えられた運命か、自ら切り開いて行く人生かはわかりませんが、誰もがあの世に行くときは独りね。お気持ちに区切りがついたように書いていらしたけれど、心身ともにお元気で、暗い季節を乗り越えてください。

by もとこさん。 (2011-12-14 02:36) 

Baldhead1010

自然が豊かな分、生き物も人慣れしていますね。
by Baldhead1010 (2011-12-14 04:45) 

manamana

窓辺に現れるりすさんや鳥さん達が、心を慰めてくれますね。
クリスマスは仏教徒でも祝いますよね。
by manamana (2011-12-14 06:22) 

YAP

義父さんの奥様の心には、ぽっかりと穴が開いたような感じなんでしょうね。
それを癒してくれるのは、時間が一番なのでしょう。
こんな悲しいことの直後にやってくるクリスマスが今まで違うものだと思うので、その心境を思うと切ない思いです。
by YAP (2011-12-14 08:05) 

ナツパパ

静かでいながら地に着いた暮らしぶりは素晴らしいですね。
こうやって、淡々と、しかし充実した暮らしが出来たらどんなに良いでしょう。
これからの、わたしの目標になりそうですよ。
by ナツパパ (2011-12-14 08:05) 

luces

部屋がきれいに整えられていて、動物たちが遊びに来てくれる
素晴らしい家ですね。

by luces (2011-12-14 11:56) 

ちばおハム

私もこの方の出窓のお花の飾りがとても好きです。
いつもこうやってきれいにしているんですね。

by ちばおハム (2011-12-14 15:08) 

krause

整然としていて、花が飾られていて、ドイツらしい雰囲気の部屋は落ち着きますね。
by krause (2011-12-14 15:10) 

テリー

半野生のリスさんや、色々な鳥が来てくれるなんて、すばらしいですね。
by テリー (2011-12-14 16:18) 

Inatimy

私も鳥や植物をずっと眺めるかもしれない。
前の地では庭に鳥のエサをおいていて、何種類もの鳥が来るのを
猫と一緒にながめて楽しんでいたけれど、
今住んでるところはエサを与えるのは禁止・・・。 
ネズミや鳩がそれを食べに来ちゃうからみたいで。
リスが来る環境と大違いだなぁ。
by Inatimy (2011-12-14 18:19) 

マリエ

ほんとにキレイにくらしてらっしゃるのですね。一人でも寂しくない工夫をして前向きに元気でいてほしいですよね。めぎさんも一人になったらってまだまだ当分さきのことですよ(*^_^*)ドイツ人さんといっぱい楽しんで下さいネ。
by マリエ (2011-12-14 20:03) 

HIROMI

赤の蝋燭やお花がクリスマスの雰囲気を盛り上げてくれますね。
クリスマスを祝えるのはいいものです。
日本ではお寺さんと楽しい行事はあんまり結びついていませんから、ついつい大人しくなっていくんですね。
by HIROMI (2011-12-14 20:25) 

たいちさん

日本人のクリスチャンはそんなに多くはないのに、クリスマスのお祭りは国民的行事になっていますね。教会税というのが、ピンときませんね。
by たいちさん (2011-12-14 21:34) 

ネム

私ももし、今のマンションにひとりになったら、たぶん鳥や木をみて慰められるのかもしれません。
でも夫は…心配なので、ひとりにはできないなあ、と思ってしまう。
夫より先には逝ってはいけないのかもしれませんね。
by ネム (2011-12-15 08:32) 

あかえび

肩から力を抜いて「前向きに生きる」事を実現されておいでだな。
素晴らしい(^。^)
by あかえび (2011-12-15 17:31) 

ぽりぽり

教会税ってあるのですね? キリスト教圏は皆そうなのでしょうか? 野鳥の訪問は心が和むでしょうね。
by ぽりぽり (2011-12-15 23:17)