北ドイツ12:小さな町の風景 [シュレースヴィヒ・ホルシュタイン]
シュレースヴィヒ・ホルシュタインはドイツとデンマークとの国境の州だが、デンマークっぽい地名が多くなる。Kaköhl(カキュール)とか、Kükelühn(キュケリューン)とか、öとüの発音練習によさそう。それにlまで混ざると、あうあうあうあう。
こちらはハンズューン。sとüの組み合わせもなかなかどうして、日本人には発音がちょっと難しい。
ハンズューンにはちょっと綺麗な教会が。
この教会は、Findling(フィントリンク)という石でできている。北ドイツには普通、大きな石がない。だから煉瓦造りの建物が多い。しかし、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州には、Findlingと呼ばれる独特の石がある。それは、氷河期に砂や小石が運ばれてきたのが押しつぶされかたまってできた石で、氷河が溶けて初めて顔を出して見つかることからFindling(見つけられたちょっとしたもの)という名がつけられたそうだ。このFindlingは、今では「捨て子」という意味で使われることがほとんどだが、石の名前でもあるところがおもしろい。
ここまではKreis Ostholstein、つまり、ホルシュタイン州の東側の地域。
次にご紹介するのは、西側、北海近くのフーズムの近郊、ジュートゥシュターペル(Südstapel)という村の教会。
この教会は全く異なって見える三つの建物からなっている。下の方にFindlingの石が使われているところがおもしろい。
裏から見るとこんな感じ。
中はとっても質素だが、温かみがある。
花がたくさん飾られているのはなんと棺桶。最近、ここの牧師が亡くなったようで、ここに安置されていた。
この飾りがとても素朴で美しく、しばし静かに一つ一つ観察。
書かれたものをうちに帰ってから判読。
ALSO HEVDTGODT DE W
ERLDT GELEVET DAT HE
SINEN EINGEN SONE GAV VP DA
T ALLE DE AN EM
GELOVEN NICHT
VOR LAREN WER
DEN SUNDER DAT
EWIGE LEVE
NT HEBBEN+
[Denn] also hat Gott die Welt geliebt,
dass er seinen eingebornen Sohn gab,
auf dass alle, die an ihn glauben,
nicht verloren werden,
sondern das ewige Leben haben.
(Johannes 3,16)
注:訳をご覧になりたい方は、ヨハネによる福音書の3の16をどうぞ。
小さいが、パイプオルガンもあった。この教会は、天井の寄木細工がとても美しい。
二階席の木の椅子には一つ一つドアがついていた。
しっとりと静かな教会。お邪魔しました。
この教会は、森の中にひっそりと立っている。
そのまわりには牧草地が広がり・・・
小さな湖も。
♪ おまけ ♪
このジュートゥシュターペル(Südstapel)という町は、コウノトリが住む町としてちょっと有名だ。残念ながらコウノトリは見ることができなかったが、立派な巣を発見。
すごく歴史のある教会。
中も、外観も、そして周りの自然も。
コウノトリの巣も、すごく立派。
自然が豊かだから、コウノトリも安心して、住めるのですね。
巣立ちしたコウノトリは、どこに行ったのですか。
by laf (2007-07-30 03:22)
これは素晴らしい。眼福だ。
で、öとüにlまで混ざると、口の形はどんなことになっているのかね。
口というより、喉と舌アタリの状態。あうあうあうあう?
by もん (2007-07-30 03:34)
>lafさま
どこに行ったんでしょうねえ。住み処を変えてしまったのか、それとも今ちょっと外出中なのか、それもわかりませんでした。
by めぎ (2007-07-30 05:00)
>もんちゃま
口と舌あたりの状態、とても口で説明できません・・・いつかお会いしたら、ヘレン・ケラーみたいに口を触らせてさしあげましょう。もんちゃんも、フランス語の発音の伝授をよろしく。わたし、全然ダメなの、フランス語。
by めぎ (2007-07-30 05:02)
酪農に従事する人達が教会に集う光景を重い浮かべました、石造りの教会は 内装の古さも 趣が有ります。
by 八王子のおじ (2007-07-30 05:42)
確かにöとü、発音するのも、聞き取るのも・・難しいですねー^^;
毎日タメ息ついてますが・・・
そしてこの綺麗な教会、屋根がスッと伸びてシャープで素敵です!
石の由来は面白いですね~(^^)なるほど!
教会の中の素朴感がこの街にピッタリあってますね(^^)
コウノトリの巣、この街のシンボルのようにも見えました!
by ブルーメン (2007-07-30 05:44)
>調布のおじさま
そうですね、ここに集う方々は酪農や麦作りをしている方々が多いと思います。みなさんでここの牧師さんを悼んでいるのだろうと想像すると、敬虔な気持ちになりました。
by めぎ (2007-07-30 05:59)
こうのとりって凄い所に巣を作るんですね。^^
不安定そうに見えますが。
by matsui (2007-07-30 06:00)
>satoeさま
わたしはドイツ語を始めてかもう12年になりましたが、いまだにlとöやüとの組み合わせはうまく発音できません。どんなに慣れ親しんでも、どんなに努力しても、外国語は母国語にはならないことを感じます。
by めぎ (2007-07-30 06:01)
>matsuiさま
煙突の上にも巣を作るようですよ。熱くないのかなあ、と不思議なんですが。
by めぎ (2007-07-30 06:02)
選挙結果が届いていると思いますが、日本もこんな「美しい国」になってもらいたいですね。
by Baldhead1010 (2007-07-30 06:09)
風情と歴史のある教会ですね。
地元に人が自然と足を向けている、
そんな感じがします。
by manamana (2007-07-30 06:11)
確かに天井の寄木細工が綺麗ですね(^^)
都市にあるような大きな教会には、絢爛豪華な圧倒されるような美しさがありますが、小さな教会には温かみを感じます。
by くっさん。 (2007-07-30 08:01)
どちらの教会も素晴らしいですね!歴史の深さを感じます。
石造りの教会は確かにドイツであまり見たことないかも。
コウノトリの巣、面白い形ですね!
by MOCOMOCO (2007-07-30 09:20)
不思議の国に来たみたいな。
教会がかわいらしい。中の作りも、かなり凝ってますね。
コウノトリの巣、初めて見ました。
こんなに大きく、目立つのですね(*^o^*)感激。
by misaboo (2007-07-30 11:47)
映画の中にいるような美しい景色、教会の建物、風景で感動しています!
by (2007-07-30 12:11)
森の中の小さな教会。きれいですね。
心が洗われる思いがします。
by rino (2007-07-30 15:02)
めぎちゃん、
日本に暮らしていてはわからない、さまざまな歴史や習慣、自然、建造物、などがいつも見られてとても楽しいです。
PS:このブログに寄せられているみなさんからのコメントをあらためて読んでいたら、本当に素晴らしい読者ばかりだなー、なんて感心しちゃいました。
by もりけん (2007-07-30 16:53)
これは、本当に素敵な教会ですね。特に2つ目のものは、色もデザインもいいなぁ~。円錐形のとんがり屋根の中って吹き抜けになっているのでしょうか?それから音響も良いでしょうね!この世のものとは思えない、パイプオルガンの音色と賛美歌が聞こえそうです。。
by ぽりぽり (2007-07-30 16:56)
とても素敵な教会ですね^^
天井の寄木細工、パイプオルガン、小さなドアのついた座席、ステキです。
今回もクロアチアでコウノトリ見てきました(^-^)v
最近、海外に行くと必ず見てますよ。
by miffy (2007-07-30 17:51)
ドイツに行ったことのない私の勝手なイメージなのですが、教会って、こういう丸い、あるいは多角形の尖塔が上にあるというイメージです。
そんなに大きくなさそうですが、なかなか由緒ありそうな教会ですね。
by YAP (2007-07-30 18:15)
ハンズューンの石の教会、美しいですね。
素朴な教会も素敵。のどかな雰囲気が伝わってきました。
by noie (2007-07-30 19:07)
つい先日、日本でもコウノトリが43年ぶりに自然繁殖したってニュースが流れました。日本のは、電柱みたいなものの上に巣を作るスペースを、あらかじめセッティングしておいたようですが。本物の巣は立派だ~!
by ふくちょ〜 (2007-07-30 19:57)
キリストは木彫りなのでしょうか?珍しいですね。
とてもきれいな教会。素敵だわ。
by (2007-07-30 19:57)
全く異なって見える三つの建物からなっている教会、
外から見たら、それは絵本のようです〜♪
でも中は、小さな教会の厳かで敬虔な雰囲気が伝わってきます。
何度見ても、やっぱり絵本のようです〜♪(笑)
by berry (2007-07-30 20:01)
すごいですね~こうのとり。どっかでこの形作って ここまで運んで ぽこっとのっけたような……。教会の写真 静けさと温もりが伝わってきます。
by (2007-07-30 21:36)
おとぎ話の一幕のようですね
こういったところで一日ボーっとしてみたいです
by (2007-07-30 22:19)
ステキですねー!どれもこれも建物がとっても素敵!
コウノトリの巣って、動物園で見たけど、
自然のものってはじめてみました。木から落ちそう!
by しみ (2007-07-30 22:34)
こういうところで、一日ぼんやりと過ごしたいです。コウノトリの巣、はじめてみました。木のてっぺんにあるのですね。
by ada (2007-07-30 23:41)
素敵な教会ですね~♪
入口から建物。
建物内部までとてもメルヘンチック^-^
歴史の古そうな素敵な建物です。
by coco (2007-07-30 23:42)
萬中がこの前ドイツに行ったとき、
ムンスターとミュンスターの差は
絶対、発音不可だと思いました。
ついでにベルリンは「べりーん」ケルンは「ころん」と発音すると、
三回に一回くらいは通じました(笑
by 李 萬中 (2007-07-31 00:07)
森の中の教会まるでおとぎ話の世界に引き込まれた様な
錯覚をしました。
とても美しい建物ですね。
教会の中も素敵!
古い時代の人達がお祈りを捧げている光景が
思い浮かびました^^
コウノトリの巣とても立派ですね^^
自然環境が良いのでしょうね。
by (2007-07-31 00:58)
>Baldhead1010さま
ドイツにいても在外投票できましたよ。
by めぎ (2007-07-31 02:52)
>manamanaさま
ドイツではあまり過疎化の問題を(日本ほどは)聞きません。地元に留まる人も多いようです。
by めぎ (2007-07-31 02:54)
>くっさん。さま
旅行すると大聖堂や有名な大きな教会を訪ねがちですけど、たまにこういう小さくて地元密着型のもおもしろいでしょう。観光客に開放しているところではないので、ちょっと気を遣いました。
by めぎ (2007-07-31 06:31)
>MOCOMOCOさま
石造りのもあるんですけど、それは富の象徴ですね。煉瓦は石がないからこそ作られたのだと思うと、街並みを見るのもおもしろいです。
by めぎ (2007-07-31 06:33)
>misabooさま
この風景がここでは現実なんですよね。コウノトリがいる生活も、ここでは普通なんですよね・・・
by めぎ (2007-07-31 06:34)
>ウサコさま
こういうところで生活している人もいるんですよね~
by めぎ (2007-07-31 06:35)
>rinoさま
古き良き時代の雰囲気がまだ残っているという感じがしますよね。実際に礼拝ではどのような雰囲気なのか、ちょっと覗いてみたいものです。
by めぎ (2007-07-31 06:37)
>もりけんさま
日本では外国と言えばアメリカ、次にパリやロンドンが紹介されて、こういう小さな村の現実の生活は見えませんものね。
きてくださるみなさんは、いつもポジティヴにドイツを捉えていってくださってます。それがとても嬉しいです。
by めぎ (2007-07-31 06:39)
>ぽりぽりさま
とんがり屋根の方がどうなっているのか、残念ながら全然わかりません。私たちが入れたのは前の部分の方だけでしたから・・・ここでオルガンを聞いたら、どんな音色でしょうかね。聞いてみたいですよね。
by めぎ (2007-07-31 06:41)
>miffyさま
それじゃここからクロアチアまで遊びに行っちゃってたんでしょうかねえ・・・残念ながら一羽も見かけませんでした。
by めぎ (2007-07-31 06:41)
>YAPさま
教会も建てられた時期とその宗派によって全然雰囲気が違います。ここは由緒ありそうな、昔からの部分が残されているところがよかったです。
by めぎ (2007-07-31 06:43)
>noieさま
綺麗なところですが、風が相当強い地域で、きっと冬は相当木枯らしが吹くと思われます。のどかなのは夏だけかもしれません。
by めぎ (2007-07-31 06:44)
>ふくちょ~さま
ほぉ、あらかじめ巣をセッティング、それは手厚く保護してますね。うまく繁殖していけるといいですね。そうしたら、そのうちには立派な本物の巣を作ってくれるかも。
by めぎ (2007-07-31 06:45)
>くりのすけさま
木彫りのものが教会にあるのは時々見かけますが、いつも教会の中は暗くてよく見えないのです。ここは明るくて、綺麗に彫られたものが見えました。
by めぎ (2007-07-31 06:46)
>berryさま
絵本のようですが、ここで実際に生活している人がいて、その地元に密着した教会ってことで、現実なんですよね・・・でも、絵本のように別世界みたいですよね。
by めぎ (2007-07-31 06:47)
>mompeliさま
どうやってこの巣を作るんでしょうねえ。どうやってこの土台を作るのか、不思議ですよね。この他、煙突の上に作っているのも見かけました。
by めぎ (2007-07-31 06:49)
>香草様
教会は一般開放してましたから、椅子に座って一日ぼーっとしているのもOKだと思いますよ。
by めぎ (2007-07-31 06:50)
>しみさま
ほんと、木から落ちそうですよね・・・でも、映像などで見るコウノトリは、いつも高いところに座ってるけど、とっても安定して見えるんです。きっと、ここにどっしりと座っているんだろうと思います。
by めぎ (2007-07-31 06:51)
>adaさま
コウノトリと言えば赤ちゃんを連れてくることしか知られてませんよね。ここで一日過ごしたら、コウノトリが見られてかもしれないんですけどねえ・・・
by めぎ (2007-07-31 06:52)
>cocoさま
一番新しい部分が1876年に建てられたと書かれてます。一番古い部分は15世紀に由来するそうですよ。
by めぎ (2007-07-31 06:55)
>萬中様
>ベルリンは「べりーん」ケルンは「ころん」
すばらしい!そうですね、仮名化すると、そんな感じですね。
ケルンのケは「こ」と「け」の間のような発音なんですよね~
いつもカタカナにするのが難しいです。
サッカー選手の名前も、カタカナは難しいです。
by めぎ (2007-07-31 06:59)
>aru様
写真だけ見ると、古い時代のような気がしますよね~でも、ここは、現実に今でも使われてるんですよね・・・世界には、先進国にでも、こういうところがあるんですよね。
by めぎ (2007-07-31 07:00)
今更ですが、こちらにコメントさせていただきます(^^:)。
教会のアーチになっている所(祭壇への通路?)の装飾がとても綺麗で、写真をしみじみ見てしまいました。
天井の寄せ木細工といい、本当に美しいですね。
by あこ (2007-07-31 19:34)
寄木細工の技巧は、日本だけのものではないんですね。
この教会、北ドイツの小さな町で大切に使われているんですね。
by とよっち (2007-07-31 21:11)
>あこさま
コメントありがとうございます。いつでもお好きなところにどうぞ。
この、祭壇へつながるアーチの部分、確かにとても綺麗ですね。模様が細かくて、綺麗な色で、とても美しかったです。
by めぎ (2007-07-31 22:43)
>とよっちさま
生活に根付いた教会の様子は、大きな町の立派な大聖堂よりも心に残りました。
by めぎ (2007-07-31 22:45)
寄木細工、箱根で見た。ヨーロッパにもあるの?というか、ヨーロッパから日本に伝わったのかね?
by リス太郎 (2007-08-05 14:01)
>リス太郎様
どうなんでしょうかね?それぞれ別々に似たようなものを作り出したんじゃないでしょうかね。ハッキリとはわかりません。
by めぎ (2007-08-06 04:42)