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諸聖人の日(万聖節) [プチ教養]

11月1日はキリスト教のAllerheiligen(アラーハイリゲン=諸聖人の日)で、デュッセルドルフのあるノルトライン・ヴェストファーレン州以下南ドイツでは祝日でお休みであった。

南ドイツ側だけお休みなのは、南がカトリック圏だからである。ドイツでは、州ごとに祝日の日が異なる。プロテスタント圏の北ドイツ・東ドイツ側では、10月31日が祝日。宗教改革記念日である。なんでもルターがヴィッテンベルクの教会の扉にカトリックへの95か条の抗議文を掲げた日なのだとか。

デュッセルドルフはカトリックとプロテスタントの割合がちょうど半々の境界線上にある町で、電車で30分も南下すれば、カトリックの町ケルンになる。

教会の中には、聖人像やマリア像などのところに蝋燭を捧げるスペースがある。これはケルンの大聖堂の中の一角。


こういうスペースは、教会の中心となる祭壇ではなく、脇に小さく設けられた別の祭壇の近くにある。大きな主祭壇の前で祈りを捧げている人はあまり見かけないが、隅の小さな祭壇の前にじっと座って祈っている人はよく見かける。祈りまではせずとも、いくばくかの寄付をして、蝋燭を一本灯して、ちょっとマリア像の前で静かにたたずんで、そっと帰る人はかなり多い。

神社へ行ってお賽銭を入れてくるのと同じ感覚なのかもしれないが、そのマリア像の前でたたずむホンのちょっとの時間に考えていることはかなり違うようである。お願い事をしているようではない。自分と向き合っているようである。


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ネコタマメイ

宗教については本当に分かれてますよね。
バロック時代の作曲家がどのような作品を残しているかによって、北のほうか南のほうか、どちらに住んでいたのが分かりますし。バッハもミサ曲を作ったときはカトリック、コラール関係はプロテスタントと、興味深いです。
そうか・・・今も、祭日が違うのですねぇ。
by ネコタマメイ (2006-11-02 09:11) 

yoocomint

神社も本来はお願いに行くところではないのですが、日本ではそう思っている方々多いようですよ!!
by yoocomint (2006-11-02 15:52) 

めぎ

>ネコタマメイ様
クラシック音楽をやってると、カトリックとプロテスタントとの違いは常に感じることでしょうね。祭日も、その宗教にとって大切な節目の日ですから当然違うのです。とは言え、一つの国で地域によって別々の祭日があるのって、やっぱりびっくりですよね。
by めぎ (2006-11-02 17:39) 

めぎ

>yoocomintさま
神社は本来豊穣を祈る&感謝するためにその地方の神を祀ったものを基礎としていますが、長い歴史の中で色々な要素が付け加わってきたようですね。でも、そんなややこしいことはさておき、家内安全や必勝祈願をするのが神社、というイメージが強いですね。
by めぎ (2006-11-02 17:47) 

めぎ

>hirokkyさま
ナイスマークありがとうございました。
by めぎ (2006-11-02 17:55) 

1951usagi

poriporiさんのブログから、めぎさんのブログに飛んできました。
始めまして、51年生まれのうさぎです。
デュッセルドルフとケルンという地名で、知り合いの者が丁度訪れている都市だと思いコメントしました。そちらではガラスの見本市が開かれているそうなので、視察旅行にいっているのですよ。
私も昔、新婚旅行で、少しだけドイツに滞在したことがあります。
また行ってみたい国です。
プロテスタントとカトリック2つあるんですね!でも祭壇の前で思うことは1つ
なのでしょうね。
by 1951usagi (2006-11-02 20:45) 

ada

ドイツは宗教改革の国なので、プロテスタントが多いのかと思っていました。グーテンベルグが印刷機を発明したのが、ちょうどドイツの真ん中あたりで、そこの印刷機が聖書を大量に印刷して宗教改革に結びついたのでしたね。なぜ、南は影響されなかったのか、不思議ですね。ローマに近かったこともあるのでしょうけど。
by ada (2006-11-02 23:28) 

めぎ

>adaさま
南の方はハプスブルクの影響が強かったのではないかと思います。バイエルン方言はオーストリア訛のドイツ語に近いですし、実際ミュンヘンとザルツブルクは電車で1時間程度の距離ですし。
by めぎ (2006-11-03 03:26) 

めぎ

>1951usagiさま
こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
新婚旅行ではどちらにいらしたのでしょうか。また行ってみたい国と言っていただけて、嬉しいです。
by めぎ (2006-11-03 04:40) 

リス太郎

南はカトリックで北がプロテスタント?知りませんでした。私も昔はよく教会に通ったんですが、みなさん間違いなく自分と向き合ってますね。
by リス太郎 (2006-11-04 04:14) 

めぎ

>リス太郎様
ルターはザクセン出身、聖書を翻訳したのもヴァルトブルクで、まず東ドイツから北ドイツで広まったのです。ヨーロッパ全体を見ても、プロテスタントはまずデンマークやスウェーデンなど北欧で国教になり、その後、スイスで起こったカルヴァン派がイギリスやオランダなどへ広まりますよね。やっぱりカトリックの総本山に近いところでは、広まりようが無かったのでしょう。
by めぎ (2006-11-04 04:36) 

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