森の幼稚園 その5 ~お遊びと帰り支度~ [北ドイツの森の幼稚園]
現在、北ドイツの森の幼稚園の話を連載中。
森を写すのって、かなり難しい。ホワイトバランスが難しいのだ。これはオート。かなり青っぽいが、落ち葉の色や子どもたちの服の色などはこちらの方が目に見える色に近かった。
これは晴天。葉っぱの色はこちらの方が目に見える色に近い。落ち葉の雰囲気も、こちらの方が素敵に見えるかも・・・でも、ちょっと緑すぎる気もする。
プロのカメラマンは色の調整をもっとするんだろうな。めぎはその時々にオートにしたり晴天にしたりを繰り返して撮影した。
さて、子どもたちは、あの古い倒木に集まってひとしきり遊ぶと、それぞれ自分の興味に移っていった。
いつの間にか向こうに3人集まっている。
女の子は細い枝2本をストックのようにつき、子どもたちにおばあさんみたいと言われていた。その横で緑の男の子が「お父さんとお母さんと子どもごっこをしようよ!ぼく、お父さんをやる!」と提案し、その瞬間にいきなりズボンを下げて、タチション♪ いや~俺さまのブツを見ろ!と言うが如くだわね~あははは。実はその瞬間をたまたまビデオに撮っていたのだが、焦ったわ~だって、まさかそんな事態になるとは思っていなかったから・・・しかし、あとの2人は全くそのことを気にしてもなく、その瞬間動じることさえなく、その後もその場を避ける訳でもなくそのままこうして遊んでいたのだった。お父さんとお母さんと子どもごっこをしているようではなかったが。
あとで彼らのいたところを見てみた・・・この古い切り株を何に見立てていたのかな。
向こうでも何かしている。
若木はこれからどう生長するのかな。
まっすぐ伸びる幹もあれば、くねくねとしたのも。人生、色々よね。
そんなことを思っていたら、女の子が一人先生を呼びに行く途中でめぎを見つけ、ちょっと来て、と言ってきた・・・木登りしたイチゴちゃんが降りられなくなっちゃったんだって!それでめぎはまたもやあの古い倒木のところへ戻り、40センチくらいの高さのところでしがみついているイチゴちゃんを抱っこして下ろしたのだった。可愛かったな~
その後、結局めぎはこの倒木担当になり、ここで遊び続ける数人の面倒をみた。
イチゴちゃんはすぐ近くで枝持ち上げ大会♪
この女の子は非常にアクロバチック。体操の選手みたい。身体も柔らかく、平衡感覚もあって、色々黙々と自分で試していた。
子どもたちは自分の興味の向くまま、自分にできることを色々と試しているように見えた。その日によってはずっと何かのプログラムでみんなで共同作業をしたり(木の枝でおうち作りをするとか、木の実で飾りを作るとか)、何かを観察したり探したり、さらには普通の幼稚園みたいに歌を歌ったり本を読み聞かせしたりもするそうだが、この日はお弁当を食べ終わった10時40分くらいから11時20分頃帰り支度を始めるまで、つまり森にいる間ずっと自由時間だった。プログラムを見せるよりも、めぎたちに森を体験させたい、子どもたちの創意工夫溢れた自由な遊びの風景を見せたい、という配慮もあったようだ。と言っても放任ではなく、あちらこちらで先生が手分けして子どもたちの間を飛び回るように面倒を見ていたのだが。何かを作るのを手伝ったり、工具の使い方を教えたり、ケンカを仲裁したり。
そして、帰る時間がやってきた。鐘のような鈴のようなものをちりんちりんと鳴らして、みんなを集める。お弁当を食べたあとみんなパッキングを終えているので、基本的には工具などを集めて片付けるだけ。でも、それと同時に、子どもたちが集めたものやら作ったものやらを見せに来るので、その対応が忙しい。また、遊んで暑くなったのか、雨具のズボンも脱いでパッキングする子どもが結構いた。雨具の下に穿いていたのは普通のズボンじゃなくてタイツかレギンスなんじゃないの?と思う恰好だったが、子どもたちは無邪気だ。
そして11時35分頃出発。
ピンクのタイツ姿になったイチゴちゃんも切り株からジャンプ♪
がやがやがやがや、と降りていく。
この子が、この門を撮って、と言うので・・・
はい、撮りました♪
そうね、確かに森の門みたい。ここをくぐると異界からまたもとの世界へ。
振り返っちゃいけないよ・・・でも、振り返っちゃうめぎ。
森、さようなら、楽しい時間をありがとう。
あ、でも、まだ終わりではない。あともう1回つづく。
2013-06-16 02:00
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コメント(11)
森の中で遊んでいると帰ることを忘れてしまいますね^^
by Baldhead1010 (2013-06-16 05:34)
楽しかった!!また明日!
って声かけたくなりますね。
by ちばおハム (2013-06-16 05:46)
日本だと遠足の日のような光景がこの幼稚園では日常なんですね。
毎日思い切り体を動かして、元気な子供になりそうです。
by YAP (2013-06-16 06:45)
木は本当に想像力かき立てられますよね。
森の学校、最高だと思います(^^)♪
by のの (2013-06-16 08:20)
子供達の顔の表情が見れないのが残念です。生き生きしているのでしょうねぇ。このぐらいの年齢のお子さんにとっては、大変貴重な経験ですよね。この時期にやらないと意味ないかもしれません。
by ぽりぽり (2013-06-16 10:09)
こうやって、対象物に自ら働きかけて遊ぶのが大事なんですよね。
夢中になって遊んでいる内に、体力も知力もついてきます。
こういう遊びをしてこない子は、指示待ちになって、遊べない子になる傾向があると思っているのですが。
by HIROMI (2013-06-16 15:36)
苔むす切り株や若木やめぎちゃんの観点に、幸田文の「木」を思い出す数日間でした。
そーだそーだ、苔はつるっと滑ったら見事に頭を打つとか、枯れ木は前触れもなく突然折れるとか、自分でやってみて瘤作んなきゃ覚えないよね。楽しくないよね。画面越しにこちらも森林浴した気分です。それにしても立派な門構えね。この環境が叶うのも、どんな天候でも相当早い時間の送迎を続ける家族、それが許されるドイツの労働環境あってこそね。それとも、ドイツも園や学校に届けておけば、特定のベビーシッターや子守りバイトの送迎はOKなのかな。
by もんとれ (2013-06-16 17:23)
森って面白いな。 木々が密集して太陽の光が当たるのは限られてるのに、
日陰でもぐんぐん育つものもあり。
そんな中で遊んで大きくなる子供たちも逞しいなぁ。
枝も倒木も遊び相手になってくれるしね。
木々の葉っぱに囲まれ小さく見える青空も何て高いんだろう。
冬の森の幼稚園の様子も見てみたいな~♪
by Inatimy (2013-06-16 18:06)
ニコンは、ホワイトバランスをオートにすると、日陰の部分に青の偽色が出ることがあります。私がもっているD300では、顕著でした。精確な色を出すには、ホワイトバランスを晴れで、撮影しなさいと言われていました。ちなみに、Canonは、オートで、綺麗に、そういう偽色は出ません。撮影の時、RAW (+JPG) で、記録しておくと、現像時に、ホワイトバランスを変更、あるいは、微調整可能で、細かな色の調整がでいます。
by テリー (2013-06-16 23:15)
この森の幼稚園の記事をまとめて、本ができるといいな…多くの方に読んでもらって、感じて、考えてほしいな、と思いました。保育や教育のあり方を考える上でも、すごく面白い記事だし、森の幼稚園について知りたい人にとっては貴重な資料になりそうです。写真も綺麗で、美しい緑の木々や、森の中で遊び回る子どもたちの様子を見ているだけでも嬉しくなります。
by stellaria (2013-06-17 00:36)
良いねぇ~好いねぇ~ わたくしもご一緒したかったわ^^
ココで学ぶ子達は、日本の子達より人間らしい豊かさが身につけられる気がするわ。
by mimimomo (2013-06-17 08:29)