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マイスタージンガーの日のこと [2021年夏 バイロイト・ザルツブルク音楽祭]

現在、2021年の音楽祭の話を連載中。今日は昨日に引き続き、バイロイト音楽祭の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の日のこと。
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ちょうど二幕目が終わって外に出たときに雨が降ってきた。とりあえず外のトイレへ駆け込み、ちょっとDVDの売店を覗いていたら、にわか雨が上がり、めぎたちはベンチへ。ベンチも木の下で濡れていなくて無事に座れた。
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また雨になったらと思うのか公園に来る人もあまりなく、静かに演出についてあれこれ議論することができた。
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二幕目の舞台はワーグナーの邸宅の外のようでもありニュルンベルク裁判の場所のようでもあるのだが、ヴィラの調度品がガラクタになって積みあがっていて、芸術の退廃なのかワーグナー総合芸術へのアンチテーゼなのかワーグナーも裁判にかけられるべきということなのか、なんらかの意図があるのだろう(その場面、昨日の映像を見ると2017年初演当時は芝生になっていて、ヴィラの調度品はなかったので、意図して何かを表現するために変えたと思われる)。ただ、そこの光の当たり具合がどうもイマイチで、外の庭なのか部屋の中なのかがよく分からなかった。それもまた意図なのかもしれないが。ここに出てくるベックメッサーがあまりにも滑稽で、めぎは可哀想に感じてしまった。ワーグナーさん、演出家さん、いくらなんでもそこまで滑稽化して辱めることないんじゃない?と。
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でも、それこそが舞台で表現したかったことなのだろうな。反ユダヤと絡め、外国人への恐怖とか排斥とか。この滑稽化に必要以上に心が痛むのは、めぎが外国人として外国に生きているからかもしれない。めぎもここでは「滑稽な外国人」の一人なのだもの。日本人が世界で排斥されずに済んでいるのは、歴史的に考えれば紙一重の幸運なのだ。舞台シーンの写真はこちらにある。写真ではどれも素敵に見えるけどね。

さて、今回のめぎたちのバイロイト最後の幕へ戻りましょ。美しい公園、さようなら。
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二幕目のあとの休憩の終わりのファンファーレ。



三幕目の舞台はまさにニュルンベルク裁判の場所で、それは解釈としてはよく分かるし良いけれど、どうして一幕目のバイロイトのワーグナーのヴィラからそこへ飛ばなければならなかったのか、その意図がめぎには測りかねた。そのこと、こちらの批評で、演出家のアイディアが尽きたのだろうと書かれている!でも、ホントそうかも…最後のハンス・ザックスのドイツ芸術賛歌も、やっぱり胡散臭すぎる。
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でも、ここに来て、この目で見て、この耳で聞いて、よかったわ。この日の席は、また天井桟敷だけど一番前で、80ユーロ。下の平土間は格子状にディスタンスを取っているだけだが、桟敷席は一列おきになっていて、コロナ的にもより安心で舞台に集中できた。
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先日も書いたように、舞台上でもコロナ対策で、この合唱の人たちは実際には舞台には出てきてなく、別室で歌ってスピーカーで流された。結構うまく機能していたが、色々と苦労もあったことだろうな。お疲れ様…
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この日はこのカーテンコール、スマホでそれなりにうまく撮れたわ…
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めぎたちはカーテンコールを最後までは見ずにここまででお暇した。そしてまだ混んでいない駐車場からサクッと車を出してホテルに戻り、前日と同じレストランへ。真っ暗だけど、まずはこの地方の地ビールで乾杯し…
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レバー団子スープを一つだけ頼んで半分こし…
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うちのドイツ人は何か肉料理とあの美味しいジャガイモ団子を食べていたけど、めぎはあっさりと牛のカルパッチョにした。
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以上でバイロイト音楽祭の話はお仕舞。次はザルツブルクへ。
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