千歳から成田へ [2015年秋 日本の旅]
今日からぼちぼち日本の話を書こうと思う・・・と言っても、今回は観光に行った訳じゃないので、数回でお仕舞いになると思うけど。
日本の旅の話を始めると書いておきながらなんだけど、まずは帰りの話から。ドイツに戻る日の朝は5時40分にタクシーを呼び、6時15分に札幌駅からJRに乗り、千歳空港へ。当初は父が空港まで車で送ってくれるつもりでいたのだが、その前日から冷え込んでちょうど前の日の同じ時間帯に札幌=千歳間で凍結による交通事故があり、まだ夏タイヤのままだったしそんなことになったら大変だからと急遽予定変更、両親と3人でJRで向かったのだった。車で送迎できるかもという父の健康は本当に有り難いことだ。一方で、父も母も23キロのスーツケースの取り扱いには限界があって、かつては最も体力のなかっためぎが今や最も力持ちという状況でもあった。ついでに言えば、めぎはこのとき両親の助けを借りつつ23キロのスーツケース3つ+機内持ち込みの小さなトランクを運んだのだが、駅で電車に乗り込むときなど、そういうのを見かけたらドイツだったらすぐに見ず知らずの通りがかりの誰かが手をさしのべてくれるのだけど、日本では誰もが知らんぷり。仕事としてだったら至れり尽くせりの過剰サービスだけど、ボランティアで他人に手をさしのべる余裕はない国なんだな、と改めて思い知った。慌ただしく空港で別れを告げ、成田空港行きの飛行機は7時50分発。これは飛行機の座席から見えた風景。
今回の旅ではこの航空会社を使用。いつもは日本の航空会社のもう一つの方を使っていたのだけど(そちらの方が多少お安いからなのだが)、そちらはフランクフルトまで移動しないと日本への直行がないのに対し、こちらはデュッセルドルフから直行便を飛ばしていて、今回はめぎ一人だし、旅の直前まで激務だったし、日本国内でたくさん飛びまくる予定の旅だったので、ドイツ=日本間は乗り換えなしで身体の負担軽減を図ったのだった。
飛行機が滑走路へ移動し始めると、こういう職員さんたちが深々と一礼し、さらにこうやって手を振る。日本ってなんて礼儀正しいというか、こういうところにまでサービスを行き届かせていることに、正直なところちょっと内心苦笑しながら非常に関心した。ここに限らず例えば空港リムジンバスなどの乗り場でも係員の人たちがバスの出発時に一瞬仕事の手を休めて整列して一礼して手を振るというのを繰り返し繰り返しやっていて、そういう文化をすっかり忘れていためぎは日本到着時ものすごくびっくりしたものだった。今旅を終え、ああこういうのもそろそろまた見納めだなあ・・・と思いながら手を振る人たちを撮影した。
両親はもう札幌への帰途についたかな。それともあの建物のどこかから見ているのかな。
飛行機は結構長々と移動し続けた。
こういうのを撮影できるようになったのは、やっぱり楽しいわね。あ、タイの飛行機。千歳から直接タイに行けるのね。
そして離陸。紅葉が綺麗だったなあ・・・
飛行機はすぐに苫小牧の上空を通過。そう言えば去年の夏に船であそこに入港、北海道に上陸したんだったなあ。あの話、書かないうちに次の日本旅をしちゃったわ。
そして、あっという間に北海道が見えなくなっていった・・・さようなら。
そして見えてきたのが下北半島の東部分。
尻屋崎っていうところなのね。
小川原湖も綺麗に見えた。
それから機内では飲み物サービス。めぎはスープをいただいて、母が持たせてくれたおにぎりを食べることにした。おお~懐かしいテーブルクロス。めぎのだったのか妹のだったのかもう記憶は定かではないが、小学校から高校までこういうのを弁当包みに使っていたような気がする。
中には結構大きなおにぎりが4つ。それぞれ中身が違う。
早めに食べるようにといわれた筋子のをいただいた。
母におにぎりを作ってもらったのはいつ以来だろう。30年ぶりくらいかな・・・手料理は帰省すればいつもいただいてきたけれど、そう言えばおにぎりって、学校時代以来のことだろうか。あまりにも美味しくて、残り3つはドイツまで持ち帰った。うちのドイツ人と分け合って食べたのだが、包みを開けた瞬間からうちのドイツ人は「日本の匂いだ~」と深く息を吸い込み、おにぎりを一口食べるなり、「手作りの味だね~」と感動していた。記憶の彼方だった母のおにぎりの味をうちのドイツ人と共有できたことが嬉しかった。
さてさて・・・飛行機はめぎが筋子のおにぎりを味わっている間に岩手山の横を通過し・・・
こんなところの上空を通過し・・・
旋回して房総半島へ。このずっと向こうに津波の被害のあったところがあるんだな・・・
房総は穫り入れ直後のようだった。
この辺りの集落は木々の近くに密集する形なのね。この木々の部分は林と呼ぶのか森と呼ぶのか山と呼ぶのか、もしかしたらあの木々の中に神社があったりするのかも知れないな。
刈り入れの機械の痕がまだ生々しい。新米の美味しい時期なのね。
今回の日本旅、めぎは家族以外どなたにも連絡をしなかった。前半は仕事と休暇に徹し、後半は両親訪問に徹し、ブログのみなさまを始め大学時代の友人や恩師などにも全く連絡をせず、仕事関係者と両親以外誰にも会わずに過ごしたのだった。多くの方々に失礼をしてしまったが、おかげさまで解放感を味わうことができ、精神的にゆっくりできた。日本ではいつも会いたい人がいっぱいいて、したいこともいっぱいあって、どうしても時間刻みで忙しくなってしまうのだが、今回は全く別の滞在の仕方を試みてみたのである。都合が合わず妹に会えなかったのが残念だったが、その分両親と差しで過ごせたのも悪くなかった。そんな中、めぎが日本にいることをブログで知ったKrauseさんが、本当にご親切にも成田で時間があったら新米をお渡ししますよ、とご連絡くださったのだが、帰りの成田での乗り換え時間は1時間で、一度到着ロビーに出る余裕は残念ながらなかった。ただ、そんな失礼なめぎにも、本当に温かくお声をかけてくださったKrauseさんご夫婦のお心遣いが胸に浸みた。きっとブログを読んで「連絡なかったな」と思っていらっしゃる方もいらしたのだろうと思うのだが、みなさまそっとしておいてくださって、その思いやりに感謝した。
成田に到着。さて、乗り換えだわ。
つづく
撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)
日本の旅の話を始めると書いておきながらなんだけど、まずは帰りの話から。ドイツに戻る日の朝は5時40分にタクシーを呼び、6時15分に札幌駅からJRに乗り、千歳空港へ。当初は父が空港まで車で送ってくれるつもりでいたのだが、その前日から冷え込んでちょうど前の日の同じ時間帯に札幌=千歳間で凍結による交通事故があり、まだ夏タイヤのままだったしそんなことになったら大変だからと急遽予定変更、両親と3人でJRで向かったのだった。車で送迎できるかもという父の健康は本当に有り難いことだ。一方で、父も母も23キロのスーツケースの取り扱いには限界があって、かつては最も体力のなかっためぎが今や最も力持ちという状況でもあった。ついでに言えば、めぎはこのとき両親の助けを借りつつ23キロのスーツケース3つ+機内持ち込みの小さなトランクを運んだのだが、駅で電車に乗り込むときなど、そういうのを見かけたらドイツだったらすぐに見ず知らずの通りがかりの誰かが手をさしのべてくれるのだけど、日本では誰もが知らんぷり。仕事としてだったら至れり尽くせりの過剰サービスだけど、ボランティアで他人に手をさしのべる余裕はない国なんだな、と改めて思い知った。慌ただしく空港で別れを告げ、成田空港行きの飛行機は7時50分発。これは飛行機の座席から見えた風景。
今回の旅ではこの航空会社を使用。いつもは日本の航空会社のもう一つの方を使っていたのだけど(そちらの方が多少お安いからなのだが)、そちらはフランクフルトまで移動しないと日本への直行がないのに対し、こちらはデュッセルドルフから直行便を飛ばしていて、今回はめぎ一人だし、旅の直前まで激務だったし、日本国内でたくさん飛びまくる予定の旅だったので、ドイツ=日本間は乗り換えなしで身体の負担軽減を図ったのだった。
飛行機が滑走路へ移動し始めると、こういう職員さんたちが深々と一礼し、さらにこうやって手を振る。日本ってなんて礼儀正しいというか、こういうところにまでサービスを行き届かせていることに、正直なところちょっと内心苦笑しながら非常に関心した。ここに限らず例えば空港リムジンバスなどの乗り場でも係員の人たちがバスの出発時に一瞬仕事の手を休めて整列して一礼して手を振るというのを繰り返し繰り返しやっていて、そういう文化をすっかり忘れていためぎは日本到着時ものすごくびっくりしたものだった。今旅を終え、ああこういうのもそろそろまた見納めだなあ・・・と思いながら手を振る人たちを撮影した。
両親はもう札幌への帰途についたかな。それともあの建物のどこかから見ているのかな。
飛行機は結構長々と移動し続けた。
こういうのを撮影できるようになったのは、やっぱり楽しいわね。あ、タイの飛行機。千歳から直接タイに行けるのね。
そして離陸。紅葉が綺麗だったなあ・・・
飛行機はすぐに苫小牧の上空を通過。そう言えば去年の夏に船であそこに入港、北海道に上陸したんだったなあ。あの話、書かないうちに次の日本旅をしちゃったわ。
そして、あっという間に北海道が見えなくなっていった・・・さようなら。
そして見えてきたのが下北半島の東部分。
尻屋崎っていうところなのね。
小川原湖も綺麗に見えた。
それから機内では飲み物サービス。めぎはスープをいただいて、母が持たせてくれたおにぎりを食べることにした。おお~懐かしいテーブルクロス。めぎのだったのか妹のだったのかもう記憶は定かではないが、小学校から高校までこういうのを弁当包みに使っていたような気がする。
中には結構大きなおにぎりが4つ。それぞれ中身が違う。
早めに食べるようにといわれた筋子のをいただいた。
母におにぎりを作ってもらったのはいつ以来だろう。30年ぶりくらいかな・・・手料理は帰省すればいつもいただいてきたけれど、そう言えばおにぎりって、学校時代以来のことだろうか。あまりにも美味しくて、残り3つはドイツまで持ち帰った。うちのドイツ人と分け合って食べたのだが、包みを開けた瞬間からうちのドイツ人は「日本の匂いだ~」と深く息を吸い込み、おにぎりを一口食べるなり、「手作りの味だね~」と感動していた。記憶の彼方だった母のおにぎりの味をうちのドイツ人と共有できたことが嬉しかった。
さてさて・・・飛行機はめぎが筋子のおにぎりを味わっている間に岩手山の横を通過し・・・
こんなところの上空を通過し・・・
旋回して房総半島へ。このずっと向こうに津波の被害のあったところがあるんだな・・・
房総は穫り入れ直後のようだった。
この辺りの集落は木々の近くに密集する形なのね。この木々の部分は林と呼ぶのか森と呼ぶのか山と呼ぶのか、もしかしたらあの木々の中に神社があったりするのかも知れないな。
刈り入れの機械の痕がまだ生々しい。新米の美味しい時期なのね。
今回の日本旅、めぎは家族以外どなたにも連絡をしなかった。前半は仕事と休暇に徹し、後半は両親訪問に徹し、ブログのみなさまを始め大学時代の友人や恩師などにも全く連絡をせず、仕事関係者と両親以外誰にも会わずに過ごしたのだった。多くの方々に失礼をしてしまったが、おかげさまで解放感を味わうことができ、精神的にゆっくりできた。日本ではいつも会いたい人がいっぱいいて、したいこともいっぱいあって、どうしても時間刻みで忙しくなってしまうのだが、今回は全く別の滞在の仕方を試みてみたのである。都合が合わず妹に会えなかったのが残念だったが、その分両親と差しで過ごせたのも悪くなかった。そんな中、めぎが日本にいることをブログで知ったKrauseさんが、本当にご親切にも成田で時間があったら新米をお渡ししますよ、とご連絡くださったのだが、帰りの成田での乗り換え時間は1時間で、一度到着ロビーに出る余裕は残念ながらなかった。ただ、そんな失礼なめぎにも、本当に温かくお声をかけてくださったKrauseさんご夫婦のお心遣いが胸に浸みた。きっとブログを読んで「連絡なかったな」と思っていらっしゃる方もいらしたのだろうと思うのだが、みなさまそっとしておいてくださって、その思いやりに感謝した。
成田に到着。さて、乗り換えだわ。
つづく
撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)
2015-10-18 02:00
nice!(42)
コメント(9)
にっぽんって、礼儀正しい国ですが、結構冷たい国でもあります。
集落の近くに見える緑の木々・・・里山林っていうから林でしょうか。
by Baldhead1010 (2015-10-18 04:39)
空の上から見ると、日本はまだまだ自然が豊かですね。
おにぎりおいしそう!!
by ナツパパ (2015-10-18 10:12)
お母様のおにぎりの話に、ちょっとぐっときました。
同じ日本の中にいるわけではないので、やっぱり私が帰省するのなんかと比べることはできないほど、特別な思いがあることと思います。
あと、めぎさんのなんとも義理堅いお気持ち。
すばらしいと思う反面、もう少し肩の力を抜いてもいいのかな、とも思いました。
by YAP (2015-10-18 16:05)
空港まで送ってくれたり、おにぎりをもたせてくれたり、
ご両親の温かな思いがいっぱいですね。
見送ったあと、寂しいだろうなぁ・・・送り出す方も、発つ方も。
by Inatimy (2015-10-18 17:43)
23kg のスーツケース3個+手荷物のハンドリングは、大変だったでしょうね。
あらかじめ、わかっていれば、千歳空港内に、ポーターサービスをしてくれる会社に頼むのでしょうけど、
突然、タクシーで行って、ハンドリングを自分でやるということになると、ポーターを頼むということは、思い至らないのでしょうね。そして、早朝の空港では、飛行機を利用する人がほとんどで、人のお手伝いができる人は、ほとんどいないでしょうね。それは、成田空港でも、同じですが、--。
by テリー (2015-10-18 17:53)
デュッセルドルフから直行便の旅は、日本ードイツ間が近く感じたのではないでしょうか?お母様の愛情を感じますねぇ〜。23kg×3は凄いです!
by ぽりぽり (2015-10-18 18:27)
スーツケース3つ+手荷物って凄い荷物ですね。
お仕事の資料関係がたくさんあったのかしら・・・
お母様の手作りおにぎり、優しさがいっぱい詰まっているのでしょうね。
by miffy (2015-10-18 23:32)
母のおにぎりの味を、共有できる幸せ。
感動しました、味の記憶、いいですね、忘れられない温かな気持ち
日本、形式的に礼儀正しいのかな、マニュアルに基づいて
手を差し伸べる事を、素直にできないこと、恥ずかしさにハニカミが在るのかもしれません、でもやはり、気づいたら助け合う
その心は、忘れたくないですね
by engrid (2015-10-19 18:36)
いえいえお気遣いなく、来年持参します^^。次回の訪独は、この路線を使おうと思います。
by krause (2015-10-19 19:31)