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聖ペーター教会 [ザルツブルク]

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現在、夏のザルツブルクの話を連載中。

昼ビールにランチにデザートまで味わって、さてさて少しは観光しましょ、と重い腰を上げたのは、それでも1時頃。この日から4日間はまだ研修が無く、3日間は日中にコンサートの予定もなかったので、ザルツブルクカードというのを買って観光しようと楽しみにしていた。24時間のと48時間のと72時間のがあって、その期間内はバス乗り放題、ザルツブルクのほぼ全ての見所への入場料が含まれるというカードで、めぎは72時間のを購入(シーズンで値段が違うし、毎年値上がりもしているようだが、2015年夏期は42ユーロだった)。24時間のは27ユーロだから、3日間のはずいぶんお得だ。それに、ザルツブルクは正規料金が結構高いので、例えばレジデンツ&大聖堂博物館は12ユーロ、モーツァルトの生家は10ユーロ、城塞は11.3ユーロ、ザルツァハ川のクルーズは15ユーロ・・・と、主な見所だけで軽く元が取れるのだ。めぎは3日間で76.3ユーロ分の見所をまわったが、3日目が曇りでなければ100ユーロ分くらい使っただろうと思う。ずいぶんゆっくり観光したのだが、非常にお得だった。それに、チケット売り場にイチイチ並ばずにすむのがとてもよかった。

さて、どこに行きましょ・・・
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本当はまず城塞に登って上からザルツブルクを見たいなと楽しみにしていたけれど、昼を過ぎてちょっと曇ってきていたので断念し、近くのパノラマミュージアムという非常にマイナーなところへふらっと入った。そこはザルツブルクの人が非常に強く薦めるところなのだが、確かにとても面白かった。ちょっと昔のザルツブルクがパノラマの絵で見られるというだけのことなのだが、騙されたと思って行ってみると、意外に面白い。カードが無くても3ユーロなので、どこも観光するところがなくなった人やちょっと時間が余った人にめぎもお勧めする。

そのあと、ここへ向かうことにした。
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ザンクト・ペーター教会。ザンクトというのは聖という意味。ちなみに教会に入るのは無料。ザルツブルクカードを買ったばかりで勿体ないけど、でもまあいいや。

中は豪華~~!
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後ろも豪華~~~!
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天井も豪華~~~~!
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祭壇がとても綺麗だった。
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側廊から覗き込んで撮影。
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高い塔も覗き込んで撮影。
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教会でカトリックかプロテスタントかを見分ける方法はいくつかあるが、決定的なのはこの懺悔の場所。戸棚のようなタンスのような箱が懺悔する場所なのだが、それがあれば、その教会はカトリック。ザルツブルクは大司教が治めた町で、がちがちのカトリック。その中でもこの聖ペーター教会は最も古いところ。
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懺悔というのは簡単に言えば自分の犯した過ちを教会の司教に打ち明けることで罪が許される仕組みなのだが、それは司教が神の代わりを務めることが許されているからだ。カトリックはヒエラルキーの組織で、神の代わりを務めるのが法皇で、その下に枢機卿、その下に大司教、さらにその下に司教がいて、その人たちは皆、自分の任された大聖堂や教会や礼拝堂で神の代わりを務める。言い換えると、司教の言葉は神の言葉ということとなる。だから、懺悔も神にではなく司教に行い、司教が許すと言えば神に許されたのと同義。一方プロテスタントは、簡単に言えば誰もが神の元に平等で、つまり牧師も一般人も皆平等である。だから牧師の結婚が許されているし、牧師は神の代わりではなく一般人の代表として教会に勤めている。そして、過ちを犯した人は教会で一人で直接神に祈って許しを請うのだ。決して牧師に懺悔して許される訳ではない。牧師は相談相手になって、神と対話するよう促すだけ。だから、神が許してくれたかどうかもハッキリ言えば自分で決めることとなる。このように、神と人間との関係性が決定的に違うので、カトリックとプロテスタントは全く相容れないのだ。

年季の入った感じの木目が美しかった。
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この聖ペーター教会は、696年に聖ルペルトゥスという人が修道院を創設したのが始まり。その人のお墓が教会内にあった。
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聖ルペルトゥスはこのお方。
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他にも床には恐らくお墓だと思われる場所がいくつか。そういうところを歩くのはなんとなく躊躇われる。
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そして、壁際にもいくつか祭壇やお墓らしいところがあり、その一つはミヒャエル・ハイドンのお墓。有名なハイドンの弟で、彼も作曲家。ウィーンへ去ったモーツァルトの後任の宮廷・大聖堂オルガニストとしてザルツブルクで43年間活躍したそうだ。この話はうちに帰ってから調べたことで、この日ここでハイドンという名を見て、ここに刻まれていた年代からもしかしてあの有名なハイドンの親戚かな、と思って写真を撮っておいたのだった。
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この日はこれでここを去ったのだが、ザルツブルク滞在の終わり頃、もう一度訪れた。
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カメラの設定も違うが、光の加減も全然違って、全く別の印象。
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修道女の方が一人座って祈りを捧げていた。
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邪魔しないようにそっとあとにした。
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↑この鉄細工、素晴らしいなあ・・・

撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)
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Baldhead1010

司教様は打ち明けられた罪を密告してはだめですよね^^;
by Baldhead1010 (2015-08-23 04:36) 

ちばおハム

カトリックの教会は別のもの、と思えば美しく装飾されていてとっても素敵。これも日本人だからでしょうね。
by ちばおハム (2015-08-23 06:55) 

YAP

豪華な教会ですね。
カトリックとプロテスタントの教会の違いは、なんとなくでしか区別できてませんでしたが、よくわかりました。

**カードというのは、ヨーロッパの多くの街でありますね。
旅行者にはお得ですね。
by YAP (2015-08-23 06:57) 

luces

装飾がとても美しいです。
修道女の方の信仰が伝わって来そうな写真ですね
by luces (2015-08-23 07:25) 

ぽりぽり

確かに神々しい感じがする内装ですよね。実際、どんな懺悔があったのか?気になるところですね。普通ではお許しが出ない犯罪類もあったと思うのですが。
by ぽりぽり (2015-08-23 08:33) 

Bonheur

カトリックの神父さんになる人がどんどん減っているようですが、「結婚できない」という点がかなり大きいのではと思います。中には、神父を辞めて結婚される方もいらっしゃいますが…
by Bonheur (2015-08-23 13:24) 

sheri

同じ場所でも光の加減でだいぶ印象が変わりますね。
1度しか行ってなかったら、その印象だけしか持たなそうだけど何度も行けて色々な印象を持てるのはいいですね。

鉄細工、私も好きなので見とれてしまいました。
by sheri (2015-08-23 17:29) 

テリー

カトリックの教会は、すばらしいと思いますが、世俗の権力と結びついたという点で、堕落したとしか思えません。
イエス・キリストが、もし、カトリック教会を見たら、嘆くと思います。
by テリー (2015-08-23 22:20) 

engrid

カトリックとプロテスタントの、相違
よくわかりました、これは相容れないのもうなずけます
今まで漠然としていましたか
豪華な教会ですね、素晴らしい建物全体が芸術品のようです
by engrid (2015-08-24 00:40) 

Inatimy

立派な教会ですね〜。主祭壇もゴージャスだし、パイプオルガンも
すごく大きくて、天井の装飾も凝ってますよね。懺悔の場所もたくさん。
私も、床の墓石の上って踏んで歩くのが申し訳なくて、
境目や端っこのほうを歩いてます^^;。
by Inatimy (2015-08-24 05:42) 

momo

カトリックとプロテスタントの違い、わかりやすいです。
なるほどぉ~。
by momo (2015-08-25 09:42)