あたたかな心遣い

12月も早くも後半になった。今年は辛かったなあ・・・震災もあったし、大事な人を次々と亡くした・・・私にとっては、私が職業として関わる日本が震災と原発事故で大揺れしたのは非常に衝撃的だったし、同僚の死はただただ辛かったし、義父を亡くしたのも自分の将来を考える上で非常に大きな出来事だった。そんな中、今年の流行語だという「絆」を感じることももちろんあったけど、それよりは、人間関係を整理したというか見直したというか再構築したという印象が強い。

思えばこれはまだ第一アドヴェントの頃だった・・・



元学生さんが持ってきてくれたチョコレートの詰め合わせには、うちのドイツ人がとっても慰められていた。ありがとね。



めぎの元同期の友人は、ブログを読んですぐに、餃子でも作って持って行ってあげようか、というメールをくれた。うまく都合が合わなくてそれは実現しなかったが、めぎやうちのドイツ人の体調や悲しみにひたすら寄り添ってくれたその姿勢は温かくて本当にありがたかった。彼女は私が探していた線香を届けてくれた折に、カステラやらお煎餅やらハンブルクへの道中に食べてねとお裾分けしてくれて、その優しさが身にしみた。



ブログを読んでメールをくれた友人・知人はたくさんいて、めぎを思って書いてくれたメールの言葉一つ一つに心がとても温かくなった。めぎって、こんなに友達に恵まれていたんだ、と幸せに思った。そして、このブログにコメントしてくださった方々の言葉にも、ずいぶん元気づけられた。みなさまに心から感謝。

うちのドイツ人の日本人の知り合いの中にも、恐らくめぎのブログを読んで父親の死を知ったのだろうと思われる人たちがいた。お悔やみのメールを送ってくださったり、これが日本のお悔やみの表し方です、と言ってこれをくださった方もいた。その優しさ一つ一つに、うちのドイツ人はしみじみしていた。



しかし、誰もが共感したり優しい言葉をかけてくれるわけではないのが世の常だ。震災から今回の義父の件に至るまで、幸か不幸か、誰が本当にめぎやうちのドイツ人のことを心から思ってくれてて、誰がそうじゃないか、誰と共感できて誰とできないか、見事に浮き上がってきた。そういう意味で、今年は自分の人間関係を見直すいいきっかけになった。悲しく寂しい現実もはっきり認識したし、とてもとても温かい信頼関係に涙したりもした。

うちのドイツ人の友人の一人は、去年父親を亡くしたこともあって心からうちのドイツ人の気持ちにより添ってくれた。その人が持ってきてくれたアドヴェントの花束は、可愛らしくて心が和む。



そしてある日、日本から小包が届いた。



中には、鰹節に煮干しに生春巻きの皮に温泉の元。鰹節と煮干しは築地の馴染みのお店で仕入れてくださったとのこと。



しんどいときだからこそ日本の味が恋しいのではないかと、鰹節をどっさりのせて食べてちょうだい、とわざわざ送ってくれたのだ。震災の後、仕事も減って大変だという話だったのに、何という優しさ。めぎは今までこんなに人に優しくしてもらったことはなかったので、その手紙に思わず泣いてしまった。

それで、うちのドイツ人が日本の鍋をしようといって、こんな立派な食材を仕入れてきた。



白身は鱈とウナギなんですって。



これを鍋にしたのはまだ第一アドヴェントの頃。遺体を保管する冷蔵庫のトラウマに悩まされていた頃だった。



せっかくの鰹節、そうね、ケチケチしないで盛大に食べましょ、と山盛りに♪



こんな心づくしをサッカーニュースを見ながら味わって、ずいぶん元気になった。



鰹節はつい先日も。珍しくめぎが料理当番の日。メインは豚のショウガ焼き丼。こちらでは豚肉は分厚いステーキのようなのしか売ってないので、それを細かく切って使った。



副菜の白菜のおひたしの上にどっさり鰹節。ああ、なんて、贅沢。ああ、なんて、美味。送ってくれた友人の心遣いが胸にしみる。心から、ありがとう。



めぎは今年のたくさんの出来事を、決して、一生忘れないだろう。


♪　12月15日のアドヴェントカレンダー　♪

15日目はまた神経衰弱だった。カードの絵も前のと同じ・・・ちょっとつまらないわねえ。

コメント 19

おはようございます。

今年は喪中欠礼のハガキが20枚以上来ました。
我々団塊の世代の親御さんが亡くなられる時期ですね。
by Baldhead1010 (2011-12-16 04:51) 

鰹節は手に入らない貴重品なんですね。
by manamana (2011-12-16 06:18) 

私も今年は忘れてしまいたいくらいの散々な年でした。
そういうときに人の温かさに触れると、ちょっと救われた気がしました。
早く今年が終わって、新しい年に心機一転向かっていきたいです。
by YAP (2011-12-16 07:52) 

今年は本当に大変な年になりました。
わたしもなにかに耐えている時間が多かったかなあ。
ではありますが、前を向いて来年に進もう、と思っています。
．．．時の持つ力を信じて。
by ナツパパ (2011-12-16 08:48) 

ドイツ人さんはいつも優しいですね。
by luces (2011-12-16 10:56) 

皆さんそれぞれ今年はたいへんだったようですね、私もいろいろありました。そういう時こそ人の優しさ思いやりが身にしみます。ブログを見てこうして送って下さるご友人の気持ちに無関係の私もちょっと涙が出ました。どこにいても気持ちは通じます、それに支えられて生きて行けますよね、来年は良い事が沢山あって欲しいものです(*^-^)
by マリエ (2011-12-16 11:16) 

めぎさんご夫婦の周りには、気持ちの優しい方が多くいらっしゃいますね。
それも、めぎさんご夫婦の人柄からなのでしょう。
お悔やみって、やり過ぎても迷惑だし、気持ちがあっても、考えすぎて難しい時がありますね。
by くっさん。 (2011-12-16 11:54) 

めぎさんのブログにはめぎさんの心が丁寧な日本語でつづられていて、そこからいつもお人柄を想像しております。
今年はいろいろ辛いことが多い年だったけど、私たちはこうして生きています。一日一日を大切にしましょうね。

by ちばおハム (2011-12-16 14:15) 

一年振り返ると、ほんとうにいろんなことがありましたね。
たくさんのご友人がいらっしゃるって、とても幸せなことですよね。
めぎさんのお人柄かな＾＾
by mimimomo (2011-12-16 15:09) 

つらい時には周りの人たちのなにげない心遣いがとてもありがたいですね。
ひとりじゃないんだなぁ・・・って。
こころの栄養も、からだの栄養も、十分補ってくださいね。
by Inatimy (2011-12-16 17:30) 

めぎさんは、本当に多くの良い友人に囲まれておられますね。
日本の美術切手を貼って小包を贈られた友人の気持ちも十分分かる気がします。
by たいちさん (2011-12-16 22:24) 

相手が辛い時に、優しい心遣いができる方は素敵ですね。めぎさんご自身がそういう方だから、周囲にもそういう方が集まるのだろうと思います。
神経衰弱ゲームは、前のカードと合わせて、枚数を倍にして遊ぶのかもしれないですね。その方が大勢で楽しめますし。カードが増えた分、マッチさせる枚数を増やしてみても難易度が増して面白いかしら（ゲームが終わらないかな…）。
by stellaria (2011-12-16 22:30) 

辛いとき悲しいときに支えてくれる友達こそが真の友ですね。
めぎさんの周りには素晴らしい方がたくさんいらっしゃって羨ましいです。
by miffy (2011-12-16 23:13) 

人間生きていると色々ありますよね。すべの人に命の限りは、等しくあるわけで、心豊かに人生を送りたいものですね。人を思いやる気持ちと感謝の気持ちが良く伝わってきました。世知辛い世の中ですが、もっとこういったことを身近に感じられる感性が最も大切と思っています。
by ぽりぽり (2011-12-17 03:50) 

めぎさんご夫婦にみなさん温かい気持ちを向けてくださるのは
めぎさんご夫婦が周りの方々に同じような気持ちでいられるからだと思います。
悲しいかなそういう気持ちが通じなかった方も少なからずいらっしゃるけど、
ブログで拝見しているめぎさん・ドイツ人さんのお心遣い
私はとても好きです（＊＾＾＊）
by のの (2011-12-17 07:42) 

本当にとんでもない１年で悲しいこともあったけど、大切なものを
再確認できました。ぼんやり暮らしていたかったような、そうじゃ
ないような。でも、必要なことなのでしょう。
by 春分 (2011-12-17 09:23) 

悲しい出来事も、人とのつながりも忘れちゃいけないですよね。
大変なときこそ、自分にとって大切な人がわかりますね。めぎさんに同感です。
by ＨＩＲＯＭＩ (2011-12-17 14:34) 

すてきなお友達を、めぎさんもドイツ人さんもお持ちですね。
めぎさんのブログを読んでいると、なんだかわかる気がします。
今までお二人が積み上げてきたものが帰ってきたのだと思います。
来年は落ち着いた幸せの多い年になりますように…☆
by ネム (2011-12-17 23:08) 

あかえびの血の半分はオイルだと自負しておりましたが、めぎさんの話を読んでいると枯れていた涙が溢れてきました。(ノД`)

優しさは人を溶かすんだと実感したよ。
by あかえび (2011-12-17 23:20)