気になっていたお墓を確認 [2020年夏 ザルツブルク]
現在、2020年夏のザルツブルクの話を連載中。
ここはザルツブルクの旧市街にあるお墓。観光名所でもあるところ。
めぎはこのとき、あるお墓を目指していた。それはここ。ああ、やっぱり…真新しくて、割と最近埋葬されたのだということが一目でわかる。
名前を確認。この年（2020年）に亡くなったのね。90代か…結構長生きだったのね。ただこれだけ見ると、大往生であって、他人事だから普通ならたいして気にならないけれど…
ここ、以前からブログをお読みの方は覚えていらっしゃるかもしれないが、2019年に訪ねたときに、たまたま遭遇した女性が泣いていた場所なのだ（その話はこちら）。あまりにも悲しみがめぎにも突き刺さってきて、それでお声掛けをしそびれてしまったのだが、でも、ものすごく気になっていた。だから、失礼ながらめぎは次の年に確認しようと思ってお墓の名前の部分をあとで撮影しておいたのだった。これは2019年の撮影のパラパラ。やっぱり同じ名前。亡くなったのはきっと、ここに眠っていた夫婦の息子さんだったのね。そしてあの緑のスカートのおばあさんは、きっとその奥さんなのだろう。夫の死期が近いことを知って、お墓参りをしつつ居たたまれない思いになったのではないかしら…
もちろん娘さんかもしれないし、妹さんかもしれないし、真相は全く分からないのだが、あの女性の悲しみはとにかくめぎの心の奥深くに刻まれ、確かめずにはいられなかった。うちのドイツ人と年齢の離れているめぎとしては、あの女性の悲しみが他人事とは思えなかったからだ。どうぞ安らかに。あの女性もお元気でいらっしゃいますように…
実は2019年にはもう一つ気になる場所を撮っておいていた。その話はこちら。こちらの方は、2019年の夏の時点で葬られたばかりらしかったお墓である。気になったのは、木の十字架に掲げられた写真がそんなにお年寄りではない女性だったから。
2020年にはその場所に、立派な鉄細工のお墓が立っていた。そして、下の方の石に真新しいプレートが貼られ、2019年2月という日付とともに女性の名前が刻まれていた。亡くなったのは60歳でうら若き女性ではないが、めぎに近く、これまた他人事とは思えない。その名前は上の鉄細工の方に刻まれている夫婦の名前とは異なるが、でも下のプレートにその名前が旧姓としてカッコで刻まれていて、結婚した女性が実の両親のお墓に埋められたのだということが伺える。どうしてかしら。こちらのお墓は家のお墓ではなく個人のお墓なので、娘が亡くなって弔う人のいなくなったこのお墓を手放して別の人のお墓にするよりは、娘もここに埋めてあげた方がいいだろうとご主人が判断したのかもしれない。プレートにはまだ余白があるから、ご主人もいつかここに眠るつもりなのかも…
…などと想像は色々と膨らみ、それが真実かどうかは全く分からないにせよ、一つ一つのお墓にはドラマがあるのだと気づかされる。たとえどんなに歳をとって亡くなろうとも、その人を亡くした人の悲しみは深いし、まして若くして先立たれたやるせなさも深いし、だからこそこんなに綺麗にお墓を花で飾り、弔っているのだろう。ここは観光名所であるのと同時に、いや、それ以前に、墓地なのだ。以前にも書いてたように、生きている墓地なのだ。
こうしてお墓に入る人の世代も交代していく。それが心に沁みる。
ここはザルツブルクの旧市街にあるお墓。観光名所でもあるところ。
めぎはこのとき、あるお墓を目指していた。それはここ。ああ、やっぱり…真新しくて、割と最近埋葬されたのだということが一目でわかる。
名前を確認。この年（2020年）に亡くなったのね。90代か…結構長生きだったのね。ただこれだけ見ると、大往生であって、他人事だから普通ならたいして気にならないけれど…
ここ、以前からブログをお読みの方は覚えていらっしゃるかもしれないが、2019年に訪ねたときに、たまたま遭遇した女性が泣いていた場所なのだ（その話はこちら）。あまりにも悲しみがめぎにも突き刺さってきて、それでお声掛けをしそびれてしまったのだが、でも、ものすごく気になっていた。だから、失礼ながらめぎは次の年に確認しようと思ってお墓の名前の部分をあとで撮影しておいたのだった。これは2019年の撮影のパラパラ。やっぱり同じ名前。亡くなったのはきっと、ここに眠っていた夫婦の息子さんだったのね。そしてあの緑のスカートのおばあさんは、きっとその奥さんなのだろう。夫の死期が近いことを知って、お墓参りをしつつ居たたまれない思いになったのではないかしら…
もちろん娘さんかもしれないし、妹さんかもしれないし、真相は全く分からないのだが、あの女性の悲しみはとにかくめぎの心の奥深くに刻まれ、確かめずにはいられなかった。うちのドイツ人と年齢の離れているめぎとしては、あの女性の悲しみが他人事とは思えなかったからだ。どうぞ安らかに。あの女性もお元気でいらっしゃいますように…
実は2019年にはもう一つ気になる場所を撮っておいていた。その話はこちら。こちらの方は、2019年の夏の時点で葬られたばかりらしかったお墓である。気になったのは、木の十字架に掲げられた写真がそんなにお年寄りではない女性だったから。
2020年にはその場所に、立派な鉄細工のお墓が立っていた。そして、下の方の石に真新しいプレートが貼られ、2019年2月という日付とともに女性の名前が刻まれていた。亡くなったのは60歳でうら若き女性ではないが、めぎに近く、これまた他人事とは思えない。その名前は上の鉄細工の方に刻まれている夫婦の名前とは異なるが、でも下のプレートにその名前が旧姓としてカッコで刻まれていて、結婚した女性が実の両親のお墓に埋められたのだということが伺える。どうしてかしら。こちらのお墓は家のお墓ではなく個人のお墓なので、娘が亡くなって弔う人のいなくなったこのお墓を手放して別の人のお墓にするよりは、娘もここに埋めてあげた方がいいだろうとご主人が判断したのかもしれない。プレートにはまだ余白があるから、ご主人もいつかここに眠るつもりなのかも…
…などと想像は色々と膨らみ、それが真実かどうかは全く分からないにせよ、一つ一つのお墓にはドラマがあるのだと気づかされる。たとえどんなに歳をとって亡くなろうとも、その人を亡くした人の悲しみは深いし、まして若くして先立たれたやるせなさも深いし、だからこそこんなに綺麗にお墓を花で飾り、弔っているのだろう。ここは観光名所であるのと同時に、いや、それ以前に、墓地なのだ。以前にも書いてたように、生きている墓地なのだ。
こうしてお墓に入る人の世代も交代していく。それが心に沁みる。
2021-03-08 02:00
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コメント(6)
日本では今でも墓石が主流ですが、石に写真を焼き付けられてるものもあります。
by Baldhead1010 (2021-03-08 03:49)
お墓ね～今我が家はその問題が頭上にずしり・・・もともとの菩提寺が京都だったのに、今はそれが無いため、分家であるわたくしたち夫婦の故長子のためのお墓に、過去の人物が全部入って・・・
今度亡くなった夫の長兄もそこに入れたいと義姉の希望。
墓地が遠すぎるので、近くの檀那寺に移すと、百万単位のお金がかかる。それ全部我が家の負担。なんだかなー お墓も良い物語ばかりでもないわ。
by mm (2021-03-08 06:51)
海外のお墓はこんな風にきれいに飾られているので、その背景にあるそれぞれの物語もきれいな思い出で語れるような気がします。
日本のお墓って、ちょっと暗い雰囲気から出ることができないように思います。
by YAP (2021-03-08 07:39)
いつも彼岸花を撮りに行くお寺さんで
お墓参りに来ていた家族が ここのお寺にして良かった
って話をしてました 年2度のお彼岸でしか来なくなるところ
ここには 彼岸花を見がてら来れるから 楽しみだ と
そう思うと お寺も観光地化してる方が良いのかもと思いました
by (。・_・。)２ｋ (2021-03-08 15:19)
バラやアジサイ、いろんな植物で飾られててにぎやかですね。
日本に旅行に来た英国の友人を案内した時にあっちのガイドブックを
見せてもらったら、墓地を抜けるルートが掲載されてて、捉え方の違いを
感じたことが。 日本人の目からすると観光で通り抜けする雰囲気の
墓地じゃなかったから・・・。
by Inatimy (2021-03-08 16:51)
お墓は考えちゃいますよねぇ。旦那の両親は離婚していて色々込み入った事情もあるので、田舎のお墓に入るのはうーん…て感じです。
それに、横浜を離れたくないし一人息子も結婚するか解らないし、お墓を守る大変さも解るので、息子には横浜の海に散骨してくれと頼んであります。
とりあえず、旦那さんよりは長生きするつもりでいますけど(笑)
by momo (2021-03-10 18:31)