聖母大聖堂の中 [ベルギー]
現在、10月中旬のアントワープ立ち寄りのお話を連載中。お尋ねのルーベンスのもう一枚「キリストの復活」は、その辺りが工事中だった上に昨日の3枚でめぎはおなかいっぱいで、あああそこにもあるのね~でももう疲れちゃったからまたいつかね~と流してきちゃったの。
聖母大聖堂には、昨日ご紹介したルーベンス以外にも色々見所がある。例えば、内陣の裏側は広くていろんなものがあって、非常に興味深い。
これは、ルーベンスの聖母被昇天の絵の裏側にある聖母の死を描いた絵で、ルーベンスと同時代の画家によるもの。裏側なのでちょっと暗い写りだけど。
絵画ばかりに目が行くけれど、木の細工も素晴らしい。
暗くて見えにくいけど、懺悔するところ。内陣の桟敷席の裏側。
裏の一画にこの聖母大聖堂の模型があって、たくさんの観光客が入れ替わり立ち替わり撮影していた。
その近くには蝋燭も。50セントか1ユーロか2ユーロか・・・と大きさによって色々だが、蝋燭を灯すことは祈りと共にこの大聖堂への献金にもなる仕組み。
内陣の裏側はとても広くて、こんな小さめのチャペルみたいな部屋がいくつも並んでいる。
壁画を見ると、この大聖堂の古さが分かりますねえ。
こういう姿の司教って、あんまり見かけない気がするなあ・・・後ろの壁も、相当古いわね。
ちょうど光も入ってきて、とても美しかった。
この大聖堂にはルーベンス以外にも立派な絵がいっぱいあるのだけど、みなさまきっと薄々お気づきのように、めぎは絵画にはそれほど興味がないのだ・・・だから、数点見ただけでもう十分。どこへ出かけても美術館には滅多に行かないのもそのため。それよりは、光の具合などを感じるのが好きで、教会の中でも光の射し込む先に何があるかとか、どこが陰になっているかとか、そんなことに目が行くの。でもここ、宗教画を中心に絵画がいっぱいあって大聖堂美術館って感じなので、興味のある方はぜひいらっしゃることをお勧めする。
内陣の裏から出てきて、大聖堂の右側を見ながら出口の方へ。
ステンドグラスも見事な大聖堂。
右側の出口近くの壁には聖書の物語が何枚かの絵になって綴られていた。こういう絵を見ると、聖書の物語もさることながら、この絵が描かれた当時の人々の服装、社会階層、建物の造りなどが非常によく分かる。右上にちょこっと描かれた三角錐の屋根の塔なんかがとっても興味深い。
出入り口の上にそびえるオルガン。ならすと轟きのようでしょうねえ。
大聖堂を満喫しためぎたちは、この後ちょこっと休憩に喫茶店へ。その話はまた明日。
デキャンターを見つけたところ [ベルギー]
アントワープのお話も今日が最終回。
聖母大聖堂を出てきたら・・・
素晴らしい天気だった♪
夏は観光客でいっぱいのこの広場。
市庁舎前の撮影スポットは修理中。
こちらは大聖堂の反対側。日本から来た方なら、ここに泊まった方も多いのではないかしら。
めぎたちは大聖堂のすぐ近くの適当な喫茶店に入った。
適当に入った割りにはなかなか面白いところ。
地下も面白そう。
こんな軽食とブリュッセル風ワッフルというのを食べた。
ところでこの喫茶店の前はちっちゃな広場だったのだが、そこでこんな銀食器などが並んでいたの。
わ~なんか欲しいな~♪
ね、このサーモン載せる板とか、欲しくならない?
銀食器に触るにはこの手袋が必要なのね。
銀食器以外にも色々魅惑的なものが♪
ここであのデキャンターを見つけ、23ユーロだったのを20ユーロで購入。
さて、そろそろ2時間。駐車場へ急がなきゃ・・・と歩いていたら、馬車に遭遇。2006年にはめぎたちも馬車で観光したの。馬車のおじさんはお話上手で、結構お勧め。
こうして予定外のお土産付きでアントワープをあとにしためぎたち。ここから約3時間走ってデュッセルドルフへ。アントワープで最後に写したのは、この写真。この日は土曜日、ユダヤ教のミサがあったのね。
明日からはまた最近のデュッセルドルフのお話を。
ユイ [ベルギー]
北ドイツから無事に帰宅し、イースター休暇もあと数日。ハンブルクと義妹の家での話は写真の整理がついてから。これから数日は、その前に一泊二日でちらっと行ってきた全く別のところのお話を。
ここはベルギーのHuy(ユイ)という町、朝の6時6分。
なぜそんなところにそんな早朝にいるのかと言えば・・・うちのドイツ人が彼の友人をベルギーのリエージュ空港まで送っていったため。その友人はイースター休みに格安航空券でカナリア諸島へ行ったのだが、格安なので非常に不便なところから飛び立ったのだ。デュッセルにもケルンにも空港はあるのだけど、なんとベルギーのリエージュから。それなら自分で車に乗っていけばいいだろう・・・と思うのはドイツ人も同じだが、帰りは別の空港に戻るようだし、その空港に予め彼のカノジョが車で乗っていってあって(カノジョは一足先にカナリア諸島へ旅立っていた)、帰りは一緒だということで、つまり彼には行きの車がないのだった。そのような訳で友人はうちのドイツ人に頼んできたのだが、それはもしかしていい機会じゃない?快気祝いも兼ねて、旅先でのD600撮影のお試しも兼ねて、一泊してこよう!リエージュは行ったことがあるから、その近くでどこかへ・・・ということで、思わぬ小旅行となったのだった。でも、小旅行と言えども外国旅行だから、ちょっとウキウキ♪
デュッセルドルフからリエージュまで約210キロ、普通に行けば車で約1時間半。6時半の離陸ということで、朝2時に起き、3時に家を出た。雪が降ったのでゆっくり走り、無事5時頃空港に到着。友人を見送り、トイレ休憩し、朝食として持ってきたおにぎりと鶏の手羽先のオーブン焼きをつまみ、目的地へ。その途中で寄ったのが、このHuyという町なのだ。
ユイはムーズ川(オランダ語のマース川・・・マーストリヒトのマース川・・・つまりオランダのマーストリヒトもこの近く)に面していて、かなり威嚇的な城塞と、かなり立派なノートルダム寺院があるようだ。
これは全てあの24-70mmレンズの手持ち撮影。手ぶれ機能のないレンズだが、レンズ開放して(F値2.8)ISO1100でシャッタースピード1/50秒前後で撮影している。
ハッキリ言ってまだこのカメラにもレンズにも全く慣れていない上に、この日は物凄く寒かった・・・雪が降り、氷点下の早朝。とてもあれこれ試すことなどできず、適当にぱしゃぱしゃ撮っただけ。構図も何もあったものではないが、こんなに綺麗に撮れることに感動。
これはシャッタースピード1/15秒。息を潜め、手ぶれしないように頑張りながら。
うちのドイツ人はぬくぬくと車の中で待機中。(めぎ家の車は写っていない。)
白々としてきて、ノートルダム寺院がよく見えるようになった。
うっすらと雪化粧。
こんな中世の町並みの残る町だけど、すぐ裏に原発がある。3基あって、もくもく稼働しているのがよく見えた。
ベルギーという国にみなさまどんなイメージをお持ちかしら・・・チョコレート、ワッフル、ムール貝、ベルギービール・・・あとは、EUかしら。ブリュッセルになんとなく憧れなどありません?パリやロンドンやローマやバルセロナの次くらいに行ってみたいような。お洒落な国際都市なんじゃないかと思うあの憧れの気持ちはいったいどこから来るのかしら・・・めぎも含め日本人に共通するベルギーのなんとなくエレガントで素敵なイメージは、実際のベルギーを目にする度に打ち砕かれる。かつてスペイン領だったりオーストリア領だったり、ネーデルランドと称したり、フランスもイギリスも興味津々で色々介入し、独立国家として成立していた時期がほとんど無い国だ。未だに民族間の対立が激しく、一国家として全くまとまっていなくて政治がうまく軌道に乗らず、そのため色々なこと、例えば道路の補修など身近なことが放置されている。一人当たりのGDPはドイツよりも日本よりも上だが、一般庶民の家を外から見た限り、あまり裕福そうには見えない。町の建物も壊れていたり崩れていたり空き家だったりが目立つ。そして、田舎には工場がいっぱい。この町も、ここだけ見ればとっても美しく素敵だけど、そのまわりは殺伐とした工業地帯なのだ。
夜が明けて、カモメがたくさん飛んでいた。さっきまでどこにいたんだろう。
ずいぶん明るくなってきたが、この日は雪で、日の出の撮影を試みることはできなかった。
向こうの山の雪もよく見終えるようになった。
麓はちょっとお洒落だけど・・・
その上の城塞は本当に威嚇的。ここが如何に長年緊迫した地域だったかがよく分かる。
明るくなると天気が悪くてあまりおもしろみのない景色になってしまった。これ以上特にすることもないので、そろそろ目的地へ移動しましょ。
せっかくなのでムーズ川に沿って走ってみた。たまに町を通る・・・町とはこんな感じ。ね、あまり裕福そうには見えないでしょ。
ベルギーのこの地域は川沿いに渓谷が続く。
その合間に建つ工場・・・あ、鉄道も!
天気がよければもう少しイメージも明るくなるのだろうけれど。
目的地まであと1キロのところに来たのは朝7時40分頃だった。
つづく。