ユイ [ベルギー]
北ドイツから無事に帰宅し、イースター休暇もあと数日。ハンブルクと義妹の家での話は写真の整理がついてから。これから数日は、その前に一泊二日でちらっと行ってきた全く別のところのお話を。
ここはベルギーのHuy(ユイ)という町、朝の6時6分。
なぜそんなところにそんな早朝にいるのかと言えば・・・うちのドイツ人が彼の友人をベルギーのリエージュ空港まで送っていったため。その友人はイースター休みに格安航空券でカナリア諸島へ行ったのだが、格安なので非常に不便なところから飛び立ったのだ。デュッセルにもケルンにも空港はあるのだけど、なんとベルギーのリエージュから。それなら自分で車に乗っていけばいいだろう・・・と思うのはドイツ人も同じだが、帰りは別の空港に戻るようだし、その空港に予め彼のカノジョが車で乗っていってあって(カノジョは一足先にカナリア諸島へ旅立っていた)、帰りは一緒だということで、つまり彼には行きの車がないのだった。そのような訳で友人はうちのドイツ人に頼んできたのだが、それはもしかしていい機会じゃない?快気祝いも兼ねて、旅先でのD600撮影のお試しも兼ねて、一泊してこよう!リエージュは行ったことがあるから、その近くでどこかへ・・・ということで、思わぬ小旅行となったのだった。でも、小旅行と言えども外国旅行だから、ちょっとウキウキ♪
デュッセルドルフからリエージュまで約210キロ、普通に行けば車で約1時間半。6時半の離陸ということで、朝2時に起き、3時に家を出た。雪が降ったのでゆっくり走り、無事5時頃空港に到着。友人を見送り、トイレ休憩し、朝食として持ってきたおにぎりと鶏の手羽先のオーブン焼きをつまみ、目的地へ。その途中で寄ったのが、このHuyという町なのだ。
ユイはムーズ川(オランダ語のマース川・・・マーストリヒトのマース川・・・つまりオランダのマーストリヒトもこの近く)に面していて、かなり威嚇的な城塞と、かなり立派なノートルダム寺院があるようだ。
これは全てあの24-70mmレンズの手持ち撮影。手ぶれ機能のないレンズだが、レンズ開放して(F値2.8)ISO1100でシャッタースピード1/50秒前後で撮影している。
ハッキリ言ってまだこのカメラにもレンズにも全く慣れていない上に、この日は物凄く寒かった・・・雪が降り、氷点下の早朝。とてもあれこれ試すことなどできず、適当にぱしゃぱしゃ撮っただけ。構図も何もあったものではないが、こんなに綺麗に撮れることに感動。
これはシャッタースピード1/15秒。息を潜め、手ぶれしないように頑張りながら。
うちのドイツ人はぬくぬくと車の中で待機中。(めぎ家の車は写っていない。)
白々としてきて、ノートルダム寺院がよく見えるようになった。
うっすらと雪化粧。
こんな中世の町並みの残る町だけど、すぐ裏に原発がある。3基あって、もくもく稼働しているのがよく見えた。
ベルギーという国にみなさまどんなイメージをお持ちかしら・・・チョコレート、ワッフル、ムール貝、ベルギービール・・・あとは、EUかしら。ブリュッセルになんとなく憧れなどありません?パリやロンドンやローマやバルセロナの次くらいに行ってみたいような。お洒落な国際都市なんじゃないかと思うあの憧れの気持ちはいったいどこから来るのかしら・・・めぎも含め日本人に共通するベルギーのなんとなくエレガントで素敵なイメージは、実際のベルギーを目にする度に打ち砕かれる。かつてスペイン領だったりオーストリア領だったり、ネーデルランドと称したり、フランスもイギリスも興味津々で色々介入し、独立国家として成立していた時期がほとんど無い国だ。未だに民族間の対立が激しく、一国家として全くまとまっていなくて政治がうまく軌道に乗らず、そのため色々なこと、例えば道路の補修など身近なことが放置されている。一人当たりのGDPはドイツよりも日本よりも上だが、一般庶民の家を外から見た限り、あまり裕福そうには見えない。町の建物も壊れていたり崩れていたり空き家だったりが目立つ。そして、田舎には工場がいっぱい。この町も、ここだけ見ればとっても美しく素敵だけど、そのまわりは殺伐とした工業地帯なのだ。
夜が明けて、カモメがたくさん飛んでいた。さっきまでどこにいたんだろう。
ずいぶん明るくなってきたが、この日は雪で、日の出の撮影を試みることはできなかった。
向こうの山の雪もよく見終えるようになった。
麓はちょっとお洒落だけど・・・
その上の城塞は本当に威嚇的。ここが如何に長年緊迫した地域だったかがよく分かる。
明るくなると天気が悪くてあまりおもしろみのない景色になってしまった。これ以上特にすることもないので、そろそろ目的地へ移動しましょ。
せっかくなのでムーズ川に沿って走ってみた。たまに町を通る・・・町とはこんな感じ。ね、あまり裕福そうには見えないでしょ。
ベルギーのこの地域は川沿いに渓谷が続く。
その合間に建つ工場・・・あ、鉄道も!
天気がよければもう少しイメージも明るくなるのだろうけれど。
目的地まであと1キロのところに来たのは朝7時40分頃だった。
つづく。
2013-04-04 02:00
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コメント(15)
手ぶれ機能が付いたカメラ買いましょう^^
今日は東京日帰り出張。
by Baldhead1010 (2013-04-04 04:36)
ベルギーといえばチョコくらいしか思い浮かばない。
国家の歴史がこんなに入り組んで複雑だったとは意外でした。
by ちばおハム (2013-04-04 05:56)
夜のヨーロッパの街角の写真は、まるで映画のオープニングシーンのようですね。
by 駅員3 (2013-04-04 07:36)
夜明け前の町並みは静謐としていて美しいです。
by luces (2013-04-04 08:12)
2枚目の暗い街角の写真はいいですね。
カメラやレンズのカタログのサンプルに使えそうですよ。
ベルギーの実情は意外でした。
日本人が観光で見る姿というのは、ほんの一面ってことですね。
by YAP (2013-04-04 08:26)
そういえば、あのベルギーが二つに分かれようとしている、
とニュースで聞いたことがあります。
言葉の違いもあるそうで、今でも対立が激しいのでしたか。
by ナツパパ (2013-04-04 08:39)
お写真とても素敵です。
ベルギーはとても素敵に見える夜明け前^^
ベルギーと言ったらわたくしは・・・ポアロ
by mimimomo (2013-04-04 14:58)
華やかなイメージと厳しい実情があるのは、たいていの国にあてはまるんじゃないかしら。
パリもそう。 太った人がいなくて、皆オシャレな服を着て、毎日フランス料理なんでしょ・・・って
友達が言ったのに仰天でした。
ファッション雑誌や旅番組を通したイメージって影響大きいですよねぇ。
いつの間にか街灯が消えて・・・カモメの飛ぶ写真、いいな~♪
by Inatimy (2013-04-04 16:04)
ベルギーの田舎町でしょうか?寒そうですが、素敵な雰囲気がありますね。大口径レンズは、暗いところでも威力を発揮しますよね。カメラのシャッターを押す瞬間は、本当に射撃のトリガーをひくのと同じだと思います。
by ぽりぽり (2013-04-04 19:01)
ご無沙汰しております。
平和を維持するにはコストがかかるんだなぁ、ってあらためて思いました。
国境が陸続きじゃない日本は平和ボケした御仁が多すぎて・・・(;´Д`)
by あかえび (2013-04-04 20:46)
やはりベルギーと言えばチョコです。
だんだんと明るくなっていく景色がいいですね。
雪ですか。この、ちょっぷりうっすら積もった雪景色ってほんとに寒そう。
by HIROMI (2013-04-04 21:53)
ユイの街はリエージュからナミュールへ行く途中に通ったことが
あります。
三脚なしで全然手振れしてない写真スゴイです。
by miffy (2013-04-04 21:57)
ベルギーのチョコレートは大好きです。こういう街並みってなかなか見れないので疑似体験しながら楽しませてもらいました。
by マリエ (2013-04-04 22:02)
ベルギーってそんな現実だったんですね(^^;)
見たことない風景が堪能できました。
by momiji (2013-04-04 22:50)
私は、ベルギーの美術館巡りが夢ですね。それにしても暗い写真が見事に撮れていますね。
by たいちさん (2013-04-05 10:45)