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中庭で [ベルリン]

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現在、7月初めのベルリン旅行記を連載中。

お昼を食べたあと、友人夫婦に車で連れてこられたのがこの辺り。地下鉄の駅が写っているが、車でここまでやってきた・・・ワインマイスター通りだって。この辺り、ワインのマイスターがいたのかしら。
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自転車の駐輪が多いが、こんなのも止まってた。
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この辺り、こんな通り抜け路地が多い。
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その中に今ベルリンですっかり有名になったサブカルチャースポットがある。
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それは、ベルリンに最近いらした方ならきっとご存じのHackenscher Hof(ハッケンシャーホーフ)。
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入り口にはDie Hackeschen Höfeと書かれている・・・カタカナにしにくいが、ディ・ハッケンシェン・ヘーフェという感じかな。ハッケンシャーホーフは単数形、ハッケンシェンヘーフェは複数形だ。ディは複数形名詞の冠詞。ハッケンシャーまたはハッケンシェンというのは「ハッケンの」という意味で、ハッケ伯爵という人が18世紀半ばにプロイセンのフリードリヒ大王の命でこの辺りに広場や通りを建設したことに由来する。その後この辺りは繊維産業・服飾系の工場の中心地となり、ユーゲントシュティール(ドイツのアールヌーヴォー)の住宅が建設された。Hof(ホーフ)というのは色々な意味があるがここでは中庭という意味で、ここには住宅の8つの中庭が通り抜け路地でつながっているので、複数形で呼ばれるのだろう。今は住宅の他、企業のオフィスや文化施設も入っているらしい。カフェもいっぱい。
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友人夫婦が、ここは一度は見るべきと連れてきてくれたのだけど、こういうところはうちのドイツ人が最も嫌がるところで・・・というのは、いかにもシックに装って観光地化しているから・・・2つくらいの中庭を見たところでもう結構とばかりに出て行きたそうだった。
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ここが住宅として使われていることは、通り抜け通路のこういう郵便受けや・・・
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屋上やベランダに置かれた日傘でも分かる。
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しかし、ひっきりなしにこうやって観光客が訪れる場所に住むのって、寛げるのかな・・・
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あ、この向こうにアンペルマンショップがあるみたい!
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そうそう、アンペルマンというのはドイツ語で信号機男(アンペル=信号機、マン=男)という意味で、東ドイツの歩行者用信号機に使われていた人の形。先日も書いたが、再統一してから信号機までも西側のに取り替えられ、この愛すべきアンペルマンまで取り替えなくても・・・という反対運動が起き、さらにグッズもできたという訳だ。
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すっかり足取りが重くなったうちのドイツ人を置いて、めぎはここで妹に頼まれたグッツを購入。
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ちなみにこの中庭には大きな木が気持ちのよい木陰を作っていて・・・
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その下に泉があって、足湯ならぬ足泉で涼んでいる人たちがいた。
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うちのドイツ人はめぎや友人夫婦がアンペルマンショップで買い物をしている間、この女性たちと一緒に足泉をして待っていた♪ 友人夫婦はゆっくり買い物していたので、先に終わっためぎもここで足泉してみた・・・暑い暑い夏の日、冷たい水が気持ちよかった。

そんなわけでろくに中を見ていないけど、ハッケンシャーホーフはこれでお仕舞い。
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ベルリン旅行記は明日まで。

撮影: D600 + 20mm(F1.8)
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スペイン人とベルリンで [ベルリン]

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7月初めのベルリン旅行記は本日最終回。

ベルリンには3泊したのだが、早くも最後の夜がやってきた。18時に友人夫婦と娘さんのカレシさんと一緒に、ホテルの近く、シャーロッテンブルクのこの通りへ。滞在初日、到着直後にも来た通り。
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この日はここのストリートフェスティバル。
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屋台の並ぶストリート。
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通り沿いのお店も色々趣向を凝らしているようだった。
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こんなのがあったり。
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その一角でまずは喉を潤す・・・めぎたちは白ワインを飲んだのだが、友人夫婦とカレシさんはなんとノンアルコールビール。車の運転をする訳でもないのだが、暑かったし、これから散歩に行くところだから、まだ酔いたくないのだとか。
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↑この写真、何かちょっと不自然に感じませんでした?日本だったらこんな図には決してならないはず。そう、みんなそれぞれ一本ずつビールを頼み、自分で自分のグラスに注いでいるのだ。カレシさんがカノジョの親に気を遣って注ぐなんてこともないし、奥さんがご主人に注ぐなんてこともない。ドイツでは自分の飲み物は自分で頼み自分で注ぐのが普通で、まあまあまあ、おっとっと・・というようなやりとりは決して起こらないし、注ぐ注がないが気の利く気の利かないという人の判定につながったりすることもない。上司や目上の人に注いだりする文化もない。ワインに関しては、一流レストランの場合はウエイターが注ぎ、こういうくだけたところの場合は、グラスワインでなければ誰かが注ぐのだが、それは他人のグラスに気を配るというよりは、自分のグラスが空いた場合に他の人にも注ぎましょうかと聞くという程度。ドイツは飲みに関しては非常に気楽なところである。もちろん接待や招待の場合はもてなす側が全てに気を配るのが当然だけど。でも、ビールに限ってはやっぱり自分で注ぐのが普通だわね。

喉を潤してから、シャーロッテンブルクを散歩。
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そして、近くの池のある公園へ。
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ベルリンっ子たちがのんびりまったりしていた。
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花壇も整備された綺麗なところ。
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なぜここへやってきたのかと言えば、カレシさんがこれを飛ばすため。
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ぶーーーーーん!黒っぽくてちょっと見えにくいけど、ちょうど通りがかった人たちが足を止めて見上げてた。
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飛ばしたり調節したりまた飛ばしたりを繰り返しつつ話し込む彼ら。
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みなさま、お気づきになりました・・・?娘さんがここに同行していないことに。この日、友人夫婦にとってもベルリン滞在最終日だったのだが、娘さんは仕事がどうにも忙しくてご一緒できなかったのだ。それで、娘さんと同居しているカレシさんだけが我々と一緒に散歩に出かけたという訳である。もうつきあいは長いがでもまだ結婚の予定は全くない娘さんとカレシさんだが、ドイツではそういう間柄でもパートナーとして親に紹介し、休暇などを一緒に過ごすのが極めて一般的。友人夫婦の休暇先に娘さんとカレシさんが一週間ぐらい訪れたり、そこへ息子さんがカノジョを連れて遊びに来たりなんてことも。娘さんもカレシさんの実家にクリスマスやイースターなどを過ごしに行っている。

このカレシさん、実はスペイン人。娘さんがスペインへ留学したときに知り合ったそうで、彼もまたドイツへ留学し、そしてドイツで就職したのだ。スペインが恋しいけれど、スペインでは就職がないので・・・そう、スペインの失業率は凄くて、中でも若者の失業率は50%だとかで、大学を出ても仕事が無く、優秀な人はみんなドイツにやってくる。それは裏を返せば、優秀な人ほどドイツに行ってしまい、スペインには残らないということでもある。するとスペインはさらに空回りし、ドイツはますます強くなっていく。カレシさんはまだ20代半ば。そんな歳で、既に額面で月給5000ユーロ以上だというのだから(65万円以上)、どれほど優秀な人かが伺える。そういう人がスペインで職が無く、ドイツで働くのだ。EUで垣根が無くなって、ヨーロッパ人なら誰でもなんの手続きもなくドイツに住んでドイツで働けるようになって、たしかに東欧からの移住者が増えて社会問題にもなっているけれど、優秀な人を集められるというメリットもあるわけだ。ドイツがEUを潰したくない訳はここにもあるのだ・・・そして、それは周辺諸国の優秀な若者にとっても同じこと。今はドイツでも企業では国際的な企業であればあるほど英語を使うのが一般的だし、ドイツには同じ能力の人の場合マイノリティを雇うという決まりがあるので、優秀な外国人にとっては働き口を見つけやすいのである。

ベルリン、まだまだ発展しそうだわね。
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雲が広がってきて光が無くなってしまったが、V3と望遠レンズで色々と。
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このときまだ啼いていたクロウタちゃん。ちなみに今はもう啼かなくなった・・・お嫁さん探しの時期は終わったのよね。このクロウタちゃんはお嫁さんが見つかったかな。
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ここには特に何がある訳でもない。非常に落ち着いたベルリンの日常の週末の時間がゆっくりと流れていた。
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それからめぎたちは、カレシさんが一度入ってみたかったというスペイン料理のレストランへ。
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カレシさんのドイツ語は初級レベル。だからこのときみんなで英語中心で話していたのだが、このレストランで注文するときカレシさんはスペイン人のウエイターにもちろんスペイン語で。それがまあなんと流暢で(当たり前だが)、力と自信がみなぎっていたことかしら・・・ああこの人、本当はこういう人なんだ、とびっくりするほど人格が違う感じ。母国語って大事なんだなあ・・・なんでも自分の言葉で言い表せるって人を強くするんだなあ・・・ちなみにカレシさんと娘さんはうちではスペイン語で話しているそうだ。娘さんのスペイン語能力はネイティブ並みである。
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ここはとても美味しかった。でも、いくつか、美味しいけれど期待していたものとちょっと違うのがあった。例えばハモン・イベリコ。うーん、これ、本当にハモン・イベリコ?違わない?まあ美味しい生ハムだったけど、スペインで食べたのとは全く違う。
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このイカの料理も、写してないけどタコの料理も、美味しいんだけど、スペインで食べたのとはちょっと違う。
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ここで、スペイン人のカレシさんがどれほどがっかりしていたか・・・それは、もしかしたら、めぎが一番理解できたかも知れない。確かにめぎたちにとっては美味しかったのだけど、でも、スペイン人にとっては本物じゃなかったのだ。それは、美味しいとか美味しくないとかの問題ではない。この料理はこうあるべき、本場ならこうなのに・・・と期待が外れたときのなんとも言えない失望感は、喩えようもない。旅行者なら、やっぱりこんな外国で母国料理なんか食べるべきじゃなかったね、と笑えるのだが、外国に住む者にとっては、滅多に外食しないからこそ、そして母国料理への欲求をいつもは封じ込めているからこそ、こうして食べる機会があったときの幻滅感は非常に大きいのだ。若いカレシさんは、すっかり食欲を無くしていた。可哀想に。どれほどホームシックになったことかしら。

でもね、ホント、美味しかったのよ。本場スペイン料理にも負けない美味しさだったのよ。いや、スペインに住んだことのない者にとっては、充分本場スペイン料理だったのよ。
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食って、ときに凄く残酷ね。人の心を深く深く抉る。

そして最後の夜が明け、めぎたちはホテルの朝食をキャンセルし、友人夫婦お薦めのスペイン風カフェ(レストランとは別のところ)で一緒に食べた。スペインオムレツとブルスケッタ。美味しかった・・・でも、あのカレシさんだったらなんと言うかしらね。
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以上で7月初めのベルリンの旅の話はお仕舞い。いつもの如く友人夫婦と屈託無くおしゃべりし、ベルリンを新たに知ることができ、楽しく有意義な時間だった。

撮影: D600 + 20mm(F1.8)、Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)
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