ヴェックマン [食べ物・飲み物]
聖マルティンの日を過ぎると、パン屋さんに次のようなパンが並ぶ。
これはWeckmann(ヴェックマン)という。WeckはWecken、すなわち甘い味付けで柔らかめに焼いた小麦粉の白パンのことである。Mannは男性のことである。では、ヴェックマンは、なぜ男なのだろう?そして、どうしてパイプを持っているのだろう??どうしてこの時期に食べるのだろう???
ヴェックマンは、もともとは日曜日や祭日の礼拝の後、聖体拝領の儀式として聖なるパンが配られたところに由来する。配るのは司教、すなわち男性だから、ヴェックマンは当然男性である。時が経つにつれ、お祭りのときにそのお祭りに関連した聖人や動物を模ったパンが焼かれるようになり、どうやらもともとのヴェックマンはただの司教ではなく聖ニコラウス、または聖マルティンだったようである。だから、もともとはヴェックマンは聖ニコラウスの日(12月6日)かまたは聖マルティンの日(11月11日)に食べたようだ。
さらに時が経つにつれ、もともとは司教の象徴として長い杖を持っていたヴェックマンは、ただの男性になり、男性の象徴としてパイプを持つようになったらしい。これは男性がタバコを吸うか否かとは関係ない。パイプとは男性のシンボルの一つなのである。
そうこうして、このヴェックマンは、聖マルティンの日から聖ニコラウスの日まで、またはクリスマスまで売られるようになった。今は、相当インテリで博学なドイツ人でも、ヴェックマンの由来はなかなか知らないようである。
現在のヴェックマンの生地は、白パンまたはぶどうパンである。日本のアンパンの生地に似ている。食べるときは、たいていココアと一緒に食べる。寒くなってきたときの風物詩のようだ。
今日、ヴェックマンを買いに行ってきた。これはショーウィンドウの中のヴェックマン。隣に、もっと主張が激しいWichtelmann(ヴィヒテルマン)というパンも並んでいる。ヴィヒテルマンというのは小人の意味で、つい最近ヴェックマンの弟分として新しく登場したようだ。
それでヴェックマンとヴィヒテルマンの二つを買ってきた。袋に入っているうちにヴィヒテルマンの顔が・・・!
生地はちょっと違った。ヴィヒテルマンの方がしっとりしている。
パイプは、昔は陶器製だったらしいが、今はギプスでできているそうだ。
今回買ったお店はここ。なんてことのない、チェーン店である。パン屋さんにはたいてい、立ち食いそば屋みたいな背の高いテーブルがあり、コーヒーやココアなども飲める。
Kさんからのお尋ねおよびご提案により、このテーマで記事を書くことになった。アイディアに感謝。
あーほんとだ・・・顔が・・・
ひらめ?・・・カレイ?・・・横向きになっちゃいましたね!!(笑
パン大好きなので食べてみたいです。どれも・・・
by 夏のひまわり (2006-11-18 11:32)
あはは、ヴィヒテルマン最高!
かわいいなあ。こんなパンが売ってたら楽しいでしょうね。
ドイツに限らないのでしょうが、キリスト教の影響が生活のすみずみにまで及んでいるのですね。興味深いと思います。
by リス太郎 (2006-11-18 14:10)
こんにちは!!
ヴィヒテルマンがお・い・し・そ・う
ただのチェーン店何ですか~私にはそうは見えないです
何でも新鮮に見えます
by yoocomint (2006-11-18 14:11)
各地の風習は、訳もわからずやっている人も結構いますね。ヴィックマン!由来を知るのって楽しいものです。
by ぽりぽり (2006-11-18 17:05)
ヴェックマンの由来詳しい紹介ありがとうございます、
こうした宗教に関する行事ドイツでは、大事に
しているのですね、こんな遊び心で作るパン
楽しくて良いですね。美味しそう。
by wakatate (2006-11-18 18:13)
ヴェックマン、おもしろいですね。はじめて聞きました。パイプを、わざわざ持たせるというのも、なぜ、そこまでやるのだろう、と思います。ヴィヒテルマンは最近作られたとのことですが、これは宗教とは関係ないのでしょうね。
by ada (2006-11-18 20:48)
おもしろいパンですね。
やっぱり食べ物はいちどは食してみたいですね~!
でも、なんでギプスの素材になったんでしょう?(←無知です)
by ゆゆ (2006-11-18 22:02)
>夏のひまわり様
確かに言われてみればヒラメかカレイのような・・・そう思うと、意外と可愛いような気も・・・
by めぎ (2006-11-19 02:55)
>リス太郎様
あの、メインはヴェックマンなんです・・・しかもヴィヒテルマンは宗教的由来もないんです・・・でも、ヴィヒテルマンはほんとに可愛いですよね。それに、美味しかったです。
by めぎ (2006-11-19 02:57)
>yoocomintさま
日本のパン屋さんの方がお洒落ですよ。ドイツのパン屋は、野性的な感じがします。
by めぎ (2006-11-19 02:58)
>ぽりぽりさま
風習はいつのまにか習慣になって、由来が忘れられることはたくさんありますよね。ヴェックマンの由来は誰に聞いても埒が明かず、結局事典で調べました。
by めぎ (2006-11-19 03:00)
>wakatateさま
やっぱりドイツはキリスト教の国だなあ、と日々感じます。なにしろ政権を担っている政党も、キリスト教民主同盟っていう名前ですからね。
by めぎ (2006-11-19 03:02)
>adaさま
本当にどうして杖を持たせ、それがパイプにならなければならなかったのか、どうしても分かりませんでした。誰かが遊び心でパイプにしたのが受けて、それが広まったのかもしれませんね。
ヴィヒテルマンは宗教的由来はありません。しかもまだあまり知られてないようです。
by めぎ (2006-11-19 03:05)
>ゆゆちゃん
毎年11月中旬過ぎに売られますから、ぜひドイツ旅行をその時期に!
ギプスは、熱に強い、コストが安い、環境に優しい、ということなんじゃないかと思います。プラスチックは環境に悪いイメージですし、やっぱりパンを焼くときに変形しちゃうでしょうから。
by めぎ (2006-11-19 03:07)
あぁ、そうですよね。
でも陶器のほうが飾っておけそうでいいのに。。。
11月のドイツ・・・寒そうですー(>_<)(でもいつかは行ってみたい♪)
by ゆゆ (2006-11-19 08:03)
>ゆゆちゃん
これは毎年食べるので、取っておこうという人がいないんでしょう。自分のうちでパンを焼いていた時代は、毎年使うために陶器のを持っていたんでしょうね。
by めぎ (2006-11-20 05:53)
おぉ、なるほど!納得です^^
by ゆゆ (2006-11-20 06:07)
ゆゆちゃんにはぜひ陶器のをお土産に持って行きたいですね♪
by めぎ (2006-11-20 07:06)