SSブログ
2023年夏 ザルツブルク ブログトップ
前の3件 | 次の3件

2023年7月24日ザルツブルク音楽祭など [2023年夏 ザルツブルク]

今日も数日遅れでザルツブルクのお話を。

なかなかおどろおどろしい空模様だった7月24日の朝。
DSC_3022.JPG


でも空のこちら側はこんな綺麗だったので、散歩に出かけることにした。いっぱい休んで、やっと普通の元気が出てきたってことかな。
DSC_3020.JPG


朝日の影が綺麗。
DSC_3056.JPG


でも、岩山の上に来たら、雲が多くなっていた。
DSC_3073.JPG


それから山の上をずっと歩いてノンベルク修道院へ。あのサウンドオブミュージックのマリアがいた修道院ね。ここももう何回目かなぁ…10回以上だわね。
DSC_3269.JPG


それから娑婆に降りてきた。
DSC_3361.JPG


宿に戻り一日ゆっくり過ごし、19時からのコンサートへ。直前に凄い雨が降ったのだが、行く時には上がってくれた。
DSC_4399.JPG


この日もOuverture spirituelleのコンサートなのだが、今回の会場は教会ではなくフェルゼンライトシューレ。
DSC_4401.JPG


あのサウンドオブミュージックでトラップ一家がコンテストに出る会場ね。
DSC_4404.JPG


この日のコンサートの内容はこちら(ドイツ語)。演目はモーツァルトのレクイエムを中心に何曲か。指揮はManfred Honeckで、数人のオペラ歌手とバイエルン放送局合唱団とカメラータ・ザルツブルク(オケ)の演奏。

さて、この日のプログラムの内容を書くのはとても難しい。まずグレゴリオ聖歌のRequiem aeternamがどこからか響いてきた。バックステージで歌っているらしい。曲はこちら。



次にGyörgy Ligeti(ジェルジ・リゲティ)という現代作曲家(2006年没)のLux aeterna(永遠の光)。映画「2001年宇宙の旅」で使われた音楽。それについてはこちらを参照。



そのあと鐘の音が3回。それに引き続き、モーツァルトの1787年4月4日付の父親宛の手紙の朗読。その後、モーツァルトのMaurerische Trauermusik c-Moll KV 477 (479a)。



次にまたグレゴリオ聖歌(Domine, exaudi orationem meam)。



そのあとモーツァルトのLaudate Dominum。これを歌ったソプラノ歌手の声がこのときとても美しかった。だからほかの歌手のを張り付けたくなくて、ボーイソプラノのを選んだ。



歌ったのはKatharina Konradiという歌手で、これは今回のコンサートの演目ではないが、どんな声か一つ張り付けておく。



次に、またグレゴリオ聖歌(In quacumque die)。



そのあとNelly Sachsの詩の朗読。彼女についてはこちらを参照。そのあとモーツァルトのレクイエムの1 Requiemと2 Kyrie(曲は後程)。そのあとヨハネの黙示録の朗読。そのあとグレゴリオ聖歌(Christus factus est)。



そのあとモーツァルトのレクイエムの3 Sequenz(曲は後程)。次にヨハネの黙示録の朗読の続き。そしてまたモーツァルトのレクイエム。今度は最後の4 Offertoriumで、未完のまま演奏。つまりよく演奏されているバージョンの弟子が後で最後まで作った作品ではなく、モーツァルトの絶筆までで、尻切れトンボで終わった(だから、YouTubeで同じものが見つけられなかった)。

続いてAve verum corpus für gemischten Chor, Orchester und Orgel KV618が奏でられた。



最後に鐘の音が3回。


この、ある意味演出された死の世界への序曲のようなコンサートで、これが良いのかどうか何とも言えないのだが(めぎ的には朗読は一切必要なかった…朗読を聞くたびに娑婆に引き戻されたので。音楽だけだったらあの世に引きずり込まれたかも知れない)、ある意味トランス状態になったことは確かである。総立ちのスタンディングオベーションだった。
DSC_4417.JPG


上のトリミング。Manfred Honeckという指揮者、凄いなあ。
DSC_4417_01.JPG


なんだか放心状態でここを去った。
DSC_4419.JPG


さて、このモーツァルトのレクイエムだが、めぎの好きなクルレンツィスも2017年にザルツブルクでこの曲を演奏していた。弟子の完成させた全曲の演奏であるが、それを張り付けておく。この古楽器での演奏がいい。モーツァルトの時代の音である。



もう一つ、ガーディナーも同じく全曲演奏。



帰るときには土砂降りだった。濡れて帰り、髪を乾かしたもののあとはかなりぼんやりしてまもなく就寝。その夜、自分が死を迎えるという夢を見たのは、このコンサートの所為である。いつ死んでも悔いのないように生きてきたつもりだったけれど、いざ死を目の前にしたら、ああもうちょっと生きたかったな~と強く感じた、という夢であった。このコンサート、凄い影響力だった…
nice!(31)  コメント(5) 

2023年7月25日ザルツブルクにて [2023年夏 ザルツブルク]

今日は7月25日のお話を。

この日、曇り時々雨という一日。朝、雨の上がっているうちに新聞とパンを買いに出かけた。今年は基本的にこの屋台でパンを買っている。聖霊降臨祭のときにうちのドイツ人と買ってみて、美味しかったので。
DSC_4420.JPG


あまり写真を撮ろうという気分にならず、これで宿に帰ることにする。
DSC_4425.JPG


ドイツかららしい修学旅行らしき団体。先生が生徒たちに呼びかけるドイツ語がオーストリア訛りではなかったので、ドイツからかな、と。
DSC_4427.JPG


それから一日、雨なのでどこにも出かけず、宿でゆっくり今後の予習と計画。計画というのは、そろそろ滞在も半分になるので、後半に一回ぐらいはレストランに行って食べようとか、天気予報を見ていつどの辺に散歩に行こうかな、などと。

そして、夜。20時半からのコンサートに20時10分ごろ行こうとしたときに土砂降りの雨と強風になって、どうしましょ~諦めようかな…と思ったが、あと5分という時になって小降りになったので駆け付けた。宿から歩いて3分の立地のおかげ。場所はまたKollegienkircheで、Ouverture spirituelleの枠内の教会コンサート。内容についてはこちら。行ってみたら人がいっぱいで、みんなあの雨の中でもちゃんと来たのね…めぎが到着してから5分後ぐらいにコンサートが始まった。

最初の曲は16世紀のフランドル学派の作曲家Orlando di Lasso(彼についてはこちら)のProphetiae Sibyllarum — Motetten-Zyklus auf Sprüche der Sibyllenと言い、下の曲全部ではなく3曲目、10曲目、1曲目のみ。



15分ぐらいの上記の曲の後、引き続いてこの日の主作品、Wolfgang RihmのET LUX für Vokalensemble und Streichquartetに移る。Rihmはまだ存命の作曲家で(彼についてはこちら)、めぎは以前にザルツブルクで彼のオペラ「メキシコの征服」を見て感動し、次に見たオペラ「エディプス王」も面白かったので今回このコンサートに行くことを決めた。ET LUXは2009年作曲の現代音楽。正直なところ、この曲を理解するにはめぎは勉強不足。オペラと違って舞台を見て理解することができないので、曲だけだと全然わからないのだ。テキストはパンフレットに載っているので、何について歌っているかは読めばわかるのだけど、ふわふわした感じで聞き取れないのでどこを歌っているのかわからないし…



というわけで、今回は現代音楽の響きに宙づりになったような気分だけで終わった。あとで新聞の批評を読んだところによると、親しみやすかったらしいんだけど。むむむ…
DSC_4433.JPG


↑上のトリミング。
DSC_4433_01.JPG


この日でKollegienkircheでのOuverture spirituelleのコンサートは終わり、あと2演目残っているがそれは別の会場で。
nice!(40)  コメント(7) 

2023年7月26日ザルツブルクにて [2023年夏 ザルツブルク]

今日は7月26日のお話を。

この日、雨がちの一日でググっと冷えた。最高気温が17℃とのこと。こんな格好で歩いてる。このコート、なんと綿入り。
DSC_0862.JPG


雨が上がっているうちにちょこっと行ってみようと、いつもの墓地へやってきた。サウンドオブミュージックのあの緊迫した墓地に隠れるシーンのインスピレーションの元となった墓地である。(実際はセットを作って撮影したとのこと。)
DSC_0884.JPG


雨の所為か観光客も全然いなくて、しっとりとした静かな墓地を見ることができた。
DSC_0888.JPG


紫陽花が綺麗に咲いていた。つまり、北海道より気温が低いということね。今年は南欧の方はすごい暑さだし、ここはこんな状況で、過ごしやすくて有り難いけど、ちょっと寒すぎかな…
DSC_0891.JPG


ここで、いつもお参りしているお墓を確認。あの女性、まだご存命のようだ。よかった。ちゃんと蠟燭が灯っている。きっとお近くにお住まいでよく来ているということね。
DSC_0916.JPG


それからそのすぐ近くの聖ペーター教会へ。
DSC_0990.JPG


宿に帰りついたら土砂降りとなり、その後も雨と曇りとわずかな日差しを目まぐるしく繰り返す一日だった。
DSC_1036.JPG


この日の夜はOuverture spirituelleの枠内のコンサートだが、教会ではなくフェルゼンライトシューレで。ざっと見渡してもアジア人の全く見当たらない会場。ここまで教会コンサートを含め、アジア人の観客はめぎ一人だったかもしれない。やっぱり宗教音楽にはなじみが薄いということかしらね。
DSC_4438.JPG


内容や出演者についてはこちら(ドイツ語)。演目はハイドンの「天地創造」。曲についてはこちら。どんな曲か興味のある方は下の映像をどうぞ。



実際にめぎが見たのはJordi Savall指揮のLe Concert des Nationsという古楽器のオーケストラの演奏で、響きは上の一般的な大編成の現在の楽器のオーケストラと全く異なる。めぎは作曲家の時代の楽器で演奏する試みが好きで、往年の名指揮者の演奏でもちょっと残念に感じてしまう。今回聞いた響きはこれに近い。



幕間の休憩中。
DSC_4442.JPG


ホント、アジアの人をここまで見かけないのは初めてかも。
DSC_4446.JPG


終わった後は、先日のモーツァルトのレクイエムのような総立ちではなかったが、お客さんたちは喝采を惜しまず、長い間温かい拍手を送り続けていた。
DSC_4452.JPG


↑上のトリミング。今回会場にはCoopix Aを持ち込んでいるのだが、APS-Cのセンサーなので写りも結構いいし、35㎜換算で28㎜の単焦点なのだけどトリミング耐性もそこそこよく、かなり満足。
DSC_4452_01.JPG


ところで、この日のテノールのソロとして出ていた歌手が中国人のMingjie Leiという人なのだが、この人、数年前にこの映像を見つけてから名前と顔を覚えていた。なんとザルツブルク音楽祭に出るまでになったのね。今年はもう一つ、聖ペーター教会でのモーツァルトのハ短調ミサ曲(ザルツブルク音楽祭でかなり重要な位置を占めているコンサート)にも出ることになっている。すっかり世界に認められたということだわね。このまま常連に定着するかな。どうかな。



日本からもこんな風に誰か出てこないかなあ…世界で活躍したという触れ込みで日本で有名でも、なかなかこちらのオペラに定着して出続ける人っていなくてねぇ…いつかザルツブルク音楽祭レベルでピアノの内田光子さんみたいに常連になって出演するような人が出てきてくれたらいいな。
nice!(37)  コメント(6) 
前の3件 | 次の3件 2023年夏 ザルツブルク ブログトップ