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2021年夏 バイロイト・ザルツブルク音楽祭 ブログトップ
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電車の旅 デュッセルドルフ→バイロイト→ザルツブルク [2021年夏 バイロイト・ザルツブルク音楽祭]

現在、2021年の音楽祭の話をしているところだが、今日は、先日少し書いた旅の「足」について。

今回の旅では、最初はめぎ一人で旅をしたため、電車を使用。その内訳は以下の通り。
7月27日 デュッセルドルフ~ICE~ニュルンベルク~快速電車~バイロイト
7月28日 バイロイト~快速電車~ニュルンベルク~ICE~ミュンヘン~快速電車~ザルツブルク
7月31日 ザルツブルク~快速電車~ミュンヘン~ICE~ニュルンベルク~快速電車~バイロイト

今日はこのうち7月27日と28日のお話を。

もともとは7月27日からずっとザルツブルクで過ごし、うちのドイツ人が8月に入ってから車で来る予定だったのだが、先日書いたようにグレゴリアンが歌うということを知ってあとからチケットを手に入れ、ついでに見たかったタンホイザーも見ることにしたため、こんな変な行ったり来たりの日程になった。これは先日も載せた写真だが、7月27日の最初のICEで途中駅のケルンで写したもの。
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デュッセルドルフからニュルンベルクまではICEで4時間ほどかかる。その間には持参したお弁当を食べたり(つまりマスクを外したり)、お手洗いに行ったりもする。その辺がコロナでちょっと気になるところなのだが、オンラインでチケットを買う際に空いている電車を選んだのであまり気にせずに済んだ。これも先日載せたものだが、ICEの一等席。
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ニュルンベルクの乗り換えは7分しかないのに電車が数分遅れ、走って走って走って滑り込みセーフ。まあ間に合わなかったら次のにも乗れるのだが、1時間あとの電車になっちゃうのでね…オペラが始まる前にちょっと一息つきたかったので、間に合って良かったわ。そこからバイロイトまでは1時間弱。快速と言ってもローカル電車なので、ちょうどお昼時で学校帰りと思われる生徒たちも途中駅のホームに見かけた。バイエルン州はまだ夏休みに入っていなかった頃だったのだ。
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バイロイト音楽祭というとものすごく華やかなイメージがわくが、バイロイトは非常に辺鄙な田舎にあり、ICEでは行けないし、ずっと森の中か畑の中を走って行く。同じ一等に乗っていた二人組のドイツ人男性たちも音楽祭へ行く人たちで、初日のオペラの批評について議論しているのが聞こえてきていた。みんなFFP2の分厚いマスクをしているけど、でも喋るとエアロゾロが…なんて思ってしまうのよね…
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電車は時間通りにバイロイトに到着。宿はホテルから歩いて3分程度のすぐ近く。朝7時半に家を出て8時ごろの電車に乗り13時に到着するという5時間半の旅。チェックインしてシャワーを浴び、持参したお弁当を部屋で食べて、結局息をつく暇なく14時過ぎにホテルを出て、歩いて20分ぐらいの音楽祭の会場へと向かったのだった。なにしろ15時までに音楽祭にワクチン接種済み証明を見せて登録しなければならなかったからね。でも、14時45分にはもう登録を終え、そこからはアイス食べたりしてのんびり公園で過ごし、やっと一息つけたのだった。その後タンホイザーを見た話は既に書いた通り。

さて、その次の日、朝7時半に朝食へ。かなりのディスタンス。
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ビュッフェから取ってくるときはマスク着用という決まりだった。ここではクロワッサンとモッツァレラとミニトマトとコーヒーとオレンジジュースをいただいて、それとは別に丸パンにハムとチーズとキュウリを挟んで持ち帰り。卵料理も頼めるのだが、ゆでたまごにしてもらって持ち帰り。道中のお弁当にしようと思って。
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で、クロワッサンのあとは生チーズにフルーツをいただいて、朝食を終えた。
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バイロイトを発ったのは9時3分。また1時間弱でニュルンベルクへ戻り、その間は写真を撮っていない。ニュルンベルクでのICEの乗り換えはまた7分で、それもまたかなりギリギリだったが無事ICEに乗り込むことができた。そこからミュンヘンまでは約1時間半の旅。その写真も撮っていないが、まあまあ空いていた。ミュンヘンでの乗り換えは20分あるはずが10分程度になったけど、無事に最後の電車に乗ることができた。これは最後の乗り換えを終えてホッとして車窓から撮ったもの。これがミュンヘンですって言われてもフーンな写真だけど。このときかなりの雨で、その直前にこの近くでも洪水があったばかりで、この前日も雨で電車が一時不通になったと聞いていたので、大丈夫かなあ…とちょっと不安になったが、予定通り出発。
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この電車はちょっと混んだ。と言っても隣や前が埋まるわけではなく、互い違いに人が座る程度にだけど。でも、ちょっとドキドキ。
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ミュンヘンを出ると、非常に田舎になる。
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混んでいたのはRosenheim(ローゼンハイム)という駅までで、その後はガラガラになった。
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それでちょっと安心して宿から持って来たパンなどを食べることができた。ミュンヘンからザルツブルクまではローカルな快速電車で2時間弱。あ、山が見えてきたわ~また来たんだわ~と思う瞬間。
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そして、Saalach(ザーラッハ)という川が見えてきた。
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この川を渡るとオーストリア。
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渡り切ったところに材木のたくさん置かれている広い場所がある。
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Google Mapsで確認。赤いところがドイツ側のFreilassing(フライラッシンク)という駅で、その右下に川があり、ドイツとオーストリアの国境線がある。



そして、その川を渡ると次の駅はもう終点ザルツブルク。ドイツからオーストリアへは当時自宅隔離期間などもなく、ワクチン接種完了証明が必要だったはずだが特に国境チェックもなかった。まあ宿でチェックされるので、オーストリアで友人や家族などの家に泊まる以外は必ず必要なのだが。駅の写真は撮ってない…駅前のバスターミナルからトロリーバスに乗って宿の近くのバス停カラヤン広場へ。宿はそこから歩いて3分ほど。ザルツブルク駅到着が13時42分で、宿についたのは14時ごろだったと思う。9時から14時の5時間の旅。

宿に荷物を置いて食料品の買い物に行ったついでにザルツァハ河をチェック。思ったよりすっかり水が引いていて一安心。
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この日(7月28日)の夜はザルツブルクでコンサートを見に行き、その後29日と30日は午前中に散歩して写真を撮って歩き、午後から夜はずっと宿で31日と8月1日のオペラの予習。そして31日の早朝、再びザルツブルクからバイロイトへ(こうして行ったり来たりすることになってしまったのは、うちのドイツ人の仕事とオペラの日程上の都合)。めぎたちは31日にバイロイトで落ち合うことにしていた。

で、28日のザルツブルクでのコンサートの話は後日に回し、明日は再びバイロイトへ向かった7月31日の旅のお話をする予定。
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ウィーンフィルとヴェルザー=メストのコンサート [2021年夏 バイロイト・ザルツブルク音楽祭]

現在、2021年の音楽祭の話を連載中。これはザルツブルクのミラベル庭園。7月29日の撮影。
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昨日の最後に、今日は7月31日の電車の旅の話を書くと予告したが、同じような話が続いてしまうので予定を変更し、めぎが一人でザルツブルクで見たコンサートのお話を。

7月28日、ザルツブルクに一回目の到着をした日は雨がちの曇りだった。
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ザルツブルク音楽祭で最初に行ったのは、ウィーンフィルのコンサート。これは以前にも載せた写真だけど。
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コンサートは21時からで、綺麗な夕焼けが見えた。この頃のザルツブルクの日の入りは20時45分頃だったと思う。
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この日のコンサートには、心痛むエピソードがある。実はこのコンサート、もともとは2020年にMariss Jansonsの指揮で予定されていたものだったのだ。2019年に亡くなってしまった彼のプログラムを、2020年Franz Welser-Möstが引き継いで同じプログラムで追悼公演をすると発表されていた。しかしそれはコロナでお流れに。
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で、2021年にやはり同じ演目でFranz Welser-Möstがコンサートをすることになっていたのだが、もうMariss Jansonsの追悼公演という意味合いはすっかり消えていた。でも、めぎはその経緯を知っていたので、ぜひ行こうと楽しみにしていた。
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この写真も以前載せたものだが、バイロイトとの差に唖然として撮った一枚。だって、密も密、いくらマスク着用義務でも、いくらワクチン接種完了の人たちだけが入れると言えども、こんなに密だとは…
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コンサートはR. シュトラウスの「薔薇の騎士」組曲と、アルペンシンフォニー。薔薇の騎士はウィーンフィルの人たちがとっても楽しそうに、踊り出しそうな雰囲気で演奏していてとても素敵だったし、アルペンシンフォニーはいろんな打楽器が次から次へと音を出してとても楽しかった。残念ながらこのコンサートに関してはラジオもテレビも放送が無かったので、音源が全くない。勿体ないことだわね。大編成のオーケストラ。これぞR. シュトラウスって感じ。
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もう一つ、ホーフマンスタールのテキストの「イェーダーマン」から「6つのモノローグ」というバリトン歌手との共演があったのだが、それは申し訳ないがあまり記憶に残っていない。

Welser-Möstの指揮は、楽器の一つ一つの音がよく聞こえ、それでいて全体として調和して奏でられ、文句のつけようがない。R. シュトラウスの演奏は、2014年にオペラ「薔薇の騎士」を、2020年から今年は「エレクトラ」を指揮してて、お手の物という感じでもある。ただ、非常に冷静に緻密に計算して情感を出している、という感じで、素晴らしいのだが、めぎは若干冷たさを感じる。これがあの優しさに満ち溢れた感じのJansonsの指揮だったら、どんなだったかなあと思う。ホント、惜しまれる。

帰りのお車も、毎年お決まりの被写体。でも、この日しか撮らなかった…
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そして、23時40分頃一人で夜食。このときはめぎ一人。お皿の上にはカマンベールチーズとアーティチョークと焼き豚の薄切り。野菜が全くないが、この後フルーツでビタミン補給。
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今思うと、ホント夢の世界。朝起きて散歩して、美味しいものを買って戻って宿でオペラの予習や批評を読むとか贅沢な時間を過ごし、夜にはコンサートやオペラ。なんて素敵な夏の時間。また次の夏まで頑張って仕事しなきゃね…
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電車の旅2 ザルツブルク→バイロイト [2021年夏 バイロイト・ザルツブルク音楽祭]

現在、2021年の音楽祭の話を連載中。今日は7月31日のザルツブルクからバイロイトまでの移動のお話を。

ザルツブルクで数日過ごした後、バイロイト音楽祭へ2泊の旅へ。バイロイトで使うものはうちのドイツ人に託してあったので、この日は荷物無しでの移動(しかもカメラも持たず、スマホのみ)で、楽々。この日の最初の写真は、ザルツブルクのモーツァルト生家の前で、朝6時24分の撮影。
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そこからすぐのところに中央駅行きのトロリーバスの停留所がある。6時33分のバスに乗る予定だった。電車は7時15分発で、中央駅まではトロリーバスで8分なので、時間的には次の53分でも間に合うのだが、新聞も買いたかったし、支度もできちゃったので早めに出た。
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で、1等なので中央駅のラウンジで一息。ラウンジと言っても飲み物しかなかったけど。それに、ここでもワクチン接種完了証明を見せ、座った席で登録もしなければならなかったけど。
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7時10分ごろ、ホームへ。今日は山の上がちゃんと見えるわ~
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明け方まで雨だったので、窓に水滴が。
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まだ「乗車するな」と書かれてるけど、駅員さんがこれだって言うので中で発車を待つ。
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7時15分よりちょっと経ってから発車したような記憶だが、23分にはもう次の駅に到着。そこはもうドイツ。乗り込もうと待っていた人たちがいたが、しばらくドアの前で待たされていた。
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と言うのは、国境警備隊の人が国境審査に乗り込んできたから。めぎの車両が一番後ろだったのだが、そのすぐそばのドアから乗り込んできて、すぐドアが閉まって中からも降りられないようになり、中の乗客を審査。ところが、1等のめぎの席のところには見向きもせず、乗り込むと2等の席の方へあっという間に移動していった…あれれ、パスポートとドイツ滞在許可証とワクチン接種完了証明の3点セットをせっかく手許に用意したのに、立ち止まるどころか一瞥さえしてくれないの…?

しばらくしてドアが開き、みんなが乗り込んできたのでああ審査は終わったんだな、と思った。すると、ずっと前の車両の方から国境警備隊の人たち数人に囲まれる形で明らかに有色人種である人がホームを歩いてきた。それには間に合わなかったが、通り過ぎていったその姿を映した。もうずっと向こうで、国境警備隊の人しか分からないけど。
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こういうとき、つくづく思うのだ。めぎは日本に生まれて本当にラッキーだったなあと。1等に乗れる財力もあるし、2等に乗ってたとしても、こういうとき、チェックされずに終わることも多いのだ。彼らが目をつけるのは色の濃い有色人種で、パスポートやチケットの有無やワクチン云々もチェックするのだろうが、もっと重要な目的はやはり難民なのだろうと思う。

それからガラガラの電車に2時間近く乗ってミュンヘンに到着。上記の国境審査のため10分ほど遅れたが、乗換には余裕があった。田舎の景色から急に雑踏へ。
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そして無事にICEに乗って、ニュルンベルクへ。1時間半の旅。ここもガラ空き。
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チケット確認に来た車掌さん。ICEでは人との接触をできるだけ避けるために電車内でオンラインでチケット確認登録ができるようになっているのだが、この日はちょっとそのシステムの調子が悪いらしく繋がらないままでいたら、結局車掌さんがやってきた。
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さて、このICEがなぜだか遅れ、最後の最後にニュルンベルクからバイロイト行の電車には全く間に合わなかった。で、40分ぐらい後の次の電車に乗ってバイロイトへ。
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うちのドイツ人は既にバイロイトに到着していたのだが、40分ほど待つ間にチェックインしたり行きたいと思っていた肉屋さんが潰れているのを発見したりなど、それなりに忙しかったようだ。で、13時近くにめぎ到着。6時半から13時まで、6時間半の旅となった。この日の公演は18時からだったので、一緒にレストランで食事を楽しみ、ちょっと休むこともできたのが良かった。この地図はバイロイト音楽祭の祝祭劇場。



↑この地図の「ー」を8回押すと、左にフランクフルトが、右にチェコのプラハが見えてきて、バイロイトはそのちょうど中間にある。バイロイトって、ドイツ的にはもうほとんどチェコとの国境の辺り、つまり辺境にあるのだ。それからもう一回「ー」を押すと、ザルツブルクとデュッセルドルフやケルンも見えてくる。位置関係がお分かりいただけるかな。

やってみて思ったけど、やっぱりバイロイトとザルツブルクを行ったり来たりするのはめんどくさいわ~時間かかり過ぎというか、遠すぎ。行きにバイロイトによってそれからザルツブルク入り、みたいなことはまたやってもいいけど、行ったり来たりはもう二度としないだろうな。まあよっぽど見たいものが無い限りはね。
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そして2日間、さまよえるオランダ人とマイスタージンガーを見たのだった。
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