イチゴのパンチボウルで遅れ馳せの初夏の集い：ドイツ再発見：SSブログ

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イチゴのパンチボウルで遅れ馳せの初夏の集い　[食べ物・飲み物] [編集]

今日は最近のめぎ家のお話を。

9月1日の金曜日、マルクトでイチゴがまだ売られてて、1キロぐらい購入。土曜日、それを洗ってこんな風に切り、蜂蜜に漬け、さらにベリーの蒸留酒も入れてちょっと置いた。

そして、プロセッコと一緒にボウルに入れて、こんな風にセッティング。2本入れたけどまだ余裕があるわね～と、このあともう1本注いだ。

お客は、うちのドイツ人の叔母とその娘（従妹）とその息子。叔母が長年住んでいたナーゴルトの広いアパートを引き払ってデュッセルドルフの老人ホームに引っ越す際にめぎ家が引き取ったパンチボウルセットを使い、夏の終わりの集いをすることにしたのだ。

このパンチボウルセットはアンティークのボヘミアングラスだとのことだが、本当にそうかどうかはわからない。かつて東で叔母とうちのドイツ人の母親の子ども時代に使われていたもので、東から西へ彼女らの母親と逃れるときに東に残った父親のところに置いて来たのだが、統一後、亡くなった父親の再婚相手の遺族から他の遺品…書斎机とかマイセンの食器とか…と共にトラックで送られて来たのだそう。その時の喜びと言ったら…と思い出話が弾む。で、このボウルは割れているのをくっつけて飾っていたらしい。だからうちのドイツ人の母親が、叔母の引越の際これだけは捨てずに引き取ってくれって言っていたのだ。

最初は今のフルーツのネクタリンで作ろうと思っていたのだが、マルクトでイチゴが売られていたので、最もオーソドックスでみんなの思い出に残るイチゴパンチボウルにしましょ、と。

ドイツでは春というより初夏にやっと美味しい地物が出回るイチゴ。だから、かなり季節遅れだけど、たまたまその日から夏の気温が戻ってきたので、遅ればせながらの初夏のパーティーと銘打って。6月にデュッセルドルフに引っ越してきた叔母をその頃招きたかったのだけど、めぎが日本やらザルツブルクやらに相次いで行ってしまったのでできなかったのだ。

この集いに来たかったもう一人にみんなでカードを書いた。来たかったのは叔母の姉、うちのドイツ人の母。89歳の彼女はマイセン近くの小さな村で一人暮らしをまだ元気に謳歌してるけど、電車に乗って長旅移動ができるほどではない。

このカードは日本からのお土産で、飛び出すタイプで蛍が光るカード。これまたモチーフが初夏という感じだわね。

用意した料理を、これまた叔母にもらったワゴンに載せた。一番上のトマトとパセリがトッピングされているのはポテトサラダ、その真下は白い大きな豆と紫玉ねぎとハーブのサラダ、その右の黄色い花が飾ってある緑のものはすり下ろした生ズッキーニのサラダ、一番手前はめぎが作った大根の柚子風味漬物。左上に小皿に載っているのは、従妹のお土産のアーティチョーク。

この日のメインは外のバーベキュー。

用意した肉の半分ぐらいしか食べなかったけどね。赤と緑はパプリカ。

叔母のホーム暮らしのことはもちろん、従妹の息子の新たな学び直し（2年間の自動車セールスの研修を終えて正規のセールスマンになった20代半ばの彼は、今度はさらに働きながら大学にも通って学位を取るらしい）の話やら、従妹と叔母が夏休みに行ったエルツ城などの話やら。みんなはめぎの日本のことやザルツブルクのことを聞きたがり、つまりいつもの家族の集いである。これまでいつも同じデュッセルドルフに住む従妹と定期的に食事していたけど、叔母が近くに来たので、たぶん今後はこういう集いがそれに取って代わるのだろうな。85歳の叔母はエレベーター無しの4階（天井が高いので、日本で言えば6～7階ぐらいの高さ）までちゃんと登れるし。

デザートはネクタリンといろんな種類のプラム系のフルーツ。フルーツの美味しい季節だからこうしたのだけど、やっぱりドイツ人たちはここでこってりケーキやアイスなどが欲しかったようだ…

みんな元気で、遅くまで窓を開けっぱなしにしておける陽気を心ゆくまで楽しんだ夜だった。このパンチボウルをまた使う日があるかしら。大勢が飲みに集まらないとできないから、ひょっとするともう無いかも知れないな。この日の思い出、きっとめぎたちの心にずっと残るだろうな…叔母が元気で、みんなで集って、夏の終わりにたまたまとても暖かい陽気で…って。