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1月10日の新聞から [小さな出来事]

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もう数日経ってしまったけど、今日もまた10日金曜日のお話を。
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この日、マルクト市場に行く前に歯医者へ行った。(休暇中に奥歯の詰め物が取れてしまったのだ。)これは朝9時半頃。まだ夜明けみたいな空だった。
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その待合室にその日の新聞があった。これはデュッセルドルフ周辺のライン河畔の地方新聞。一面に載っているのは、ライン河でまたこれこれの魚が泳ぐようになった、というもの。かつてとっても汚かったライン河の水質が今ではずいぶん改善したらしい。そうかあ、ボルネオの海ではあれだけの魚がいたんだけどなあ、でも、数年前と比べて珊瑚が激減したということだったなあ・・・とちょっと思いを馳せる。それにしてもこれが一面トップなのだから、ドイツには今たいしたニュースがないってことで、それはそれでとっても平和なことだわね。
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その一面トップの一番下に、先日同性愛者であることを発表したサッカーの元ドイツ代表(それどころかキャプテンを務めたこともある)トーマス・ヒッツルスペルガーについての記事があった。このニュースはその発表当日はまさにトップニュース扱いだった。
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関連記事のページを開く・・・「文化」欄の一面だ。彼のこの発表に関し世間は概ね好意的だ。多くの現役サッカー選手たちがこぞってツィッターやフェースブックで賛辞を表したし、公表はされていないがヨギやらその他の何人かの選手たちも恐らくそうであろうことは周知の事実で、誰も別に驚きはしなかった。ドイツでは政治家だって自分はホモだと公表している人がいるくらいなのだ。ただ、やはり、ドイツ代表サッカー選手、それも(たしか一回きりだけど)キャプテンを務めるというのは、男たる男のイメージを背負うということでもあり、現役選手や現役監督が堂々と同性愛者だと発表するのは躊躇われることでもあるのだろう。これをきっかけにいつか現役選手も公表する日が来るかしら。
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そんな注目のニュースと同じ紙面に、なんと村上春樹が載っていた。
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1月10日にあの「多崎つくる」のドイツ語翻訳が出版されたのだ。卓抜な作品だと絶賛されている・・・めぎもあの本は昨年取り寄せて日本語で読んだが、久々に面白かった。だからそれをうちのドイツ人にクリスマスプレゼントしたかったのだが、出版が1月10日って・・・どうしてもうちょっと早めてくれなかったのかなあ。


そこからまた誌面をめくっていくと、来週から始まるデュッセルドルフの日本映画週間に関する記事が載っていた。毎年行われているが、日本映画がドイツ語字幕つきで無料で見られる(その都度先着順)。日本語を教えている身としては、こんな企画があるのがとても有り難い。ただ、今回は18歳未満鑑賞禁止の映画が多く、高校生たちには勧められない(ドイツでは年齢制限を厳しくチェックする)。それがとっても残念だ。
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なんだか予期せず日本に関する記事が二つも載っていて、ちょっとびっくり。ここまで見たところで診察となり、新聞ウォッチはこれでお仕舞い。

そして買い物して午後は授業をして、これは高校での金曜日最後の授業の始まる前に写したもの。日が沈む少し前で、授業中に日没し、終わったら真っ暗。そんな中でも頑張って勉強する高校生にめぎはいつも心の中で賛辞を送っている。めぎが中・高校生の頃は、川は公害で汚く、公害病で苦しむ方々がメディアで取り上げられ、村上春樹がまだ売り出し中って頃で、トトロなどまだ影も形もなく、おすぎとピーコとかが同性愛を告白して注目されていた頃だった。外国はまだまだ遠く、留学などほんの一握りの優秀な人だけがすることだったし、一旦外国に出れば日本に連絡をとることすら非常に面倒でお金のかかることだった。国際電話するとまずは交換手につながったのだから・・・それが今やネットでいつでもどこでもつながり放題。彼らがめぎくらいの歳になった頃にはどんな世の中になっているのかな。
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コメント 10

ちばおハム

今時代は過渡期だそうです。
だから私たちは古い世代、前の世代の人間で、今の子どもたちは新しい世代を生きていくことになる。
子育てしながら世代の違う子たちをどうやって大きくしていったらいいのかな、と思うことが多いです。

by ちばおハム (2014-01-13 06:41) 

Baldhead1010

いい作品を他国語でその価値を落とさないように訳すのは難しいでしょうね。
by Baldhead1010 (2014-01-13 06:44) 

YAP

我が家も今は新聞購読をしていないのですが、久しぶりに読む機会があったりすると、新鮮で時間をかけて読みます。
by YAP (2014-01-13 09:36) 

krause

「多崎つくる」、私も読んでみようと思います。
by krause (2014-01-13 09:39) 

mimimomo

世の中の移り変わりが早くて齢をとるとついて行くのが大変です。
by mimimomo (2014-01-13 10:20) 

hideyuki2007y

となりのトトロが紹介されるということは、これから日本のアニメ映画の人気が出てくるような気がします。
by hideyuki2007y (2014-01-13 10:38) 

たいちさん

「多崎つくる」は未読ですが、「1Q84 」は読みました。日本の小説が外国語に翻訳されるのは嬉しいですね。
by たいちさん (2014-01-13 14:34) 

ふーみん

トトロ 何回みても飽きないアニメですね。
世界でも日本のアニメが注目されて誇らしいですね。
by ふーみん (2014-01-13 17:18) 

テリー

さすがドイツですね。サッカー選手の記事が、新聞の一面記事に出てくるんですね。
日本ならどうでしょうね。
村上春樹は、毎年ノーベル賞候補に出てきているという噂ですから、ドイツ語訳が出ても当然でしょうね。1Q84 は読みました。
三島由紀夫が、ノーベル賞候補になっていたというのが、50年後の秘密公開で、明らかにされましたが、三島由紀夫は、ノーベル賞をもらっても、おかしくないと思いましたが、村上春樹は、どうなんでしょうね。まあ、人気作家であることは、間違いないですが、ーーー。
by テリー (2014-01-13 22:37) 

Inatimy

村上春樹の本はこちらでも本屋さんでよく見かけますね。
「多崎つくる」のは、どうだろう・・・もう発売されてるかまたチェックしようっと。
by Inatimy (2014-01-14 16:58)