妹のもてなし [北ドイツの風景]
めぎは今、妹の家を探検中。真ん中にあるのは薪ストーブ。その左の階段の上には・・・
屋根裏部屋が。
夕方の光が綺麗。
窓から外を見ると、大屋さんの渋い屋根と・・・
無造作に積まれた薪が。
再会を祝してワインで乾杯!この、水を入れているミルク瓶がなかなかステキ。
妹が料理している間に・・・
バルコニーでは日没を迎えた。
挽肉とインゲンとブロッコリーのグラタンと、ルッコラとマッシュルームのサラダ。小鉢に入っている茶色っぽいのは、ひまわりの種を炒ってちょっと醤油で味付けたもの。香ばしくて、ちょっとアジアンテイストで美味しかった♪
翌朝、近くを少し散策。
その後、妹と一緒にイースターを祝いにハンブルクの父親の家へ。もう3週間も前のこと・・・この間にすっかりドイツは様変わり。ああ、長い旅行記でしたねえ。明日からまたデュッセルドルフの話をどうぞ。
北ドイツへ [北ドイツの風景]
みなさま、ヨーロッパの「貴族」って聞いたら、どんなイメージをお持ちかしら。
↑こんな長閑な景色のところを白馬の引く馬車で・・・なんて、私だけ?
ドイツにはもはや皇帝や君主はいないけど、貴族出身の家系の人たちはいる。名字にvon(フォン)がつくのがその印。例えばゲーテの名前はJohann Wolfgang von Goethe(ヨハン・ヴォルフガンク・フォン・ゲーテ)といい、正式にはヨハン・ヴォルフガンクが名前、フォン・ゲーテが名字。名前を訳すと、ゲーテ家のヨハン・ヴォルフガンクさん、という感じである。言い換えれば、名前にvonが無ければ貴族ではないということ。ベートーベンがLudwig van Beethovenという名前で、vonではなくvanなのにウィーンの宮廷社会で貴族と勘違いされたことをそのままにしていたとかっていうエピソードはクラシックファンなら一度は聞いたことがあるだろう。
ところで、先日もちらっと書いたが、5月最後の週の木曜日にうちのドイツ人の母親がザクセンから遊びに来て、週末に一緒に北ドイツの妹の家へ行ってきた。金曜日の午前中にバタバタと仕事を終わらせ、慌ただしく出発。ここはブレーメン手前のアウトバーンのパーキング。
バックに見えているのはパーキングのトイレ。フリース着てトイレ近くのこんなベンチでタッパーに入ったお弁当を前にまず一服しているのがうちのドイツ人の母親。ええ、そうなんです。彼女は貴族。名字にvonのつく正真正銘の貴族。みなさまの貴族のイメージ、壊しちゃいました?彼女はザクセン地方の貴族の出身で、戦争や東西分裂のために何もかも失ってしまったけど、その生き様は貴族の誇りに満ちている。子供の頃に目の前で祖父がソ連兵に射殺されたというエピソードを初めとして辛酸をなめ尽くした人生だけど、常に前向きで、常に胸を張って生きている素敵な女性。
ちなみにタッパーの中身はうちのドイツ人お手製のフリカデレというドイツのハンバーグと、マルクト市場で買った鶏のスモークのスライスと、写ってないけどめぎの作ったかぶの浅漬け。グレイの水筒に入っているのはエスプレッソコーヒーで、赤い小さい方は中国茶。赤い水筒の左にちょこっと上だけ写っているペットボトルはめぎが日本から持ち帰ったお茶ので、中にはミルクが入っていて、エスプレッソとそのミルクでカフェオレにするというわけ。ドイツのアウトバーンには美味しいレストランがないので、いつもこうやって準備していく。貴族の母親も、出かけるときにはハムサンドなどをつくって持参するとか。時代が時代なら召使いが用意してくれたんでしょうけど・・・民主化や平等って、良い面もいっぱいあるけれど、味気ないこともいっぱいありますわねえ。
遅い昼食を取った後、金曜日の午後とあってアウトバーンがブレーメンのあたりでちょっと渋滞したので下道へ。向こうに見えるのがブレーメン。
一般道も渋滞してたけど、距離的にちょっとショートカットできたみたい。
休憩入れて4時間近く走ってようやくアウトバーンを降りると、そこは北ドイツの風景。
煉瓦が多いのは、北ドイツに石がないから。
あ、ヒッチハイクしている人が。全然車止まってくれないみたいだったけど。
さてさて、北ドイツの妹の家と言えば・・・それは、以前はここを左に曲がった方向にあったんだけど・・・長い読者の方は森の家のことを覚えていらっしゃるかしら。
知らない方で興味のある方はカテゴリーの「北ドイツの森の生活」とその続きのお話「妹の家」をどうぞご覧になって。簡単に言えば、動物たちと一緒でとっても美しく楽しかった森の家の時代は過ぎ去り、新しい人生をスタートさせた賃貸生活を経て・・・
去年の秋に妹はこの家と土地を購入。そうそう、去年めぎが日本へ行っていた間、うちのドイツ人はここへ引っ越しの手伝いに行ってたの。
貴族の血を引く娘(=うちのドイツ人の妹)の暮らしのテーマは、「自然」と「自立」。そのお話は明日から。
菜の花畑に面したテラス [北ドイツの風景]
妹の家に入る前に、外から裏の庭の方へ。すると・・・
菜の花!
黄色が眩しいほど。
ドイツでは菜の花は菜種油用に栽培されている。もうちょっと早かったら少し失敬して菜の花のお浸しができたかも知れないのにな~ドイツのスーパーやマルクトには菜の花は売られていない。あ、この菜の花畑はもちろん妹のものではない。菜の花畑と妹の敷地との間にはちょこっとした溝があった。
そんな菜の花畑を目の前にした庭にはテラスがあって・・・
広大に開けた視界と共にお茶ができる。
ハンブルクに住む孫娘も顔を見せ、うちのドイツ人の母親は大満足。
隣との間には、森と呼ぶほどではないがちょっとした林が。
うちのドイツ人の妹は2年くらい前に15年連れ添ったパートナーと別れ、大好きだった森の家を出て賃貸を借りて住み心地よく整えたものの、賃貸では落ち着かず、庭も欲しくて土地と家を購入することにしたのだとか。その際のポイントは、できるだけ自然があること。で、この家を購入したときには家は荒れ放題、外には放置された大型ゴミだらけだったとか。それを冬中かけて少しずつ片付け、ようやくここまでに。仕事しながら一人でここまで家を整えていくなんて、ドイツ女性は逞しいなあといつも感じる。
ここに植わっていた植物と共に買い取ったそうで、この春は何がどこから生えてくるのか見るのが楽しかったとか。
このお花は鉢植え。
こんな広大な景色が目の前にあるなんて、なんという贅沢・・・毎日仕事から帰ってきたら、目の前にこの景色。人間社会のいろんな鬱陶しい出来事をあっという間に忘れてしまいそう。