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採掘に消える町 [プチ教養]

昨日の採掘場の大きさを、めぎと一緒にどうぞ感じてください・・・

マシーンの一つの近くに行ってみた。さすが自己責任の国、全く通行止めにもなっておらず、ずいぶん近くまで行くことができる。

じゃじゃーん!

これは、表面の土を取り除いているところ。この下に褐炭が埋まっているのだ。写真ではよく分からないが、結構な高さ。柔らかそうな土の崖っぷちに立って、結構危険。日本だったら絶対に立ち入り禁止だと思う。

こんなにたくさんえぐられたんですねえ・・・

近くの自動車と比べてみると、この機械の大きさが分かるだろう。


遠くに発電所などが見える・・・

もくもくもくもく・・・・

遠くに風力発電の風車もいくつか見える。ドイツには結構この風車が立っているのだが、昨日の最初のグラフでお見せしたように、風力発電の割合は全体の1%程度である。

彼方に教会の尖塔もいくつも見えた。

この辺りをGoogle Earthでもう一度見てみると、左側にOtzenrathという村がある。

ここに立っていた案内図ではちょうど逆の向きになっている。

Google Earthの写真と比べて、採掘場がこのOtzenrathという村にほとんど迫ってきていることがお分かりいただけるだろう。

ここについ最近まで、うちのドイツ人の知り合いが住んでいた。もうすぐ採掘場になるということで、住民は全員立ち退かされたということだった・・・

その町に行ってみると・・・

町はゴーストと化していた。

取り壊され中の家・・・

きゃーーーーーー!!!

こうやって、一つ一つゆっくりと壊していくんだろうか・・・ずいぶんゆっくりと仕事するんだなあ。その分、家の悲鳴もずーっと長く響いているような気がする。

この採掘場の名前であるGarzweilerも、ここにあった村の名前らしい。元々は13世紀の修道院に由来するその村は、1987年以降、小学校を閉鎖し、最後の射撃祭を祝い、その後全てが取り壊された。いくつもの村がこうしてエネルギーと化していったのだ。家が取り壊され、教会も潰され、お墓もなくなり、動物も住処を追われ、全てエネルギーとなっていったのだ・・・もちろん、教会のオルガンや洗礼盤やお墓などは別な場所へ引っ越ししたというが・・・

そのおかげでエネルギーが作られ、めぎはコンピューターと回線を使ってブログで皆さんと繋がることができているのですよね・・・せめて、夜更かししないで早く寝よう。


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コメント 41

newyork

めぎさんだ!はじめまして!
それにしてもすごい機械ですね。今、うちのドイツ人が両親と話しているんですが、めぎさんのブログの話をしたら、この場所知っているって言っていました。ここでコンサートとか行われる時もあるって本当ですか?そんな風に見えませんが。こういう歴史的な古い場所がエネルギーの為に壊されていくのはちょっと悲しいですね。生きていく為にはしようがないことなのかもしれないけれど。。。
by newyork (2007-10-01 01:06) 

もん

人間は、地球にとっては活きる細胞を食い尽くしてゆくガン細胞でしかないのかなぁ・・・。周囲一体が競うように隙間を見つけてはその隙間を押し広げ、高層ビルになってゆくのを見ているだけでも、そう思うよ。「足ることを知らず」。
by もん (2007-10-01 01:48) 

julliez

何だか、千と千尋や宮崎ワールドが頭の中を旋回しています。
エネルギーを奪いながらエネルギーをひねり出し
生きるということは、大変です。
by julliez (2007-10-01 01:54) 

たろちぅ

か、かっきーーーー!
そのでっかいでっかい機械すんごいね。
回転してるとこの回りの足場からするとビル三〜四階分?
と、ひとりずれててごめんなさい。こういう機械が好きなの。

街の閉鎖途中。夕張の話を憶いだしちゃった。
by たろちぅ (2007-10-01 04:18) 

ブルーメン

広い土地ですね~めぎさんが写ってるのにも感動しました!
街の閉鎖、人々の生活も犠牲になっているんですね。
心苦しくなりました・・・。
by ブルーメン (2007-10-01 04:25) 

Ducca

ほんと、この大きさにびっくりです。
採掘のために立ち退きを余儀なくされた人たちの
気持ちを考えると・・・・うむぅ。。。
by Ducca (2007-10-01 05:09) 

krause

実機の大きさにびっくりしました。こんな大きな掘削機を使用しているのですね!
by krause (2007-10-01 05:14) 

Inatimy

採掘し終わった場所は、また何かに利用されるのでしょうね。
by Inatimy (2007-10-01 05:20) 

took

前半、その機械の大きさにビックリしましたが、後半は・・・
なんだか寂しい気がしますね♪
ダムに埋まった村と通じる悲しさがあるなぁ・・・
by took (2007-10-01 05:28) 

manamana

エスエフの世界ですね。
スケールがでっかい割に、ハイテクではなさそうなところ。
by manamana (2007-10-01 06:11) 

Baldhead1010

日本とは規模が違いますね。

高知の鳥形山でも石灰石を採っていますが、そこのダンプもでかい^^
by Baldhead1010 (2007-10-01 06:12) 

マダム・リー

よくもまぁ、こんな大きな機械を作ったもんですね。
これを動かす人も相当訓練がいりそう・・・
褐炭は原子力を使わずにすむとはいえ、地球を
けずって使いつくしていくもの。
緑をけずり、動物を追い、どこまでけずっていくのでしょう。
空恐ろしくなります。
by マダム・リー (2007-10-01 06:25) 

すごいもの見せていただいた感じがします。
チーム-6としてはまたまた考えさせられました。
何気にめぎさんも登場でしたね(笑)
by (2007-10-01 07:41) 

MOCOMOCO

エネルギーを得るために失われていくもの・・・
考えさせられますね。
by MOCOMOCO (2007-10-01 08:34) 

いさ

掘削機の大きさ、(歯もすごい!)採掘場の大きさに改めてビックリです。
ゴーストタウンになってしまった街、今まで沢山の人々の歴史が詰まっていたのかと思うと、壊されてしまうのはとても切ないですね。。。
でも、生活の為のエネルギー源も必要ですし、複雑な気持ちになります。
私も節約する努力しなくっちゃ!
by いさ (2007-10-01 08:51) 

rino

めぎさんのお姿お目にかかれて嬉しいわ。
ブルーのマフラーがお似合いで素敵です。寒いのですね。
採掘場の広さと機会の大きさにびっくり!
ここでの自然や人々の生活が破壊されて立ち退かされていく現実もあるのですよね。でもエネルギーなしでは今の生活は立ち行かない。
いろいろ考えていかないといけませんね。
by rino (2007-10-01 08:55) 

人間が地球上で生きていくには何かを犠牲にしなくては
ならないのでしょう。。
立ち入り禁止区域にはならないのがドイツらしいんでしょうか。
めぎさんご登場でしたね(*^_^*)
by (2007-10-01 08:57) 

いとお

すごい大きいんですね(^^;
我々が普段何気なく使っている
エネルギーって、こうした地球の恵みを
使ってしまっているんですよね。
改めて大切に謙虚に、感謝しなければ
と思いました。
by いとお (2007-10-01 09:35) 

laf

町が消えるのは、つらいですね。
建物自体は、新しそうなので、新しい町かな。
数百年の歴史があると、建物まで価値があり、思い出もたくさんあると思います。
でも、さすがドイツ。電線がありませんね。すべて地下に。すごい。
by laf (2007-10-01 10:24) 

広い・・・
by (2007-10-01 11:00) 

くっさん。

日本でも採石場などで山がなくなって、地形が変わっている場所を見ますが、
町までなくなるとは…
薪やロウソクには戻れないし、あらためて感謝の気持ちは沸いてきました。
by くっさん。 (2007-10-01 12:43) 

ぽりぽり

グランドキャニオンみたいですねぇ~。 それに、アニメに出てきそうな巨大機械生物みたいです。。圧倒!! ジャーナリストめぎさんの写真を撮っている場所にドキドキ。。日本では、警備員さんにピィ~ピィ~とされそうですよぉ~。 貴重な記事有難うございます。
by ぽりぽり (2007-10-01 15:44) 

wakatate

採掘場、凄い広さですね、遥か地平線まで?
街を潰してまで、褐炭堀日本では考えられないですね。
めぎさんの服装はもう冬並みですね。
by wakatate (2007-10-01 17:32) 

rose

こうやってエネルギーが作られているのですね・・
その上に成り立っている裕福な生活だということを
忘れてはいけないですね。とても勉強になりました。
それにしても、町の写真が痛々しいです。
by rose (2007-10-01 18:40) 

RangerMaeda

この大きなクローラーの重機
確か世界一大きな車とかでテレビで見たかも^^
これも人々のためなんですよね
でも、なぜか、地球の悲鳴が聞こえる気がします
by RangerMaeda (2007-10-01 21:22) 

ふくちょ〜

こういった機械に「萌え〜」な男子が我国には多いようです。かく言うボクもそうだったりして・・・。是非直に見てみたい!
by ふくちょ〜 (2007-10-01 22:45) 

Fuu-tt

迫力有る写真に・・・吃驚!で~す。
トランスフォーマー開発チームでも
想像を超えた現実には敵いませんネ。

町並みが泣いている様で悲しいです(゜-Å) ホロリ
by Fuu-tt (2007-10-01 22:47) 

しみ

この機械、運転中だったのですか?
相当怖いかも…。
どんどん採掘場が広くなっていっているのですね。
街が壊されていくのは悲しいですね。
by しみ (2007-10-01 23:03) 

ada

あら、めぎさん、こんばんわ。襟巻きしてますね。寒いのかしら。
家を取り壊してまで、エネルギーを作り出す、本末転倒のような感じですね。
by ada (2007-10-01 23:47) 

もとこさん。

歯の付いた巨大な機械と、削り取られた広大な地面に、本能的な?動物的な?恐怖を感じます。人の手で作られ、人の手でこわされて行く街もせつないですね。地球上のあちらこちらでから、こうして得たエネルギーを、私たちはいったい良きことだけに使っているのでしょうか?
by もとこさん。 (2007-10-02 00:22) 

めぎ

>みなさま
採掘の話におつきあいいただきありがとうございました。
昨日のコメントでKrauseさまがお書きになっていましたが、ドイツでは数年前に、ドイツ国内の原子力発電を2030年までに全てストップするということ決めました。それ以降、新しい原子炉の建設も禁止され、あとどの程度ウランを使っていいかも細かく決められているそうです。
なぜそのような英断に至ったか。それは、廃棄物の処理に困ったからです。廃棄物を無害化する技術は未だ発明されていませんし、大量の有害危険廃棄物をいったいどこへ捨てるのか。捨てる場所がありません。一時的に保管している場所も、永遠に無害で保管できるという保証はどこにもありません。
そこで、ドイツは、ウランや石油や石炭や褐炭などの、いずれは底をつく有限のエネルギー源ではなく、太陽や風力などの無限に存在するものからエネルギーを十分に供給しようと、急ピッチで研究を進めています。例えばスペインと共同でアンダルシアに太陽エネルギー発電の実験場を作り、いずれはモロッコの砂漠の上に大規模な太陽エネルギー発電所を建設する計画があるそうです。
その一方で、断熱材などを完備し、お風呂や料理などで発する熱を再利用する形で、まったく暖房器具を使わないで済む住宅も建てられているそうです。それ以外にも、ドイツ人のこまめに灯りを消す習慣はものすごく徹底しており、蛍光灯などほとんど使わず間接照明と蝋燭で夕飯を食べるなど、できるだけエネルギーを使わない工夫をしているのです。
原子力発電に頼らない、という政府の方針を支持したドイツ国民は、その結果として褐炭採掘場の拡大が一時的に進むことについて、概ね仕方がないと受けとめています。だから、立ち退きにも素直に従っているのでしょう。その潔さというか、自己責任の徹底というか、将来を考えた行動力には感心します。
そういう実態を目にすると、24時間こうこうと灯りがついている日本のスーパーやコンビニの存在を、便利だからとそのままにしておいていいのか、高層住宅で何もかも電気で管理するようなシステムであっていいのか、という気がしてきます。
しかし同じドイツでも、自動車の排気ガスの点になるとなかなかこうはいきません。大型車を売りにしているドイツ車ですから、日本の自動車メーカーのようなハイブリッドカーの開発にはどうも遅れをとっているようですね。二酸化炭素対策に関してはまだまだという気がします。
by めぎ (2007-10-02 00:24) 

めぎ

>みなさま
長くなったので、一度切りました。
大型機械が大好きな私は、マシーンが動いている平日にここへ行きました。これほどの大きな機械ですが、動きは優雅に見えました。この大きさをどうやってお伝えできるか、ずいぶん考えましたが、少しでも伝わったでしょうか。
こんな場所なのに、誰も見張っていないし、通行止めでもないし、結構長い間見ていたのに誰も来ませんでした。節度をわきまえていればあとは自己責任に任されている国です。日本だったら、こういうところが見えないように囲いをするでしょうし、入り口に誰かが見張りとして雇われるでしょう。そういうコストの所為で日本の物価があれほどに高いのだと思います。
ここでコンサートがあったのかどうかは私はわかりません。立ち退きをする町がその最後にいろいろな催しをしたりすることはあるようです。
この広い空間が、将来何に再利用されるのかについても知りません。50年後くらいには太陽エネルギー化され、ここの採掘がストップし、この空間に新しい町が建設されているかも知れませんね。それまで私は生きているかなあ・・・かなり微妙です。
ドイツはすっかり寒くなりました。ダウンジャケット来て歩いている人もいますよ。めぎはたまーにブログに出演してます。前回はヘルゴラントでした。
by めぎ (2007-10-02 00:33) 

わあ、完全に出遅れた・・・
もはや、皆さんのおっしゃる通りです。
家が壊される場面は辛いなぁ、その家のいろんな
歴史も壊されるようで。最初の写真はまるちゃん・・・
じゃなくて、めぎさん?もうちょいアップで(笑)
でもいい雰囲気だな☆早くも冬ファッション?
by (2007-10-02 00:53) 

めぎ

>コールドターキー様
出遅れストロベリーさん、お仕事お疲れ様です~まるまる目立ってますわねおほほほ。寒くて青いカシミアストールぐるぐる巻きでしたよ。
by めぎ (2007-10-02 00:56) 

hihimama

すごい景色ですね。。。驚きました。。
自己責任の国。。ハンガリーも同じくです。。
こちらもこまめに灯りを消す習慣は徹底されています。。自分になにができるか。。小さなことでも実行が大事ですよね^^
by hihimama (2007-10-02 06:37) 

Basti Fantasti

上から3番目の写真がハウルの動く城みたい・・・。
めぎさんの今回の記事で色々これからの各国のあり方とか、自分自身でも微力ながらも環境面等に関してなんとかせねばという気持ちになり、とても勉強になりました。ありがとうございます。
日本もいつも出遅れることなく進んでこういった潔い行動をしてもらいたいなぁ・・・
by Basti Fantasti (2007-10-02 08:47) 

めぎ

>hihimama様&Basti様
ドイツは「ロマンチック」などという言葉ととても綺麗な景色で観光客を惹きつけていますけれど、EUの中ではダントツトップの工業国なのですよね。豊かな生活の裏にあるものを直視しなくてはなあ、という気がします。
by めぎ (2007-10-03 01:32) 

とよっち

スターウォーズみたいです。

日本でもダム建設のために
山間の村が水没する話がありますが・・・
規模が違いすぎますね。

エネルギー、効率的に上手に使わないといけませんね。
by とよっち (2007-10-03 12:29) 

はぁ~すごいことしてるんですね。この煙がまたすごい。
でも目に見えるだけに こんなことまでしてるんだから大切にしようねエネルギー と思えるのかも。
100年ぐらいたったら ここはどう生まれ変わっているでしょうね
by (2007-10-04 13:48) 

どらっち

そのあと、その場所がどうなるのか、見てみたいような気がする。
掘りっぱなしってことはないよね。エネルギーの無駄使い。それは、
一番、アメリカに言って欲しいなぁ。って思う。
by どらっち (2007-10-05 12:39) 

めぎ

>みなさま
この掘ったところは、掘り終わったところから緑を植えていっているそうです。いつかは緑いっぱいの公園になるのかも。
by めぎ (2007-10-07 21:53) 

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