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聖霊降臨祭のザルツブルク音楽祭1日目 [2023年初夏 ザルツブルク]

今日は2023年5月末のザルツブルクのお話を。

滞在1日目、午前中にザルツブルクに着き、お昼過ぎにチェックイン。その後、宿のすぐ裏のビアガーデンへ。
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ここで、やっと到着の乾杯。うちのドイツ人はGösser(グェッサー)というオーストリアのゴールド色のビールが好みで、いつもそれを飲む。
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めぎはStern(シュテルン)というザルツブルクの地ビールの濁りのあるビールが好みで、いつもそれを頼む。グラスにはHausbier(ハウスビール、つまり地ビール)と書かれてた。
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めぎ家はどこに行っても一番小さいグラスのを頼み、冷たいうちに飲み干せるようにしている。もっと欲しければお代わりすればいいのだから、と。

目の前にはSternの広告牛。牛さんはここにいた記憶があるが、この柄は今年初めて見たような気がする。
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さて、その後は夜の音楽祭の公演に備えて宿で昼寝。毎年夏に行っているザルツブルク音楽祭だが、実は春のイースターの時期と初夏の聖霊降臨祭の時期にも短い音楽祭が開かれている。今年2023年は初めて、初夏の音楽祭にも行ってみることにしたのだ。この日の公演は19時半から。夏至前の5月27日19時過ぎの空。
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祝祭劇場は満席。マスク姿も全く見当たらなくなっていた。
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この日の公演は18世紀の作曲家クリストフ・ヴィリバルト・グルックのオペラ『オルフェとウリディス』。これにはいくつかの版があるが(それについてはこちら)、この日のはバレエがたくさん入った1774年のパリ版。それをジョン・ノイマイヤーが演出するということで、ぜひ見てみたくて聖霊降臨祭にもザルツブルクに来ることにしたのだった。出演者等の情報はこちら(ドイツ語)。公式予告映像はこちら。1分も無いので是非どうぞ。



これは初演ではなく、ノイマイヤーの焼き直し4作目の再演。そのハンブルクでの4作目のときのがこちらで少し紹介されている。ドイツ語で説明が入るが、設定すれば字幕を日本語にしてつけることができるので、よかったらどうぞ。



実は2020年、1859年のベルリオーズ版のがジョン・ノイマイヤー演出とめぎの好きなアルト歌手マリアンヌ・クレヴァッサの歌で公演されることになっていて、今年亡くなったアンゲリカ(うちのドイツ人の父親の3人目の奥さん)を連れて見に行こうとチケットを取ってあったのだが、コロナでキャンセルに。その夏は規模を縮小して音楽祭が開かれたのだが(2020年の夏に音楽祭を開いたのはたぶん世界中でザルツブルクだけだったのではないかと思う)、5月末の聖霊降臨祭の時はとてもじゃないが開けるような世界ではなかったのだ。それは初演の予定だったので、返す返すも見てみたかったなぁ…アンゲリカにも、音楽祭という華やかな場所をもう一度だけ味わわせてあげたかった。まあもう仕方がないのだが。

で、2023年のは2020年に予定していたのをやるのではなく、もっと昔にやったのを再演するということで実現。『オルフェとウリディス』というのはギリシャ神話のオルフェウスの物語(妻が毒蛇にかまれて死んで、取り戻すために冥府に行き返還を許されるが、冥府を出るまでは決して振り返ってはいけないという条件を守り抜くことができず永遠に妻を失ったという話)のことで、ノイマイヤーはそれを、振付師とその妻バレリーナとの物語、バレリーナは振付師の振り付けが気に入らず、ケンカしてリハーサルを飛び出し、交通事故で死ぬ、という物語に書き換えた。その筋書きはまあ分かるけど、話の本質はどうして死ぬのかじゃなくてどうして振り返っちゃうのかというところだから、陳腐に説明しなくてもいいんじゃないかなぁ…

オルフェとウリディスは歌手が歌い、同時にバレエも演じられる。バレエの質は素晴らしく、歌手の歌声もよかったが、演出はまあまあといった感じ。なんと言うか、オペラとバレエが一体になっていないというか、ノイマイヤーというバレエ振付師の演出だからかどうしてもバレエが主体になるというか、バレエが独立しすぎてオペラとして一つになっていない印象を受けた。そのバレエ、オペラとしては無くても別にいいよね、という感じに見えてしまうのだ。または、歌はつけ足しに見えてしまうというか。歌の歌詞は変えられないので仕方がないけど、例えば、バレエの振り付けがもとでケンカしてそれで出て行って死んだのなら、振り付けについて冥府でまたケンカして「私冥府に残るわ!」となるなら辻褄も合うと思うのだ。でもそうはできないのだから、最初の筋書きって意味ないと思ってしまうのだ…
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指揮者は日本人の山田和樹。オケはカメラータ・ザルツブルク。演奏はめぎ的には可もなく不可もなく。
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ノイマイヤーには拍手大喝采だったが、まあ2019年の最終改作版を見て内容を知っているファンがいっぱい来ていたのだろうから当然だろう。めぎも、彼のバレエ振り付けは素晴らしいとは思う。でも、オペラとバレエの総合芸術としては、うーん…というのが正直な感想だった。
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…というようなことをアンゲリカと話してみたかったね、と言いながらこの日は終了。この時のザルツブルク滞在は3泊4日で、この後話はまだまだ続く。
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Baldhead1010

近頃節約のために晩酌のビールを500mlから350mlに代えたのでちょっと物足りない。
暑い夏は大瓶のキリンラガーを飲みたいな^^
by Baldhead1010 (2023-08-28 05:05) 

(。・_・。)2k

お酒飲めないので 最近 アルコールフリーのを飲んでます
飲めたら楽しいんだろうなぁ
牛 ちょっと家にあったら楽しいんだろうなぁ
by (。・_・。)2k (2023-08-28 11:32) 

engrid

ぐっと一気に飲める方は、大きなジョッキでいいのかな、小さなので冷たいうちに、相野方がおいしくって思いますけれど、ビール好きには物足らないのでしょうね、オペラとバレエ、視聴いたしました、バレエ素晴らしい、オペラとの共演は、お互いに良い感性に導かれるのが難しいのでしょうか、、、
by engrid (2023-08-28 23:21) 

Inatimy

ドイツのお店とか、一番小さなグラスで500mlとか、よくありますよね・・・^^;。
それでも多いので、我が家は、いつも2人で分けっこです。
しかも冷たくない、割と高めの温度でサーブされる色の濃いビール。
ゆっくり飲めるのもいいから。
by Inatimy (2023-08-29 06:02) 

おと

ビール、美味しそう~♪
初めてお会いして、連れて行っていただいて乾杯した、想い出の場所です^^
by おと (2023-09-03 03:19)