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〆は再びここに [ポルトガル北部]

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現在、イースター休暇中のポルトガル北部旅行記を連載中。ポートワインの部は本日でお仕舞い。

ポートワインのメーカーの一つであるフェレイラの見学を終え、めぎたちはまたこのバルへやってきた。
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この日は聖金曜日の祝日。バルは混んでいた。向こうの右端にいる男性が、これからポルトガルは強くなるんだ!と息巻いていた。
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隣の席ではお姉さんたちがポートワインとスマホを楽しんでいた。
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めぎたちはここで一休みをし、どこでどのポートワインを買うかを協議した。初日のポルトで17ユーロのトウニーのレゼルヴァを買ってあったし、その後ポルトに戻ってくるまでに、旅先の町のスーパーで既に1本8~10ユーロ程度のまあまあのを5本買い込んでいた。あの、初日に迷った30年物のトウニーを買いに行くか。たった今見学で聞いた当たり年の2011年ヴィンテージを買うか。

迷いつつ、バルの近くのワインショップへ入って、2011年ヴィンテージがいくらかを聞いてみた。その店には2種類用意してあって、どちらも約50ユーロだった。これは買ってもすぐに飲めるものではなく、少なくとも10年以上は地下室において熟成させなければならない。しかも、ルビーなので、開栓したらすぐに飲まなければならない。10年か・・・そのために50ユーロ払って買う?この甘いワイン一本を二人で一晩では飲めないねえ、誰と飲み干す?そのとき、閃いた。そうだ、めぎの還暦まで取っておけば良いんじゃない?そのときに近くにいる友人かお世話になっている人を招いて飲めばいいんじゃない?

ということで、その店の写真が残念ながら無いが、このヴィンテージを購入してきたのだった。
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そしてもう一つ、懸案の30年物をどうするか。ポルト最後の夜は、再びあのワイン学のお店に行って、他にも試飲してみて買うか否かをそこで最終決定することにした。
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プロフェッサーさん、いるかな~
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いた!
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プロフェッサーは一週間前に来ためぎたちのことを覚えていて、喜んで迎えてくれた。

そして、今回は等級の高いトウニーばかり3種類、試飲するコースにした。前回とは別のメーカーの7年物レゼルヴァと30年物、そしてもう一つ40年物である。トウニーにはさらにこの上に単年度の葡萄で作られたコレェイタというのがあるが、そこまではキリがないので(買えないし)試飲しなかった。
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綺麗な色ね~これ、左から右へ進むにつれて色が薄いのだが、この写真では全く分からないわね。
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プロフェッサーは色が比べやすいようにと白い紙を持ってきてくれた。
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一週間色々体験してきためぎたちは色々質問もあって、それにもとっても丁寧に楽しそうに答えてくれた。中でもめぎが知りたかったのは、発酵途中の葡萄液をブランデーで止めるのは、どのあたりでなのか、ということ。なんと2~3日目だという。ええ、そんな初めの段階で!?あの白い羽ちゃんの、まだまだ発酵が始まるか否かの甘い時期に止めちゃうってことね。そうなのか~どおりでポートワインは甘いはずだわね。

さて、レゼルヴァと30年物は既に体験済みだったが、初めての40年物は、これまたとろけるような魅惑的な味だった。今回の40年物は以前飲んだ30年物と同じメーカー。味の方向性も似ていて、あれがもう10年経つとこんな味になるのね、というのがよく分かった。

しかし、めぎたちがびっくりしたのは、この30年物の個性的な味。なんと言ったらいいか、樽の湿ったちょっと腐ったような風味というか、皮のようなというか、アーモンドやレーズンや乾燥したナツメヤシというか、そういう味と香りがするのだ。前回のふんわり魔法にかけるような魅惑に対し、今回の30年物は強烈な個性で惹き付ける魅惑である。おお~面白いね~~
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どうしよう、これにする?前回のにする?と迷うめぎたちに、プロフェッサーは前回の30年物も比較のためにちょっとだけおまけに出してくれた。(写真は以前アップしたのと同じ)
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ずいぶんずいぶん迷ったあげく、めぎたちは今回の30年物をうちのドイツ人の還暦祝いに購入したのだった。うちのドイツ人のお祝い用だから、最終的に決めたのは彼である。こちらの方が面白い、と。プロフェッサーが言うには、前回の30年物は近代的な生産方法で、今回の方は昔ながらの製法なのだとか。ドウロ河流域の葡萄畑の中にあるラメーゴという小さな町のメーカーであるということもなんとなく魅力的に感じたし。前回の30年物より10ユーロほど安く、89ユーロで購入。こんな高いワインを買ったのは初めてだわ~~

でもね、還暦祝いだからね♪

ワイン学のプロフェッサーとは自己紹介までしてお別れした。またいつか、ここに行くことがあるかしら。10年後とか、20年後とか・・・うーん、20年後はうちのドイツ人は79歳かあ、ここまでこられる元気があると良いな。いつか行けたとき、あのプロフェッサーがまだここにいると良いな。
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撮影: D600 + 20mm(F1.8)、Nikon 1 V3 + 30-110mm(F3.8-5.6)


♪ おまけ ♪

右端のを開けるのはあと8か月半後。真ん中のを開けるのはあと10数年後。左端のはそのうちに何かの折に。どれも今、地下室で眠りについている。
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で、まず開けたのは8ユーロくらいで買った10年物と・・・(これは以前も載せた写真)
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アペリティフのホワイト。このホワイトはポートワインにしては珍しく単一葡萄だけで作られたもの。うちのドイツ人の拘りである。
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Malvasiaの葡萄の味がするという。ちょっとハーブ酒のような味。
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コメント 7

Baldhead1010

そこにしかない食べ物や飲み物は、ネット通販の時代とは言え、やはり実物を味わってから買うのが得策ですね。

かといって、そのための外国旅行はちょっと無理みたい^^;
by Baldhead1010 (2016-04-22 04:28) 

ナツパパ

いい人と出会え、ラッキーでしたね。
こういう人と出会えるかどうかで、旅の印象も大きく変わることでしょう。
めぎさんご夫妻とポルトにとても良いことだったなあ、と思います。
8ヶ月半後...飛行機、予約しておきます(笑)
by ナツパパ (2016-04-22 07:49) 

YAP

ドイツももうスマホが幅を利かせてますか。
ワインを愉しむときくらい、ゆっくり会話すればいいのにね。
by YAP (2016-04-22 08:15) 

engrid

良き人との出会いですね
旅の醍醐味かしら、忘れられない思い出
還暦の時にとか、いいですね、、その時に出会いのことが
話題になって、ポルトガルの旅の思い出がいきいきとなるのかしら
by engrid (2016-04-22 18:23) 

Inatimy

現地で学んで、ちゃんと試飲もして飲み比べ、
自分たちの好みに合うものを手に入れるのって、いいですね〜。
手元に集めたポートワインも、そして、その旅の経験も
プロフェッサーとの出会いも、すべて宝物ですよね^^。
何かを学ぶ、極めるって面白そうだなと再認識しました。
by Inatimy (2016-04-22 21:04) 

ふーみん

凄い!!  ワイン通ですね。
by ふーみん (2016-04-22 22:07) 

mimimomo

小さい町のメーカーで、昔からの製法・・・何だかそういうのにはわたくしも魅かれますよ^^
by mimimomo (2016-04-23 15:48)