SSブログ

新年度が始まって [仕事風景]

bx.jpg

今日の写真はニコンのD50に18-200のレンズをつけて。レンズはいつもと同じだが、カメラはいつもはD40x。クリーニングに出したので(中の埃がどうにもこうにも取れなくて・・・クリーニング代は29ユーロ。かかった日数は3日間。それなら気軽に出せるわね)、うちのドイツ人のD50を借りて撮影。同じニコンの一眼レフでも、トーンがいつもと違うわねえ。大きさもレンズとのバランスがいいし、D50に乗り換えようかしら。でも、めぎの小さい手にはちょっと重くてね・・・
b12.jpg


さて、今日は写真と話が全然合わないけれど、D50で撮った写真を載せてしまいたいし、新年度に色々感じたことを書きたくて。だからお話は仕事のことだけど、写真はバルコニーで撮ったものばかり。
b2.jpg


以前に書いたように、夏休み前、めぎの大好きだった校長が退職した。終業式の日には涙のお別れをし、哀しくて淋しくて半ば放心状態で夏休みに入った。そのくらいめぎはその校長を尊敬していたということである・・・そして、6週間の休暇を経て、気持ちを切り替え、新たな思いで新年度に入った。
b5.jpg


さて、新しい校長は、どんな人かしら。その人とまたいい関係を築けるかしら。頑張らなくちゃ。
b3.jpg


そんな思いを抱いて新たな上司を迎える。そういう気持ちは、ドイツも日本も同じこと。
b4.jpg


ところが・・・
b6.jpg



校長不在のまま新年度が始まった。



ドイツには色々と想像を絶することがあって(初任給が数ヶ月遅れで支払われたとかね)、もう大概のことじゃ驚かなくなっためぎだけど、これには久々に驚いた。
b7.jpg


いや、めぎは実は夏休み前に同僚たちから「どうやら決まっていないみたい」「たぶん半年くらいは決まらないらしい」「他の学校ではもう2年も決まっていないんだって」などと聞いてはいたのだけど、まさか、まさか、まさかねえ。
b8.jpg


ドイツでは、校長職はお上が勝手に任命するものではなく、公募。ドイツの学校では、校長に限らずどの教師も公募に応募して、面接を受けて採用された人たち。いえ、私立じゃなくて公立の学校のおハナシ。
b9.jpg


つまり、ドイツの公立学校の教師は、2年間もの教育実習期間を経て免許を取り、公募に応募し、採用された学校のある地域の職員になってその地方自治体から給料をもらうのだが、採用したのはあくまでその学校だというわけ。どの教師もその学校の教師になりたいと願って公募に応募して、その学校に本当に有用か、本当に適任かを審査されて採用が決まる。校長とて、その手続きは同様なのだ。
b10.jpg


だからどの人も、教師も校長も、自ら転勤しない限り定年までその学校に勤め続ける。新任だったらつまり40年くらい。校長でも10年以上。まさに、骨を埋める覚悟という感じ。ずーっとずーっと同じことを毎年繰り返すという退屈な職業であるのと引き替えに、転勤がないから落ち着いて長年かけていろんなプロジェクトに取り組める。
b15.jpg


閑話休題だけど、そういう姿勢はサッカーのナショナルチームの監督にも言えること。めぎ愛しのヨギは2006年から監督だが、契約は2014年のワールドカップまで。彼はドイツ・ナショナルチームの歴代10人目の監督だが、なんと1928年以来10人目ということ。30年近く務めた監督もいて、最短が2年。つまり、よほどのことがない限り、監督は10年前後務めるのが普通なのだ。それだけ長丁場で色々試して自分のチームが作れるというわけ。ついでに言えば、戦後ドイツの首相も全部で8人しかおらず、8人目のメルケルさんは2005年から首相を務め続けている。多々問題があるのはいずこの国も同じ。非難囂々でも、そう簡単にやめないし、やめさせないで勤め上げさせる国なのだ。実績は長い期間で判断するということなのだろう。

さてさて、そんなわけで、10年以上勤め、相当な凄腕だった前校長の後釜にふさわしい人がなかなか見つからないという噂。
b11.jpg


で、校長不在のままどうしているかというと、学校にはもともと副校長がいて、その人が校長代理として全てを取り仕切っている。
b14.jpg


とは言え、本来ものすごい量の業務を校長と副校長と二人で分けて担っていたものを今一手に引き受けているのだから、とっても大変そう。職員会議で、話がある人は前もって秘書にアポを取るように、と釘を刺されてしまった。
b13.jpg


いや、前の校長とだってたいてい前もってメールでアポを取っていたのだけど、以前は夕方や6時以降のアポも取れたのに対し、これからは2時くらいまでしか受け付けてくれないみたい。
b16.jpg


それがたぶんドイツでは普通で、前の校長が特別な人だったということなんだろうな。そういう人に出会えて幸せだったなあ・・・さて、どのくらいで校長が決まるかしらね。一年以内に決まるのかしら。数年後の副校長の定年までには決まって欲しいものだわね。
b1.jpg


明日からまたエストニア旅行記を再開する予定。
nice!(41)  コメント(17) 

nice! 41

コメント 17

Baldhead1010

おはようさん^^
昔からニコンのカメラは重かったです^^;
by Baldhead1010 (2011-09-09 04:50) 

krause

だんだん秋めいてきましたね。こちら北総も、朝晩は過ごしやすくなりました。
by krause (2011-09-09 05:14) 

Inatimy

長年同じ職場で、となると、やっぱり審査も大変なんでしょうね。
どんな校長さんがくるのかしら。 副校長さんが倒れたりする前に決まるといいなぁ。
黄色のお花と、紫陽花の写真が好みです♪
by Inatimy (2011-09-09 05:34) 

hatsu

人材不足は、どこでも深刻ですね。
校長さん、早く決まりますように^^
最後の1枚、とってもステキ♡
by hatsu (2011-09-09 06:00) 

manamana

日本だとすぐに転勤で先生はどこか違う学校へ行ってしまいます。
その反面、校長不在はあり得ないですね。
目から鱗が落ちるかのようにびっくりです。
by manamana (2011-09-09 07:00) 

ナツパパ

記事を拝見していて、ドイツらしいなあ、と思いました。
まず資格を取り、その資格が尊重されて、それぞれの組織に就職。
マイスターが職場を遍歴するような、大学入学資格があれば大学を選べるような
それと同じような印象を持ちました。
ひょっとしたら、それはわたしも思い込みで、間違っているのかも知れませんが。
by ナツパパ (2011-09-09 08:33) 

テリー

ドイツと日本、色々な違いがあり、面白いですね。教師、校長職が、公募とは、すごいですね。首相も多少不満があっても、我慢してつづけさせるというのも、いいですね。日本は、マスコミの影響が大きいのですが、自民党時代、民主党になっても、1年前後で、首相交代ですね。
内閣支持率を毎週だして、大騒ぎするのも、どうかと思いますね。そして、よくわからないコメンテーターにコメントをさせるのは、愚の骨頂です。
by テリー (2011-09-09 10:18) 

ララアント

日本ですと私立の学校なら 会社に入社したと同じで
就職した学校で骨を埋めるってことも考えられますが。。。
たとえ公立と言っても 何年か毎に転勤っておかしいですよね!
どういうわけだか 息子の通っていた国立は その学校内の
移動はあったようですが そういえば違う学校へ転勤はなかったかも。
(どういう仕組みになっているのかしら!?)
空はすっかり秋の装いですね。。
by ララアント (2011-09-09 10:55) 

マリエ

校長先生が決まらないって、なんとなく落ち着かないスタートになってしまいましたね。でもなんとなくドイツらしい感じもします。じっくり、と考えながら変わって行くのでしょうかね(*^_^*)
by マリエ (2011-09-09 11:34) 

luces

校長を決めるシステムも、決まらないで二学期になってしまうのにも
驚きです。
副校長には秘書がいるんですね。
by luces (2011-09-09 12:01) 

たいちさん

トップの座が短期間で変わる日本と、大きな違いですね。物事の考え方が違いますね。
by たいちさん (2011-09-09 14:28) 

ちばおハム

校長不在でスタートですか。びっくりですけど、説明を聞いてみるとそういうお国柄なんですね。
首相が変わらないのはいいなあ。
責任を務めて果たすのも必要ですよね。
by ちばおハム (2011-09-09 15:00) 

ネム

秋色になってきたバルコニー、素敵です。

日本でも公立の校長の任期を延ばし、権限を増やして独自の校風を…
という流れが少し前から無いわけではありませんが、
校長不在は考えられないでしょうね(^^;
by ネム (2011-09-09 15:27) 

YAP

赴任した学校でずっと働き続けるっていうことに驚きました。
だって、エンジニアの世界では、欧米人は転職にヘジテーションがなく、それによってキャリアアップを果たしていくというのが一般的なので。
by YAP (2011-09-09 18:45) 

mimimomo

そう言う長丁場になるかも知れないと言うことは、
やはり慎重に選ばないといけない事なのよね~ 日本の首相は、覚えられないほど
変わるわね~~~
by mimimomo (2011-09-09 19:51) 

HIROMI

教員採用のシステムの違いには驚かされるばかりです。
こちらでは同じ学校に10年以上は勤務させない雰囲気があります。
by HIROMI (2011-09-10 15:38) 

もんとれ

クリーニングで29ユーロかぁ。F3もパーツだけはあるので、いつも同じ職人さんに格安でお願いしているのだけど、相当なご高齢で目が厳しくなってきました。でもメーカー調整だと「正しい」のは間違いないのだけど、口では云い表せない感触の遊び加減が違うのヨネ・・。
何事もつまらん面子体面を気にせず、本筋を見失わない大人たちの背中を見せたいもんです。某イ○リア並に椅子に根を生やされるのも弊害だけどさ。
by もんとれ (2011-09-12 23:34)