ヒストリア [ルーマニア・ドブロジャ地方・観光編]
この地図は、ルーマニアの黒海沿岸、ドブロジャ地方。
ドナウ河が大きく二つの分かれるところが、左上のトゥルチャ。めぎが船のホテルに泊まったところだ。そこから分かれた川のうち、下の川が聖ゲオルゲ河。その上は、中央横に走っているスリナ河を含め広大なドナウ・デルタ地帯。何度も同じことを書くけど、東京都の2倍もの広さがあるのだが、そこは湿原だから町が建設されず、自然がそのまま残ってきた。先日までめぎがドライブしていたのは、下の川のくるっとカーブしている辺りまで。2つの河の最終地点は右側の黒海。
その後南下し、大きな潟の下の方に位置するヒストリアというところへ。
そこには、こんな観光地化したスポットが。
ヒストリアは紀元前7世紀から紀元後7世紀までギリシアそしてローマの支配下で栄えた町なのだとか。その遺跡がこちら。
ここはテルメの跡。
このドアの奥にはどんな人が住んでいたのかしら。
かつては栄えた町も、今は野草でいっぱい。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・たけき者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ・・・
この平家物語の冒頭は、めぎがうちのドイツ人と共有できないものの一つ。彼は彼で、ラテン語の一節などはめぎとは共有できない。お互いその内容を説明はできるのだけど、この言葉の美しさやその言葉から沸き上がる感情まではけっして共有できない。自分の中の似たようなものに結びつけて想像するだけだ。
共有できるのは、こういうものを見つけた喜びと・・・
花の美しさや儚さなど。
そんなことを思いながら古の人々に思いを馳せていたら、古代人が蘇ってきた!?
・・・なんてことはもちろんないが、彼らはどこから何を運んできたのかしら・・・
行ってみましょ。続きは明日。
♪ おまけ ♪
ここにいたコウノトリさんたち。
2009-06-21 02:00
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コメント(22)
"平家物語の冒頭は.."
『指輪(Der Ring des Nibelungen)』のワルハラ城の神々の行く末はそんな感じではないんでしょうか。受け止め方の感性が違うのかな..
全く違うことなんでしょうかね。
by さとふみ (2009-06-21 06:09)
ニーベルンクの指輪の中世ドイツ語やオペラのテキストならめぎも分かるし、その背景となっている文化や神話なども勉強して知っているので、その言葉の響きによる感動と切なさはある程度共有できます。めぎが言いたかったのは、この寂れた雰囲気のことではなくて、日本語の平家物語の響き、この冒頭の部分を誰もが学校で習って知っているという背景、そこからその時代の歴史のあれこれまで思い浮かぶという共通知識・・・そういったものを全てひっくるめて、全く異なる文化背景を持っている人とは感じ方が異なる、ということです。ちょっと説明不足でしたね。
by めぎ (2009-06-21 06:41)
ヒストリアという地名は、ヒストリーと関係あるのかな。
この廃墟を見ていると、いろいろ思いに耽ってしまいますね。
by manamana (2009-06-21 06:51)
昨日頑張りすぎて、今朝は筋肉痛・・・。
by Baldhead1010 (2009-06-21 07:32)
そう言えば俳句も短歌も、言葉のリズムとかあの短い言葉からわき出てくる風景を
共感してもらうことは、なかなか難しいかもしれませんね。
理解はしていただけるでしょうけれど。
めぎさんの仰るように、逆もまた然り、異国の文学は理解できても...
by ナツパパ (2009-06-21 08:44)
ああ!亀さん。可愛い!小さいですね。赤ちゃんですね。リクガメさんなのかしら。
by HIROMI (2009-06-21 09:35)
確かにこの遺跡は、確かに平家物語の一節を思い起こしますよねぇ。めぎさんレベルだとドイツ語の言葉の美しさとかわかるのでしょうねぇ。 やはり歴史や周辺知識が広くないとイメージもわかないですものね。。
by ぽりぽり (2009-06-21 09:55)
遺跡めぐり、好きなんです♪
こういう場所を歩くの大好きです^^
by MOCOMOCO (2009-06-21 10:26)
大切な遺跡なんでしょうけど、あまり保護されていないようですね。^_^;
最後のコウノトリは、気合を入れて飛び立っているように見えました。(笑)
by あかえび (2009-06-21 10:28)
おはようございます^^
ヨーロッパの歴史はローマ無しには語れませんね~
場所も分かりました。
日本からツアーで行ってもここまでこないですものね~
行ったつもりで見せていただいています^^
子供の頃から培ってきた言葉という文化。異国の言葉文化を完全に自分のものにするには、10代後半までに移住しないと難しいかしら。
勿論そうすると生まれた国の文化が中途半端に終わるかも・・・
by mimimomo (2009-06-21 10:45)
紀元前からの遺跡があり、観光地化しているとの事ですが、だいぶ荒廃が激しいですね。保存・整備する国力がないのかもね。
by たいちさん (2009-06-21 10:56)
そっか、そうですよねぇ
そういうのはなかなか共有できないですよね(^^;
遺跡のあと、なんだかいいですねぇ~
見つけたのは亀さん!?かわいいですね(^^)
by いとお (2009-06-21 11:11)
ヒストリアの遺跡は広そうですね。
遠い昔に長い間繁栄した街の跡、興味深いです。
コウノトリさん 飛ぶ瞬間の画像は迫力ありますね。
by やよい (2009-06-21 15:41)
大きな地図があると、私たちにも地理的感覚がわかります。
小さい亀がかわいらしいですね。
by YAP (2009-06-21 16:31)
カメがいるんですね。陸ガメみたいで、かわいいです。地図のマークからすると、このあたり、沢山古城があるようですね。
by hideyuki2007y (2009-06-21 17:15)
ここの遺跡も土台のみで何も残ってないんですね。
廃墟でかつてはどんな生活が行われていたのかを想像するのって楽しいですよね。
by miffy (2009-06-21 19:25)
歴史を感じますね。
カメさんが気になりました。(笑)
by のび太 (2009-06-21 21:29)
ご無沙汰してしまいました!
すごいですね。さすがに写真が素敵で圧巻です。またよろしく。
by ネコタマメイ (2009-06-21 21:33)
ああ~そうですね、学校で習いましたよね、日本人ならわかる感性、確かにそういうのありますよね。
こういう場所大好きです。歴史ってどこもロマン漂う、神秘的で不思議な世界ですよね。行ったことのない、とくに外国の遺跡は心からひかれます。そして!カメさんかわいい(*^-^) コウノトリも迫力満点ですね。
by マリエ (2009-06-21 21:50)
>みなさま
ヒストリアの話にコメントとniceをありがとうございました。
ルーマニアの端っこ、黒海沿岸に古代ギリシア・ローマの遺跡があるなんて、古代ギリシャとローマ帝国の大きさが偲ばれますね。でも、7世紀には滅びてしまい、その後すっかり風化してしまったようです。ここには小さな博物館が建てられていて、遺跡を見るのにわずかながらお金をとってました。
古代の遺跡を見ると、その石造りの文化の素晴らしさとともに、かつて栄えに栄えた時代が過ぎ去っていったことへの物悲しさや儚さを感じます。古代ローマの遺跡にはどこでも必ずと言っていいほどテルメの跡があり、お風呂好きの日本人としてのめぎの血が騒ぎます。ドイツ人たちは古代ローマ文化を自分たちの歴史として大事にしてますが、お風呂文化に関しては全く部外者の日本人の方が古代ローマ人に近いんじゃないかしら・・・なんて思ったり。
めぎもうちのドイツ人も、お互いに相手の文化を尊重し、興味を持って日々学んでもいるんですが、それを通して相手の文化と自分の文化との決定的な差についても日々痛感しています。やっぱり学校で習ったものというのは、一言言っただけで、あああれあれ、と誰もが心の中に浮かんでくるものがありますよね。平家物語の冒頭を暗唱させられた思い出とか、源氏と平家の戦いにまつわる様々なエピソードとか、琵琶法師とか耳無し芳一とか。そういうものを、いちいち説明しないと分からないというのは、いつも新しいことを知ったり教えたりすることができるという楽しさはあるものの、常に相手とは全く違う文化なんだと思い知る現実でもあるのです。
反対に、今年の2月にマヨルカ島で地中海の荒波を見て、めぎはようやくオデュッセウスの放浪の旅の意味が理解できました。子どもの頃から「オデュッセイア」に親しんできたうちのドイツ人は、地中海と聞けばすぐにオデュッセウスが荒波に苦労した場面が浮かんできますが、めぎにとっては地中海という言葉からはロマンチックなハネムーンのパンフレットのエーゲ海クルーズくらいしか思い浮かばなかったのです。育ってきた文化の違いというのはこんな隔たりを生み出すのですね。
ところで、小さい亀さん、可愛いですよね~ちっちゃな亀さんがもじもじしながらめぎを覗いているのがとっても可愛かったです。なんだか亀を飼いたくなったくらいです。
by めぎ (2009-06-22 04:17)
今では、同じ日本人でも共有できない人は多々。
自分の中の似たようなものに結びつけて想像することができるなんて、素敵ですよ。それも国境を乗り越えていらっしゃるのですもの。
(*^_^*)
by くりっぴ (2009-06-24 13:20)
>くりさん
たしかに同じ言葉を話しているからなんでも分かちあえる、ということではないですね。でもやっぱりたまに、例えば松田聖子の時代と言えばあうんで分かるような、そんな共通性が欲しくなることがありますよ。
by めぎ (2009-06-25 06:42)