義母の家の中 [ザクセン&ザクセン・アンハルト]
現在8月初旬のザクセンでの話を連載中。ここはめぎたちが泊まった義母の家。
ちょっと家の中をご案内。玄関を入るとこんな階段が。
2階は人に貸しているそうで、今回は足を踏み入れず。この階段のある玄関ホールから、1階のリビング・ダイニング・キッチン・書斎・さらにバスルームにそれぞれ直接入れるようになっている。つまり、それだけたくさんドアがあるということ。もちろん中でも全部つながっている。
そんな1階が全て彼女の世界。ここはリビング。
暖炉の上にはカールの父親が乗っていたタイプの車の模型。
30年代?40年代?にこんなのに乗っていたとは、お金持ちだったのねえ。
書斎は向こう。
書斎へのドアのそばに置かれているこの人形は、150年前に作られたものなんですって。
先日もお見せした書斎。義母はまずここを片付けるつもりだとか・・・既に家具のいくつかはもらい手を見つけたらしい。在りし日のそのままに、という意識はないようで、新しく自分がここを使えるようにどんどん整理していくという。前向きだなあ。でも、その話を聞いたときって、まだ亡くなって数日後の埋葬前だったんだけど、切り替え早いなあ・・・
リビングに戻り、この窓の左の飾り棚にはマイセン磁器が。その写真は無し。右の壁には・・・
義母の祖父母や両親や親戚たちが。つまり、うちのドイツ人の母方のご先祖様たち。灯りが蝋燭なのにもご注目。
リビングの隣にはダイニング。テーブルの上のカゴの中にはお悔やみのカード。届いたカードは最終的にこの3倍くらいになった。
ダイニングの天井近くには義母に伝わる貴族の紋章が。うちのドイツ人は義父の名を継いだので、貴族の名は義母で途絶えることとなる。
ダイニングには義母の父親(右)とカールの父親(左)が並んで写っている写真があった。つまりカールと義母は親の世代が友人同士だった幼馴染み。東西分裂がなかったら、二人は平穏で幸せな一生を送ったのかも知れない。
それからキッチン。6年前にはここにカールが立って、グーラシュを作ってくれたんだった・・・(グーラシュって本来はドイツの食事じゃないんじゃない?とめぎが思ったことはさておき、カールにとってはそれはこてこてのドイツの食事だった。いかにもナショナリストらしいでしょ。彼にとってはチェコもオーストリアもハンガリーも全部ドイツのはずなんだから。)
キッチンからテラスが見える。
3年前の夏にはここでカールと共にバーベキューをしたんだよなあ・・・
テーブルの向こうの窓辺には余ったパンなどをいつも出してあり、常に鳥がやってきていた。いろんな野鳥が来るそうで、義母とカールは毎日バードウオッチングを楽しんでいたとか。
それから地下の一部屋の一角をご紹介。ここにめぎたちは泊めてもらったのだけど・・・
天井に蜘蛛の巣がいっぱいなの!天井をこんな蜘蛛さんが覆い尽くしているって感じかしら。
この部屋は実は義母とカールの寝室。ええ、客用の寝室で締め切っていたというわけじゃなくて、毎日使っていた部屋ってこと・・・実はリビングもダイニングも天井は蜘蛛の巣だらけで、うちのドイツ人が到着してすぐにしたことは蜘蛛の巣払いだったの。義母がここ1~2年、うちの掃除もままならないほど介護に明け暮れたと言うことがこんな状況からよく分かる。
カールとの楽しい思い出がいっぱいのこの家に住み続けることが、義母が言うには、カールの望んだことであり、カールへの供養になるのだそうだ。だって、家の中にはカールがいつでもいるのだから。
♪ おまけ ♪
昨日のクイズ、20年間の墓地使用料は500ユーロ(1ユーロ=約112円)。デュッセルドルフだともっと高くて、同じような墓の場合20年で900ユーロくらいするようである。さらに、葬儀のあとのお別れ会は、30人くらいの席を予約して飲み物とおつまみ(生ハムやスモークサーモンやチーズなどのカナッペ)で300ユーロくらいだった。日本のお葬式にかかる飲食代を思うと、信じられない安さでしょ。ネットで色々調べてみたが、ドイツで最も安く葬儀をした場合、1500ユーロくらいでできるようである。とは言え、普通は総額8000ユーロくらい(約90万円)と考えるらしい。ポイントは都市か田舎か、墓石をどの程度にするかのようである。
2011-08-08 02:00
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コメント(17)
この1~2年の間に、気持ちの方は徐々に整理されていってた部分もあるのかもしれないなあ、と思いました。
たくさん物があるお家だけど、ひとつひとつにあるべき理由があるような…。でも、地震大国に住む身としては、ちょっとこわいかも(^^;
お葬式、日本の場合はひょっとしたら都市部に近い田舎が一番お金をかけているかもしれませんね。
by ネム (2011-08-08 03:20)
今は大丈夫と思えますが、歳が行くと階段が上がれなくなりそうです。
老人には平屋のお家がいいです。
by Baldhead1010 (2011-08-08 05:19)
広いお家♪ キッチン、リビング、ダイニングが分かれてるの、いいなぁ。
ずっと介護中心の日々だったから、住んでいた地から離れて
しばらくの間めぎさんたちと一緒に過ごすのがすごく特別なことで、
嬉しかったんでしょうね。
皆に話してたっていうの、分かる気がするな。
by Inatimy (2011-08-08 06:12)
こうして亡き人を偲ぶのが、何よりの供養ですね。
家具や人形や本や、ひとつひとつに思いが込められているのでしょうね。
by manamana (2011-08-08 06:13)
全てがアンティークでオシャレに見えますね。
素敵ですo(^∇^o)(o^∇^)o
by たもちゃん (2011-08-08 06:18)
こちらが北緯33度で、オリオン座が真東よりやや南に見えますので、緯度の差だけ南に見えるでしょう。
ドイツではだいたい南東方向かな?
by Baldhead1010 (2011-08-08 06:47)
かなり恵まれた環境でおられた方だったんですね。
お墓の使用料は、意外で驚きました。
by YAP (2011-08-08 07:56)
とっても素敵な落ち着いたお家ですね。しっとりと落ち着いた雰囲気が好きです。葬式代は考え方によって違うというところですかねぇ~
by マリエ (2011-08-08 10:05)
90万円なら安いですね。日本の方が、墓を作るだけで、もっとかかるでしょうね。父の墓を2年前に、少し、改修しましたが、それだけで、140万円かかりました。
by テリー (2011-08-08 11:35)
天井の蜘蛛には無頓着というのは、天真爛漫でほっとしますね。
by たいちさん (2011-08-08 12:23)
お墓の使用料は500ユーロですか。
ユーロの相場がどれほどのものなのか、わからないのですが日本と比べると安いんですね。
おうちにはアンティークのものがいっぱいでとても素敵です。
自然がいっぱいだから蜘蛛の巣もはっちゃうんでしょうね。
by ちばおハム (2011-08-08 13:45)
蜘蛛さんと同居してもわたしは全然かまわない性格なんですが、歩いていると顔に蜘蛛の巣や蜘蛛の糸がぶわっとかかってくるのはいやだなーと思います。(わたし、背が高いからなのかよくあるんです)
by HIROMI (2011-08-08 14:08)
ヨーロッパの国全部かどうか知らないけれど、こうして家族の写真などを
飾ってありますね~ 日本では昔のうちは仏間にご先祖様の写真が
額縁に収まってありましたが・・・今の我家にもありますけれど。
お葬式はかなりピンキリみたいですが、ここ《我家でやった時》高かったです。
by mimimomo (2011-08-08 14:17)
ドイツの家具、重厚な作りですね。 リアルなお人形は、ちょっと怖い感じ。日本は、お墓もバカ高ですね。
by ぽりぽり (2011-08-08 22:33)
家に歴史を感じます。
by laf (2011-08-08 23:01)
そうか、グーラシュの作り方、味付け云々をコメント欄で交わしたのはもうそんな前のことになりますか。
by もんとれ (2011-08-09 01:45)
落ち着いた雰囲気が良いですね。このような家に住んでいたら、勉学や読書に集中できそうです。
by krause (2011-08-10 08:26)