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2016-17年年末年始 ボルネオ ブログトップ
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ボルネオ旅行記~プロローグ~ [2016-17年年末年始 ボルネオ]

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年末年始のボルネオ旅行記を始める前に、プロローグらしきものを書いておこうと思う。

今回の旅行は2016年12月23日の夜にデュッセルドルフを旅立ち、2回の乗り継ぎと時差の関係でボルネオ到着は25日未明、帰りは2017年1月8日の早朝に現地を飛び立ち当日夜に帰宅するという予定で(それが1月12日の朝戻るというハプニングになった訳だが、それはさておき)、ホテル泊は15泊という長丁場(さらに3泊増えて18泊もしたのだから、ホント長い旅)。

その中で予め決めていったことは、その間宿泊するホテルと、前半に2泊3日でジャングルに行ってみること(移動の飛行機の予約とその間の宿泊予約)と、3~4日間ダイビング講習を受けることの3つだけ。あとは完全フリーというか、とにかくゆっくりしよう、その場でしたいことをしよう、と話していた。

これが最初の3泊と後半の10泊を過ごしたステラハーバーパシフィック。3年前にボルネオに行ったときに前半に泊まったホテルだ。あのときは後半に同じステラハーバーのマジェランというホテル方に泊まったのだが、いかにも南国リゾートという感じのマジェランより、めぎたちはこの見かけが全然リゾートっぽくないパシフィックの方が気に入ったのだった。それは、中で働いている人たちがとても明るく親切で気持ちが篭もっていて温かかったから。そして、部屋とクラブラウンジからの眺めが抜群によいから。
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そういえば、木に寄生着生している生き生きとしたランを初めて見て感動したのもこのホテルだった。

2泊3日でジャングルの方に行って泊まったのはこちらのコテージ。サンダカン近くのセピロックネイチャーリゾートというところ。
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ジャングルと言っても海から車で一時間程度で町にも近く、広いボルネオ全体から見たらジャングルの入口に過ぎないのだが、還暦&中年夫婦の疲れためぎたちにとってはそこそこの冒険。近くのジャングルの中を歩いたりリバークルーズをするツアーがあるようだったが、めぎたちはこのすぐ近くのオランウータン保護センターを見に行っただけで、あとは部屋から見える植物や動物や鳥や蝶を眺めながら、そして何の鳴き声か分からない虫の音や鳥の囀りを聞きながら、ひたすらゆっくりして過ごした。なにしろこんなのが見えるので、特にどこかへ行こうという気も起こらなかったのだ。暑い中歩く元気がまだ無かったとも言えるが。
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どこにいても欠かさず日課としていたこと・・・それは、朝5時45分に起きて、6時頃の夜明けを眺めること。これはステラハーバーからの眺め。
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これはネイチャーリゾートからの眺め。
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休暇に行って、観光の予定もないのに毎日そんなに早起きしてどうするの?という感じだが、刻々と変化する熱帯地方の空を見るのが楽しくて。もともとめぎたちは時差があったので、早起きし始めたら身体がそう慣れてしまい、苦でもなかった。その代わり夜は早く眠くなり、遅くとも9~10時には就寝し、8時頃に就寝してしまった日も多かった。

全部で13泊もしたステラハーバーで毎日何度もお世話になったクラブラウンジ。そして、この2人がうちのドイツ人のお気に入り。
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↑右奥の女性は大学生で、ビジネスマネジメントを専攻し、このホテルで実習生をしているという。あら、ビジネスマネジメントって、そういえばどこかの息子も専攻したいとかなんとか豪語してたよね~この女の子はこんなに若いのにもう大学生で、しかもこうして朝早くから実習までこなしてて、ああこの差はいったい・・・という話になったりもしたのだが、うちのドイツ人はここで若い女性に囲まれて過ごしているうちにそのあれこれを吹っ切ることが出来たようだ。左側の女性はここに就職したけどまだ実習生という身で、とにかく明るく一生懸命。めぎたちの好みをすっかり把握し(卵の焼き方とかどのタイミングでコーヒーをもう一杯とかめぎは最後にお茶を飲むとか)、至れり尽くせり。めぎたちは毎朝6時半のラウンジ開始と共にラウンジ入りし、2時間近くゆっくり座って朝食と新聞と景色を楽しんでいたのに対し、多くの宿泊客は8時過ぎに現れるし、ラウンジよりレストランの方がバイキングの選択肢が多いのでそちらへ行く人も多く、めぎたちは彼女をほとんど二人占めし、彼女も暇な時間をめぎたちと過ごすことが出来て楽しかったようで、あれこれちょっとお喋りも。チャーミングで興味津々で若々しくて可愛くて、彼女への興味からボルネオのことをほんのちょっぴり前よりも深く知るきっかけになった。

3年前はプール三昧&シュノーケル三昧をして過ごし、たまにコタキナバルの街中へ出かけてローカルフードを楽しんだ程度の旅だったのだが、その中で最も印象に残ったことの一つがクラブラウンジの人たちとのふれ合いだった。同じステラハーバーのマジェランよりこちらの方がいいと感じた理由も、ラウンジの人たちとの思い出が温かかったから。それなのに、思えばめぎたちはその人たちのことを何も知らないわよね・・・どんなところに住んでいて、どんな生活をしているのか、何も知らない。今度行ったときは、もう少し現地の人たちと交流してみたいね・・・などと話していたのだが、交流と言ってもやっぱりただの観光客のめぎたちには限度があるので、このラウンジの人たちがとっかかりになったという訳である。

そういう姿勢で臨んだ旅だったので、出かけた先のローカルフード店などでも以前よりも現地の人たちにアンテナを張って接した。これは有名な中華系のシーフードレストランで、今回は2回食べに行ったのだが、お給仕を世話してくれる数人のマレー系の人たちとは、この食事中のほんのわずかなひとときなのだけど、心がちょっと触れ合った気がする。ビールを注いでくれている男の子は片言の英語でドイツのサッカー選手のことをあれこれ聞いてきたし、向こうからこちらを見ている女性は英語が全く出来なかったが、その眼差しでうちのドイツ人の心をわしづかみにし、たくさん撮影させてもらった。
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町に出ると、現地の若者たちがたぶんものすごく安い賃金で、でも一生懸命、でも生き生きと働いているのが嫌でも目に入る。それに引き替え自分の息子はあんなに無気力で、何もしたがらず、何も出来ず・・・とうちのドイツ人は時折心が痛んだようだった。現地マレー人たちとの交流にのめり込んでいったのは、そういう心の中の苦しみを忘れるためだったのかも知れない。

もう一つ、旅の前からあそこ見に行ってみたいね、と話していたところ・・・それは、ホテルの窓から見えた水上集落。観光ツアーで見せてくれる綺麗なところではなく、不法滞在の移民も多いとの曰く付きの場所。危険を避けるために案内人を手配して、実現したのは滞在最終日なのだが、心に焼き付く光景だった。
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そして、何と言っても海!
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海の中でのダイビング講習は、泣きそうなほど辛かった。でも、やり遂げた~!

めぎを指導してくれたのは、現地のマレー人。うちのドイツ人のシュノーケルのガイドをしてくれたのも、現地のマレー人。彼らと過ごしたのは全部で4日間。それは本当に濃い交流で、海の中の美しい光景と並んで、めぎたちの心にとてもとても印象深く残った。
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美しい花や珍しい鳥や綺麗な珊瑚礁やダイナミックな空など、被写体はいっぱいで、ボルネオは何度行ってもますます魅力を増すばかり。でもやっぱり、最も心に残るのは、人との交流なのかも知れない。

さてさて、いったい何の話から書こうかしら・・・


撮影: D600 + 70-300mm(F4.5-5.6)、Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)、Coolpix AW130
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セントラルマーケットの2階 [2016-17年年末年始 ボルネオ]

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ぼちぼちとこの冬のボルネオの話を書き始めようと思って写真を見ながら何の話から始めようかとあれこれ考えるのだが、どうもなかなかまとまらない。観光をした訳でもなく、写真を撮りに行った訳でもないのに、でも撮った写真は膨大で、そこに写っているものの全てから強烈な記憶が蘇るのだ。それをどう書いてよいものやら。

それで手始めに、一回限りの場所で、したがって続きがないのでまとめるのが比較的簡単で、でも非常に印象深い場所について書いてみることにする。それでもあれこれ思い出してなかなか筆が進まないので、ちょっとずつ。

その前にまずボルネオという場所についてだが、ボルネオは国ではない。島の名前である(別名カリマンタン)。世界で3番目に大きな島なのだそうだ(1番目はグリーンランド、2番目はニューギニア)。ボルネオ島は3カ国が領有していて、最も大きいのはインドネシア領、次がマレーシア領、そしてブルネイである。めぎが行ったのはマレーシア領のサバ州で、2週間コタキナバルに滞在した。下の地図は今日ご紹介する場所だが、マイナスをクリックし続けていただくと、まずコタキナバルが見えてきて、それからサバ州とブルネイが分かり(ブルネイはとても小さい)、さらにクリックし続けるとボルネオの3カ国の領土の大きさがご覧いただける。




滞在中、ほとんどV3と18.5mm(換算50mm)単焦点で撮影。一応D600と35mm単焦点やマクロレンズ、望遠ズームなどを持っていったのだが、2週間の滞在のうち持ち出したのはほんの2~3回で、いつもホテルに置きっぱなし。今までの南国リゾート休暇の経験から、暑くてフルサイズカメラを持ち歩く元気が出ないことは分かってはいたのだが、でもやっぱり一応持っていき、やっぱりほとんど使わなかったという訳だ。旅に出て、フルサイズカメラもあるのに1インチカメラに単焦点レンズ一本だけで撮影するなんて、ある意味勿体ないことよね・・・ヨーロッパでは常にフルサイズをぶら下げて歩いているのに、東南アジアは暑くて体力温存優先。お金はうちのドイツ人が担当し、めぎはお金も携帯もバッグも何も持たず、ただV3だけをぶら下げて出来るだけ軽く済ませたという感じ。それで十分撮れるという安心感と自信があったとも言える。たしかにV3は十分良い写りをして安心感に応えてくれたが、自信の方はただの自信過剰で、今回写りが暗すぎる失敗写真が多かった。どこかで眩しくて露出をぐぐっとマイナスにしたのを、その後気が抜けていて戻さなかったのだ。RAWでも撮っていたので、ある程度復元できたのだが。

さて、今日の場所だが、サバ州の州都コタキナバルのセントラルマーケット。そこは1階が市場で、野菜や果物がたくさん並んでいたが、写真を撮っていない。めぎたちが目指したのは2階のこんな空間。
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ここはいわゆるフードコート。非常に大きな空間で、屋根はあるが窓はない。向こうは海。
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その反対側はこんな歩道橋が延びているところ。
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ここになぜ来たのか・・・それは、3年前に市場に果物を買いにきてたまたまここに迷い込み、非常に印象に残ったから。めぎたちは今回ここへ、ホテルを出て一番最初に訪ねたのだった。今回滞在初日は夜中の到着、次の日はスーツケースが届かなかったので着替えが無く、うちのドイツ人などドイツから穿いていったコーデュロイのズボンしか無く、クーラーの効いたホテルでのんびり、そして2日目の夜にスーツケースを無事受け取って、滞在3日目の朝食後に最初に訪ねたのがここなのだ。ホテルからタクシーで15リンギット(約460円)。小綺麗なリゾートホテルとは全く異なる庶民のニオイ。
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つづく

撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)
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広いフードコートで [2016-17年年末年始 ボルネオ]

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現在、年末年始のボルネオの話を連載中。

ここはコタキナバルという町のセントラルマーケットの2階。ホテルで朝食を食べてきてまだおなか空いていないけど、何か飲んでみようか・・・ネスカフェ、コピ、ティー、ミロ・・・どれにしよう?どれも日本円で30円くらい。
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うちのドイツ人はミロを、めぎはティーを頼んでみたのだが、こんなになみなみと。どちらも下に甘い練乳のようなものがねっとりと入っていて、かき混ぜなくても既に十分甘い。
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テーブルにはセルフサービスの水もあった。ちょっと怖くて飲まなかったけど。
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近くに座っている人を観察。この人は何か飲みながら新聞を読んでいた。
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この人たちは賑やかに話し合っていた。
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そしてこの人たちはなにやら餡まんのようなものを食べていて、うちのドイツ人がそれが売っているところをちょっと探しに行ったが見つからず、それはどこで買えるのか?と、この女性たちに尋ねたところ、売っているのではなく持ち込んだものだというようなことを身振り手振りで教えてくれた。
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そっか~残念、と諦めて甘い飲み物と格闘していたら、突然女性の一人がどこからか皿を調達してきて、どうぞ、と一つ目の前に。
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えええ~とびっくりして、おいくら?と聞くと、お金は要らないという(全て身振り手振りでコミュニケーション)。で、ありがたく頂戴し、食べてみた。中は東南アジアの味・・・ココナツかなぁ・・・?
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想像と違って冷たくて、残念ながらそれほど美味しくもなかったのだが、見ず知らずのイスラムの女性たちの大らかさと親切が心に残った。ここでこうして一日が始まって、彼らの一日ってどのように過ぎていくのかな。


撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)
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